離婚調停の必要書類|申立て前に知っておきたいポイントを元裁判所書記官が解説

はじめに

離婚調停を申し立てようと考えたとき、

「どんな書類が必要なのか」
「全部揃えるのは大変なのか」

と不安に感じる方もいらっしゃるかと思います。

実際のところ、申立て自体に必要なものはそれほど多くありません。
一方で、調停の内容によっては、後からさまざまな書類の提出が求められることもあります。

この記事では、裁判所の公式情報だけでは分かりにくい、

・申立時に用意すべき書類
・調停の進行に応じて必要になる資料
・提出時に注意しておきたいポイント

を、元裁判所書記官の視点から整理して解説します。

※手続の概要や最新の書式については、裁判所の公式ウェブサイトもあわせて確認してください。

目次

1 「必要書類」といっても、実際にはいくつか種類があります

離婚調停では、「必要書類」と一言でまとめて説明されることが多いですが、
実際には、提出するタイミングや役割が少しずつ異なります。

例えば、

・申立ての際に提出する書類
・話し合う内容によって必要になる資料
・調停の進行を見ながら追加で提出を求められる書類

などがあります。

そのため、「最初からすべて揃えなければならない」というよりも、
調停の進行に応じて必要な資料を提出するイメージに近い手続です。

もっとも、申立書や収入印紙など、申立ての段階で必要となるものもあるため、
まずは「申立て時に必要となる書類」を確認することが重要になります。

 

【関連記事】離婚調停の流れ|申立てから終了までをわかりやすく解説

2 申立て時に揃えておく書類

離婚調停では、申立ての段階で次のような書類を提出することが一般的です。

書類名 ポイント
収入印紙 1,200円分を申立て時に納付します
(郵便局・コンビニで購入可能)
郵便切手 裁判所ごとに必要額や内訳が異なります
(郵便局・コンビニで購入)
戸籍謄本(全部事項証明書) 最新のものを提出します
(市区町村役場で取得)
事情説明書 裁判所の窓口やウェブサイトで入手。必要事項を記載します
(子どもがいる場合は「子についての事情説明書」も)
進行照会書 調停の進め方を判断するための資料です
送達場所等届出書 書類の送付先を指定します

これらは、すべて揃わないと手続が進まないというわけではありませんが、
不備があれば、最初の期日調整前に提出や補正を求められることが多い書面です。

特に収入印紙については、不足があると原則として手続きが進まないので、注意が必要です。

【元裁判所書記官からのひとこと】

申立ての際に使用するのは「収入印紙」です。
実務上、ごくまれに収入証紙」を貼って提出してしまうケースがありますが、
収入証紙は裁判所の手数料の納付としては認められません。
その場合は、あらためて収入印紙で納付し直す必要がありますので、
購入の際には名称をよく確認しておくことをおすすめします。

3 争点によって後から必要になる書類

離婚調停では、「何を決めるか」によって必要となる書類が変わります。
代表的なものを整理すると、次のとおりです。

争点 必要となる書類・資料
養育費 養育費に関する陳述書、収入資料
(給与明細・源泉徴収票など。直近2〜3か月分が目安)
財産分与 財産分与一覧表、預貯金・不動産・保険・株式などの資料
(通帳コピーや査定書などで対応可能)
親権・監護 子の監護に関する陳述書、生活状況に関する資料
(生活スケジュールなども有効)
婚姻費用 (申し立てがある場合) 収入資料。すでに合意がある場合は、合意した内容が分かる資料
(給与明細・源泉徴収票など。直近2〜3か月分が目安)

これらの書類は、申立て時に全て揃えることはまでは、あまり求められません。

ただし、資料がない状態では

・金額の検討ができない
・条件のすり合わせができない

といった理由から、話し合いが進みにくくなってしまいます。

調停は話し合いの手続ですが、
最終的には「条件を決める場」であるため、資料の準備は重要になります。

 

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4 住所・勤務先を知られたくない場合は必ず事前確認を【重要】

離婚調停では、提出する書類の取扱いにも注意が必要です。

原則として、申立書や収入資料などは相手方に写しが送付されます
また、写しが送付されない扱いの書類であっても、相手方が事件記録を閲覧することで、内容を知ることができる場合があります

そのため、

提出した内容は相手に見られる可能性がある
という前提で考えておくことが重要です。

特に、

・現住所を知られたくない
・勤務先を知られたくない

といった事情がある場合には、書類の記載内容には慎重な対応が求められます。

事前に、
・どの書類が相手に送付されるのか
・どの書類が閲覧対象になるのか
・どのような方法で秘匿できるのか

について、申立て前に裁判所の説明をよく確認し、担当書記官と認識を共有しておくことが重要です。

 

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離婚調停を申し立てたら書記官に何を伝える?|元裁判所書記官が解説

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5 まとめ

離婚調停の書類は、

・申立時に必要なもの
・調停の進行に応じて必要になるもの

に分かれます。

申立て自体は比較的シンプルに始めることができますが、
実際には争点に応じて書類が増えていきます。

重要なのは、

何を争点として整理するか
どの資料が必要になるか

を意識して準備することです。

不安がある場合には、申立て前に裁判所や弁護士に確認しながら進めることで、
手続をスムーズに進めやすくなります。

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この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。

この記事の編集・SEO担当者

阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で3年間、離婚調停などの家事事件を担当。
裁判所での実務経験を踏まえ、弁護士細江智洋の法律解説に、
「調停の現場で実際に起きていること」が伝わる視点を加えて編集しています。
※法律解説は弁護士監修です。

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