親権変更に必要な理由とは
2026.03.01更新

親権変更に必要な理由とは
離婚時に決めた親権について、
「今の環境は本当に子どものためになっているのだろうか」
「生活が変わり、親権はこのままでよいのか不安」
このようなお気持ちから、親権の変更を考え始める方は少なくありません。
もっとも、親権は一度決まると、簡単には変更できません。
親権者の変更が家庭裁判所で認められるには、法律で定められた要件を満たす必要があります。この記事では、親権変更が認められるための要件や、裁判所がどのような点を重視するのかを具体的に解説します。
親権変更の要件は「子の利益のため」
親権者の変更が認められるのは、民法で「子の利益のため必要があると認めるとき」と定められています。父母の希望や都合よりも、あくまで子どもの健全な成長と福祉にとって変更が必要かどうかが最優先で判断されます。生活環境が頻繁に変わることは子どもにとって大きな負担となるため、裁判所は変更の必要性を慎重に判断します。
「前より経済的な余裕ができた」
「やはり親権を取りたい、自分が育てたい」
といった理由だけでは、裁判所で親権変更は認められません。
現在の親権者が育児をほとんど行っていない場合
「育児をほとんど放棄している」と判断されるのは、単に忙しくて育児が出来ていないという程度ではありません。
日常的な養育が継続して行われていない状態が問題になります。
たとえば、
• 平日はほとんど家におらず、子どもの食事や入浴、就寝の世話をしていない
• 学校や保育園との連絡、行事への対応を一切行っていない
• 病気やけががあっても、通院していない
• ほぼ祖父母などに子どもを預けたままになっている
このような生活が長期間続いている場合、養育放棄(ネグレクト)と判断される可能性があります。
一時的な事情ではなく、「常態化しているかどうか」が重要な判断ポイントです。
虐待が疑われる場合
親権判断では、身体的な暴力だけでなく、言葉による精神的虐待も重要視されます。
たとえば、
• 「お前なんかいなければよかった」
• 「本当に何もできない子だ」
• 「誰もお前のことなんて気にしていない」
• 「言うことを聞かないなら家から出ていけ」
こうした暴言を日常的に繰り返し浴びせている場合、子どもの心に深刻な影響を与えるとして、親権変更が認められることがあります。
親権者の病気や生活環境の激変
親権者が重い病気にかかり、子どもの面倒を見ることができなくなった場合や、再婚・転居などによって生活環境が大きく変わり、結果として子どもを適切に養育していない状態(例:再婚相手を優先し、子どもを親戚に預けている)になっている場合も、変更の理由となり得ます。
子どもの意思が考慮される場合
子どもが一定の年齢に達している場合には、
「どちらの親と暮らしたいか」「今の生活に不安はないか」といった子どもの意思も考慮されます。
家庭裁判所は、子の年齢や発達の程度に応じてその意思を考慮し、特に子が15歳以上の場合には、その子の意見を聞かなければならないと定められています。裁判例でも、11歳の子の意思を尊重して親権者変更を認めたケースがあります。
もっとも、子どもの希望だけで親権が変更されるわけではなく、
養育環境やこれまでの経緯とあわせて、総合的に判断されます。
親権変更では「証拠」がとても重要です
親権変更の手続きでは、「心配している」「問題があると思う」という動機だけでは足りず、
現在の養育状況が客観的にわかる資料が重要になります。
• 面会時に気づいた事実を、日時とともに記録したメモ
(身なりや体調、生活の様子についての不自然な発言など)
• 親権者とのLINEやメールのやり取り
(学校や病院の話題に反応を示さない、十分な養育がされていないことが分かる内容)
• 子どもから聞いた普段の様子を簡単に書き留めた日々の記録
(祖父母が主に世話をしている、親権者がそもそも家にいないなど)
• 学校対応を祖父母や第三者が行っていることが分かる資料
これらを無理のない範囲で、複数の証拠を積み重ねることで、養育状況に問題がある可能性を示す材料になります。
親権変更を考えたら、早めの相談を
親権変更は、子どもの将来に大きく関わる問題です。
一人で抱え込まず、専門家に相談することで、状況に応じた適切な進め方が見えてくることもあります。
親権や監護権について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページもぜひご覧ください。















