離婚調停を有利に進めるために整理しておきたいポイント
監修:弁護士 細江智洋
はじめに
離婚調停では、「これをすれば必ず有利になる」という単純な方法があるわけではありません。
ただ、自分の立場や見通し、証拠関係などを整理せずに調停へ臨んでしまうと、話し合いが長引いたり、本来より不利な条件で合意してしまったりすることがあります。
そこで、この記事では、離婚調停を進める前に整理しておきたいポイントを解説します。
離婚調停を有利に進めるためには、強く主張することだけでなく、裁判になった場合の見通しや、離婚後の生活を踏まえて冷静に準備することが大切です。
このページのまとめ
調停で後悔しないために
✔️ 自分が離婚調停でどのような立場にあるのかを整理する
✔️ 養育費・財産分与・慰謝料などの希望条件が、実務上の見通しとかけ離れていないか確認する
✔️ 主張を裏付ける資料や証拠を準備し、感情だけで条件を決めないようにする
目次
01 まずは自分の立ち位置を把握する
離婚調停では、まず「自分がどのような状況にあるのか」を整理することが重要です。
調停は話し合いの手続きですが、話し合いがまとまらなければ、最終的には離婚裁判に進むことがあります。
そのため、調停の段階でも、
「裁判になった場合に、自分の主張がどの程度認められそうか」
という見通しを踏まえて、条件交渉を考えることが大切です。
特に、自分が有責配偶者にあたる可能性があるかどうかは、裁判になった場合の見通しにも影響することがあります。
有責配偶者にあたる可能性があるケース
例えば、次のような事情が問題になることがあります。
• 不貞行為
• DV
• 悪意の遺棄
• 長期間の暴言やモラハラ など
自分が有責配偶者にあたる場合、相手が離婚を拒否したときには、裁判で離婚が認められにくくなる可能性があります。
そのため、
• 条件面で一定の譲歩を検討する
• 長期化の可能性を見据える
• 別居期間も踏まえて考える
といった視点が必要になることもあります。
相手が有責配偶者の場合
他方で、相手に不貞やDVなどの事情があり、その証拠も一定程度確保できている場合には、こちら側に有利な事情として働くことがあります。
裁判になった場合に離婚や慰謝料請求が認められる可能性が高いのであれば、調停でも無理に大きく譲歩する必要がないケースもあります。
このように、「裁判になった場合の見通し」は、調停での条件交渉にも大きく影響することがあります。
02 希望条件が実務感覚とかけ離れていないか確認する
離婚調停で、自分の希望を主張することは自由にできます。
むしろ、率直に希望を伝えることも大切です。
ただ、実際の調停では、裁判実務や一般的な相場感を踏まえて調整が進むことも多くあります。
例えば、
• 養育費
• 財産分与
• 婚姻費用
• 面会交流
などについて、実務上の考え方や相場とかけ離れた希望になっている場合には、話し合いがまとまりにくくなることがあります。
離婚では、相手に対する怒りや不満が強くなることも珍しくありません。
ただ、
「許せない」ことと、
「法的にどこまで認められるか」
は別問題です。
感情面の整理と、法的な見通しの整理は分けて考える必要があります。
03 主張を裏付ける資料を準備する
離婚調停は話し合いですが、
資料や証拠による裏付けあることには大きな意味があります。
有責性に関する資料
例えば、不貞行為を主張する場合には、
• LINE
• メッセージ履歴
• 写真
• 探偵報告書
などが問題になることがあります。
お金に関する資料
また、財産分与や養育費などでは、
• 源泉徴収票
• 給与明細
• 通帳
• 保険資料
• 不動産資料
などが重要になることがあります。
資料があることで交渉の進み方が変わることもある
調停では、「裁判になった場合」を想定して交渉が行われることが多くあります。
そのため、
「裁判になっても一定程度認められそうだ」
という見通しがあると、相手側が譲歩を検討することもあります。
04 感情だけで条件を決めないことも大切
離婚調停では、相手への怒りや不満が強くなることもあります。
ただ、一時的な感情だけで条件を決めてしまうと、後から後悔につながることがあります。
特に、
• 今後の生活
• 子どもの養育
• 老後資金
• 住まい
などは、離婚後の生活に長く影響します。
「今の感情」だけではなく、「離婚後の生活」を見据えて検討することが重要です。
05 弁護士に相談して見通しを確認するメリット
離婚調停では、自分だけで状況を整理しようとしても、法的な見通しや実務感覚が分かりにくいことがあります。
また、相手への怒りや不安が強い場合には、自分の希望が現実的なのか、どの点を優先して考えるべきなのかを冷静に判断しにくくなることもあります。
調停に入る前に状況を整理しておく最大のメリットは、見通しの誤りを減らせることです。
弁護士に相談することで、
• 自分の立場の整理
• 裁判になった場合の見通し
• 必要な証拠の確認
• 条件面の整理
などを、客観的な視点から行うことができます。
離婚調停には、「これをすれば必ず有利になる」という特別な方法があるわけではありません。
しかし、事前に自分の立場や見通しを整理し、必要な準備を確認しておくことで、調停でどのように話し合うべきかを考えやすくなります。
調停を申し立てる前や、調停期日が始まる前の段階で、できれば一度弁護士に相談し、自分の状況を整理しておくことも大切です。
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この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。
この記事の編集・SEO担当者
阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で3年間、離婚調停などの家事事件を担当。
裁判所での実務経験を踏まえ、弁護士細江智洋の法律解説に、
「調停の現場で実際に起きていること」が伝わる視点を加えて編集しています。
※法律解説は弁護士監修です。















