離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.05.08更新

離婚コラム106

 

Q. 親権を取れなかったら会えないの?
離婚を考えるとき、「親権を取れなかったら子どもに会えなくなるのでは」と心配される方がいらっしゃいます。ですが、結論からいうと、親権を取れなかったとしても、子どもに会えなくなるとは限りません
離婚後、子どもと離れて暮らす親が、子どもと会ったり連絡を取ったりすることを「親子交流」といいます。これは親の希望だけでなく、子どもの健やかな成長のためにも大切なものと考えられています。この記事では、親権と親子交流の関係、会えなくなる場合、注意点をわかりやすく解説します。

 

親権と親子交流は別の問題です
親権とは、子どもの生活や教育、財産管理などについて責任を持って判断する立場のことです。一方、親子交流は、離れて暮らす親と子どもが交流を続けるための仕組みです。
そのため、親権者でない親にも、親子交流が認められることは多くあります
たとえば、離婚後に母親が親権者となり、子どもが母親と暮らす場合に、父親が月1回会う、学校行事について話す、長期休みに子どもと一緒に過ごすといった取り決めがされることがあります。
つまり、「親権を取れなかった=親子関係がなくなる」ということではありません。

 

親子交流は子どものために行われます
親子交流で最も大切なことは、親の気持ちではなく子どもの利益です。家庭裁判所では、親子交流を認めるか、どのような方法にするかは、結果として子どもにとって望ましいかを基準に判断します。
たとえば、これまで子どもが父親や母親と安定した関係を築いていた場合は、離婚後も無理のない範囲で親子交流を続けることが、子どもの安心につながります。
幼い子どもであれば短時間の親子から始め、小学生以上であれば月に数回会ったり、電話やオンライン通話を併用したりするなど、子どもの年齢や生活状況に応じた方法を取ります。

 

会えない場合や制限される場合もあります
もっとも、どのような場合でも必ず会えるわけではありません。
親子交流が子どもの心身に悪影響を与えるおそれがある場合には、回数や方法が制限されたり、認められなかったりすることがあります。
たとえば、子どもが会うことを強く拒否している場合、親から暴力や暴言を受けていた場合、親子のときに相手を責めて子どもを不安にさせる場合、連れ去りのおそれがある場合などです。
また、子どもの受験や体調不良などで生活に大きな負担がかかるときも、親子方法の見直しが必要になります。
つまり、会えるかどうかは親権の有無だけで決まるのではなく、子どもの状況や親の関わり方によって判断されるのです。

 

親子交流の取り決めは具体的に
離婚時に親子交流について詳細を決めておかないと、「会わせてもらえない」「約束した日時でもめる」といった争いが起こりやすくなります。
そのため、次のような点はできるだけ具体的に決めておくことが大切です。
• ひと月に会う回数
• 1回の時間は何時間くらいか
• どこで会うのか
• 子どもの受け渡し方法
• 電話やLINEなどの連絡方法
たとえば、「毎月第2土曜日の午後1時から午後5時まで」「受け渡しは駅前で行う」と決めておけば、後のトラブルを防ぎやすくなります。当事者同士での話し合いが難しい場合には、調停で取り決めることもできます。

 

親権や親子交流で悩んだら弁護士へ相談を
親権を取れなかったからといって、当然に子どもと会えなくなるわけではありません。とはいえ、実際には相手が親子に応じない、子どもの気持ちをどう考えればよいかわからない、条件がまとまらないといった悩みが生じやすい分野です。
親権や親子交流は感情的になりやすいため、早めに弁護士に相談し、子どもの利益を考えた現実的な解決方法を考えることが大切です。
弁護士細江智洋は、親権・監護権・親子交流に関するご相談にも丁寧に対応しています。
「親権を取れなかったら本当に子どもに会えないのか」「子どもにとって無理のない親子交流を考えたい」という方は、ぜひ法律相談をご検討ください。
親権や監護権についてさらに詳しく知りたい方は、親権・監護権が気になるあなたへ もぜひご覧ください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2026.05.03更新

離婚コラム105

 

Q. 離婚したら親権は自動的に母親になる?
離婚を考えたとき、「親権は母親になるものでしょう?」と思われる方は少なくありません。特にお子さまが小さい場合、多くの方がこのようなイメージを持たれているのが実情です。
しかし、現在は法改正により「共同親権」が導入されており、親権の考え方も大きく変わりつつあります。本コラムでは、親権の決まり方や判断基準について、具体例を出しながらていねいに解説いたします。

 

親権は自動的に母親になるわけではない
結論から申し上げますと、母親が親権者となるケースが多い傾向は現在も見られますが、離婚時に親権が自動的に母親に決まるというきまりはありません。これは、母親が日常的に育児を担っている場合が多く、また、幼い子どもとの関係性が深いという評価によるものです。
また、これまで離婚後は父母のどちらか一方を親権者とする「単独親権」が原則でしたが、現在は父母双方が親権を持つ「共同親権」を選択できるようになりました。
そのため、離婚時には
• 父母のどちらか一方を親権者とする
• 父母が共同で親権を持つ
のいずれかを、話し合いや家庭裁判所の手続で決めることになります。

