離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.04.09更新

離婚コラム100

 

別居後の住宅ローンは誰が払う?法的観点から解説
離婚に向けて別居を考え始めたとき、「今住んでいる家の住宅ローンは誰が払うのか」と心配になる方は少なくありません。特に、夫婦のどちらかが家を出て、もう一方がそのまま住み続ける場合には、「住んでいる人が払う」「名義人が払う」と意見が分かれ、話し合いが進まないことがあります。
住宅ローンの問題は、家計や今後の暮らしに直結します。気持ちが落ち着かない中で考えなければならないため、負担が大きい問題です。だからこそ、まずは法律上どのように整理されるのかを知っておくことが大切です。

 

別居後の住宅ローンは原則として契約者が支払う
まず押さえておきたいのは、住宅ローンは原則として金融機関と契約した人が支払うということです。
たとえば夫の名義で住宅ローンを組んでいる場合、別居後に夫がその家に住まなくなっても、銀行に対して返済義務を負うのは基本的に夫です。反対に、妻がその家に住み続けていても、契約者でなければ当然に銀行への返済義務はありません。

 

住み続ける人が住宅ローンを払うとは限らない
この点は誤解されやすいのですが、「今住んでいる人が払う」と決まっているわけではありません。返済義務はあくまで契約に基づくため、夫婦の話し合いだけで支払方法を自由に変更できるものではないからです。
たとえば夫婦間で「今後は妻が払う」と決めたとしても、金融機関の承諾なく名義や債務者を変更できません。そのため、銀行との関係ではなお夫に返済義務が残る、ということもあります。

 

住宅ローンと別居後の生活費は別問題
別居後の話し合いでは、住宅ローンの支払いと生活費の負担が混同されやすい傾向があります。しかし、住宅ローンは家を購入するための借入れの返済であり、別居中の生活費とは別の問題です。
そのため、住宅ローンを払っているからといって、それだけで相手や子どもの生活費を十分に負担したことになるとは限りません。収入差などによっては、別途、婚姻費用を支払う必要が生じることがあります。
住宅ローン、別居中の生活費、離婚時の財産分与は分けて考えることが大切です

 

別居後の住宅ローンでよくある具体例
たとえば、夫名義の住宅ローンで購入した自宅に、別居後も妻と子どもが住み続けるケースがあります。夫は家を出て賃貸住宅で暮らすことになり、「自分は住んでいないのに住宅ローンを払うのか」と不満を感じることがあります。一方、妻は「子どもの生活環境を変えたくないので、すぐには出ていけない」と考えることが多いでしょう。
別居を考えているときは冷静に考える余裕が無くなりがちですが、住宅ローンの問題は、その時々の気持ちだけで決めてしまうと、後で思わぬ負担につながることがあります。ローン名義やローンの残債、自宅には誰が住み続けるのかを整理しておくことが大切です。

 

離婚時には財産分与の問題にもつながる
住宅ローンの問題は、離婚する場合、自宅をどう扱うかという財産分与の問題にもつながります。
たとえ家やローンの名義が夫だけであっても、婚姻中に購入した自宅であれば、夫婦が協力して築いた財産(=共有財産)として扱われることがあります。もっとも、不動産は単純に半分に分けられるものではなく、家の価値、ローン残高、売却するのか住み続けるのかによって結論が変わります。特に、住宅ローンの残額が家の価値を上回っている場合には、家を売ってもローンが残る可能性があります。そのため、売却するのか、住み続けるのか、残ったローンをどうするのかを含めて、より慎重な判断が必要です。

 

別居前に住宅ローンの確認をおすすめします
別居後の住宅ローンをめぐる問題を防ぐには、別居前の段階で、不動産の名義、ローンの契約者、連帯保証人の有無、残債、家の査定額、別居後に誰が住むのかを確認しておくことが大切です。

 

別居後の住宅ローンで不安がある方は弁護士へ相談を
別居や離婚を考えているとき、住宅ローンの問題は大きな不安になりやすいものです。
弁護士細江智洋の法律相談では、住宅ローン、婚姻費用、財産分与を分けて整理しながら、状況に応じた対応を一緒に考えることができます。別居を考えているものの、住まいやお金の問題が心配な方は、早めにご相談ください。
また、離婚に向けて別居を考えている方は、「離婚に向けて別居を考えている方へ」のページもぜひご覧ください。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2026.04.04更新

