
離婚調停が不成立になることはある?成立率と実情を解説
「離婚調停を申し立てれば、話し合いで必ずまとまるのでしょうか。」
法律相談では、このようなご質問をよくいただくことがあります。
結論から申し上げると、離婚調停が不成立になるケースもあります。
もっとも、調停で解決する場合も多く、必ずしも裁判に進むわけではありません。
離婚調停は、家庭裁判所で調停委員を介して話し合いを行い、離婚やその条件について合意を目指す手続です。裁判とは異なり、当事者同士の話し合いによる解決を目的としています。
では、実際にどのくらいの離婚調停が成立しているのでしょうか。
■ 離婚調停の成立率はどのくらい?
最高裁判所事務総局「令和6年司法統計年報(3 家事編)」によると、婚姻関係事件のうち
• 約46.8%が調停成立
• 約18.3%が調停不成立
となっています。
つまり、約半数は調停で解決している一方、一定割合で不成立となるケースもあるというのが実情です。離婚調停は、準備や進め方によって結果が大きく変わる手続といえます。
■ 離婚調停が不成立になる典型例
では、どのような場合に離婚調停は不成立になりやすいのでしょうか。代表的な例を見てみましょう。
① 相手が離婚に同意していない場合
例えば、別居が始まったばかりで相手が「まだ関係を修復できる」と考えている場合です。
離婚そのものに合意が得られないと、財産分与や養育費といった条件の話し合いに進むことができません。また、夫が離婚を希望している一方で、妻が「子どものためにも離婚はしたくない」と強く主張しているような場合、調停が進まず不成立となることがあります。
② 財産分与の対象や内容で意見が対立している場合
離婚調停では、財産分与について当事者の認識が大きく異なることがあります。特に、「どこまでが財産分与の対象(=共有財産)になるのか」という点で意見が対立すると、話し合いがまとまりにくくなります。
例えば、夫が結婚前から使っている預金口座に、結婚後の給与や生活費の入出金が長年続いているような場合です。夫は「もともと自分の預金なので共有財産にはならない」と主張する一方で、妻は「結婚後の収入も入っているのだから共有財産ではないか」と考えていることがあります。このように共有財産の考え方が異なると、調停で合意するまで時間がかかることがあります。
③ 冷静な話し合いが難しい場合
離婚理由によっては、相手への不満や怒りが強い場合もあります。
そのような状態では、互いに相手を責めるやり取りが続き、本来話し合うべき「親権」「養育費」「財産分与」などの条件について結論が出ないため、調停がまとまらないこともあります。
④ 親権を双方が希望している場合
未成年の子どもがいる場合、親権は大きな争点になります。双方が親権を強く希望していると、調停で結論が出ないこともあります。
例えば、これまで母親が主に子どもの世話をしてきたものの、父親が「今後は自分が育てたい」と考えて親権を希望している場合です。生活環境や監護状況について双方の主張が対立し、調停では合意できないことがあります。
■ 離婚調停が不成立になるとどうなる?
離婚調停が不成立になると、離婚訴訟(裁判)へ進む場合もあります。
裁判では話し合いではなく、裁判官が証拠に基づいて判断を下します。例えば、
• 法律上の離婚原因があるか
• 親権はどちらが子どもの利益にかなうか
• 財産分与や慰謝料の金額は妥当か
といった点が、提出された資料や証拠をもとに判断されます。
そのため、調停の段階から「裁判になった場合にどのように判断される可能性があるか」を考慮して、主張や証拠をまとめておくことが大切です。
離婚調停が不成立になった場合については、「離婚調停が不成立になったらどうなる?次のステップと選択肢」もご参考になさってください。
■ 調停で解決するために大切なこと
離婚調停では、
• 調停での目的を明確にしておくこと
• 数字やデータで資料や証拠を準備すること
• 現実的な解決案を考えておくこと
が結果を大きく左右します。
見通しを持たずに調停に臨んでしまうと、話し合いが長引いたり、不成立に終わったりする可能性もあります。事前に上記のような準備をしておくことで、調停成立できる可能性を高めることができます。
離婚調停の流れや進め方については、
離婚調停の解説ページでも詳しく解説しています。
離婚調停が不成立になるかどうかは、事前準備や進め方によって大きく変わります。
不安な点がある場合は、早めに弁護士に相談し、サポートを受けながら準備しておくことをおすすめします。
この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。