 

共同親権とは?単独親権との違い
共同親権とは、離婚後も父母がともに子どもにとって重要な決定事項に関わる仕組みです。
例えば、
• 進学先や医療に関する決定
• 転居など生活に大きな影響を与える事項
について、父母で協議して決めていくことになります。
一方、単独親権では、これらの判断を父母どちらかの親権者が単独で行います。

 

親権判断で重視されるポイント
共同親権・単独親権いずれの場合であっても、判断の基準となるのは「子どもの利益」です。
家庭裁判所では主に次のような事情が考慮されます。
① これまでの養育状況(主たる監護者)
もっとも重要とされるのが、「これまで誰が主に子どもの面倒を見てきたか」という点です。
例えば、
• 日常的な食事の世話や、通院を担っていたのは誰か
• 保育園・学校との関わりを持っていたのは誰か
といった具体的事情が見られます。
② 子どもの生活環境の安定
離婚後も子どもの生活が安定していることが重要です。
例えば、
• 現在の学校生活や友人関係を維持できるか
• 生活リズムが保たれるか
といった点が考慮されます。
③ 父母の協力関係(特に共同親権の場合)
共同親権を選択する場合、父母間で適切にコミュニケーションが取れるかが重要です。
父母の対立が激しく、話し合いが困難な場合には、共同親権は適さないと判断されることもあります。
④ 子どもの意思
子どもがおよそ10歳前後から意見が考慮され、15歳以上になると本人の意思は非常に尊重される傾向にあります。家庭裁判所では、調査官が面談し、どちらの親と生活したいかや生活の様子について確認します。もっとも、他の事情とあわせて「子どもの利益」という観点から総合的に判断されます。

 

父親が親権を取得するケース
父親が親権者となるケースも、決して珍しくはありません。父親、母親ではなく、これまでの養育状況や子どもの生活環境が重視されます。
例えば、次のような場合です。
• 父親が主に子どもの世話をしていた(いわゆる主たる監護者であった)
• 母親が長時間労働などで育児に十分関われていなかった
• 父親が育児休業を取得し、積極的に子育てに関わっていた
• 母親の監護状況に問題がある(育児放棄や健康上の理由など)

 

共同親権が選択されるケース
共同親権は、離婚後も父母が協力して子どもを育てていくことができる場合に選択される可能性があります。
例えば、次のようなケースです。
• 離婚後も父母間で円滑なコミュニケーションを取れる
• 子どもの進学や医療など、冷静に父母で話し合いができる
• 父母が協力して子育てをしてきた実績がある
• 面会交流が定期的に行われており、双方が子どもに関わっている
父母間の対立が激しく、協議が難しい場合には、共同親権は適さないと判断されることもあります。

 

親権でお悩みの方は弁護士へご相談ください
親権や共同親権の選択は、今後の子どもの生活に大きな影響を与える重要な問題です。
• 共同親権と単独親権のどちらが適切か
• 自分のケースで親権を得られる可能性はあるか
• 調停や交渉での進め方
などについて、不安を感じている方は、弁護士にご相談いただくことで、今後の見通しや対応策をご提案することができます。
親権や監護権についてさらに詳しく知りたい方は、親権・監護権が気になるあなたへのページもご覧ください。
大切なお子さまの将来のためにも、早めのご相談をおすすめいたします。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
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2026.04.29更新

離婚コラム104

 

Q. 養育費と親権の関係ってあるの?
離婚を検討している方から、「親権を取らないと養育費はもらえないのでは?」といったご相談をいただくことがあります。
結論から申し上げますと、養育費と親権は別の問題であり、直接の関係はありません
もっとも、実際の交渉や話し合いの中では、この2つが混同されることはよくあります。本記事では、養育費と親権の基本的な関係と注意点について、具体例を交えて分かりやすく解説します。

 

養育費と親権は法律上は別の制度
まず、養育費と親権は、それぞれ以下のように位置づけられています。
親権:未成年の子どもを監護・教育する権利と義務
養育費:子どもが生活・成長するために必要な費用
つまり、親権を持つかどうかにかかわらず、親である以上、子どもを扶養する義務(養育費の支払い義務)はあります
そのため、
• 親権を持たない親 → 養育費を支払う義務がある
• 親権を持つ親 → 養育費を受け取る権利がある
という関係になります。

 

