弁護士細江のコラム

2017.11.22更新

相続開始後は葬儀、法要、お香典返し、納骨、挨拶状作成など大切な仕事がたくさんあります。

お葬式

それらをこなすだけでも相当の気遣いと時間を費やすものですが、ほぼ同時に相続手続きや遺産分割も進めていかなくてはいけません。

相続には、多方面、各種さまざまな申請が必要になりますので、しっかりと「どのタイミングまでに」「何をすべきか」を把握しましょう。

1 相続人の死亡(相続開始)
  葬儀の準備・死亡届の提出  死亡届は7日以内に提出
     ↓
2 葬儀  
     ↓
3 初七日法要
  遺言書の有無の確認  遺言書は家庭裁判所の検認後に開封
     ↓
4 四九日法要
  相続財産・債務の概略調査  相続放棄・限定承認の検討
     ↓

5 相続放棄・限定承認(3ヶ月以内)
  相続人の確認  戸籍を取り寄せて調べます
         ↓
6 所得税の申告と納付(4ヶ月以内)
  相続財産・債務の調査
  相続財産の評価  相続財産目録の作成
     ↓
7 遺産分割協議
  相続税の申告書の作成  相続人全員の実印と印鑑証明
    納税の方法、延納・物納の検討
     ↓

8 相続税の納付(10ヶ月以内)
  被相続人死亡時の税務署に申告・納税
  遺産の名義変更手続  不動産の相続登記など

投稿者: 弁護士 細江 智洋

2017.11.18更新

遺言書は、家族に対する遺言者からのメッセージですから、内容に特に制限はありません。
しかし、どんな内容の遺言にも相続人が拘束されるわけではありません。

遺言書
 
遺言の対象にできる事項について主なものは以下の通り定められています。


相続・財産に関すること
身分に関すること
祭祀の承継


これら以外のものは、効力がありません。
例えば、
私の死後は、兄弟姉妹仲良く、母の面倒を見てほしい
先祖代々受け継いでいる土地を手放してはいけない


このような事項が遺言に掛かれていても、法律上効力はありません。
もっとも、遺言者の意思や心情を盛り込むことにより、相続人にその思いを伝えることができます。
 
1 相続・財産に関すること
⑴ 法定相続割合とは異なる割合の指定
例えば、ある相続人の相続分をゼロと指定することができます。

ただし、その相続人が遺留分(遺言によっても完全には奪えない遺産の保障)を有するときは遺留分を請求される可能性があります。

⑵ 法定相続人の廃除、またはその取消し(生前もできる)
相続人の廃除とは、遺言者(被相続人)に対して虐待したり、重大な侮辱を加えた相続人の相続権を奪うことです。

廃除できるのは遺留分を有する推定相続人に限られます。


遺言者(被相続人)の兄弟姉妹に遺留分はありませんので、遺言書で他の人にすべての財産を遺贈してしまえば、兄弟姉妹は遺留分減殺請求もできず、相続権はなくなるので廃除の必要はありません。


⑶ 遺産分割方法の指定 (具体的に、どの財産を誰に相続させるか指定すること)
⑷ 遺産分割の禁止
⑸ 法定相続人以外の方への遺贈
(特定の人に財産を与えることを遺贈と言います)社会に役立たせるための寄付(生前もできる)
⑹ 信託の設定(生前もできる)

 

2 身分に関すること
⑴ 子の認知(生前もできる)
⑵ 未成年後見人および未成年後見監督人の指定
⑶ 遺言執行者の指定
遺言執行人の指定は、既に誰を遺言執行者にするか決まっている場合には、必ず遺言書で行います。生前に口頭で「よろしく頼む」と伝えたり、遺言書以外の紙にその旨を記載していたとしても、それらは無効になります。
相続手続きを円滑かつ確実に行うために、遺言書で遺言執行者を指定することは大変有効です。遺産相続を円滑に進めるには法律や税務などの専門知識が必要なうえ、相続人間の利害関係などが絡んできますので、遺言執行者は法律家などの専門家に依頼するほうが確実です。
遺言執行者として私を指定していただくこともできます。


3 祭祀の承継
お墓、お仏壇など先祖を祭るために用いられる財産は分割にそぐいませんので、通常一人だけが受け継ぐ事になります。
誰が受け継ぐのかを遺言で指定する事ができます。

