夫の不倫が発覚したそのとき、心の中で「許せない」という怒りが込み上げる方も少なくありません。とりわけ、仕事を離れ、専業主婦として日々家族に尽くしてきた方にとっては、裏切られたという悲しみや悔しい気持ち、将来への不安がいっそう強く感じられることでしょう。
このコラムでは、「不倫を許さない」「離婚を選ぶ」と決断した先に何が待っているのか、専業主婦の方が知っておきたい情報と、今できる準備について、弁護士の立場からわかりやすく解説いたします。
不倫は離婚の正当な理由になります
民法では、不倫(=不貞行為)は離婚原因の一つとして認められています。つまり、配偶者が不倫をしていた場合は、それを理由に離婚を請求することが可能です。また、離婚を求めない場合でも、配偶者や不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
離婚を選ぶ場合は、財産分与や婚姻費用、お子さんがいる場合の養育費についても話し合いが必要になります。これらは法的に認められた権利であり、ご自分とご家族の将来を考える上でとても大切なポイントです。
離婚後の生活を見据えて知っておきたいこと
「離婚したいけれど、経済的にやっていけるのか不安で決断できない」
このような話を、私たちは多く耳にします。特に専業主婦の方にとって、離婚後の生活をどう支えていけるのかを把握することは、今後の道筋を決める上で非常に重要です。
離婚にあたっては以下のように利用できる制度や法的な手続きがあります。
• 財産分与:婚姻中に築かれた財産は、名義に関係なく基本的に夫婦で分けるのが原則です。
• 婚姻費用の分担請求:離婚が成立するまでの期間、別居中でも配偶者に生活費を求めることができます。
• 年金分割:婚姻中に夫が加入していた厚生年金の記録を分割でき、離婚した場合に、決まった割合の年金を分割して自分の年金とすることができます。
• 養育費の請求:未成年の子どもがいる場合、子どもの養育に必要な費用を離婚後も配偶者に請求できます。
このような制度を正しく理解し、適切に交渉・手続きを行うことで、「離婚しても生活できる」という安心感につながります。
専業主婦こそ、情報と準備が大切です
「離婚するとして、今の自分に何ができるのか」
そう考えたときに、まず大切なのは情報を知ることです。
• 不倫の証拠をどう集めるか
• 離婚の際に何を主張するのか
• いつどのタイミングで誰に相談すべきか
後悔しないためには一人で悩まず、早い段階で専門家に相談することが大切です。
また、離婚する・しないにかかわらず、選択肢を知っておくことは決して無駄にはなりません。また、情報を収集できていれば、気持ちが整理され、落ち着いて次の行動を取ることができます。
専業主婦の方へ――「ひとりじゃない」と知ってください
夫の不倫を知って、今後の人生に大きな不安を抱えている方は多いと思います。しかし、離婚後の生活を支えるための法的な制度は、必ずあなたの支えになります。
今すぐ離婚を決めなくても、「いざという時の備え」として、正しい知識を持っておくことは、あなた自身とお子さんの未来を守る力になります。
離婚という選択肢を専業主婦の方が前向きに考えられるよう、当事務所では丁寧なサポートを行っています。
ぜひ下記のページから、より詳しい情報をご覧ください。
この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。