
親権は何を基準に決まる?裁判所が判断で重視する5つのポイント
離婚を考えたとき、「子どもの親権はどちらが持つのか」という問題に多くの方が不安に感じています。
話し合いで決まればよいのですが、意見がまとまらない場合には、最終的に裁判所が決めることになります。
では、裁判所はどのような基準で親権者を判断しているのでしょうか。
実は「収入が多い方」「母親だから有利」といった簡単な基準ではありません。重要視されるのは、あくまで子どもの利益です。
ここでは、裁判所が実務上大切にしている代表的な5つの点を、分かりやすくご説明します。
① 主たる監護者はどちらか
最も重視されるのが、「これまで誰が主に子どもの世話をしてきたのか」という点です。
毎日の食事、身の回りの世話、学校や保育園との連絡などを継続的に担ってきたかどうかが評価の対象になります。
② 子どもの生活環境の継続性
裁判所は、子どもの環境ができるだけ大きく変わらないことを重視します。
転校や引っ越しによる負担が少ないか、これまでの生活リズムを維持できるかといった点が判断材料になります。
③ 親の監護能力・養育姿勢
親が子どもを心身ともに健やかに育てられるかどうかも重要です。
仕事と育児を両立できているか、自身の健康状態、育児への理解や協力度合いなどが総合的に見られます。
④ 子どもの意思(年齢・発達に応じて)
子どもがある程度の年齢に達している場合には、以下のような子供の気持ちが尊重されます。
● どちらの親と一緒にいると安心できるか
● 今の生活(学校・友達・習い事など)を変えたくないという思い
● 急な生活の変化に対する不安や戸惑い
ただし、子どもの意見だけで決まるわけではなく、周囲の影響を受けていないかなども慎重に判断されます。
⑤ きょうだい不分離の原則
兄弟姉妹がいる場合、原則として同じ親が親権を持つことが望ましいとされています。
特別な事情がない限り、兄弟姉妹を引き離さないという判断がなされる傾向にあります。
親権と監護権は分けて考えることもあります
2026年4月から、「共同親権」という制度が施行されます。
共同親権とは、離婚後も父母の双方が親権を持ち、重要な事項について協力して決めていく考え方です。もっとも、実務上は、日常生活の拠点はどちらか一方に定める必要があるため、誰が実際の子育て(監護)をするのかを決めることは引き続き重要になります。
そのため、裁判所の判断や調停の場では、
「親権」と「監護権」を分けて定めるという方法もあります。
たとえば、次のような場合です。
• 子どもは今までどおり母親と暮らすのが望ましいが、父親も学校行事や進学などの重要な決定には関わるべき事情がある場合
• 監護の実績は一方の親にあるものの、もう一方の親にも意欲的に養育へ参加し適切に関わることが期待できる場合
• 親権を一方に限定すると親権が無い方の親に強い不満がつのり、親同士の対立によって子どもに精神的な負担が生じるおそれがある場合
このような状況では、実際に子どもと暮らし、日常の世話をする母親を「監護権者」とし、法律上の親権は父母双方、あるいは親権の行使については協議する方法を取ることもあります。
親権や監護権は、「どちらが持つか」を決めることではなく、子どもが安心して生活できる環境を第一に考えて柔軟に判断することが重要です。
早めの相談が大切です
親権の問題は、親権の問題は、子どもの生活や将来に直接関わるため、さまざまな要素を慎重に考える必要がある分野です。
事前に状況を把握し、何が重視されるのかを知っておくことで、十分に対応できます。
親権や監護権について、より詳しく知りたい方は、下記のページもぜひご覧ください。
お一人で悩まず、専門家に相談することで、より良い解決への道が見えてくることもあります。
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この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。