投稿者: 弁護士 細江 智洋

2017.11.17更新

「相続」が「争族」とならないために。

円満な相続

最も効果的な方法は遺言書を書くことです。

遺言書を書くメリットは、『事前に相続人間の争いを避けること』であると多くの方が思っています。

これは決して間違いではありません。

しかし、遺言書があってもトラブルを完全に防げるわけではないのです。

遺言書があっても、その内容に不満があれば相続人間の衝突は避けられません。

例えば遺留分の問題があります。詳しくは 遺留分についての記事をご覧ください。


では、遺言書を作成するメリットは何でしょうか。

大切なのは、「遺言でできること」「遺言書の書き方」などのポイントを押さえ、遺言書作成のメリットを踏まえた、効果的な遺言を作成することです。

メリット1 遺産を自由に分けることができる
遺言は、被相続人の最終意思として「最大限に尊重されるべきもの」とされており、法律で定められている法定相続分(遺産を受け取る割合)よりも優先されます。

例えば、正式な婚姻届を出していない内縁配偶者や、介護を担ってくれた息子の嫁、孫など法定相続人ではない親族に財産を残したい場合、遺産を寄付したい場合などは、遺言を作成しておかないと財産を遺すことはできません。
遺言がない場合は、民法の定める法定相続分に従って、または相続人の遺産分割協議で遺産の分配が行われることになります。

遺言書があれば、誰にでも自由に財産を譲ることができるのです。


メリット2 遺産のスムーズな名義変更が可能になる
預貯金・株式・不動産などの名義変更の際は、遺言書もしくは相続人全員の署名・押印のある遺産分割協議書の添付が求められます。

遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分け方を決める遺産分割協議を成立させなければなりません。
この遺産分割協議は、1人でも反対の相続人がいれば成立させることができません。
全員が賛成しない場合は、裁判所での調停・審判手続きをとらざるをえませんが、解決までの時間は長期化し、年単位を覚悟しなければなりません。

遺言書があればこの遺産分割協議を行う必要はありません。
さらに、遺言執行者(遺言内容を実現する人)を選任しておけば、遺言執行者が責任を持って内容を実現しますので、より手続きはスムーズになります。


メリット3 家族への思いを伝えることができる
ある日突然に亡くなると、遺された家族には分からないことが沢山あります。
相続財産はどこにあるのか、借金はないのかなど、家族が一から全てを調べることはとても困難です。
遺言書やおおまかな財産目録を作っておくことは、残された家族の不安を取り除くことにもなります。
また、遺言者の意思や心情を盛り込むことにより、家族への感謝の気持ちやお願いなど何でも伝える事ができます。

たとえ、法的に効力のない遺言書であったとしても、家族に自分の意思を伝えることができれば、十分価値がありますし、相続での揉め事を予防する効果もあります。

投稿者: 弁護士 細江 智洋

2017.11.16更新

1 遺言と生前の相続対策


残されたご家族が相続で悩んだり、また、それまで円満だったご家族が、相続をきっかけに関係が悪化しないように、資産を遺すご本人が、遺産をどのように引き継ぎたいかを明確にし、きちんと対策をとっておくことが必要です。

生前の相続対策は「遺産分割対策」「節税・納税対策」「財産管理対策」の3つの視点があります。

これら3つの対策のうち、まず最初に行うべき対策が「遺産分割対策」です。

なぜなら、どれだけ「節税・納税対策」「財産管理対策」をしっかり行って、引き継ぐ財産をしっかり守ったとしても、ご本人の没後、遺族同士がもめれば、それまで行った生前の相続対策が全く意味のないものになってしまうからです。

相続争い


2 遺言を活用した遺産分割対策


自らが築いて、かつ守ってきた大切な財産を、最も有効に活用してもらうための明確な意思表示が「遺言」です。

そして、遺言は、遺産を適切な人に適切な割合で分配し、遺された相続人が、争いなくスムーズに、そして何より心理的負担なく相続手続きができる状態を作るための手段です。

遺言することで、生前に自分の財産を自由に処分できるように、死亡後の遺産についても自分の意思で自由に処分することができます。

遺言のないときは、民法の定める法定相続分に従って遺産の分配が行われることになります。

しかし、ここが実は落とし穴です。


法定相続をそのまま家族関係に当てはめると、相続人間の公平が図られないという場合も少なくありません。

例えば、法定相続では、子は皆等しい相続分を有していますが、学費を援助してもらった子もいれば、生前特に何もしてあげていない子、また遺言者と共に家業を担ってきた子もいれば、あまり家に寄りつきもしない子もいるなど、ご家庭の事情は様々です。

