突然相手が家を出て行ってしまった方へ

執筆:弁護士 細江智洋

このページのまとめ

  • 相手が突然出ていった場合でも、まずは理由や状況の把握が大切
  • お子さんがいる場合は「自分のせいではない」と伝え、安心感を与える
  • 財産や収入資料が持ち出されていないかを確認・確保しておく
  • 相手が戻る可能性は低く、多くは離婚や長期別居の意思が固まっている
  • 子生活費(婚姻費用)は別居中でも請求できる
  • 一人で抱え込まず、弁護士に相談することで有利に交渉を進められる

はじめに

「何の前触れもなく、相手が家を出ていってしまった」
「置き手紙に不満だけ書かれて、連絡もつかない」

そんな状況に直面したら、ショックと不安でどうしたらいいかわからなくなってしまいます。
しかし、突然別居した相手は長期間準備していたケースが多く、あなたにも準備と慎重な対応が必要です。

この記事では、相手が突然出ていったときの確認事項お子さんへの対応今後の流れについて、横浜の離婚弁護が解説します。

目次

相手が出ていった理由を確認する

• 以前から不倫を疑っていたなど、心当たりはないか
• 自覚がないだけで、モラハラにあたる言動をしていなかったか
• 長年のすれ違いやコミュニケーション不足が原因の可能性
• 置き手紙に書かれた不満が「建前」で、実際は不倫や交際相手の存在が背景にある場合も

▶ 相手が出ていった「理由」をできるだけ正確に把握することが、今後の対応を決める出発点です。
しかし、相手が出ていくまで気づかなかったケースでは、一人で「理由」を考えることは簡単ではありません
不安な方は一度無料法律相談をご利用ください

子どもがいる場合の対応

「あなたのせいじゃない」と繰り返し伝える
• 別居の事実を隠さず、正しく伝える
• 相手の悪口を子どもの前で言わない(どちらも親であることに変わりはない)

▶ 突然の親の別居は、子どもに強いストレスを与えてしまいます。冷静に状況を説明し、安心感を与えることが最優先です。
子どもは、両親の不仲を「自分のせい」と受け取ってしまい、無意識に罪悪感を抱いてしまうことがあります。「あなたのせいじゃない」という声かけは非常に大切です。

【元裁判所書記官からのひとこと】

お子さんにとっては、別居や離婚をしても「お父さん」と「お母さん」です。しかし、同居親に気を遣って、親を慕う気持ちを押し隠してしまうケースが少なくありません。
たとえ不仲になっても、お子さんが相手を慕う気持ちを否定しないことが大切です。
辛い状況ですが、お子さんに相手の悪口を言わないお子さんが相手に会いたがる気持ちを否定しないように心がけましょう。

状況を正しく把握する

• 自宅内を確認し、持ち出された物・残っている物を整理
• 預貯金通帳・収入資料・契約書など、財産関係の資料を確保
• 現在は同居中だが別居の兆しがある方は、証拠や資料を早めに押さえる

▶ 財産資料の有無は、後の財産分与や生活費請求に直結します。
相手が持ち去ってしまって、財産や収入に関する資料がないと言う方は、早めにご相談ください

相手が出て行った後の流れ

• 喧嘩の延長ではなく、荷物一式を持って出た場合
 ⇒ 離婚や別居継続の意思は固
• 「冷静に考えたい」と言うケースもあるが、実際に戻ることは少ない
• いずれ、離婚の話し合い・調停に進む可能性が高い

▶ 相手のペースに流されず、自分の立場を整理したうえで対応することが重要です。離婚手続きや離婚条件について、基本的な項目を押さえておきましょう。

詳しくはこちらをご覧ください↓↓
【関連記事】[離婚準備と離婚手続き]

生活費(婚姻費用)の請求について

• 別居しても法律上は夫婦。収入の少ない側お子さんと同居している方は、相手に生活費を請求できる
• 婚姻費用の相場は、裁判所の「算定表」が参考になる
不倫やDVなどで別居の原因を作り出した方からの請求は、裁判所では減額されたり、認められないことがある

▶ 別居して出ていった相手が主として家計を支えていた場合には、まずは婚姻費用の請求を検討しましょう。お子さんの生活費をあなたが支払っている場合も同様です。

【関連記事】[婚姻費用の詳しい解説]

弁護士に相談するメリット

• 相手に不倫やDVなどの有責性がある場合の証拠収集をサポート
• 財産分与・養育費・親権など、有利に進めるための戦略を立てられる
• 相手が感情的・一方的でも、弁護士を通じて冷静な交渉が可能
• 突然の別居後、調停や裁判に進む際の見通しを得られる

▶ 一人で抱え込んでも、不安が募って苦しくなってしまうだけです。
まずは「自分の場合はどう動けばいいか」「今後の見通しはどうか」を専門家に確認しましょう。

弁護士細江智洋からのメッセージ

「相手が突然出ていってしまった」――。

寝耳に水といったご様子の相談者様も少なくなく、とても辛い状況です。
私が調停や裁判で見てきたのは、突然の別居=相手が事前に準備していたケースが多いということです。
不倫や浪費が背景にある場合もあれば、「もう限界」と気持ちが固まって出ていったケースもあります。

重要なのは、相手のペースに巻き込まれず、冷静に状況を把握して対応することです。
生活費の請求や、離婚に向けた準備は、一人で悩まず弁護士にご相談ください
辛い胸の内を打ち明け、状況を整理するだけでも、心が少し軽くなるものです。
初回30分無料の法律相談をぜひ一度ご利用ください。

この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。

この記事の編集・SEO担当者

阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で3年間、離婚調停などを担当。現場の知見を生かし、弁護士細江智洋の法律解説に元書記官としての視点をプラスして編集しています。
※ 法律解説は弁護士監修です。

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