離婚調停で裁判所に電話していい?|書記官に聞けること・聞けないこと
監修:弁護士 細江智洋
はじめに
離婚調停を申し立てたあと、多くの方が不安になるのが
• 裁判所から連絡が来ない
• 今どういう進行状況なのか分からない
という点です。
「裁判所に電話していいのだろうか」
「対応してもらえるのだろうか」
と迷う方も少なくありません。
この記事では、弁護士監修のもと、元裁判所書記官の視点から
• 裁判所に電話してよい場面
• 書記官に聞けること・聞けないこと
• 電話のときのコツ
を実務の感覚に基づいて解説します
目次
1 離婚調停について裁判所に電話してもよい?
結論
電話して問題ありません。
実際、多くの方が最初に不安になるのが
申立て後しばらく連絡が来ないときです。
離婚調停を申し立てると
• 事件番号の付与
• 書類の確認
• 不備のチェック
• 期日候補日の調整
といった内部処理が行われます。
この処理には時間がかかることもあり、
2週間ほど連絡がないことも珍しくありません。
そのため
「離婚調停を申し立てて連絡を待っているのですが、
現在どのような状況でしょうか」など
と電話で確認しても問題ありません。
2 裁判所に電話するときの名乗り方
裁判所に電話するとき、
「最初に何と言えばよいのだろう」と迷う方も多いと思います。
離婚調停の事件について問い合わせる場合は、次のように伝えれば大丈夫です。
「事件番号 令和○年(家イ)○号の申立人○○(名前)です。
担当書記官に繋いでください。」
裁判所では、誰のどのケースかを「事件番号」で管理されています。
そのため、事件番号を伝えると、書記官はすぐに事件記録を確認することができます。
事件番号は、裁判所から送られてくる書類に記載されています。
▶︎ まだ事件番号が分からない場合
申立てをしたばかりの段階では、
まだ事件番号が分からないこともあります。
その場合は、次のように伝えれば問題ありません。
「○月○日頃に離婚調停を申し立てた〇〇(名前)です。
まだ事件番号が分からないのですが、担当書記官をお願いします。」
裁判所では、申立日や氏名から事件を確認することができます。
▶︎ 氏名の漢字は正確に伝える
裁判所では、氏名で事件を検索することもあります。
そのため、電話で名前を伝える際には、
漢字を正確に伝えることが大切です。
特に
• 常用外の漢字
• 読み方が複数ある漢字
の場合は、漢字の説明をした方がスムーズです。
例えば
「〇〇の“〇”は、〇〇の〇という字です」
というように伝えると、書記官が検索しやすくなります。
3 書記官に聞けること
書記官に聞けるのは、主に手続に関する事項です。
例えば
• 調停期日の確認
• 提出書類の確認
• 手続の流れ
• 書類提出方法
• 現在の進行状況
といった内容です。
こうした事項は、電話で確認することができます。
4 書記官に聞けないこと
一方で、書記官が答えられない内容もあります。
例えば
• 自分の主張が有利かどうか
• 離婚できる可能性
• 相手の主張の評価
• どう主張すればよいか
といった法律相談です。
これらは裁判所ではなく、弁護士に相談する内容になります。
5 つい怒ってしまった場合、不利になる?
調停の中では、相手とのトラブルや不満から
書記官や調停委員に対して感情的になってしまう方もいます。
その場合、
「不利になるのではないか」
と心配する方もいます。
結論から言うと、
それだけで裁判所が当事者を不利に扱われることは、認められません。
裁判所の職員は、公平に手続きを進める立場にあります。
感情で当事者を不利に扱うことはできません。
ただし、裁判所の職員も人間です。
強い感情をぶつけられると、
やり取りが固くなってしまうことはあり得ます。
調停は、調停委員が双方の話を聞きながら進める手続きです。
できるだけ落ち着いてやり取りをする方が、結果として円滑に進むことが多いでしょう。
6 電話で長時間クレームを伝えるのはおすすめできない
書記官に電話をすると、
つい不満や事情を長く説明してしまう方もいます。
しかし実務の感覚としては、
電話で長時間のクレームを伝える方法はあまりおすすめできません。
理由の一つは、
書記官が大量の事務処理を抱えていることです。
地域差はありますが、
家庭裁判所では、多くの事件を限られた人数で処理しています。
そのため
• 内容が整理されていない長い説明
• 長時間のクレーム
になると、書記官の側も余裕を失い、
対応が冷たく感じられてしまうことがあります。
問題を伝える場合には
• 日時
• 発言内容
• 問題と感じた点
を整理したうえで、書面で提出する方が伝わりやすい場合もあります。
まとめ
離婚調停について裁判所に電話すること自体は問題ありません。
特に
• 申立て後しばらく連絡がない
• 進行状況を確認したい
といった場合には、電話で確認してみましょう。
電話をする際は
• 事件番号を伝える
• 要点を整理して質問する
といった点を意識すると、やり取りがスムーズになります。
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この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。
この記事の編集・SEO担当者
阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で離婚調停を含む家事事件を担当。
裁判所での実務経験から、
手続きが進む過程や、調停の場で重視される視点を踏まえ、
弁護士による法律解説を補足・編集しています。
※法律解説は弁護士監修です。