こうした事情に配慮して、遺産の分配にそれなりの差を設けてあげないと、かえって不公平なこともあります。

また、子のない夫婦では、兄弟姉妹に残すよりは、妻に遺産を全て残したいと思うのではないでしょうか。

遺産を適切な人に適切な割合で分配する
争いなくスムーズに、相続手続きをする

これらが、遺言書を作る目的であり、だからこそ、必須の相続対策だと言えます。

投稿者: 弁護士 細江 智洋

2017.11.14更新

遺産分割が揉めてしまって、なかなか進まなくなるケースの典型的なものとして、特別受益と寄与分の問題があります。

特別受益と寄与分

1 特別受益とは

特別受益とは、特定の相続人が、被相続人から生前に受けた特別な利益のことです。


例えば、相続人のうちの1人が生前に自宅の建築資金を出してもらった、マンションの頭金を出してもらった、などです。


このような場合、これを相続財産の前渡しと見なして、特別受益を受けた相続人の相続分を特別受益の分だけ減らすことで、相続人間の公平を図ることが認められています。
 
・相続人の1人が、生前に被相続人に自宅を買ってもらった
・相続人の1人が、生前に被相続人から、自宅の建築資金を出してもらった
・相続人の1人が、生前に被相続人から、生活費の援助を受けていた
・被相続人の預金口座から、多額の使途不明金が支出されており、相続人の誰かが受け取った可能性がある
 
このような場合は、特別受益の持戻が認められる可能性がありますので、弁護士にご相談ください。


2 寄与分とは

寄与分とは、相続人の中で、被相続人の財産形成または維持に特別の寄与をした者に、法定相続分以上の財産を取得させ、実質的な公平を図る制度です。
 
・親の家業に従事して財産を増やした
・親と一緒に農業に従事し、親の貯金の多くの部分は自分の働きによるものだ
・親の介護をして介護費用の支出を抑えた
 
このような場合は、寄与分が認められる可能性がありますので、弁護士にご相談ください。

投稿者: 弁護士 細江 智洋

2017.11.12更新

遺留分とは、相続に際して、被相続人の財産のうち、一定の相続人に承継されるべき最低限の割合のことです。


被相続人は、原則として、遺言なり生前贈与によって、自由にその財産を承継させることができるのですが、遺留分はこれに対して一定の制限をする効果を持ちます。

 

遺言を書く
 

遺留分は、放っておいても当然にもらえる、というわけではありませんので、請求する必要があります。これを遺留分減殺請求と言います。


例えば、被相続人が遺言や生前贈与で、全財産を特定の子供だけに譲るとか、愛人に譲る、というような場合に、遺留分減殺請求を行うことができます。
 
相続人の遺留分として定められているのは、以下の通りです。

① 兄弟姉妹        なし
② 直系尊属のみが相続人  被相続人の財産の1/3
③ その他(配偶者・子)  被相続人の財産の1/2

・遺言書が出てきたが、自分の遺留分が侵害されている
・遺留分減殺請求を行いたい
 
このような場合は、弁護士にご相談ください。

 

投稿者: 弁護士 細江 智洋

2017.11.12更新

 

相続は相続する側、される側の双方にとってとても心配なものです。

 

「我が家に限って、相続でもめるなんてありえない」

 

「たいした財産もないのに遺言なんて・・・」

 

とお思いになられるかもしれません。 

 

しかし、実際に相続が発生し、財産が絡んでくると、兄弟が豹変したり、知らない人が名乗り出てきたりもします。

 

また、相続の問題は非常に根が深く、法律だけでは解決できない感情などの多くの問題があります。

 

一度、こじれてしまうと収拾がつかなくなってしまいます。
 
 
そのような相続争いを事前に防ぐためには、「遺言を書く」、もしくは「遺言を書いてもらう」ことが、唯一の方法と言えます。

 遺言書

「遺言書」があれば、故人の遺志に沿った形で遺産を分割することができます。

 

遺言書がないまま、相続になれば、相続する側にとっても、される側にとっても、なかなか思い通りにはなりません。


しかし、「じゃあ、遺言書を書いておこう」とか、「よーし、親に遺言書を書いてもらおう!」と思っても、法律的に有効な書き方をするのは1人ではかなり困難ですし、書いてもらう場合には、どのように話を持って行けば良いのか、という問題もあります。

 
・子供たちの仲が悪くて、このままだとトラブルになりそうなので遺言を残したい
・事情があって、特定の子供に多くの財産を承継したい
・法定相続とは違う形で、財産を譲りたい
・同居して農業を手伝ってくれている長男にほとんど全部の財産を残したい
 
このような場合は、専門家である弁護士にご相談されることをお勧めします。

 

→ 相続問題解決のポイントはこちら

 

 

投稿者: 弁護士 細江 智洋

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