住宅ローンがある場合の離婚裁判|費用・流れの注意点
2026.09.25更新

住宅ローンがある場合の離婚裁判|費用・流れの注意点
住宅ローンが残っている持ち家がある場合、「離婚裁判では家のローンは誰が返済するのだろう」と不安に感じる方も多いでしょう。
住宅ローンがある場合、自宅の価値だけでなく、ローンの残額や住み続ける人は誰かなども関係するため、財産分与が複雑になりやすく、裁判が長引くこともあります。
今回は、住宅ローンがある場合の離婚裁判の流れや費用、注意点について解説します。
住宅ローンがあると離婚裁判で何が問題になるのか
住宅ローンが残っている自宅は、単純に「家を半分ずつ分ける」というわけにはいきません。
裁判では、主に次のような点が争点になります。
• 自宅の現在の価値(評価額)
• オーバーローンかアンダーローンか
• 自宅を売却するか、一方が住み続けるか
• 財産分与の方法
住宅ローンが残っている持ち家では、「アンダーローン」と「オーバーローン」のどちらの状態かが重要になります。
アンダーローンとは、住宅の価値が住宅ローン残額を上回っている状態です。例えば、自宅の評価額が3,500万円、住宅ローン残額が2,000万円であれば、差額の1,500万円が財産分与の対象となる可能性があります。
オーバーローンとは、住宅ローン残額が住宅の価値を上回っている状態です。例えば、自宅の評価額が2,000万円で、住宅ローン残額が2,800万円である場合です。この場合には、自宅を売却するのか、一方が住み続けるのか、住宅ローンを誰がどのように負担するのかなどを踏まえ、裁判所が財産分与の内容を判断していくことになります。
離婚裁判では住宅ローンをどのように判断するのか
裁判では、当事者双方が不動産会社の査定書などを証拠として提出し、自宅の評価額について主張します。裁判所は、提出された証拠をもとに評価額を認定し、その評価額を前提として財産分与の内容を判断します。また、「夫が住宅ローンを支払いながら住み続ける」「妻が自宅を取得し、住宅ローンについて金融機関の承諾を得たうえで借り換えなどを行う」「自宅を売却して売却代金を分ける」など、個々のケースに応じて財産分与の方法が検討されます。
もっとも、住宅ローンは金融機関との契約であるため、離婚裁判で財産分与が決まっただけでは、ローンの債務者や連帯保証人が自動的に変更されるわけではありません。そのため、金融機関との調整が必要になることもあります。
住宅ローンがあると裁判が長引くこともある
住宅ローンがある離婚裁判では、通常の財産分与よりも解決まで時間がかかることがあります。例えば、次のような事情がある場合です。
• 自宅の評価額について双方の意見が違う
• 売却するか住み続けるかで意見が対立する
• 自宅を取得する側が、相手方にどの程度の財産を渡すか争いがある
例えば、夫は「家を売却したい」と考えている一方で、妻は「子どもの生活環境を変えたくないので家には住み続けたい」と希望しているとします。このような場合には、最終的に自宅をどうするのか、その結果、他の共有財産をどう分けるのか調整が必要となり、解決まで時間を要することがあります。
住宅ローンがある場合の離婚裁判にかかる費用
離婚裁判で、裁判所に納める費用は次のとおりです。
• 収入印紙代(離婚請求):13,000円
• 財産分与をあわせて請求する場合:1,200円を追加(合計14,200円)
• 郵便切手代:裁判所によって異なりますが、数千円~6,000円程度
弁護士へ依頼する場合には別途弁護士費用が必要になりますが、費用体系は法律事務所によって異なります。
住宅ローンがある離婚裁判は早めの準備が重要
住宅ローンが残っている離婚では、自宅の評価額やローン残高だけでなく、不動産の名義、住宅ローンの契約内容、現在の返済状況、離婚後は誰か住み続ける予定なのかなど、状況を確認したうえで裁判に臨むことが大切です。
また、住宅だけでなく、預貯金や退職金などを含めた共有財産全体を見据えた財産分与になる場合もあるため、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
住宅ローンや持ち家がある場合の財産分与について詳しく知りたい方は、「弁護士による財産分与と持ち家・住宅ローンについての詳しい解説」をご覧ください。
この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

























