離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2025.11.25更新

離婚コラム64

 

夫婦の話し合いで離婚の条件がまとまらない場合、次のステップとして「離婚調停」があります。家庭裁判所で、裁判官と男女2名の調停委員が間に入り、夫婦それぞれの意見を丁寧に聞きながら話し合いを進めます。
ここでは、離婚調停で実際にどんな内容を話し合うのか、そして調停委員からどんな質問を受けるのかを分かりやすく解説します。

 

1.離婚するかどうかの意思確認
最初に調停委員から聞かれるのは、「あなたは離婚を希望していますか?」「離婚したいと思う理由は何ですか?」といった、離婚の意思と理由についてです。
夫婦の関係が悪化した経緯や、別居の有無、これまでの話し合いの状況などを説明します。
落ち着いて、事実を整理して伝えることが大切です。たとえば「夫が長期間家に戻らない」「妻が生活費を渡してくれない」など、具体的にかつ時系列で状況を説明できるとスムーズです。
離婚そのものに合意できない場合でも、調停委員が双方の考えを整理し、歩み寄りのきっかけを探ります。

 

2.親権・監護権についての話し合い
子どもがいる場合、調停で最も重視されるのが親権監護権です。
調停委員からは「これまで子どもの世話は主にどちらでしたか?」「今後どんな環境で育てたいと考えていますか?」といった質問をされます。
ここでは、子どもの通学環境、生活リズム、両親や祖父母との関わり方など、子どもの利益を最優先に考えた説明が求められます。
例えば、「平日は母親が仕事で忙しいが、祖父母が保育園の送り迎えを手伝っている」「父親が休日に子どもと過ごす時間を大切にしている」といった具体的な生活の様子を伝えましょう。
親権や監護権は、父母どちらの下で生活することが、より子の利益にかなうかという観点で判断されます。

 

3.養育費と面会交流の取り決め
親権が決まると、次に話し合うのが養育費と面会交流です。
調停委員からは「相手の収入はどのくらいですか?」「子どもの年齢や今後の進学予定は?」「面会は月に何回くらいで考えていますか?」など、生活に関する具体的な質問が出ます。
養育費の金額は、裁判所が公表している「養育費算定表」をもとに、父母の収入や子どもの人数から算出されます。
面会交流については、「月1回2時間程度」「夏休みなどの長期休暇に宿泊を伴う面会」など、どのような内容が子どもの利益に最も適うかという観点から、具体的な方法を検討します。

 

4.財産分与・慰謝料の話し合い
結婚生活で築いた財産の分け方も重要なテーマです。
調停委員からは「預貯金や不動産はどのように管理していますか?」「退職金や保険はありますか?」といった質問を受けます。
財産分与の対象は、婚姻期間中に形成された共有財産です。結婚後に貯めたお金や購入した資産は名義がどちらであっても夫婦で分け合うのが原則です。
また、不倫や暴力など相手に離婚原因がある場合は、調停で慰謝料の請求ができます。
もっとも、慰謝料について相手を納得させて合意を得るためには、LINEのやりとりや診断書など、明確に証拠となる資料を用意しておくことが重要です。

 

5.年金分割や離婚後の生活について
調停委員から「どのくらいの婚姻期間でしたか?」「相手の年金記録は確認していますか?」と質問されることがあります。
年金分割は、将来受け取る年金額に関わる大切な手続きであり、婚姻期間中の夫婦の厚生年金の記録を原則として2分の1ずつ受け取れる制度です。調停が成立すればその合意内容をもとに年金事務所に申請します。
そのほか、姓の変更、引っ越し、子どもの転校など、離婚後の生活設計についても具体的に話し合うことができます。

 

6.弁護士に相談して準備を整えましょう
離婚調停は、事実関係や金銭の根拠を明確にすることが求められます。たとえば、別居の時期や生活費の支払い状況を説明する場合、家計簿・通帳の記録・送金履歴などの資料が根拠になります。
調停では、どちらか一方の言い分だけが優先されることはありませんが、自分の主張を裏付ける資料を示すことで、調停委員の理解を得やすくなります
弁護士に相談すれば、必要な書類や証拠の整理、話し方のポイントなど、具体的にアドバイスを受けながら調停に臨めます。

