離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2025.09.23更新

離婚コラム43

 

結婚生活も20年、30年と続くと、夫婦の関係は大きく変わっていきます。昔は些細なことに笑い合えたのに、今では会話もなく、孤独を感じる日々……。そんなときに耳にするのが「モラハラ」という言葉です。
熟年離婚を考える女性の多くが自分さえ我慢すればと思ってしまいます。しかし、本当に心が限界に達しているサインを見逃してしまうと、気づかないうちに心も体も弱ってしまい、毎日の暮らしそのものがつらく感じられることもあります。
ここでは、熟年離婚を決意する前にぜひ知っていただきたい「心の限界サイン」と、その対処法についてご紹介します。

 

モラハラの典型的なパターンとは?
モラハラ(モラルハラスメント)とは、言葉や態度で相手を支配し、心を傷つけ続ける行為のことです。暴力のように外から分かりにくいため、被害にあっている本人でさえ自覚していないのが特徴です。
例えばこんな言葉や態度に、思い当たりませんか?
• 「お前は何もできない」などの人格を否定する言葉
• 話しかけてもずっと無視をされる
• 外では良い夫を演じるが、家庭内では冷たい態度を取る
• 家計や生活に関わる決断を一方的に押し付けられる
こうした言動が繰り返されると、自分の存在を否定されたように感じ、心が深く傷つきます。

 

心の限界を示すサインを見逃さない

「まだ大丈夫」と思っていても、心が悲鳴を上げているサインは必ず現れます。次のような状態が続いていないか、ご自身の心と体に問いかけてみてください。
• 夜眠れず、食欲が落ちてきた
• 以前楽しめた趣味に興味が持てない
• 家にいると強い不安に襲われる
• 人と会って話す気力がなくなってきた
• 「私が我慢すれば」と考え続けてしまう
これらは、心の限界を知らせる重要なサインです。放っておくと、うつ状態に進行することもあり、早めの対応が必要です。

 

離婚を決意する前にできること
熟年離婚は大きな決断ですから、時間をかけて準備を進めることが、将来の安心につながります。離婚を考え始めたら、まずは次の3つを意識してみましょう。
1. 信頼できる人に気持ちを話す
 友人や家族に悩みを打ち明けるだけでも、心が軽くなり気持ちが整理されやすくなります。
2. お金のことを整理してみる
 離婚後の生活には現実的な生活資金の準備が欠かせません。年金分割や財産分与など、制度の確認も大切です。
3. 専門家に相談する
 弁護士に相談することで、自分に合った選択肢や具体的な進め方が見えてきます。法律の知識があるだけで、将来への不安が和らぎます。

 

「自分の人生を大切にする」という選択肢を
長年の結婚生活を経て離婚を考えるのは、とても勇気のいることです。けれども、自分の心と体を大切にすることは決してわがままではありません。
もし「これってモラハラかも?」と感じたら、まずは心のサインを受け止め、まずはご相談ください。
熟年離婚に関する詳しい解説や解決のステップについては、当事務所の特設ページでご案内しています。ぜひご覧ください。
→熟年離婚に関するご案内はこちら

 

まとめ
• モラハラは外から見えにくく、本人も気づきにくい
• 不眠や不安感などは心の限界を知らせるサイン
• 離婚を決断する前に、経済面や法律面の準備が必要
• 我慢せずに専門家へ相談することが、安心した一歩につながる
「今のままで本当にいいのだろうか」と悩んでいる方にとって、このコラムが少しでも参考になれば幸いです。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2025.09.17更新

離婚コラム41

 

「熟年離婚」という言葉を耳にする機会が最近多くなってきました。熟年離婚とは、結婚生活が20年以上経過した夫婦が離婚することを指しますが、その中でも特に60代での離婚件数が増えていることをご存じでしょうか。

厚生労働省の令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況によると、2022年に離婚した夫婦のうち21.7%が熟年離婚でした。件数にすると約3万9千組にのぼり、離婚全体の「およそ5組に1組」がこの熟年離婚にあたります。離婚全体の件数は減ってきているにもかかわらず、熟年離婚だけは高い割合を保っていることが分かります。

 

どうして60代離婚が増えているの?
1. 長い老後を意識するようになったから
平均寿命が延び、60歳を迎えてもまだまだ元気で過ごせる時間があります。
「残りの人生を、自分らしく過ごしたい」という思いが、離婚という選択につながることがあります。


2. 子育てが終わり夫婦だけに
子どもが独立すれば、夫婦二人だけの生活が始まります。その中でこれまで見過ごしていた価値観の違いや溝がはっきりとしてきます。最近は働く女性が増え、経済的に自立できる女性が増えたことも背景にあります。


3. 年金分割制度が後押しに
2007年に導入された「年金分割制度」により、専業主婦であっても婚姻期間中の夫の厚生年金を分け合えるようになりました。離婚しても老後の生活資金に困らないかもしれないという安心感が生まれ、離婚を後押ししています。

 

離婚を考えるきっかけ
• 夫との会話が減り、精神的な孤独を感じる
• 長年の価値観のずれやモラハラ的行動に限界を感じる
• 夫の退職後、生活リズムが合わず強いストレスになる
• 夫の介護をしたくないという思い
これまで不満を抱えてきた中で「この先、夫の介護まで担うのか」と考えると大きな負担に感じ、自分の老後を大切にしたい気持ちが強くなります。
• 義父母とのかかわりへの抵抗
夫の両親の介護や生活の面倒を期待されると、「なぜ自分がそこまでしなければならないのか」と重荷に感じます。
こうした理由は、熟年離婚は若い世代の離婚とは異なり、長年積み重なった気持ちのすれ違いや将来設計の違いから生じます。