「親権がないから払わない」は通用しない
よくある誤解として、「親権を取らなかったのだから養育費は払わなくてよい」という考えがあります。しかし、これは法律上認められていません。
具体例
たとえば、夫婦に子どもが1人いて、離婚の際に母親が親権を取ったとします。父親は「自分は親権がないから関係ない」と主張して養育費の支払いを拒否しました。
しかし、離婚後も父親には子どもに対する扶養義務があり、養育費の支払い義務は免れません。
家庭裁判所の調停や審判でも、収入に応じた養育費の支払いが命じられる可能性が高いでしょう。

 

親権と養育費を「交換条件」にしてはいけない
実務上注意が必要なのは、離婚での話し合いにおいて、親権と養育費を交渉の材料として結びつけてしまうケースです。
例えば、
• 「養育費を払わない代わりに親権を渡す」
• 「養育費はいらないので親権を譲ってほしい」
といった取り決めです。
一見すると当事者間で納得しているように見えますが、後にトラブルになることがあります
養育費はあくまで「子どものためのお金」です。親同士の取引材料にしてしまうと、将来的に生活状況が変わり子どもの教育費や生活費が負担になった場合、子どもが不利益を受けることになります。

 

養育費は「実際に育てている親」が基準になる
もっとも、養育費の支払いにおいては、「実際に誰が子どもを育てているか」が重要になります。
通常は親権者=監護親(子供を育てている親)ですが、例外的に次のようなケースもあります。
具体例
離婚後、形式上は父親が親権者となっているものの、実際には母親が子どもと同居し、日常的に養育している場合
このような場合には、どちらの親が日常的に子どもを育てているかが重視されます。そのため、一般的には、子どもと一緒に生活している母親が養育費を受け取り、別に暮らしている父親が養育費を支払うという形になるのが通常です。

 

養育費は将来にわたる重要な取り決め
養育費は、子どもが成人するまで長期間にわたる支払いとなることが多く、
• 金額
• 支払期間
• 支払方法
などを明確にしておくことが大切です。
また、一度決めた内容でも、
• 収入の大きな変動
• 再婚や転職
• 子どもの進学
といった事情によって、見直しが必要になることもあります。

 

まとめ|迷ったら早めに専門家へ相談を
養育費と親権は、それぞれ別の制度であり、親権の有無にかかわらず養育費の支払い義務は生じます。
しかし、夫婦間の交渉では感情的な対立も生じやすく、子どもにとってよりよい判断をすることは難しい場合が多いです。
特に、
• 相手が養育費の支払いを拒否している
• 養育費の話し合いが難航している
• 養育費の適正な金額が知りたい
といった場合には、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
より詳しく知りたい方は、養育費についての詳しい解説のページもぜひご覧ください。
お一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら、お子さまにとってベストな選択ができるようにしましょう。

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2026.03.02更新

離婚コラム93

 

Q. 親権がないと進学先の決定や病院での同意もできない?
「離婚後、子どもの親権は相手にあるけれど、進学先を決めたり、病院での医療行為に同意したりすることはできないのだろうか」
このような心配を抱えている方は、決して珍しくありません。
親として子どもを大事に思う気持ちがあっても、「親権がない」というだけで、何も関われないのではないかと感じてしまうこともあるでしょう。
ここでは、進学や医療の場面を例に、親権がない場合の関わり方や、4月から始まる共同親権について、分かりやすくご説明します。

 

親権とは、どこまでを決める権利なのでしょうか
親権とは、未成年の子どもを守り育てるために、法律で定められた権利と義務のことです。
具体的には、次のような重要な判断をすることです。
• 進学先や転居など、子どもの将来に関わる決定
• 手術など重要な医療行為への同意
• 子どもの財産管理 など
これまで日本では、離婚後はどちらか一方の親が親権を持つ「単独親権」が原則でした。
そのため、基本的な考え方として、法律上の最終的な決定権は親権者にあります。

 

親権がない場合、進学先の決定には関われないの?
結論から言うと、最終的な決定は親権者が行うことになります。
ほとんどの場合、学校への入学手続きや書類への署名は、親権者でなければできないのが実情です。
ただし、親権がないからといって、進学について意見を伝えることはできます。
監護権を持ち実際に子どもと生活している場合や、面会交流などを通じて継続的に子どもの生活に関わっている場合には、その意見が尊重され、親権者との話し合いの中で進学先が決まることも多くあります。
「決める権利」と「子どもの将来を考える立場」は、必ずしも同じではない、という点は知っておいてよいでしょう。

 

病院での同意や手続きはどうなるのでしょうか
基本的な考え方は、病院での同意についても進学先の決定と同じです。
手術など重要な医療行為については、原則として親権者の同意が求められます。親権を持たない親が反対していたとしても、法律上の決定権は親権者にあります。
一方で、日常的な通院や緊急の治療については、親権がない親が対応できる場合があります。
単独親権では「誰が最終的に決めるのか」は明確ですが、手続きを円滑に進めるためには親同士が冷静に話し合える関係を保つことが重要です。

 

