離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2025.11.01更新

離婚コラム56

 

離婚に際してよくトラブルに発展するのが「慰謝料」です。一般的なイメージは「不倫をした側が払うもの」と思われがちですが、慰謝料の金額や支払い義務をめぐって、夫婦の間で大きな問題になることが少なくありません。特に、生活にゆとりのあるご家庭では、金銭的な余裕があるからこそ相手から高額な慰謝料請求を受けやすく、争いが複雑化するケースも多く見られます。今回は、離婚時の慰謝料トラブルと注意すべきポイントについて、弁護士の視点からわかりやすく解説します。

 

慰謝料の相場は「生活水準」で変わるのか?
慰謝料の算定には一律の「計算式」があるわけではなく、個別の事情に応じて裁判所が判断します。特に生活にゆとりがあるご家庭では、「経済的に余裕があるのだから、高額の慰謝料が払えるはず」といった主張をする傾向にあります。
慰謝料の金額は「支払能力」だけで決まるものではありません。法律上は、不倫や暴力などの離婚原因となった行為の内容・期間・悪質性、もしくは被害を受けた側の精神的苦痛の度合いなどが重視されます。つまり、生活水準が高いからといって自動的に慰謝料の金額が高くなるわけではありません。

 

生活水準の高い家庭で起こりやすい慰謝料トラブル
生活にゆとりのあるご家庭でよく見られるトラブルとして、以下のようなケースがあります。

1. 不倫の慰謝料が「数千万円」になると誤解している
慰謝料の相場は50万~300万円程度が中心であり、極端に高額な金額が認められるのは例外的なケースです。


2. 話し合いの中で慰謝料と財産分与の境目があいまいになるケース
協議離婚では、専門的な言葉を理解しないまま合意してしまうことがあります。例えば「慰謝料としてまとめて1,000万円払う」と取り決めたものの、その中には本来は財産分与にあたる部分が多く含めていた、というケースもあります。
慰謝料と財産分与を厳密に区別しないと、本来は財産分与として支払うべきお金まで『慰謝料』として支払うことになり、結果的に相場よりも多く慰謝料を払ってしまう危険があります。

3. 「請求されたら必ず払わなければならない」と思い込む
相手から高額の慰謝料を請求されても、すぐに応じる必要はありません。相手からの請求額と法的に認められる相場には大きな差があることが多いため、弁護士に相談するなど冷静に判断することが大切です。

 

慰謝料トラブルを避けるためのポイント
慰謝料をめぐるトラブルを防ぐには、次の点に注意するとよいでしょう。
• 慰謝料の相場を知っておくこと
インターネット上には誤解を招く情報が多いため、信頼できる専門家や公的資料から情報を取得しましょう。
• 慰謝料と財産分与との違いを整理すること
慰謝料は精神的苦痛への賠償、財産分与は夫婦で築いた財産を公平に分ける制度です。この違いを理解しておくと、誤って相場以上の金額を払ってしまうリスクを避けられます。
• 慰謝料請求を受けたらすぐに対応しないこと
安易に慰謝料の条件に合意すると、後で不利になることがあります。必ず弁護士に相談してから対応することをおすすめします。

 

弁護士に相談するメリット
慰謝料の請求を受ける、あるいは自分から請求をする場合は、専門的な知識が不可欠です。弁護士に相談すれば、相場に基づいた適切な金額を判断できるほか、交渉や調停の場で不利にならないよう全面的なサポートを受けることができます。
また、生活にゆとりがあるご家庭では、慰謝料に加えて財産分与や養育費など複数の金銭問題が複雑であることが多いため、総合的な視点で戦略を立てることが大切です。

 

まとめ
離婚時の慰謝料は、生活水準や経済状況だけで決まるものではありません。しかし、生活にゆとりのあるご家庭では相手に「払えるはず」と思われやすいため、請求額が相場を大幅に超えるケースが少なくありません。
まずは慰謝料の相場や法的な位置づけを正しく理解し、冷静に対応することが大切です。そのためには、離婚問題に精通した弁護士のサポートを受けることが、最も安心で確実な方法といえるでしょう。
慰謝料トラブルに不安を感じている方は、ぜひ弁護士細江智洋の事務所にご相談ください。詳しくは当事務所の「離婚慰謝料についての解説ページ」をご覧いただけます。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋

神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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