離婚手続きの流れ|準備・協議・調停・裁判までの進め方

監修:弁護士 細江智洋

このページのまとめ

  • 離婚を考え始めたら、まずは離婚後の生活やお金、子どものことを整理し、手続き全体の流れを把握しておきましょう。
  • 夫婦で話し合うときは、離婚するかどうかだけでなく、財産分与や親権・監護、養育費などの離婚条件についても検討します。
  • 話し合った内容は、後のトラブルを防ぐため、離婚協議書などの書面に残しておくことが大切です。
  • 夫婦だけでは合意できない場合には離婚調停、調停でも解決できない場合には離婚裁判を検討することになります。

はじめに

離婚を進めようと思っても、

「まず夫婦で話し合えばいいの?」
「離婚条件がまとまらないときはどうすればいい?」
「離婚協議書はいつ作ればいい?」

など、手続きの進め方や順番について迷う方も少なくありません。

離婚の進め方は、夫婦間の話し合いで合意できるかどうかによっても異なります。

このページでは、離婚前の準備、夫婦での話し合い、離婚条件の書面化という3つのステップを中心に、離婚手続きの基本的な流れを整理します。

また、夫婦だけでは合意できない場合の離婚調停・離婚裁判や、離婚後に約束が守られない場合の対応についてもご案内します。

目次

STEP1 離婚準備:離婚を切り出す前に確認しておきたいこと

離婚を考え始めたからといって、すぐに相手へ離婚を切り出さなければならないわけではありません。
離婚後の生活を考えるためにも、まずは現在の状況を整理し、必要な準備をしておくことが大切です。


▶︎ 離婚後の生活を具体的に考えてみる

離婚すると、夫婦関係だけでなく、住まいや家計、子どもの生活なども変わります。
例えば、
• 離婚後はどこに住むのか
• 自分の収入で生活できるか
• 別居する場合の生活費をどうするか
• 夫婦にはどのような財産があるか
• 子どもは誰と暮らすのか
• 子どもの生活や教育をどうするのか
といったことを確認しておく必要があります。
離婚するかどうかまだ決めていない段階でも、こうした点を整理しておけば、離婚した場合の生活を具体的に考えやすくなります。


▶︎ 離婚を切り出す前に、資料や証拠を確認しておく

離婚では、財産分与や養育費などを検討するために、夫婦の財産や収入を確認する場面があります。
預貯金、不動産、保険、証券、退職金など、夫婦にどのような財産があるのかを把握しておきましょう。また、収入に関する資料など、離婚条件を検討するうえで必要になりそうな資料も確認しておくと、その後の話し合いを進めやすくなります。
不貞行為やモラハラなどが離婚の理由となっている場合には、離婚を切り出す前に、後から必要となる可能性のある資料や記録がないか確認しておくことも大切です。
一方、DVなどによって身の安全に不安がある場合には、証拠や資料を集めることよりも、まず安全を確保することを優先してください。状況によっては、相手に離婚や別居を伝える前に、弁護士や支援機関などへ相談した方がよい場合もあります。
特に別居後は、同居中には確認できた財産・収入に関する資料やその他の記録を確認しにくくなることがあります。離婚を切り出したり別居したりする前に、今の段階で確認しておいた方がよいものがないか整理しておきましょう。


▶︎ 離婚手続きの全体像も知っておく

離婚は、必ず裁判所で手続きをしなければならないわけではありません。
まず夫婦で話し合い、離婚することや離婚条件について合意できれば、協議離婚によって離婚することができます。
一方、話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所の離婚調停を利用します。
さらに、離婚調停でも合意できず、それでも離婚を求める場合には、離婚裁判を検討することになります。
大きな流れとしては、
夫婦での話し合い(離婚協議)
↓
離婚調停
↓
離婚裁判
と進んでいきます。
最初の段階で「今何をするか」だけでなく、話し合いがまとまらなかった場合にどのような手続きがあるのかまで知っておくと、見通しを持って準備することができます。

