離婚調停が不成立になったら

監修:弁護士 細江智洋

はじめに

離婚調停では、すべてのケースで離婚が成立するわけではありません。

話し合いを重ねても夫婦の意見がまとまらない場合には、通常、調停は不成立として終了します。

調停が不成立になると、

「このまま離婚できずに終わってしまうのではないか」
「次はどうすればいいのか」

と不安に感じる方も少なくありません。

しかし、調停が不成立になったからといって、離婚に関する問題が終わるわけではありません。

この記事では、離婚調停が不成立になった後の主な選択肢、よくある流れについて解説します。

このページのまとめ

  • 離婚調停は、夫婦の話し合いがまとまらない場合、不成立として終了することがあります。
  • ただし、調停が不成立になっても、直ちに離婚できなくなるわけではなく、必ず裁判になるわけでもありません。
  • 離婚を希望する場合には離婚訴訟を検討しますが、ケースによっては別居を続けたり、証拠を整理したりしながら状況の変化を待つこともあります。
  • 調停不成立後は、自分の立場や裁判になった場合の見通しを整理したうえで、次の対応を考えることが大切です。

目次

1 離婚調停が不成立になるのはどのような場合?

離婚調停は、話し合いによって夫婦間の問題を解決する手続です。

そのため、話し合いで合意に至らなかった場合には、通常、不成立として終了することになります。

離婚調停が不成立になる主なケースとしては、次のようなものがあります。

▶︎ 離婚するかどうかで意見が対立している場合

例えば、

• 一方は離婚したい
• 他方は離婚したくない

というケースです。

調停委員が間に入って話し合いを進めても、離婚そのものについて合意できなければ、不成立になってしまいます。

▶︎ 離婚条件で合意できない場合

離婚自体には双方が同意していても、

• 親権
• 養育費
• 財産分与
• 慰謝料
• 面会交流

などの条件で折り合いがつかないことがあります。

このような場合も、不成立として終了することがあります。

2 不成立になったら必ず裁判になる?

離婚調停が不成立になったからといって、必ず離婚訴訟になるわけではありません

不成立後の対応は、夫婦の状況や今後の見通しによって異なります。

例えば、

• 離婚訴訟を提起する
• 別居を継続しながら状況の変化を待つ
• 再度話し合いを試みる

といった選択肢が考えられます。

そのため、不成立になった後は、

「次に何をするべきか」
「相手はどう対応しそうか」

を改めて整理することが重要です。

3 離婚を希望する場合は離婚訴訟を検討する

離婚調停が不成立になった場合、離婚を希望する側は離婚訴訟を検討することになります。

もっとも、調停で離婚できなかったからといって、裁判で必ず離婚が認められるわけではありません

裁判では、

• 不貞行為
• DV
• 悪意の遺棄
• 婚姻を継続し難い重大な事由

などの離婚原因があるかどうかが問題になります。

そのため、

「裁判になった場合に離婚が認められる可能性がどの程度あるのか」

という見通しを検討することが重要です。

4 すぐに訴訟を起こさないケースもある

離婚調停が不成立になっても、直ちに訴訟を提起しなければならないわけではありません

例えば、

• 別居期間がまだ短い
• 婚姻関係の破綻を裏付ける事情が十分ではない
• 自分が有責配偶者にあたる可能性がある

といったケースでは、現時点で訴訟を起こしても離婚が認められる可能性が高くないことがあります。

そのような場合には、

• 別居を継続する
• 必要な証拠を整理する
• 状況の変化を待つ

といった対応が選択肢になることもあります。

つまり、離婚調停が不成立になったからといって、常に「すぐ裁判」というわけではありません

5 離婚したくない場合はどうなる?

離婚調停が不成立になった場合でも、相手方が離婚を希望しているのであれば、離婚訴訟を提起してくる可能性があります。

もっとも、離婚訴訟では、

「離婚したいと言っている側の希望」

だけで離婚が認められるわけではありません

裁判所は、

 離婚原因が認められるか
(婚姻関係が破綻しているか)

といった点を踏まえて判断します。

そのため、離婚したくない場合には、

「裁判になった場合にどのような判断が予想されるのか」

という見通しを把握しておくことが重要です。

6 不成立後は見通しの整理が重要になる

離婚調停が不成立になった後は、

• 訴訟を提起するべきか
• 今は様子を見るべきか
• 今後どのような見通しが考えられるか

を整理する必要があります。

もっとも、当事者だけでは客観的な見通しを判断することが難しい場合もあります。

弁護士に相談することで、

• 自分の立場の整理
• 裁判になった場合の見通し
• 必要な証拠の確認
• 今後の方針の検討

などを行いやすくなります。

特に、調停不成立後は選択肢が複数あるため、見通しの誤りを減らせることは大きなメリットといえるでしょう。

まとめ

離婚調停が不成立になったからといって、直ちに離婚できなくなったり、必ず裁判になったりするとは限りません

離婚を希望する場合には離婚訴訟を検討することになりますが、ケースによっては別居を継続しながら状況の変化を待つことが適切な場合もあります。

また、離婚したくない場合にも、裁判になった場合の見通しを踏まえて対応を考えることが重要です。

離婚調停が不成立になった後は、感情的に判断するのではなく、自分の立場や今後の見通しを整理したうえで次の対応を検討することが大切です。

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この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。

この記事の編集・SEO担当者

阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で3年間、離婚調停などの家事事件を担当。
裁判所での実務経験を踏まえ、弁護士細江智洋の法律解説に、
「調停の現場で実際に起きていること」が伝わる視点を加えて編集しています。
※法律解説は弁護士監修です。

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