離婚調停の流れや詳しい手続きについては、
➡離婚調停の解説はこちら
離婚調停に不安を感じる方は、弁護士細江智洋にご相談ください。
あなたの立場を守りながら、ベストなの解決の道へ導くためにサポートいたします。

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2025.11.22更新

離婚コラム63

 

離婚調停は、夫婦間の感情的な対立を避けながら、調停委員を通じて話し合いを進める手続きです。本来は「勝ち負け」を競う場ではありませんが、実際には、主張の伝え方や準備の仕方によって結果に大きな差が出ます。
その意味では、あなたにとって「勝つ」「負ける」と感じる結果の差が生まれることは確かです。
そこで本コラムでは、離婚調停で”勝つ”、すなわち有利に進めるための7つの戦略を弁護士の視点から解説します。

 

1.目的を明確にする
まず大切なのは、調停で「何を求めているのか」をはっきりとさせることです。離婚自体を成立させたいのか、親権を取りたいのか、あるいは慰謝料や財産分与の金額を重視するのか。ご自身の目的を明確にしておかないと、主張がぶれて調停委員に伝わりにくくなります。
具体的に目的を書き出しておくことで、混乱せずに優先順位をつけられるようになります。

 

2.感情的にならず事実を伝える
調停は話し合いの手続きですから、「どちらが悪いか」を決める場ではなく、離婚するかどうか、離婚する場合の条件をお互いの合意で決める場所です。感情的に発言をしてしまうと、合意を目指した話し合いが難しくなり、調停委員にマイナスの印象を与えかねません。
「時系列で事実を整理して、冷静に伝える」ことが信頼につながります。LINEのやり取りや家計の記録など、客観的な証拠を準備して説明すると効果的です。

 

3.証拠をしっかり準備する
特に慰謝料や財産分与の話し合いでは、有効な証拠の有無が大きな差になります。預貯金通帳やローンの残高証明、生活費の支出記録など数字やデータで示せる証拠を準備しておくと、財産や費用の実態を客観的に示せます。
また、子どもの教育費や医療費の明細は、養育費を決める際の参考にもなります。
弁護士に相談すれば、どの証拠が効果的で、どのように提出すべきか具体的なアドバイスを受けられます。

 

4.調停委員の信頼を得る
調停では、調停委員が双方の意見を整理して合意できる条件を探ります。したがって、調停委員の信頼を得ることはとても大切です。
誠実な態度を心がけ、相手の人格を否定する言葉は避けましょう。「落ち着いて話を聞ける人」という印象が、調停の流れを円滑にします。

 

5.相手の主張を予測しておく
相手がどのような主張をしてくるかを想定しておくことで、調停当日に慌てずに対応できます。
たとえば、「生活費は十分に渡していた」と言われそうなら、実際に支払記録を示す証拠を準備しておく、といった具合です。争点がいくつもあるのであればまずは整理しておくことが“勝つ”ための鍵となります。

 

6.妥協点を考えておく
調停は裁判のような「勝ち負け」を決める手続きではなく、合意を目指す話し合いです。たとえば「財産はすべて半分ずつにしたい」と主張しても、相手が「住宅ローンを自分が多く負担してきた」と譲らない場合、調停が長引くことがあります。このような調停手続きでも「勝つ」「有利に進める」という場合、どの条件であれば受け入れられるか、事前に妥協点を決めておくことが大事です。自分にとってここまでは守りたい、早期解決のためならここまでは譲歩できる、ということを決めておくことで、あなたにとっての「勝ち」「有利」を設定することができます。多くのケースで、多少の譲歩をして早期に合意することで、結果的に精神的負担や時間的コストを減らせます。

 

7.弁護士に相談して戦略を立てる
離婚調停を有利に進めるには、法律と実務の両面を考慮した戦略が欠かせません。弁護士は、あなたの主張を整理し、必要な証拠を整え、調停委員に伝わりやすい形にまとめるサポートをします。
「感情的にならず、理論的に伝える」ためにも、早めの相談が安心です。

 