→【離婚を切り出す前に必要な準備を詳しく見る】

STEP2 離婚協議:夫婦で離婚と離婚条件を話し合う

離婚に向けた準備をしたら、次は夫婦で離婚について話し合います。
この夫婦間での話し合いを「離婚協議」といいます。


▶︎ 離婚するかどうかだけを話し合うわけではありません

離婚協議というと、

「離婚するか、しないか」

を決める話し合いをイメージするかもしれません。

しかし、実際には離婚そのものだけでなく、離婚後の生活に関わる条件についても話し合う必要があります。

例えば、

• 財産分与
• 親権や子どもの監護
• 養育費
• 親子交流(面会交流)
• 慰謝料
• 年金分割

などです。

どのような事項について話し合う必要があるかは、それぞれの家庭の事情によって異なります。


▶︎ 「離婚すること」と「離婚条件を決めること」は分けて考える

夫婦双方が離婚すること自体には同意していても、離婚条件について意見が一致しているとは限りません。

例えば、

「離婚することには賛成しているが、財産分与の金額が決まらない」
「子どもの養育費について意見が合わない」

といったケースもあります。

離婚するかどうかと、どのような条件で離婚するかは、分けて整理して考えることが大切です。

離婚を急ぐあまり、必要な条件を十分に確認しないまま離婚すると、離婚後になって改めて話し合いが必要になることもあります。

離婚後にどのような生活になるのかを想像しながら、必要な条件を一つずつ整理していくことが、離婚協議の基本です。 

→【離婚協議のポイントを詳しく見る】

STEP3 離婚協議書:決めた離婚条件を書面に残す

夫婦で離婚条件について合意できたら、決めた内容を書面に残すことを検討しましょう。

離婚するときには、

「ちゃんと話し合ったから大丈夫」
「相手も約束したから問題ない」

と思うこともあるかもしれません。

しかし、離婚後に時間が経つと、

「そんな約束はしていない」
「自分が考えていた内容とは違う」

といったトラブルになることがあります。


▶︎ 特に離婚後も続く約束は具体的にしておく

例えば、

• 養育費を毎月支払う
• 財産分与として一定額を支払う
• 不動産や自動車の名義を変更する

など、離婚後に履行する約束については、内容をできるだけ具体的にしておくことが大切です。

「いくら支払うのか」
「いつまでに支払うのか」
「どのような方法で支払うのか」

などを明確にしておくことで、後から認識の違いが生じることを防ぎやすくなります。


▶︎ 離婚協議書を作成する

夫婦で合意した離婚条件を書面にしたものとして、離婚協議書があります。

離婚協議書には、財産分与、養育費、親子交流など、夫婦で合意した内容を記載します。

何を記載する必要があるかは、子どもの有無や夫婦の財産状況などによって異なります。

当事務所では、離婚協議書を作成する際の参考として、子どもがいる場合・いない場合に対応したテンプレートもご用意しています。

→【離婚協議書の作り方とテンプレート】


▶︎ 公正証書にした方がよい場合もある

離婚条件を書面に残す方法には、夫婦で離婚協議書を作成する方法のほか、公証役場で公正証書を作成する方法もあります。
離婚協議書と公正証書では、作成方法や、相手が約束を守らなかった場合の対応などに違いがあります。
特に、養育費や財産分与など将来にわたる金銭の支払いを取り決める場合には、どのような形で合意を残すかも検討しておきたいところです。

→【離婚協議書と公正証書の違いとは】


▶︎ 法改正により、離婚協議書の意味も変わっています

養育費については法改正が行われ、合意した内容を書面に残しておくことの重要性が高まっています。
詳しい制度や離婚協議書との関係については、下記の記事で解説しています。

→【養育費・婚姻費用に先取特権が導入|離婚協議書の位置付けが変わります】

夫婦だけでは話し合いがまとまらない場合

ここまでご説明した3つのステップは、夫婦間の話し合いによって離婚を進められる場合の基本的な流れです。

しかし、

「相手が離婚そのものに応じない」
「離婚には同意しているが、条件がまとまらない」
「相手と直接話し合うことが難しい」

といった場合もあります。

そのようなときには、家庭裁判所の離婚調停を利用する方法があります。


▶︎ 離婚調停

離婚調停では、家庭裁判所の調停委員を介して、離婚するかどうかや離婚条件について話し合います。

当事者同士だけで話し合うのとは異なり、第三者である調停委員が双方から話を聞きながら、合意できる条件を探っていきます。

→【離婚調停とは|流れ・期間・費用を詳しく見る】


▶︎ 離婚調停でも解決できない場合は離婚裁判へ

離婚調停で話し合いを重ねても合意できない場合には、調停は不成立として終了します。

それでも離婚を求める場合には、離婚裁判を検討することになります。

離婚裁判では、夫婦の合意によって解決する調停とは異なり、最終的には裁判所が離婚の可否や争いとなっている条件について判断します。

→【離婚裁判について詳しく見る】

離婚後に約束が守られない場合

離婚時に財産分与や養育費などについて取り決めても、相手が約束どおり支払わないことがあります。

そのような場合には、取り決めの内容や作成した書面などに応じて、相手の財産を差し押さえる強制執行などの方法を検討することになります。

離婚条件を決めるときには、「何を約束するか」だけでなく、「約束が守られなかったときにどうするか」まで考えておくことが重要です。

→【離婚と強制執行の解説】

離婚の進め方に迷ったら

離婚を進めるときに必要な準備や話し合うべき内容は、夫婦の状況によって異なります。

財産が多い場合、住宅ローンが残っている場合、子どもの親権や監護について意見が合わない場合など、離婚条件の整理が複雑になることもあります。

また、

「今はまだ離婚を切り出さない方がよいのか」
「夫婦だけで話し合いを続けるべきか」
「そろそろ離婚調停を申し立てた方がよいのか」

といった、手続きを進めるタイミングに迷うこともあるでしょう。

弁護士細江智洋は、離婚問題を取り扱ってきた経験を踏まえ、現在の状況を整理したうえで、今後どのような方法で進めることができるのかをご提案します。

離婚問題については、初回30分の法律相談を無料で実施しています。

→【離婚問題の法律相談・ご予約はこちら】

まとめ

離婚を夫婦間の話し合いで進める場合には、

STEP1 必要な準備をして、手続き全体の流れを把握する
STEP2 夫婦で離婚するかどうか・離婚条件について話し合う
STEP3 決めた内容を書面に残す

という順番で整理すると、何をすべきかが分かりやすくなります。

大切なのは、離婚届を提出することだけをゴールにするのではなく、離婚後の生活まで見据えて必要な準備と取り決めをしておくことです。

夫婦だけでは話し合いがまとまらない場合には離婚調停、その後には離婚裁判という手続きもあります。

現在自分がどの段階にいるのかを確認しながら、必要な準備を一つずつ進めていきましょう。

この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。

この記事の編集・SEO担当者

阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で3年間、離婚調停などを担当。現場の知見を生かし、弁護士細江智洋の法律解説に元書記官としての視点をプラスして編集しています。
※ 法律解説は弁護士監修です。

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