離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2025.08.21更新

離婚コラム32

 

「夫との関係に悩んでいるけれど、離婚まではまだ考えていない」
そんなお気持ちでいらっしゃる方は、決して少なくありません。特に、子育てを終え、ようやく自分の時間を持てるようになった50代の女性にとって、「これからの人生をどう生きていくか」は大きなテーマです。
今回は、離婚をせずに「別居」を選ぶことについて、メリットやデメリットを弁護士の視点からわかりやすく解説いたします。


「別居」という選択肢とは?
別居とは、法律上の婚姻関係は続けたまま、夫婦がそれぞれ別々に暮らす状態のことです。
離婚の一歩手前のように思われるかもしれませんが、決してネガティブなものではありません。きちんと準備すれば、心の安定や生活を見直すきっかけにもなります。

 

離婚せずに別居するメリット

1. 顔を合わせずに気持ちを整理できる
夫婦関係がこじれているとき、日々顔を合わせることが大きなストレスになることもあります。別居は、落ち着いて気持ちを整理する時間を与えてくれます。


2. 将来の選択肢を残せる
離婚となると、戸籍や名字の変更、財産分与など大きな手続きが必要になりますが、別居であればそのような手続きをせずに、まずは気持ちと生活を整えながら慎重に判断することができます。今後の関係修復の可能性を残しつつ、ご自身のこれからを見つめ直すきっかけにもなるでしょう。


3. 将来の準備期間として活用できる
別居をすることで、離婚後の生活をどのように組み立てるかを冷静に考えることができます。
共有財産の把握や離婚後の住まいの確保、年金や保険の確認など、離婚後の生活に向けた現実的な準備を進めやすいことも、別居ならではの大きな利点です。
弁護士など専門家の助言を受けながら、一つずつ課題を洗い出すことができます。

 

デメリットや注意点

1. 婚姻費用(生活費)の支払いを巡るトラブルの可能性
別居中も、夫婦には互いを扶養する義務があります。専業主婦で、夫の収入で生活していた場合、「婚姻費用」として生活費を請求できる場合がありますが、書面で金額や支払い方法を事前に取り決めておかないと、相手が支払いを拒否したり、金額が少なすぎたり、証拠が残らないなどのトラブルにつながることもあります。
別居をする前に、弁護士に相談しながら生活の土台を固めておくことが大切です。


2. 経済的負担が増える場合がある
別居をすると、住居費や光熱費、日用品の支出などが夫婦それぞれに発生し、家計の負担は同居しているときより大きく感じます。
特にご自身の収入が少ない場合には、生活が厳しくなることもあるため、別居前に経済的な見通しを立てておくことが大切です。


3. 離婚の証拠として扱われる可能性
別居が長期間に及ぶと、裁判所では「夫婦関係がすでに破綻している」と判断され、どちらか一方が離婚に応じない場合にも、裁判で離婚が認められる場合があります。
そのため、「冷却期間のための一時的な別居なのか」「離婚を前提とした別居なのか」のようにお互いの意思を、メールやメモなどの形で証拠として残しておくことで、将来のトラブル防止につながります。

 

周囲に相談しづらい「別居」
「別居したいけれど、子どもや親族にどう説明したらいいのか分からない」
「世間体が気になって一歩を踏み出せない」
このように、周囲の反応が心のブレーキになっている方も多いようです。
しかし、周りと比べる必要はありません。大切なのは、今のご自身が「心穏やかに暮らせているかどうか」です。夫婦の在り方は人それぞれで、別居もそのうちの一つです。
特に50代以降は、健康や経済的な安心、心の充足感など、自分らしい生き方を見つめ直す大切な時期です。
焦らず、少しずつでも前に進んでみませんか?
私たち弁護士は、そうした一歩をそっと後押しする存在でありたいと願っています。

 

弁護士に相談するメリット
別居は、気持ちの整理だけでなく、経済面・法律面でも準備が必要な大きな決断です。
感情だけで急に別居を始めてしまうと、本来受け取れる生活費が受け取れなかったり、共有財産を使われたりして、確保できないこともあります。弁護士に相談することで、将来を見据えた冷静な準備ができ、安心して一歩を踏み出せます。
特に50代以降の「熟年離婚」や別居については、年金、老後の生活、相続など、考えるべき要素が多岐にわたります。
当事務所では、こうしたお悩みに寄り添いながら、無理のない形での生活設計をご提案しております。


▶ 詳しくは「熟年離婚の特設ページ」をご覧ください。

 

この記事を担当した弁護士

コラム用写真

 

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

 

TEL:050-7587-0469 ご質問・ご予約はこちらTEL:050-7587-0469 ご質問・ご予約はこちら