離婚について弁護士に相談するタイミングはいつ?|別居前から離婚後まで解説
監修:弁護士 細江智洋
このページのまとめ
- 離婚についての法律相談は、離婚すると決める前や、相手に離婚を切り出す前でも利用できます。
- これから別居する場合には、証拠や財産資料、別居に至る経緯などを確認できるため、できれば別居前の相談がおすすめです。
- 別居予定日が決まっている場合、当事務所では可能であれば1か月程度前までの相談をおすすめしています。ただし、法律上の期限ではありません。
- すでに別居した後や離婚調停の途中、調停不成立後、離婚訴訟を起こされた後でも相談できます。ただし、裁判所から書類が届いた場合は早めに確認しましょう。
- 離婚成立後も、養育費や親子交流などについて弁護士へ相談することがあります。
はじめに
「離婚のことを弁護士に相談するなら、いつがいいのだろう」
「まだ相手に離婚を切り出していないけれど、相談してもいい?」
「もう別居してしまったから、相談するには遅い?」
離婚について弁護士へ相談するタイミングに迷う方は少なくありません。
離婚調停や裁判になってから初めて弁護士へ相談するものだと思っている方もいますが、離婚すると決める前や、相手に離婚を伝える前から法律相談を受けることができます。
一方で、すでに別居していたり、離婚調停が始まっていたりしても、相談する意味がなくなるわけではありません。
離婚について弁護士へ相談できるタイミングは、一つではないのです。
この記事では、離婚を考え始めた段階から、別居、離婚協議、調停、訴訟、離婚後まで、どのようなタイミングで弁護士へ相談できるのかを時系列で解説します。
目次
1 離婚について弁護士に相談するタイミングに「早すぎる」はない
離婚についての法律相談は、離婚することをすでに決めている方だけのものではありません。
「離婚した方がよいのか迷っている」
「離婚したい気持ちはあるけれど、法的に離婚できるのか分からない」
という段階でも相談できます。
▶︎ 相手に離婚を切り出す前・まだ迷っている段階でも相談できる
離婚について相手に何も伝えていない段階でも、弁護士へ相談することができます。
むしろ、相手に離婚を伝えた後では確認しにくくなる証拠や資料があるケースもあります。
また、
• 自分の場合に離婚が認められる可能性はあるのか
• 離婚を切り出す前に確認しておくことはあるか
• 財産や収入についてどのような資料が必要になるか
• 別居する場合に注意することはあるか
• 子どものことをどう考えればよいか
などを整理してから、今後の行動を決めることもできます。
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▶︎ 法律相談を受けることと、弁護士へ依頼することは別
弁護士へ相談したからといって、その場で離婚事件を依頼しなければならないわけではありません。
相談した結果、
• もう少し考えてから動く
• 自分で相手と話し合う
• 必要な証拠や資料だけ確認しておく
• 別居する時期を見直す
という選択をすることもできます。
現在の状況と今後の選択肢を整理するために法律相談を利用することもできます。
2 これから別居するなら、できれば別居前に相談する
これから離婚に向けて別居を考えている場合には、できれば実際に家を出る前に一度弁護士へ相談しておくことをおすすめします。
別居は、単に住む場所を分ければよいというものではありません。
別居前だからこそ確認できることがあります。
▶︎ 別居前なら証拠や資料を確認しやすい
別居後には、それまで自宅で確認できていた資料を見られなくなることがあります。
例えば、
• 不貞など離婚原因に関する証拠
• 預貯金や保険、不動産などの財産資料
• 配偶者の収入に関する資料
などです。
必要な証拠や資料はケースによって異なります。
別居後に「確認しておけばよかった」とならないよう、別居前に自分の場合には何が必要なのかを整理しておく意味があります。
▶︎ 別居に至る経緯についても整理できる
離婚裁判などでは、単に別居しているという事実だけではなく、夫婦関係や別居に至った経緯が問題になることがあります。
特に、不貞や暴力などの明確な離婚理由がない場合には、
• これまで夫婦関係にどのような問題があったか
• その問題を相手に伝えていたか
• どのような話し合いをしてきたか
• なぜ別居を考えるようになったのか
といった事情を整理しておくことが大切です。
弁護士へ相談することで、これまでの経緯を踏まえて、別居前に確認しておいた方がよいことを整理できます。
▶︎ 別居後の生活についても確認しておく
別居後には、
• どこで生活するか