2026年4月から選べるようになる「共同親権」ではどう変わるのか
2026年4月から、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を選択できるようになります。
共同親権を選んだ場合、進学先の決定や重要な医療行為については、父母が話し合い、共同で判断することが原則となります。
これは、どちらかの親を排除する制度ではなく、両親がともに子どもの将来に責任を持つという考え方に基づくものです。
もっとも、日常的な通院や学校生活に関する細かな判断まで、すべて共同で決めなければならないわけではありません。
ただし、意見が対立した場合には双方の合意が原則となるため、話し合いがまとまるまで手続きが進まない場合もあります。このように、制度そのものよりも、話し合いが十分にできる関係かどうかが大きなポイントになります。
そのため、共同親権を選ぶ場合には、
• 進学先はどのように協議するのか
• 通院の付き添いや学校への対応はどちらが行うのか
• 何日以内に返答するのか
といった基本的なルールをあらかじめ決めておくことが大切です。

 

親権がなくても、子どもとの関わりは続きます
親権がないと、進学や重要な医療行為の最終判断はできませんが、それは「親ではなくなる」という意味ではありません。実際には、面会交流や日常的な連絡を通じて子どもと関わり続けているご家庭も多くあります。
大切なのは、法律上できること・できないことを正しく理解したうえで、子どもにとって安心できる関わり方を考えていくことです。
親権や監護権について、より詳しく知りたい方は、
親権・監護権のページも参考になさってください。

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2026.03.01更新

離婚コラム92

 

親権変更に必要な理由とは
離婚時に決めた親権について、
「今の環境は本当に子どものためになっているのだろうか」
「生活が変わり、親権はこのままでよいのか不安」
このようなお気持ちから、親権の変更を考え始める方は少なくありません。
もっとも、親権は一度決まると、簡単には変更できません。
親権者の変更が家庭裁判所で認められるには、法律で定められた要件を満たす必要があります。この記事では、親権変更が認められるための要件や、裁判所がどのような点を重視するのかを具体的に解説します。

 

親権変更の要件は「子の利益のため」
親権者の変更が認められるのは、民法で「子の利益のため必要があると認めるとき」と定められています。父母の希望や都合よりも、あくまで子どもの健全な成長と福祉にとって変更が必要かどうかが最優先で判断されます。生活環境が頻繁に変わることは子どもにとって大きな負担となるため、裁判所は変更の必要性を慎重に判断します。

「前より経済的な余裕ができた」
「やはり親権を取りたい、自分が育てたい」
といった理由だけでは、裁判所で親権変更は認められません。


現在の親権者が育児をほとんど行っていない場合
「育児をほとんど放棄している」と判断されるのは、単に忙しくて育児が出来ていないという程度ではありません。
日常的な養育が継続して行われていない状態が問題になります。
たとえば、
• 平日はほとんど家におらず、子どもの食事や入浴、就寝の世話をしていない
• 学校や保育園との連絡、行事への対応を一切行っていない
• 病気やけががあっても、通院していない
• ほぼ祖父母などに子どもを預けたままになっている
このような生活が長期間続いている場合、養育放棄(ネグレクト)と判断される可能性があります。
一時的な事情ではなく、「常態化しているかどうか」が重要な判断ポイントです。

 

虐待が疑われる場合
親権判断では、身体的な暴力だけでなく、言葉による精神的虐待も重要視されます。
たとえば、
• 「お前なんかいなければよかった」
• 「本当に何もできない子だ」
• 「誰もお前のことなんて気にしていない」
• 「言うことを聞かないなら家から出ていけ」
こうした暴言を日常的に繰り返し浴びせている場合、子どもの心に深刻な影響を与えるとして、親権変更が認められることがあります。


親権者の病気や生活環境の激変
親権者が重い病気にかかり、子どもの面倒を見ることができなくなった場合や、再婚・転居などによって生活環境が大きく変わり、結果として子どもを適切に養育していない状態(例:再婚相手を優先し、子どもを親戚に預けている)になっている場合も、変更の理由となり得ます。

 

子どもの意思が考慮される場合
子どもが一定の年齢に達している場合には、
「どちらの親と暮らしたいか」「今の生活に不安はないか」といった子どもの意思も考慮されます。
家庭裁判所は、子の年齢や発達の程度に応じてその意思を考慮し、特に子が15歳以上の場合には、その子の意見を聞かなければならないと定められています。裁判例でも、11歳の子の意思を尊重して親権者変更を認めたケースがあります。
もっとも、子どもの希望だけで親権が変更されるわけではなく、
養育環境やこれまでの経緯とあわせて、総合的に判断されます。

 

