離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.02.24更新

離婚コラム89

 

親権者の義務と責任を知っていますか?
離婚を考えたとき、あるいは離婚後の生活の中で、「親権」の意味に戸惑いや不安を感じる方は少なくありません。
「親権を持つと、何をしなければならないのか」「親権がないと、責任はどうなるのか」
こうした疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。
しかし、法律の考え方は、一般に知られている内容と少し違います。
親権の有無にかかわらず、親である以上、果たすべき義務と責任があるという点が明確になっています。今回はこの点を踏まえ、弁護士の視点でわかりやすくご説明いたします。

 

親権とは何を意味するのか
親権とは、未成年の子どもを守り、育て、社会の一員として成長させていくために、法律で親に認められた権限であり、同時に義務でもあります。
具体的には、親権には、子どもの生活や教育、医療などについて日常的な世話をする身上監護権と、子ども名義の預貯金や相続財産などを管理する財産管理権が含まれます。
親権という言葉から「子どもと一緒に暮らす立場」と想像されますが、実際にはそれだけではなく、子どもの生活全般や将来に関わる重要な事項について責任をもって判断し、将来にわたって支えていく立場であることを意味します。
そして重要なのは、親権の有無にかかわらず、親である以上、子どもに対する基本的な責務はあり続けるという点です。

 

親権の有無に関係なく親としての責務があります
2026年4月から施行される改正民法では、父母は、親権者であるかどうかにかかわらず、子どもの人格を尊重し、その年齢や発達の程度に応じて、子どもの利益を最優先に考えながら養育しなければならないと明確に定められました。
ここでいう「養育」には、次の三つの柱があります。
まず一つ目は、子どもの人格を尊重することです。
子どもを親の所有物のように扱うのではなく、人格ある一人の人間として向き合い、その気持ちや意見に耳を傾ける姿勢が求められます。
二つ目は、子どもを扶養する責務です。
親には、子どもが安心して生活できるよう、衣食住や教育、医療などすべて支える義務があります。法律上、親の扶養義務は、「その子が親と同程度の生活を維持できるように扶養しなければならない」と解されています。
つまり、最低限の生活ができれば足りるのではなく、親の生活水準に応じたあるいは同程度の養育が必要だということです。
三つ目が、父母は互いの人格を尊重し、感情的な対立や一方的な判断によって子どもの利益を損なうことがないよう、協力して養育にあたる責務です。

 

共同親権と親の協力義務
2026年4月からは、離婚後も父母が親権を共同で持つ「共同親権」の制度が施行されます。
共同親権のもとでは、父母が、互いに協力しながら子どもを育てる姿勢がより強く求められます。
たとえば、
• 子どもの生活や教育に関する情報を共有すること
• 進学先の決定や医療の方針など、重要な事項について話し合うこと
• 相手任せにせず、親として関わり続けること
といった点が、法律上も重要視されるようになります。
親権の形が変わっても、親の責任が軽くなるわけではありません。

 

親権や養育で迷ったときは
親権や養育をめぐる問題は、家庭の事情や子どもの状況が大きく影響するため、判断することが難しい分野です。
「自分の関わり方は合っているのか」「この判断は子どもの利益になっているのか」と迷ったときは、法律の視点から検討することが大切です。
親権や監護権について正しく理解することは、親にとっても、子どもにとっても、将来の安心につながります。
親権・監護権について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページも参考になさってください。

親権・監護権について詳しくはこちら

制度の基本から実務上の考え方まで、分かりやすく解説されています。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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