• 当面の生活費をどうするか
• 婚姻費用を請求できるか
• 子どもとどのように生活するか
なども問題になります。
特に子どもを連れて別居する場合には、その方法やこれまでの監護状況によっては、後に子どもの監護をめぐる争いになることもあります。
3 別居予定日が決まっているなら、1か月程度前の相談をおすすめします
すでに別居する時期が決まっている場合は、私は、可能であれば別居予定日の1か月程度前までに一度ご相談いただくことをおすすめしています。
ただし、「1か月前」というのは法律上の期限ではありません。
別居までに、
• 必要な証拠を確認する
• 財産や収入に関する資料を確認する
• 別居後の生活費について考える
• 子どもの生活について検討する
• 別居に至る経緯を整理する
• 相手への伝え方を検討する
といった準備をする時間を確保するための、実務上の目安です。
事情によって必要な準備は異なりますし、別居直前であってもご相談いただくことはできます。
「1か月を切ってしまったから相談しても意味がない」ということではありません。
4 DVや暴力などがある場合は、安全確保を優先する
別居前の相談をおすすめするといっても、すべてのケースで別居前に時間をかけて準備すべきという意味ではありません。
配偶者から暴力を受けている場合や、別居することを伝えることで危険が高まるおそれがある場合には、法律相談の時期よりも安全確保を優先すべきケースがあります。
緊急性がある場合には、安全な場所への避難や警察、行政の相談窓口などへの相談を優先してください。
暴力等から子どもと一緒に避難する必要がある場合も、まずは安全の確保を優先してください。
安全を確保した上で弁護士へ相談することもできます。。
5 離婚を切り出した後・別居した後でも相談できる
「別居前に相談した方がよかったと知ったけれど、もう別居してしまった」
という方もいるでしょう。
しかし、別居後だからといって弁護士へ相談するのが遅いわけではありません。
例えば、
• 相手が離婚に反対している
• 離婚条件について話し合いがまとまらない
• 財産分与でもめている
• 婚姻費用を払ってもらえない
• 親権や子どもの監護について意見が対立している
• 相手に弁護士がついた
といった段階でも相談できます。
なお、婚姻費用は、請求した時期によって、いつの分から支払われるかが変わることがあります。請求を考えている場合は、先延ばしにせず早めに対応することが大切です。
この段階では、これまでの経緯や現在の争点を整理し、今後も当事者間で話し合うのか、離婚調停を検討するのかなどを考えていきます。
6 離婚調停の前・途中でも弁護士に相談できる
離婚調停についても、「調停が始まる前に弁護士へ依頼していなければ手遅れ」ということはありません。
調停のさまざまな段階で相談することができます。
▶︎ 離婚調停を申し立てる前
自分から離婚調停を申し立てようと考えている場合には、申立前に相談することで、
• 何が争点になりそうか
• どのような資料を準備するか
• 調停で何を求めるのか
などを整理できます。
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▶︎ 調停期日の通知が届いた後
相手から離婚調停を申し立てられ、家庭裁判所から調停期日の通知が届いてから相談することもできます。
初回期日までに、
• 相手が何を求めているのか
• 自分はどのような解決を希望するのか
• どのような資料を準備するか
などを整理しておくとよいでしょう。
▶︎ 離婚調停の途中からでも弁護士に相談できる
すでに本人だけで何回か調停期日に出席している場合でも、途中から弁護士へ相談することができます。
例えば、
「何度か調停をしたけれど話が進まない」
「調停委員にどう説明すればよいか分からない」
「このまま自分だけで進めてよいのか不安になった」
という段階でも相談できます。
相談した結果、その後も本人で調停を進めるのか、弁護士への依頼を検討するのかを判断することもできます。
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7 離婚調停が不成立になった後でも相談できる
離婚調停で話し合いがまとまらず、不成立になってから弁護士へ相談することもできます。
調停が不成立になると、今後、
• 離婚訴訟を検討するのか
• しばらく別居を続けるのか
• ほかの方法による解決を検討するのか
など、今後の方針を考える必要があります。
この段階で弁護士へ相談することで、これまでの調停の経過や夫婦関係を踏まえて、今後の見通しを整理できます。
調停不成立後の選択肢については、別の記事で詳しく解説しています。