親権変更では「証拠」がとても重要です
親権変更の手続きでは、「心配している」「問題があると思う」という動機だけでは足りず、
現在の養育状況が客観的にわかる資料が重要になります。
• 面会時に気づいた事実を、日時とともに記録したメモ
(身なりや体調、生活の様子についての不自然な発言など)
• 親権者とのLINEやメールのやり取り
(学校や病院の話題に反応を示さない、十分な養育がされていないことが分かる内容)
• 子どもから聞いた普段の様子を簡単に書き留めた日々の記録
(祖父母が主に世話をしている、親権者がそもそも家にいないなど)
• 学校対応を祖父母や第三者が行っていることが分かる資料
これらを無理のない範囲で、複数の証拠を積み重ねることで、養育状況に問題がある可能性を示す材料になります。

 

親権変更を考えたら、早めの相談を
親権変更は、子どもの将来に大きく関わる問題です。

一人で抱え込まず、専門家に相談することで、状況に応じた適切な進め方が見えてくることもあります。
親権や監護権について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページもぜひご覧ください。

2026.02.28更新

離婚コラム91

 

離婚しても「親」でいるために。親権をめぐる大切な考え方

離婚を考えたとき、誰もが悩む「親権」という問題
離婚を検討するとき、お子さんのことがまず一番の気がかりな問題です。「自分は親権者になれるのだろうか」「もしならなかったら、子どもとどう関われるのか」――こうした不安を抱える方は、決して少なくありません。
親権の問題は、離婚の中でも特に判断が難しく、簡単に答えが出るものではありません。だからこそ、両方の立場を知ったうえで、落ち着いて考えることが大切です。

 

親権とは何か――子どもの生活を支えるための役割
親権とは、子どもの身の回りの世話をし、教育や進学、医療などについて判断する権利と義務のことをいいます。
日本では現在、離婚後は父母のどちらか一方が親権者になるのが原則です。
親権は「取りたい・取りたくない」という気持ちだけで決まるものではなく、子どもにとってどの生活がより安定しているかという視点が重視されます。これまで主に子どもの世話をしてきたのはどちらか、子どもの環境が大きく変わらないかなど、さまざまな事情を考慮して判断されます。

 

親権者になる親の立場――大きな責任を引き受けるということ
親権者になるということは、子どもと一緒に暮らし、身の回りの世話をしていく役割を担うということです。
通学・通園や進学、医療において重要な判断を行い、子どもの将来にも直接向き合う責任があります。
一方で、すべてを一人で背負わなければならないという重圧を感じることもあります。親権者になることは、子どもの将来を見据えた覚悟と責任が求められる立場でもあるからです。

 

親権者にならない親の立場――親でなくなるわけではない
親権を持たない立場になると、「もう親として子どもに何もしてやれないのでは」と不安に思われる方もいらっしゃいます。
しかし、親権がないからといって、親子関係がなくなるわけではありません
面会交流を通じて子どもと定期的に連絡を取り、会って話をし、子どもの成長を見守ることはできます。
また、親権がなくても、養育費を支払うことは、子どもの生活を支える重要な役割です。養育費は「相手のため」ではなく、子どものためのものであり、離れていても親としての責任を果たす一つの形です。

 

「単独親権」だけではない――共同親権をめぐる動き
2026年4月から、共同親権の制度が施行されます。
共同親権とは、離婚後も父母がともに親権者として関わる制度です。
もっとも、共同親権は、父母の協力関係が前提です。対立が激しい場合や、十分な話し合いが難しい場合には、かえって子どもの負担になる可能性があるため、すべての家庭にとって最適とは限りません。

 

迷っている今だからこそ、大切にしたい視点
親権者になるか、ならないかは、どちらが「正しい」という問題ではありません。
離婚後も親として子どもとどう関わり続けていくのがベストなのか、その道筋を考えることが大切です。
それぞれの立場を知り、家族にとって無理のない形を探していくことが、後悔の少ない選択につながります。

 

親権・監護権について、専門家と一緒に整理するという選択
親権や監護権の問題は、法律の知識を理解するだけでなく、これまでの生活や子どもの将来まで考慮することが欠かせません。
一人で抱え込まず、専門家に相談することで、考えが整理され、気持ちが落ち着く方も多くいらっしゃいます。
親権・監護権について、より詳しい考え方や具体的な手続きについては、以下のページで解説しています。
迷われている方こそ、参考にしていただければと思います。
▶ 親権・監護権について詳しくはこちら

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2026.02.26更新

離婚コラム90

 

親権は何を基準に決まる?裁判所が判断で重視する5つのポイント

離婚を考えたとき、「子どもの親権はどちらが持つのか」という問題に多くの方が不安に感じています。
話し合いで決まればよいのですが、意見がまとまらない場合には、最終的に裁判所が決めることになります。
では、裁判所はどのような基準で親権者を判断しているのでしょうか。
実は「収入が多い方」「母親だから有利」といった簡単な基準ではありません。重要視されるのは、あくまで子どもの利益です。
ここでは、裁判所が実務上大切にしている代表的な5つの点を、分かりやすくご説明します。

