働く女性のための離婚相談
はじめに
弁護士細江智洋は、これまで数多くの離婚相談をお受けしてきました。
働きながら子どもを育て、離婚問題にも対応することは、大変なご負担です。
実際に、仕事をしている女性ならではの悩みとして、次のようなものがあります。
✔️ 忙しくて離婚の話し合いを進める時間がない
✔️ 仕事を続けながら子どもを育てられるか不安
✔️ 経済的には自立しているけれど、財産分与で不利にならないか不安
✔️ 親権を取れるか不安
✔️ 離婚後の生活設計をどうしたらいいか分からない
仕事に家庭にと忙しいからこそ、きちんと知識を得て、よりよい選択をすることが大切です。
目次
離婚を考えたときに準備しておきたいこと
離婚を決める前に、まずは準備すべきこと。それは、「財産・収入資料の整理」と不倫や暴力などの「証拠の収集」です。
仕事で忙しい女性にとっても、優先度の高い準備事項です。
✔ 財産資料の整理
財産分与や養育費を決めるための資料として、双方の収入資料の把握と夫婦が持つ財産のリストアップをし、金額や価格を裏付ける資料を収集しましょう。典型的な財産に次のようなものがあります。
相手の名義で自分では保管していない場合には、できればコピーを作成しましょう。
預金:通帳
収入資料:源泉徴収票や給与明細、確定申告書等
自宅などの不動産:登記事項証明書(登記簿謄本)
自家用車:車検証
生命保険(解約返礼金があるもの):保険証書
貴金属などの高価なもの:ブランド名や品名、製品番号(シリアルナンバー)、保証書
✔ 相手の不倫や暴力などの証拠の収集
相手に不倫(不貞行為)や暴力があったことは、裁判で離婚が認められるための重要なポイントであり、慰謝料を請求する根拠にもなります。離婚を決意する前であっても、証拠は押さえておきましょう。
典型的な証拠には次のようなものがあります。
不倫の証拠:
・相手がラブホテルに出入りしている写真や領収書
・肉体関係があることがわかる写真や動画、SNSメッセージやメール
・不倫を認める発言がある録音やメッセージ、メール など
暴力・モラルハラスメントの証拠:
・暴力の様子がわかる録音・録画
・相手が暴力を認めた内容の録音・録画、メール、念書など
・暴力が原因で怪我や精神疾患になった場合の診断書
・暴力を受けた頻度や日時がわかる日記やメモ など
元裁判所書記官からの一言:働く女性の離婚調停をサポート
働く女性は、裁判所との連絡や書類作成がとてもテキパキしている印象です。
反面で、
・仕事をしながら枚数の多い書類を作成する
・平日の日中に来る裁判所からの電話連絡を受ける
・1~2か月に1度のペースで、半日かかる調停期日に出席する
というのは大変な負担だと感じていました。
弁護士がいると、調停期日への出席回数を減らし、書類作成や裁判所との連絡調整をお任せできて安心です!
働く女性・共働きの女性が財産分与で気を付けるポイントは?
働く女性は経済的に自立しており、ご自身で築いた財産もあるからこそ、財産分与で不利にならないための注意が必要です。
特に財産分与で注意したいポイントは次のとおりです。
・退職金が財産分与の対象になり得る
・ご自身が負担した住宅ローンが残る不動産
・自営業の方の仕事用の資産が財産分与の対象になるか
・医師や経営者の女性の場合、財産分与の割合が2分の1から増えることもある
財産分与の対象となるかどうかは、「夫婦どちらの名義か」ではなく、「夫婦の共有財産」か「特有財産」かで判断されます。
「自分名義だから大丈夫」と思い込まず、事前に確認しておくことをおすすめします。
離婚成立までの婚姻費用(生活費)について
離婚が成立するまでの間は、たとえ別居していても、夫婦は互いに「生活保持義務」を負います。
働く女性にとって注意すべき婚姻費用のポイントには、次のようなものがあります。
・自分の収入の方が高い場合、婚姻費用の支払義務を負うこともある
・多少自分の方が収入が高くても、子どもを引き取って育てる場合には、請求する側になることもある
・不倫やDVなど、夫婦関係を破綻させる原因をつくった場合には、「有責配偶者」にあたり、婚姻費用の請求が制限されることがある。
婚姻費用の相場については、裁判所の「婚姻費用算定表」が参考になります。
離婚慰謝料について
離婚慰謝料といっても、離婚するとき常に慰謝料が支払われるわけではありません。慰謝料を支払うのは、夫婦の一方の不倫やDVなどの有責な行為によって、夫婦関係が破綻し離婚することになったケースです。
離婚慰謝料のポイントは次の通りです。
・相場は100万円から300万円ほど
・金額は、結婚していた期間の長さや不倫・DVの内容、子どもの有無・年齢などで異なります
・不倫の場合には、不倫相手にも慰謝料請求できるが、得られる金額が2倍になるわけではありません
