相手が熟年離婚に応じず、話し合いが進まない方へ
監修:弁護士 細江智洋
熟年離婚で別居・調停をどう考えるか
熟年離婚を考え、話し合いを始めたものの、
相手が離婚に応じず、話が進まないという相談は少なくありません。
• 「離婚するつもりはない」と言われた
• 話し合い自体を避けられている
• 条件の話になると相手が感情的になる
こうした状況に直面すると、
「このまま何年も動けないのではないか」と不安になる方もいらっしゃいます。
熟年離婚では、
相手が離婚を拒否すること自体が、珍しくありません。
大切なのは、感情的に押し切ろうとするのではなく、
現実的な進め方を知ることです。
目次
1 なぜ熟年離婚では話し合いが進みにくいのか
熟年離婚で相手が離婚に応じない理由は、
必ずしも強い対立やトラブルだけとは限りません。
• 老後の生活への不安
• 世間体や周囲の目
• 生活が変わることへの抵抗
• 財産や住まいを失うことへの警戒
長年の結婚生活があるからこそ、
変化そのものを避けたい心理が強く働くことがあります。
このような場合、
夫婦の話し合いだけで解決しようとすると、
時間だけが過ぎてしまうこともあります。
2 話し合いが進まない場合に考えられる選択肢
相手が離婚に応じない場合でも、
状況を整理しながら進める方法はあります。
熟年離婚では、
次のような段階を踏むことが一般的です。
① 別居を検討する
② 婚姻費用の請求を検討する
③ 調停を利用する
通常、いきなり裁判を起こすわけではありません。
まずは、生活と話し合いの土台を整えることが重要です。
3 別居をどう位置づけるか
別居は、
相手に圧力をかけるための手段ではありません。
熟年離婚における別居は、
• 生活を分ける
• 冷静に状況を整理する
• 離婚後の生活を具体的に考える
ための一つの選択肢です。
また、別居期間があることで、
その後の話し合いや手続きがスムーズになることもあります。
4 調停は「争う場」ではありません
話し合いが進まない場合、
家庭裁判所の離婚調停を利用することがあります。
調停というと、
「裁判所で争う場」という印象を持たれることもありますが、
実際には、調停委員を介して話し合いを行う手続きです。
• 直接顔を合わせずに話ができる
• 条件を整理しながら進められる
• 第三者を介するので客観的になりやすい
といった特徴があります。
熟年離婚では、
調停を利用することで、
停滞していた話し合いが動き出すことも少なくありません。
【元裁判所書記官からのひとこと】
高齢のご夫婦の離婚では、
妻から離婚調停を申し立てても、
夫が調停期日に出席しないというケースも見られます。
特に、定年退職後に離婚を求められたことをきっかけに、
話し合いに応じず、無反応を決め込むような対応を取る方も、
珍しくはありません。
このような場合、
すぐに解決することは難しく、
裁判を検討するか、
あるいは時間をかけて話し合いを続けることになります。
裁判で離婚を求める場合には、
不貞やDVなどの離婚事由があるかどうか、
そうした事情がない場合には、
別居期間の長さなどが判断のポイントになります。
話し合いが進まないときほど、
その後の選択肢を理解しておくことが大切だと感じます。
5 離婚事由が問われることもあります
熟年離婚では、
不貞などの典型的な離婚原因がないケースも多く見られます。
その場合、
• 別居期間を含めて進め方を考える
• 交渉や調停で離婚条件の整理を進める
といった対応が必要になることがあります。
「今すぐ離婚できるかどうか」だけに目を向けるのではなく、
どのような流れで進めていくかを整理することが重要です。
6 話し合いが進まないときこそ、状況の整理が大切です
相手が離婚に応じない状況では、
• 感情的になりやすい
• 判断を急いでしまう
• 不利な条件を受け入れてしまう
といったリスクもあります。
だからこそ、
• 住まい
• お金
• 別居中の生活
を含めて、
全体像を理解したうえで進めることが大切です。
7 まとめ
相手が離婚に応じない状況は、
熟年離婚では決して珍しいものではありません。
無理に結論を急ぐ必要はありませんが、
立ち止まり続ける必要もありません。
進め方を整理することで、選択肢は広がります。
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この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。
この記事の編集・SEO担当者
阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で3年間、離婚調停などを担当。
裁判所での実務を通じて、
「法律や裁判制度はわかりにくい」という声に多く触れてきました。
本サイトでは、その経験をもとに、
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