
パートナーの不倫を知ったときのつらさは計り知れません。「何から始めればいいのか」「証拠はもっと必要?」と不安を感じる方も多いと思います。ここでは、不貞慰謝料を請求するための手続きと、特に気をつけたいポイントについて具体例を交えて分かりやすくご説明します。
■ 不貞行為とは? 慰謝料の対象になるケース
“不貞行為”とは、配偶者以外の相手と自由意思で肉体関係を持つことを指します。
ホテルの出入り写真のような決定的な証拠がなくても、深夜に2人で外出している様子の写真や、親密な内容のメッセージのやり取りでも不貞行為を推測できる場合があります。
■ 慰謝料請求の流れ
1. 証拠の整理・収集
例:LINEのメッセージのスクリーンショット、クレジットカードの利用履歴(ホテル・飲食代)、スマホの位置情報の記録など。
2. 内容証明郵便での請求
例:「不貞行為により精神的損害を受けたため慰謝料を支払ってください」という内容を正式な方法で不倫相手に文書を送る手続きです。
3. 交渉(話し合い)
例:慰謝料の額を決め、分割払いを希望する場合は月々の支払額を決めます。
4. 裁判所での手続き
交渉が難航した場合に調停や訴訟で解決を図ります。
■ 慰謝料請求で特に気をつけたい注意点(具体例つき)
① 消滅時効に注意すること
例:「1年前には不倫相手を知っていたが、気持ちの整理がつかず何もしていなかった」という場合でも、時効は進んでしまいます。不倫相手の名前や住所などの情報を知ってから3年経つと、請求が難しくなる可能性があります。
② 感情的な連絡を避けること
例:感情のままに「許さない」「会社に言いふらす」など厳しい言葉を送ってしまうと、相手が警戒して話し合いが進まなくなることがあります。
できるだけ短いメッセージで冷静にやり取りする方が安全です。
③ 証拠の扱いに注意すること(違法な取り方は危険)
例として、次のような方法で証拠を集めることは違法になり逆にトラブルの原因になります。
• 相手のスマホを勝手に開いてパスコードを解除し、中身をコピーする
• ICレコーダーを相手のカバンや車に勝手に仕込んで録音する
• LINEのログイン情報を無断で使ってメッセージを保存する
これらは相手から「プライバシー侵害だ」と責められ、慰謝料を請求されるリスクもあります。
証拠を集める方法に迷う場合は、一度弁護士に確認すると安心です。
④ 夫婦関係の状況を整理しておくこと
例:不倫する前に何度も別居していた、夫婦関係がすでに破綻していたと判断されると慰謝料が下がることがあります。
日頃から「いつ頃から夫婦仲がどうだったか」を簡単にメモしておくと役に立ちます。
⑤ 不倫相手への請求は慎重に
例:不倫相手が「既婚者だとは知らなかった」場合、慰謝料請求が難しくなるケースがあります。
不倫相手が結婚の事実を知った上で不倫していたかどうかを確認しながら進めることが必要です。
■ 一人で抱え込まず、専門家に相談を
不倫の問題は精神的な負担が大きく、冷静な判断ができないこともあります。弁護士にご相談いただければ、証拠の整理や今後の見通しを一緒に考えることができ、安心して進められます。
弁護士細江智洋は、不倫慰謝料や離婚問題のご相談に数多く対応しており、状況に合った解決方法をご提案しています。
詳しく知りたい方は、こちらも参考になさってください。
➡ 不倫慰謝料のページ
つらい状況のなかでも、少しずつ前を向けるよう、丁寧にサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。