仕事で忙しい方ほど、証拠の収集や不倫相手への請求が後回しになりがちです。お早めにご相談ください。
親権・監護権をめぐるポイント
仕事をしていると、「親権がとれないのでは?」と不安に感じる方も多いと思います。
もちろん、働いているからといって親権がとれないわけではありません。しかし、親権は特に激化しやすい争点の一つです。
働く女性にとっての親権・監護権のポイントは、次のとおりです。
・これまでの監護実績(育児の実績)
食事やお風呂などの日常の世話、保育園の日誌を書いていたかどうか、予防接種や学校への対応などの細かな役割分担がポイントになります。
・親権者、監護者としての適性
精神状態、健康状態はどうか、これまでに虐待などの問題はなかったかなどを判断します。ただし、持病があったからといって親権者になれないわけではありません。
・子の意思
おおむね10歳前後から考慮されます。ただし、子どもは虐待されても親を慕ってしまうというケースもあり、表面的な言動が常に重視されるわけではありません。
・離婚後の子どもの生活環境
それまでの環境からできるだけ変化させずに済むか、監護補助者(育児を手伝える人)はいるか、兄弟姉妹を一緒に育てられるか、などが考慮されます。
なお、令和6年の民法改正により「共同親権」が導入されることが決まりました(令和8年5月21日までに施行)。
今後は「共同親権」を選ぶことが可能になりますが、「共同親権か単独親権か」「どちらが子どもと暮らすか」といった争いは残るものと考えられます。
養育費の決め方とポイント
離婚後も安心して子どもを育てるためには、養育費の取り決めは非常に大切です。
養育費のポイントは次のとおりです。
・相場は裁判所の「養育費算定表」が参考になる
・令和6年の民法改正により、「法定養育費」「養育費の先取特権」が新設される
・養育費は、父母の収入と子の人数・年齢を基に算出する
・養育費の未払いはよくあるトラブルなので、「強制執行」を念頭に置く
今後、「養育費」については、適式な「合意書」があれば、「債務名義」がなくても強制執行が可能になる見込みです。だからこそ、養育をきちんと取り決めることが大切になります。是非一度ご相談ください。
なお、養育費の相場については、裁判所の「養育費費用算定表」が参考になります。
離婚後の生活を安定させるために、考えておきたいこと
✔ 離婚後の生活費の試算
離婚後の自分の収入を想定することに加えて、養育費、離婚時の慰謝料、財産分与の見通しができていると安心です。また、シングルマザーには公的支援も複数用意されているので、お住まいの自治体に確認しておくとよいです。
✔ 子どもの保育や学校環境を整えること
もともと共働きだった女性の方は、すでにお子さんの保育所・学童保育が確保されているケースが多いですが、離婚や別居に伴い転居する場合には、転居先で保育所・学童保育を確保できるか確認しましょう。
また、転居によって転校や習い事の変更が必要になる場合には、お子さんへの負担も大きくなりますから、転居の必要性とお子さんへの負担のバランスをよく考えましょう。
✔ 頼れる身内や助け合える友人がいれば心強い
働く女性の方は、仕事に育児にと、忙しい日常をタフにこなしていらっしゃいます。しかし、
✔ 子どもが風邪をひいてしまった
✔ ご自身が体調を崩してしまった
✔ どうしても疲れ切ってしまい、少しだけ休みたい―
そのようなときに、少し頼れる人がいると心強いですね。
近くに身内や親しい人がいない場合でも、自治体が様々な育児支援を行っていますから、ご自分にあったサポートには何があるか、チェックしてみましょう。
弁護士細江智洋からのメッセージ
離婚したくても、忙しくて今後のことまでは考えられない、離婚問題の対応をする余裕なんてないという方も多いのではないでしょうか。
離婚問題は、離婚原因、財産分与、慰謝料、親権、養育費など、決めなければいけないことが山積みで、仕事をしながら手続きを進めるのは大変です。
弁護士細江智洋は、そのような働く女性の不安に寄り添い、第一歩をサポートします。
「弁護士に話すような内容じゃないかもしれない」「結局依頼はしないかもしれない」
そのような心配は不要です。
初回30分の無料相談で、今抱いている不安についてお話しください。
この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。
この記事の編集・SEO担当者
阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で3年間、離婚調停などを担当。現場の知見を生かし、弁護士細江智洋の法律解説に元書記官としての視点をプラスして編集しています。
※ 法律解説は弁護士監修です。