結婚生活も20年、30年と続くと、夫婦の関係は大きく変わっていきます。昔は些細なことに笑い合えたのに、今では会話もなく、孤独を感じる日々……。そんなときに耳にするのが「モラハラ」という言葉です。
熟年離婚を考える女性の多くが自分さえ我慢すればと思ってしまいます。しかし、本当に心が限界に達しているサインを見逃してしまうと、気づかないうちに心も体も弱ってしまい、毎日の暮らしそのものがつらく感じられることもあります。
ここでは、熟年離婚を決意する前にぜひ知っていただきたい「心の限界サイン」と、その対処法についてご紹介します。
モラハラの典型的なパターンとは?
モラハラ(モラルハラスメント)とは、言葉や態度で相手を支配し、心を傷つけ続ける行為のことです。暴力のように外から分かりにくいため、被害にあっている本人でさえ自覚していないのが特徴です。
例えばこんな言葉や態度に、思い当たりませんか?
• 「お前は何もできない」などの人格を否定する言葉
• 話しかけてもずっと無視をされる
• 外では良い夫を演じるが、家庭内では冷たい態度を取る
• 家計や生活に関わる決断を一方的に押し付けられる
こうした言動が繰り返されると、自分の存在を否定されたように感じ、心が深く傷つきます。
心の限界を示すサインを見逃さない
「まだ大丈夫」と思っていても、心が悲鳴を上げているサインは必ず現れます。次のような状態が続いていないか、ご自身の心と体に問いかけてみてください。
• 夜眠れず、食欲が落ちてきた
• 以前楽しめた趣味に興味が持てない
• 家にいると強い不安に襲われる
• 人と会って話す気力がなくなってきた
• 「私が我慢すれば」と考え続けてしまう
これらは、心の限界を知らせる重要なサインです。放っておくと、うつ状態に進行することもあり、早めの対応が必要です。
離婚を決意する前にできること
熟年離婚は大きな決断ですから、時間をかけて準備を進めることが、将来の安心につながります。離婚を考え始めたら、まずは次の3つを意識してみましょう。
1. 信頼できる人に気持ちを話す
友人や家族に悩みを打ち明けるだけでも、心が軽くなり気持ちが整理されやすくなります。
2. お金のことを整理してみる
離婚後の生活には現実的な生活資金の準備が欠かせません。年金分割や財産分与など、制度の確認も大切です。
3. 専門家に相談する
弁護士に相談することで、自分に合った選択肢や具体的な進め方が見えてきます。法律の知識があるだけで、将来への不安が和らぎます。
「自分の人生を大切にする」という選択肢を
長年の結婚生活を経て離婚を考えるのは、とても勇気のいることです。けれども、自分の心と体を大切にすることは決してわがままではありません。
もし「これってモラハラかも?」と感じたら、まずは心のサインを受け止め、まずはご相談ください。
熟年離婚に関する詳しい解説や解決のステップについては、当事務所の特設ページでご案内しています。ぜひご覧ください。
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まとめ
• モラハラは外から見えにくく、本人も気づきにくい
• 不眠や不安感などは心の限界を知らせるサイン
• 離婚を決断する前に、経済面や法律面の準備が必要
• 我慢せずに専門家へ相談することが、安心した一歩につながる
「今のままで本当にいいのだろうか」と悩んでいる方にとって、このコラムが少しでも参考になれば幸いです。
この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。