離婚コラム99

 

別居中の生活費の支払いは義務?同居義務との関係
離婚に向けて別居を考えたとき、今後の生活費をどう確保するかは大きな不安になりやすいところです。「もう一緒に住んでいないのだから、生活費を払わなくてよいのでは」と思われることもありますが、離婚が成立する前であれば、原則は別居中でも生活費を分担する義務があります。そこで今回は、別居中の生活費の支払い義務と、民法上の同居義務との関係について、具体例を交えながらわかりやすく解説します。

 

別居中の生活費は支払う義務がある?婚姻費用の基本
別居中であっても、離婚が成立するまでは、生活費を分担する義務があり、この生活費は法律上「婚姻費用」と呼ばれます。婚姻費用には、食費や住居費、光熱費、日用品代だけでなく、子どもの養育費、教育費、医療費など、婚姻生活を維持するために必要な費用が含まれます。

 

同居義務があっても別居できる?別居と法律上の関係
もっとも、民法には夫婦の同居義務もあるため、「別居すると法律違反になるのでは」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。ですが、現実には、すべての別居が問題になるわけではありません。たとえば、DVやモラハラ、生活費を渡さないなどの経済的圧迫、不貞行為の発覚などの事情がある場合には、別居に相応の理由があると判断されます。大切なのは、同居義務の問題と、生活費の分担義務の問題は分けて考える必要があるという点です。

 

別居中の生活費と同居義務の関係はどう考える?
「同居していないのだから、生活費は払わない」という主張は、そのまま認められるとは限りません。別居に至る事情がある場合でも、婚姻関係が続いている以上、相手や子どもの生活を支える必要があります。つまり、別居していることと、婚姻費用を負担しなくてよいことは同じではないのです。この点を誤解したまま別居を始めてしまうと、あとで大きな争いになりやすいため注意が必要です。

 

具体例で解説|別居中の生活費は誰が負担するのか
たとえば、夫が会社員として安定した収入を得ていて、パート勤務の妻が子どもを連れて別居した場合、離婚前であれば、夫が妻や子どもの生活費を負担すべきと判断されます。反対に、妻のほうが高収入で、夫が病気や失業などにより十分な収入を得られない場合には、妻が生活費を負担することになります。婚姻費用は、夫か妻かで機械的に決まるものではなく、夫婦それぞれの収入、資産、子どもの人数や年齢などを踏まえて考えられます。

 

別居中の生活費はいくら?請求額でもめる理由
実際には、「いくら支払うべきか」「いくら請求できるのか」で揉めることが少なくありません。そのため、給与明細、課税証明書、預金の状況、毎月の支出などの資料を準備しておくことが重要です。話し合いで解決できない場合には、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てることができます。調停がまとまらなければ審判に移り、裁判官が必要な審理をしたうえで判断する流れになります。

 

別居前に準備したいこと|生活費トラブルを防ぐポイント
別居は、ただ家を出ればよいというものではありません。別居後の生活費の見通し、子どもの生活環境、今後の離婚協議や調停の可能性まで考慮しつつ進めることが大切です。このような準備が不十分なまま別居すると、生活費の請求方法や支払い時期が曖昧になり、かえってトラブルが長引くことがあります。早めに必要資料をそろえ、法的な見通しを持っておくことで、落ち着いて次の一歩を踏み出せます。

 

別居中の生活費で悩んだら弁護士に相談を
別居中の生活費の問題は、これからの生活を支える大切な土台です。「別居したいが生活費がもらえないかもしれない」あるいは「自分がどこまで負担すべきかわからない」とお悩みの方は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。弁護士細江智洋にご相談いただければ、婚姻費用の見通し、別居の進め方、必要資料の整理、調停を見据えた対応まで、状況に応じて丁寧にアドバイスいたします。離婚に向けて別居を考えている方は、「離婚に向けて別居を考えている方へ」のページもあわせてご覧ください。

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。 

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