最近、「熟年離婚」が増加傾向にあります。特に50代以上のご夫婦の間では、長年連れ添ったからこそのすれ違いや、我慢の積み重ねが限界に達してしまうことも珍しくありません。「夫から離婚を切り出された」「急に離婚届を出されて戸惑っている」といったご相談も、当事務所に多く寄せられています。
しかし、「離婚したくない」「もう一度、夫婦関係をやり直したい」というお気持ちの方も多いのです。では、そんなとき、どのように行動すれば良いのでしょうか?
弁護士として数多くの離婚相談を受けてきた立場から、関係改善に向けたヒントをお伝えします。
1. すぐに感情的にならないことが第一歩
離婚の話をされたとき、多くの方がまず驚き、感情的になって怒りをぶつけてしまいます。しかし、そんな反応は、相手に「やはり離婚した方がいい」と思わせてしまうかもしれません。
大切なのは、まず相手の言葉を落ち着いて受け止めること。そして、「何で離婚したいと思ったのか」「いつ頃から別れたい気持ちがあったのか」と、相手の本当の気持ちを知ろうとする姿勢です。
2. 自分自身を振り返ることも関係修復のカギ
相手の気持ちを理解しようとする一方で、自分自身の言動や生活スタイルを振り返ってみることも大切です。
たとえば、家事や育児、介護などの負担がどちらかに偏っていたり、日常の会話が少なくなっていたりする場合、そのことが互いにストレスになっていた可能性もあります。
特に、家事や介護の役割分担は、夫婦の健康状態や仕事の状況によってどうしても偏りが生じるものです。大切なのは、「ありがとう」「助かっているよ」といった感謝の気持ちを伝えたり、「大変じゃない?」「少し休めるように工夫しようか」といった気遣いの言葉をかけたり出来ていたかどうかです。
役割分担を均等にしようとするのではなく、お互いを思いやる言葉や態度があれば、心の安定を保つことができます。
また、会話が減ってしまった理由を振り返ってみることも大切です。忙しさからすれ違いが生じていたのか、生活スタイルが違って話しかけにくい雰囲気になっていたのか、いつのまにか心の距離ができていたのか――その背景を見つめ直すことで、関係を修復するヒントが見えてくることもあります。
3. 一人で抱え込まず、専門家に相談を
夫婦の問題はとてもプライベートなもので、なかなか他人に話せないものです。しかし、一人で悩み続けていても、解決の糸口は見えにくいままです。
そうしたときには、ぜひ弁護士などの専門家にご相談ください。弁護士は、離婚の手続きだけでなく、「離婚を回避したい」「夫婦関係を修復したい」といった問題にも対応いたします。
法律的な視点だけでなく、冷静な第三者としてのアドバイスを受けることで、心が軽くなる方も少なくありません。
4. 「熟年離婚」を回避するためにできること
特に50代以上の「熟年離婚」のケースでは、長い結婚生活を経て、お互いの生活リズムや考え方が固まっていることが多く、関係修復には時間と工夫が必要です。
しかし一方で、長年連れ添ってきたからこそ、ほんの少しの歩み寄りが大きな変化につながることもあります。たとえば、日常の小さな「ありがとう」や、思い出の場所へ出かけることなども、関係改善の一歩になります。
▼「熟年離婚」についてもっと詳しく知りたい方へ
当事務所では、50代以上のご夫婦に多い「熟年離婚」について、専門ページで詳しく解説しております。法的な手続きの流れ、ご相談の実例などもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
最後に
離婚は人生の大きな転機です。しかし、「離婚しない」という道もまた、尊重されるべき大切な決断です。
お一人で悩まず、まずは一度、私たちにご相談ください。あなたの気持ちに寄り添い、ベストな方法を一緒に考えてまいります。
この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。