離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2025.12.19更新

離婚コラム72

 

親権変更は可能?知っておきたい条件と手続き
離婚後、「最初に決めた親権を変えたい」というご相談は珍しいことではありません。
子どもが成長して生活が変わったり、親権者の環境に変化があったりすると、今のままで良いのかと不安になることはあるでしょう。
ただし、親権の変更は簡単ではなく、必ず家庭裁判所の判断が必要です。ここでは親権変更が認められる条件と手続きの流れを、初めての方にも分かりやすくご説明します。

 

1.親権変更はどんなときに認められるの?
親権変更が認められるのは、「今の環境のままでは子どもの生活が安定しない」「親権を変えた方が子どものためになる」と裁判所が判断した場合です。一般的には次のようなケースがあります。
● 親権者が十分に養育できなくなった場合
病気や精神的な不調、生活環境の悪化などで子どもの世話が難しくなったときは、親権変更が検討されます。
● 子どもの意向がはっきりしてきた場合
子どもの年齢が上がり、自分の考えをしっかり伝えられるようになると、その意向が判断材料になることがあります。
● 子どもの環境に問題がある場合
しつけが厳し過ぎている、学校生活が規則正しく送れていないなど、子どもの生活に不安があると認められると、親権変更が必要となる場合があります。

 

2.親権変更の手続きはどう進むの?
親権変更は、両親の話し合いだけでは決められません。家庭裁判所での手続きが必要になります。
【1】親権者変更調停の申し立て
まず調停を申し立て、調停委員が両親の話を聞きながら解決を目指します。
【2】合意できない場合は審判へ
調停がまとまらない場合、審判に移り、裁判官が最終的にどちらが親権者として適切かを判断します。
【3】調査官による調査が入ることも
子どもの生活状況を把握するため、家庭裁判所調査官が家庭訪問や面談を行う場合があります。

 

3.2026年4月から始まる共同親権制度について
2026年4月からは、離婚後も父母がそろって子どもの親権を持つことができる共同親権が選べる制度が導入される予定です。
ただし、父母が協力して子どもを育てられるか、子どもの生活が安定するかなどが慎重に判断されます。
制度施行後は、
• 単独親権から共同親権へ変更したい
• 共同親権が難しくなり単独に戻したい
といった相談も増えると考えられます。
共同親権には良い面もある一方で、大事な決定が進みにくいなどの注意点もありますので、どの形が子どもにとって一番良いのか慎重に考えることが大切です。

 

4.親権変更を考えるときのポイント
● 子どもの環境が安定するかを検討する
住居・学校・周囲のサポートなど、子どもが安心して暮らせる環境を整えることが重視されます。
● 親権者ではない立場の方も日頃の養育状況を記録しておく
現在は親権者でなくても、実際にお子さんの生活を支えている場合は、
「どのように世話をしてきたか」「どれほど関わってきたか」
といった事実を記録しておくと、裁判所の判断材料になります。
● 今の親権者の養育状況に心配があるときは事実を伝える
たとえば、
• 不規則な食事や生活リズムが続いている
• 学校を欠席しているときが多い
• 家庭内で落ち着かない様子が見られる
など、子どもの生活が安定していない様子が見られる場合は、落ち着いて状況を伝えることが大切です。裁判所は、どちらの環境が子どもにとって安定しているかを基準に判断します。

 

5.一人で悩まず、早めに相談を
親権に関する問題は難しく、家庭だけで解決しようとすると混乱しやすいものです。弁護士が関わることで、手続きが整理され、子どものために最適な判断がしやすくなります。
親権や監護権について詳しく知りたい方は、
弁護士細江智洋の親権・共同親権の解説ページを参考になさってください。
お子さまが安心して暮らせる環境を一緒に考えていきましょう。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

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