 

熟年離婚のメリットと注意点
メリット
• 自分のペースで自由に暮らせる
• 年金分割や財産分与により老後資金を確保できる
• 介護の不安などのストレスの原因から解放される


注意点
• 離婚後の生活費や住居をどうするか
• 病気や将来的な介護が必要になった場合の備え
• 財産分与・年金分割を正しく理解すること
特に年金分割や退職金の分与は、手続きや期限が複雑で、よく分からないまま進めると大きく損をする可能性があります。

 

弁護士に相談する安心感
熟年離婚は、感情的にならず、冷静に老後の生活を考えたうえで判断することが大切です。弁護士に相談すれば、財産や年金の分け方について正しくアドバイスを受けられ、相手との話し合いもスムーズに進めることができます。相手と直接交渉しなくていいので、精神的な負担も軽くなります。

 

まとめ
60代の離婚は、今や珍しいことではありません。
「このまま夫婦生活を続けるのか、それとも新しい人生を歩むのか」――その選択は、あなたの人生を大きく変えるものです。大切なのは、安心して暮らせる準備をした上で行動することです。
もし今、熟年離婚についてお悩みであれば、まずは専門家にご相談ください。
当事務所では、熟年離婚の経験豊富な弁護士が、あなたの状況に寄り添いながら、最も良い解決策をご提案いたします。詳しくは下記ページをご覧ください。


➡ 熟年離婚について詳しくはこちら

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2025.09.02更新

離婚コラム36

 

家庭内での精神的な暴力、いわゆる「モラルハラスメント(モラハラ)」が原因で、深く傷つき、離婚を考える方が増えています。
しかし、モラハラは目に見える暴力(DV)と異なり、外からは気づかれにくいため、「本当に慰謝料を請求できるのか」「金額はどのくらいが相場なのか」といった不安を抱く方も少なくありません。
本記事では、モラハラによる慰謝料請求の可否や金額の相場、請求を成功させるために必要なことについて、弁護士が分かりやすく解説いたします。

 

モラハラとは?法的にどう扱われる?
モラハラとは、相手を言葉や態度で精神的に追い詰める行為のことを指します。たとえば、
• 理由もなく無視をする
• 繰り返し人格を否定するような発言をする
• 行動を細かく監視・束縛する
• 威圧的な態度をとる
といった行為が継続的に行われると、それは精神的虐待=モラハラと見なされる可能性があります。
このようなモラハラ行為が、夫婦の婚姻関係を継続できないほど深刻な場合、民法770条1項5号に基づいて離婚が認められ、あわせて慰謝料を請求できる場合があります

 

モラハラで慰謝料を請求できるのはどんな場合?
モラハラで慰謝料を請求するためには、次のような要件が重要になります。
• モラハラ行為が継続的かつ悪質であること
• その被害が婚姻関係を破綻させたこと
• 被害者が心身に苦痛を受けていること(例:うつ病、不眠症など)
• 上記を証明できる証拠があること
たとえば、病院の診断書、LINEのやりとり、音声・動画のデータ、日記、第三者の証言などが、慰謝料請求の場で重要な証拠となります。

 

モラハラ慰謝料の金額相場はどのくらい?
慰謝料の金額は、被害の内容や証拠の有無などによって大きく異なりますが、一般的な相場は50万円〜300万円程度です。
たとえば、長年にわたるモラハラでうつ病を発症し、医師の診断書があるようなケースでは、200万円を超える慰謝料が認められることもあります。
一方、証拠が乏しく、被害が軽微と判断される場合には、50万円前後にとどまることもあるのが現実です。
特に、「どれだけつらい思いをしたのか」「その結果、夫婦関係がどのように悪化したのか」をはっきりと示せない場合には、慰謝料の金額が大きく減額されることもあります。
たとえば、夫婦で同居を続けている場合は、モラハラを受けていたと主張していても「本当に関係が破綻していたのか」と裁判などで疑問を持たれることがあります。
しかし実際には、経済的な事情や子どもの生活、加害者への恐怖心などから、被害を受けながらも別居に踏み切れない方が多いのが現実です。
このような背景を理解してもらうためには、「なぜ同居を続けていたのか」「それでもどれほどの苦痛があったのか」を、日々のメモなどに冷静に記録することが大切です。
慰謝料の金額は、どれほど深刻な影響があったのかを、事実と根拠に基づいて客観的に伝えることが求められます。

 

慰謝料請求を成功させるにはどうすればよい?
慰謝料請求を成功させるためには、次のような準備がとても大切です。
• モラハラの言動を記録した日記やメモを残す
• LINE・メール・音声データなどの証拠を保存しておく
• 心療内科やカウンセラーへの受診履歴や病院の診断書を保存する
• 早めに弁護士へ相談する
特に、感情的になって突然家を出たり、相手に怒りをぶつけてしまったりすると、証拠が残らず、逆に自分が不利になる可能性もあります。
つらい状況の中でも、慎重に証拠を確保し、冷静に対応することが、最終的に自分を守ることにつながります。

 

まずは、専門家に相談することから始めましょう
モラハラの被害を受けている方は、「自分の感じている苦痛は法的に認められるのか」と悩んでしまうこともあると思います。
しかし、慰謝料請求や離婚が認められるケースも多くあります。大切なのは、証拠を残し、正しい手順で進めることです。
弁護士細江智洋は、モラハラ離婚に関する多数のご相談を受けており、依頼者の心に寄り添いながら問題解決をサポートしています。
まずはご相談ください。安心への一歩を踏み出すお手伝いをいたします。


→モラハラの離婚についての詳細はこちら

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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