
熟年離婚に影響?同居義務がトラブルの火種に
「離婚も考えているけれど、先に別居してしまって大丈夫なのだろうか」
熟年離婚を考え始めた女性の中には、このような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。子どもの独立や夫の定年をきっかけに、今後の人生を見直したいと考えるのは、自然なことです。
そこで気にかかる点は、夫婦には「同居義務」があるという話です。夫婦は一緒に生活することが原則とされていますが、どのような場合でも無理をして同じ家に住み続けなければならない、というわけではありません。今回は、熟年離婚を考えるときに知っておきたい同居義務の考え方と、別居をめぐって起こりやすいトラブルについて、わかりやすくご説明します。
同居義務とは何ですか
夫婦には、一緒に暮らし、互いに協力し、支え合って生活する「同居義務」があります。
もっとも、これはどんな事情があっても必ず同じ家で生活しなければならない、という意味ではありません。たとえば、相手からきつい言葉を受け続けている、生活費を十分に入れてもらえないなど、夫婦としての生活を続けることが難しい事情があれば、別居に相応の理由があると考えられます。
熟年離婚を考える場面では、「暴力があるわけではないから我慢しなければならないのでは」と悩む方もいらっしゃいます。しかし、毎日家の中で精神的なストレスが強い状態が続くことは、決して軽くみてよいものではありません。
熟年離婚で同居義務が問題になりやすい理由
熟年離婚を考えたとき、住まいやお金、これからの暮らしのことが複雑に重なっています。そのため、別居したとしても、生活費をどうするのか、家は住み続けるのか、今後の話し合いをどう進めるのかといった新しい問題が出てくることがあります。
また、長年一緒に暮らしてきた夫婦ほど、周囲からは「ここまでやってきたのだから、今さら別居しなくても」と見られてしまうことがあります。けれども、長い年月の中で積み重なったつらさは、外からは見えにくいものです。
また、やっと別居を決意しても、相手から「夫婦なのに、勝手に家を出るなんて理解できない」と責められ、話し合いがこじれてしまうことがあります。熟年離婚では、このように同居義務の問題が感情的な対立のきっかけになりやすいのです。
具体例:長年の我慢の末に別居した妻のケース
たとえば、結婚して30年以上たつ夫婦で、子どもはすでに独立しているケースを考えてみましょう。夫が定年後に家にいる時間が増え、妻の行動にいちいち口を出すようになったとします。外出や友人との食事にも不機嫌になり、妻のストレスは少しずつ大きくなっていきます。そして妻がようやく別居を決意しても、夫が反発し、離婚の話し合いが進まなくなることがあります。
このような場合には、なぜ別居を考えるようになったのか、どのようなことがつらかったのかを整理しておくことが大切です。長年苦しみ続けた末に別居に至ったことが伝われば、その後の話し合いで状況を説明しやすくなります。
別居を考えるときに気をつけたいこと
もっとも、別居する前の段階で、離婚後の生活まで細かく見通すのは簡単ではありません。実際には、別居してから初めて、共有財産や今後の生活について具体的な話が進むことも多いでしょう。
それでも、別居後に困らないよう、大まかな問題点を整理しておくことは大切です。たとえば、当面の生活費をどうするのか、どこに住むのか、通帳や保険など後で必要な資料を確認できているか、自宅に残るのはどちらか、といった点です。何も準備しないまま家を出てしまうと、その後の生活や話し合いがいっそう難しくなることがあります。
熟年離婚を考えたら、別居前に弁護士へ相談を
熟年離婚では、同居義務だけでなく、生活費、財産分与、年金分割など、大切な問題がいくつもあります。そのため、別居を考えた段階で、一度弁護士に相談しておくことをおすすめします。一人では不安が大きくなりがちですが、弁護士に相談すれば、法的な見通しが分かるだけでも落ち着いて考えることができます。
熟年離婚や別居を検討している方は、弁護士細江智洋の法律相談をご利用ください。あわせて、別居について基本から知りたい方は、「離婚に向けて別居を考えている方へ」のページもぜひご覧ください。今後の進め方を考えるうえで、参考にしていただけるはずです。
この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。















