弁護士細江のコラム

2017.11.20更新

 交通事故で怪我をした後,ある程度通院をしているうちに,相手方の保険会社から「そろそろ治療費のお支払いを終了させていただきます。」と連絡がくることがあります。

治療費の打ち切り

このことを「治療費の打ち切り」と呼ぶことがあります。

 

1 治療費の打ち切りとは
 治療費は,本来,法律的には,完治か,「症状固定」まで加害者が負担するものとされています。
 そういった意味では,治療費をどこまで負担するかは,相手方保険会社が決定するものではなく,症状の経過を見たり,医師が診断したりして決めるべきことです。

 

2 治療費の打ち切りに対しては
 しかし,保険会社も,ただ治療費の打ち切りを通告してくるわけではなく,物損の程度や治療状況に応じて,治療費の打ち切りを判断することが通常です。
 したがって,保険会社が治療費の打ち切りを通告してきた場合,治療費を継続して支払ってもらうためには,治療が必要であるという根拠を示して,交渉をする必要が出てきます。

 

3 弁護士ができること
 このような場合には,弁護士は,被害者の治療状況を診断書やカルテで確認したり,被害者の治療の必要性を医師面談で確認して,治療の必要性を根拠づける資料を探すことができます。このような資料を相手方保険会社に提示して,治療継続の必要を訴え,治療費の継続的な支払いを求めるのです。

 しかし,「治療の必要があるかどうか」は事案によっては,裁判にまで発展することのある,大きな争点です。したがって,交渉しても,相手方保険会社が必ず治療継続に応じるわけではありません。そういったときは,自費で治療をしつつ,最終的に裁判で解決するということもあります。

 このように,治療費の打ち切りや,治療継続の必要性は,医師の判断や法律的な判断が絡み合う判断の難しいポイントです。

 治療費の打ち切りを通告されて,疑問を持った場合は,相手方保険会社の言うなりになるのではなく,まず弁護士の意見を聞いてみるとよいでしょう。

 

投稿者: 弁護士 細江 智洋

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