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8 離婚訴訟を起こされた後でも相談できる
相手から離婚訴訟を起こされ、裁判所から訴状などの書類が届いてから弁護士へ相談することもできます。
「裁判になってしまったから、もう相談するには遅い」
ということではありません。
ただし、裁判所から届く書類には、対応すべき期限が定められていることがあります。
訴状など裁判所からの書類が届いた場合には、そのままにせず早めに内容を確認し、必要に応じて弁護士へ相談しましょう。
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9 離婚後でも弁護士に相談することはある
弁護士への相談は、離婚が成立したら終わりというわけでもありません。
離婚後に新たな問題が生じることもあります。
例えば、
• 養育費が支払われなくなった
• 収入や生活状況が変わり、養育費を増額・減額したい
• 親子交流(面会交流)が行われなくなった
• 離婚時に決めたことが守られない
• 離婚後に財産分与などの問題が残っている
といったケースです。
離婚時とは事情が変わったことで、新たに家庭裁判所での手続きが必要になる場合もあります。
なお、財産分与のように、離婚後に家庭裁判所へ請求できる期間が限られているものもあります。
「もう離婚したから弁護士には相談できない」と考える必要はありません。
10 結局、離婚について弁護士に相談するおすすめのタイミングは?
離婚について弁護士へ相談できるタイミングをまとめると、次のようになります。
| 現在の状況 | 相談のタイミング |
|---|---|
| 離婚するか迷っている | この段階から相談できます |
| 相手に離婚を切り出していない | 切り出す前に相談する意味があります |
| 別居を考えている | できれば別居前がおすすめです |
| 別居予定日が決まっている | 可能であれば1か月程度前をおすすめしています |
| DVなどで危険がある | 相談時期より安全確保を優先してください |
| すでに別居している | 今からでも相談できます |
| 離婚協議が難航している | 今後の進め方を相談できます |
| 調停の通知が届いた | 今後の進め方を相談できます |
| 調停が始まっている | 途中からでも相談できます |
| 調停が不成立になった | 今後の方針を相談できます |
| 離婚訴訟を起こされた | 裁判所の書類を持って早めに相談しましょう |
| 離婚が成立した後 | 養育費・親子交流などについて相談できます |
離婚について弁護士へ相談できるタイミングは、一つではありません。
すでに手続きが進んでいるからといって、「もっと早く相談すればよかった。もう遅い」と考える必要はありません。
一方で、これから別居を予定している場合には、証拠や財産資料の確認、別居に至る経緯の整理など、別居前だからこそできる準備があります。
そのため、これから離婚や別居を考えている方は、必要に応じて実際に動き始める前の法律相談も検討してみてください。
11 弁護士からのメッセージ
離婚について弁護士へ相談するタイミングに、決まった正解があるわけではありません。
まだ離婚すると決めていない段階でも相談できますし、すでに別居している方、離婚調停の途中の方、離婚後に新たな問題が生じた方からのご相談もあります。
ただ、これから別居を予定している場合には、別居前に確認しておいた方がよい証拠や資料、夫婦関係の経緯などがあります。
「今の段階で相談してよいのだろうか」と迷っている場合も、まずは現在の状況と今後の選択肢を整理するところから始めることができます。
弁護士細江智洋は、横浜で離婚問題についてご相談をお受けしています。
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この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
横浜で離婚問題に携わり12年以上、離婚問題を280件以上解決した実績あり。
あなたの気持ちに寄り添いながら、より良い未来のために、離婚手続きや養育費、慰謝料を親身にサポート。お気軽にお問合せください。
この記事の編集・SEO担当者
阿部絵美(元裁判所書記官)
横浜家庭裁判所で3年間、離婚調停などの家事事件を担当。
裁判所での実務経験を踏まえ、弁護士細江智洋の法律解説に、
「調停の現場で実際に起きていること」が伝わる視点を加えて編集しています。
※法律解説は弁護士監修です。