 

① 主たる監護者はどちらか
最も重視されるのが、「これまで誰が主に子どもの世話をしてきたのか」という点です。
毎日の食事、身の回りの世話、学校や保育園との連絡などを継続的に担ってきたかどうかが評価の対象になります。

 

② 子どもの生活環境の継続性
裁判所は、子どもの環境ができるだけ大きく変わらないことを重視します。
転校や引っ越しによる負担が少ないか、これまでの生活リズムを維持できるかといった点が判断材料になります。

 

③ 親の監護能力・養育姿勢
親が子どもを心身ともに健やかに育てられるかどうかも重要です。
仕事と育児を両立できているか、自身の健康状態、育児への理解や協力度合いなどが総合的に見られます。

 

④ 子どもの意思(年齢・発達に応じて)
子どもがある程度の年齢に達している場合には、以下のような子供の気持ちが尊重されます。
● どちらの親と一緒にいると安心できるか
● 今の生活(学校・友達・習い事など)を変えたくないという思い
● 急な生活の変化に対する不安や戸惑い
ただし、子どもの意見だけで決まるわけではなく、周囲の影響を受けていないかなども慎重に判断されます。

 

⑤ きょうだい不分離の原則
兄弟姉妹がいる場合、原則として同じ親が親権を持つことが望ましいとされています。
特別な事情がない限り、兄弟姉妹を引き離さないという判断がなされる傾向にあります。

 

親権と監護権は分けて考えることもあります
2026年4月から、「共同親権」という制度が施行されます。
共同親権とは、離婚後も父母の双方が親権を持ち、重要な事項について協力して決めていく考え方です。もっとも、実務上は、日常生活の拠点はどちらか一方に定める必要があるため、誰が実際の子育て(監護)をするのかを決めることは引き続き重要になります。
そのため、裁判所の判断や調停の場では、
「親権」と「監護権」を分けて定めるという方法もあります。
たとえば、次のような場合です。
  • 子どもは今までどおり母親と暮らすのが望ましいが、父親も学校行事や進学などの重要な決定には関わるべき事情がある場合
  • 監護の実績は一方の親にあるものの、もう一方の親にも意欲的に養育へ参加し適切に関わることが期待できる場合
  • 親権を一方に限定すると親権が無い方の親に強い不満がつのり、親同士の対立によって子どもに精神的な負担が生じるおそれがある場合

このような状況では、実際に子どもと暮らし、日常の世話をする母親を「監護権者」とし、法律上の親権は父母双方、あるいは親権の行使については協議する方法を取ることもあります。

親権や監護権は、「どちらが持つか」を決めることではなく、子どもが安心して生活できる環境を第一に考えて柔軟に判断することが重要です。

 

早めの相談が大切です
親権の問題は、親権の問題は、子どもの生活や将来に直接関わるため、さまざまな要素を慎重に考える必要がある分野です。
事前に状況を把握し、何が重視されるのかを知っておくことで、十分に対応できます。
親権や監護権について、より詳しく知りたい方は、下記のページもぜひご覧ください。
お一人で悩まず、専門家に相談することで、より良い解決への道が見えてくることもあります。
▶親権・監護権について詳しくはこちら

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2026.02.24更新

離婚コラム89

 

親権者の義務と責任を知っていますか?
離婚を考えたとき、あるいは離婚後の生活の中で、「親権」の意味に戸惑いや不安を感じる方は少なくありません。
「親権を持つと、何をしなければならないのか」「親権がないと、責任はどうなるのか」
こうした疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。
しかし、法律の考え方は、一般に知られている内容と少し違います。
親権の有無にかかわらず、親である以上、果たすべき義務と責任があるという点が明確になっています。今回はこの点を踏まえ、弁護士の視点でわかりやすくご説明いたします。

 

親権とは何を意味するのか
親権とは、未成年の子どもを守り、育て、社会の一員として成長させていくために、法律で親に認められた権限であり、同時に義務でもあります。
具体的には、親権には、子どもの生活や教育、医療などについて日常的な世話をする身上監護権と、子ども名義の預貯金や相続財産などを管理する財産管理権が含まれます。
親権という言葉から「子どもと一緒に暮らす立場」と想像されますが、実際にはそれだけではなく、子どもの生活全般や将来に関わる重要な事項について責任をもって判断し、将来にわたって支えていく立場であることを意味します。
そして重要なのは、親権の有無にかかわらず、親である以上、子どもに対する基本的な責務はあり続けるという点です。

 

