離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.01.12更新

離婚コラム80

 

50代からの夫婦関係、家庭内別居は許される?
50代を迎えると、子どもの独立や定年後の生活を意識し、夫婦関係を見つめ直す方が増えてきます。
「同じ家に住んでいても、会話はほとんどない」「生活は完全に別で、家庭内別居の状態が続いている」というご相談も多くあります。
家庭内別居は珍しいことではありませんが、この状態を続けてよいのか、法律上問題はないのかと不安に感じる方も多いでしょう。
ここでは、50代の家庭内別居について、弁護士の視点から分かりやすく解説します。

 

家庭内別居とはどのような状態か
家庭内別居とは、同じ家に住み続けながら、夫婦としての実質的な共同生活を行っていない状態を指します。
たとえば、
• 毎日の食事や洗濯を別々にしている
• お互いの寝室を分け、顔を合わせることがほとんどない
• 夫婦の会話や相談がなく、必要最低限の接触しかない
50代では、経済的な理由や今後の生活への不安から、別居や離婚に踏み切れず、家庭内別居を続けるケースも多く見られます。

 

家庭内別居と同居義務の関係
民法では、夫婦には同居義務・協力義務・扶助義務があると定められています。
この「同居義務」とは、単に同じ家に住めば足りるわけではなく、夫婦として共同生活を営むことを前提とした意味を含みます。
そのため、家庭内別居であっても、
• 生活費を一切負担しない
• 相手を無視し続け、精神的に追い詰める
• 正当な理由なく夫婦関係を拒絶し続ける
といった場合には、同居義務や扶助義務に反していると判定される可能性があります。

 

50代で家庭内別居を続けるリスク
家庭内別居は、一時的に夫婦の距離を取るために選ばれることがあります。
しかし、きちんと話し合いをしないまま長期間続けてしまうと、
後になって夫婦の財産や介護の問題を整理しにくくなる
ことがあります。


まず、お金の問題です。
家庭内別居中も生活費の分担や貯蓄の管理について、夫婦に責任があります。
ところが、
「長年、生活費は各自で出していた」
「どちらの収入で貯まったお金なのか分からない」
といった状態が続くと、いざ離婚の話になったときに、
「どれが共有財産なのか」
「退職金はどう分けるか」
といった点で話がまとまらなくなります。
次に、夫婦関係がいつ破綻したのか分かりにくい問題があります。
後になって
「何年前から実質的な夫婦関係は終わっていたのか」
「同居義務を果たしていたと言えるのか」
が争点になることがあります。
これは、離婚が認められるかどうか、条件をどう決めるかに影響する重要な点です。
さらに、夫婦のどちらかが病気や介護が必要になった場合に、判断が一層難しくなります
たとえば、どちらかが介護を必要としたとき、
「家庭内別居の状態で、どこまで世話をするのか」
「介護を理由に同居を続けるのか、別居あるいは離婚するのか」
といった問題に直面します。
関係が冷え切ったまま時間が経っていると、感情的にも現実的にも、
冷静な話し合いができなくなってしまうことがあります。

 

家庭内別居と離婚の関係
家庭内別居が長期間続いている場合、実質的に夫婦関係が破綻していると判断されることがあります。
もっとも、家庭内別居だけで必ず離婚が認められるわけではなく、
• 家庭内別居に至った経緯
• 関係修復の努力があったか
• 夫婦としての交流がどの程度残っていたか
など、具体的な事情が考慮されます。
そのため、「今はまだ離婚を決めていない」という段階でも、事情を整理しておくことが大切です。

 

同居したまま離婚を進めるという考え方
「家を出ないで離婚の話を進めたい」というご相談も多く寄せられます。
実際、同居中でも離婚協議や調停を進めることは可能です。
ただし、同居中の離婚では、
• 生活費(婚姻費用)はどちらが負担するか
• 相手との距離をどう取るか
• 感情的な対立をしない工夫
など、注意すべき点があります。
同居中の離婚については、こちらのページで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
同居中の離婚の進め方

迷ったときは、早めに状況を整理することが大切です
家庭内別居は、「何も決まらないまま時間が過ぎてしまう」状態になりやすいものです。
今の生活が同居義務の観点からどう判断されるのか、
一度、法律の視点から整理してみることで、気持ちが落ち着くこともあります。
お一人で悩みを抱え込まず、弁護士へ相談することも検討してみてください。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

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