親権の有無に関係なく親としての責務があります
2026年4月から施行される改正民法では、父母は、親権者であるかどうかにかかわらず、子どもの人格を尊重し、その年齢や発達の程度に応じて、子どもの利益を最優先に考えながら養育しなければならないと明確に定められました。
ここでいう「養育」には、次の三つの柱があります。
まず一つ目は、子どもの人格を尊重することです。
子どもを親の所有物のように扱うのではなく、人格ある一人の人間として向き合い、その気持ちや意見に耳を傾ける姿勢が求められます。
二つ目は、子どもを扶養する責務です。
親には、子どもが安心して生活できるよう、衣食住や教育、医療などすべて支える義務があります。法律上、親の扶養義務は、「その子が親と同程度の生活を維持できるように扶養しなければならない」と解されています。
つまり、最低限の生活ができれば足りるのではなく、親の生活水準に応じたあるいは同程度の養育が必要だということです。
三つ目が、父母は互いの人格を尊重し、感情的な対立や一方的な判断によって子どもの利益を損なうことがないよう、協力して養育にあたる責務です。

 

共同親権と親の協力義務
2026年4月からは、離婚後も父母が親権を共同で持つ「共同親権」の制度が施行されます。
共同親権のもとでは、父母が、互いに協力しながら子どもを育てる姿勢がより強く求められます。
たとえば、
• 子どもの生活や教育に関する情報を共有すること
• 進学先の決定や医療の方針など、重要な事項について話し合うこと
• 相手任せにせず、親として関わり続けること
といった点が、法律上も重要視されるようになります。
親権の形が変わっても、親の責任が軽くなるわけではありません。

 

親権や養育で迷ったときは
親権や養育をめぐる問題は、家庭の事情や子どもの状況が大きく影響するため、判断することが難しい分野です。
「自分の関わり方は合っているのか」「この判断は子どもの利益になっているのか」と迷ったときは、法律の視点から検討することが大切です。
親権や監護権について正しく理解することは、親にとっても、子どもにとっても、将来の安心につながります。
親権・監護権について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページも参考になさってください。

親権・監護権について詳しくはこちら

制度の基本から実務上の考え方まで、分かりやすく解説されています。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2025.12.28更新

離婚コラム75

 

共同親権がもたらすメリットとデメリット
近年、子どもを中心にした離婚後の養育のあり方が注目される中、2026年4月から「共同親権」の制度を日本でも利用できるようになります。これにより、離婚後も父母がともに親権者となる選択肢が広がり、「子どもにとってより良い環境を望めるのか」という視点がますます重要になります。
ここでは、共同親権の基本的な考え方や、実際に選択する際のメリット・デメリットを、分かりやすく解説していきます。

 

■共同親権とは?
共同親権とは、離婚後も父母が一緒に親権を持つ制度です。親権とは、子どもの生活や教育に関する重要な決定をする「身上監護権」と、財産の管理、法律行為を代理する「財産管理権」があります。
これまでは、離婚後は父母のどちらか一方が親権者となる「単独親権」が原則でしたが、新たな法律では家庭の状況に応じて共同親権を選ぶことが可能になります。

 

■共同親権のメリット
①子どもが両親から継続して愛情を受けられる
父母の双方が責任を持つことで、子どもが「どちらか一方に置いていかれる」という心配を感じにくくなります。離婚後も父母が協力して子育てを続けられれば、子どもにとって安心できる環境が整います。
②重要な決定を一緒に話し合って進められる
子どもの学校、医療、住居など、両親で相談して決められます。片方の判断だけで進めることが少なくなるため、「後から知らされて困った」というトラブルを避けられます。
③親自身の精神的な負担が軽くなることもある
一人で育てるプレッシャーが軽くなり、協力し合うことで生活の安定が得られるケースもあります。特にお子さんが小さく仕事と子育ての両立が難しい場合には、二人で子育てに関わるメリットが大きいと感じる方もいます。

 

■共同親権のデメリット
①父母間で意見が合わないと決定が進まないことがある
大きな決断が必要なときは常に相談しなければならないため、考え方の違いによって話し合いが長引き、判断が遅くなる…という事態も起こり得ます。
②連絡を取り合うストレスが生じやすい
離婚の際に感情的な対立が強い場合、その後も冷静に話し合うことが難しいこともあります。「会いたくないのに連絡を取らなければならない」という負担につながることもあるため、父母の関係は重要なポイントです。
③子どもの生活が不安定になってしまう可能性
父母の話し合いが進まないと、子どもに関する大事な決断ができないことがあります。
たとえば、
• 学校でトラブルがあって転校する必要があるのに、父母の意見が合わず学校を決められない
• 子どもが病気になって手術を勧められたのに、片方が反対して治療が遅れてしまう
といったケースです。
このように方針がまとまらない状態が続くと、子どもは先の見通しが立たず不安になります。共同親権を選ぶ際は、父母の話し合いが負担なくできるかどうかが、とても大切なポイントになります。

 

■共同親権が向いているケース・向いていないケース
共同親権が上手く機能するのは、父母が「子どものために協力しよう」という気持ちを持ち続けられる場合です。
一方からDVやモラハラを受けている場合や、父母の間に強い対立がある場合は、連絡を取り合うこと自体が負担になり、かえって子どもの生活が不安定になることもあります。そのため、家庭裁判所は子どもの利益を最優先して、共同親権が適切かどうかを慎重に判断します。

 

■選ぶ際に大切なポイント
共同親権を選ぶ前には、次のような点を話し合っておくと安心です。
• 連絡の取り方(メール・アプリ・第三者を介するなど)
• 教育・医療に関する考え方
• 緊急時の対応ルール(入学手続きや医療など)
• 面会交流の方法や頻度
特に、必要な連絡を無理なく取り合えるかどうかは、とても重要な判断材料になります。

 

■迷ったときは弁護士に相談を
共同親権は家庭にとって選択肢が広がり良い形になり得ますが、すべての家庭に向くとは限りません。お一人で悩まず、弁護士に相談することで、今の状況に合った解決策が見つかることも多くあります。
共同親権の制度について詳しいページはこちらをご覧ください。

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2025.12.25更新

離婚コラム74

 

面会交流と親権の関係 | 離婚後の子どもを守る基本知識
離婚を考えている方や、別居を始めたばかりの方から、
「親権がないと子どもに会えないのでは?」というご相談をよくいただきます。
お子さんのことを大切に思うからこそ、離婚後の生活がどうなるのか心配になるのは当然です。
そこで今回は、面会交流と親権の関係性について、できるだけ丁寧に、分かりやすくお伝えします。基本的な仕組みを知っておくことで、今後の見通しが立ちやすくなります。

 

■ 親権とはどんな権利?
「親権」とは、子どもの生活を守り育てるための大切な権限のことです。教育の方針を決めたり、医療に関する判断をしたりと、子どもの成長に大きく関わる責任です。
また、親権とは別に、実際に子どもと一緒に暮らし、日々のお世話を行う「監護権」という考え方もあり、ご家庭の事情によっては親権と監護権を分けることもあります。

 

■ 面会交流とは?
「面会交流」とは、別々に暮らす親子が、会ったり連絡を取り合ったりすることをいいます。
会うだけでなく、電話やSNS、手紙やメッセージのやりとりなど、子どもの気持ちに合わせてさまざまな方法が選べます。
近年は、子どもが両方の親と関係を維持することがより重視されるようになり、面会交流は離婚後の子育てに欠かせないものとなっています。

 

■ 親権と面会交流は別の問題です
結論からお伝えすると、
親権が無くても、子どもに会えないわけではありません。
親権と面会交流は別々に考えられています。
裁判所は、子どもの安全が脅かされるような特別な事情がない限り、面会交流は行う方向で判断します。


■ 面会交流が制限されることもある
とはいえ、どの家庭でも同じように面会交流が進むわけではありません。例えば、
• 子どもが強く拒否している
• 面会交流をすることによって子どもが精神的に不安定になる可能性がある
• もともと暴力や虐待が疑われる
• 子どもを連れ去る可能性がある
こうした場合には、面会の方法を工夫したり、一定期間面会交流を控えたりする場合あります。判断の基準になるのは、いつでも子どもの利益です。

 

■ 面会交流の決め方と進め方
面会交流は、基本は父母の話し合いで決めますが、別居や離婚を前提とした話し合いでは話がまとまりにくいことがあります。
そのようなときには、次のような方法があります。
● 調停で第三者に入ってもらう
家庭裁判所の調停を利用すれば、調停委員が間に入り、双方の意見を整理しながら無理のない形を一緒に考えてくれます。
● 子どもの成長に合わせた柔軟な対応
幼いお子さんであれば短時間の面会交流にしたり、小学生以上なら予定を踏まえて月に数回にしたり、年齢にあわせた方法が大切です。
● 支援機関の利用
連れ去りが心配な場合や、両親が顔を合わせるのが難しい場合には、NPOなどの支援団体や、子育て支援センターなどの第三者機関を利用することができます。

 

■ 2026年4月から共同親権が選択可能に
法律改正により、2026年4月から共同親権を選べる制度が始まります。
共同親権は、離婚後も父母が共に子どもの大切な決定に関わる制度です。
ただし、日々の子どもの世話を父母のどちらかが主に担う点は変わらないため、離れて暮らす親との面会交流は今後も非常に重要です。
両親が協力して子どもの養育に関わる考え方が広がることで、面会交流も、より慎重に考えられるようになると思われます。

 

■ 困ったときは弁護士のサポートを
面会交流はお子さんの気持ちが大切ですが、親同士が冷静に話し合うことができない時期に決めるのは簡単ではありません。
調停や話し合いが負担に感じるときは、弁護士がサポートすることで進めやすくなります。
不安を抱えたままにせず、どうか一人で悩まないでくださいね。
面会交流の仕組みや注意点をさらに知りたい方はこちらもご覧ください。
→面会交流についての解説ページ

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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