まとめ
離婚調停は、証拠等の準備と調停に臨む姿勢によって結果が大きく変わります。事実をもとに、落ち着いて主張を整理することが大切です。
弁護士に相談すれば、調停の流れを理解しながら、あなたにとって最善の解決策を一緒に考えることができます。
離婚調停に出ることに不安を感じている方や、条件や主張をうまく伝えられるか心配な方は、弁護士細江智洋にご相談ください。豊富な調停経験をもとに、あなたの立場をしっかりと整理し、有利に進めるための戦略を一緒に立てていきます。
➡離婚調停の解説はこちら

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2025.11.19更新

離婚コラム62

 

離婚調停は、家庭裁判所で第三者である調停委員を交え、夫婦が離婚条件を整理するための大切な手続きです。
しかし、感情的になって不適切な発言をしてしまうと、調停がこじれたり、調停委員に不利な印象を与えたりすることがあります。
この記事では、離婚調停で言ってはいけない言葉10選と注意すべきポイントを、弁護士の視点から解説します。

 

1.「どうでもいいです」
調停委員に「きちんと話し合う気がない」と受け取られ、いい加減な印象を与えます。誠実に話し合う姿勢を示すことが、信頼を得る第一歩です。
2.「全部相手が悪い」
中には相手の不倫のみが離婚原因であるということもありますが、夫婦不和の原因が100%相手にあるということは稀ですから、離婚原因を相手方に一方的に押しつける発言は、感情的と見なされがちです。ご自身に非がない場合でも、原因となった出来事を整理して具体的に事実を伝える方が、調停委員の理解を得られます。
3.「これ以外は絶対に認めません」
強い意志を示すつもりで言ったとしても、調停委員には「話し合う余地がない」と見えてしまいます。
調停はあくまで双方が歩み寄って成り立つ手続きです。譲れない部分がある場合でも、「どうすればお互いに納得できるか」という見方をすることが大切です。
もちろん、話し合いの最終局面でこれ以上譲歩はできないというときは、きっぱり断りましょう。
4.「子どもには絶対に会わせない」
親権や面会交流の話では、子どもの利益が最優先です。一方的に相手の面会を拒絶することは、「子どもの利益を無視している」と受け取られるおそれがあります。
5.「法律のことはよく分からないのでお任せします」
謙虚な姿勢のつもりで言ったとしても、調停委員に「自分の主張を伝える気がない」と判断されることがあります。
調停は自分の意思で進める手続きです。希望条件や譲れない点をはっきり伝える姿勢が大切です。
法律的な部分に不安がある場合は、弁護士に相談してサポートを受け、安心して話し合いに臨みましょう。
6.「お金のことは後でいい」
慰謝料・財産分与・養育費などの金銭面にかかわる問題は、調停での話し合いの中心になります。後回しにするとトラブルのもとになります。曖昧にせず、具体的に話し合うことが大切です。
7.「そんな書類は見ません」
預金通帳や収入証明などの資料は、調停での話し合いで重要な判断材料となります。確認を怠ると、誠実さに欠けると判断されることがあります。
8.「裁判になってもいい」
強気な発言は一見勇ましく思えますが、調停委員から「歩み寄る気がない」と受け取られてしまいます。お互いの妥協点を探る姿勢を見せることが、結果的に有利に働きます。
もちろん、これ以上妥協するくらいなら裁判で構わないという最終局面では、はっきりと伝えることも大事です。その場合は裁判になった場合に今よりも有利になるのかどうかを、事前に弁護士に相談をしておくことをお勧めします。
9.「あなたたちは味方じゃないんでしょ」
調停委員は中立の立場をとっており、どちらか一方の味方ではありません。不信感をあらわにせず、「子どもの送迎は私が担当していました」というように具体的に事実を伝える方が調停を円滑に進められます。
10.「相手の言うことは全部ウソです」
相手の発言を全面的に否定するだけでは、信頼を損ねやすく感情的な発言に聞こえます。
反論したい内容がある場合でも、「この話は事実と少し違います」「この時はこういう事情がありました」と、具体的に説明する方が誠実な印象を与えます。
事実を正確に伝えることで、あなたの主張が理解されやすくなります。

 

発言の内容より「伝え方」が重要
離婚調停では、話す内容だけでなく、「言い方」や「態度」も重要です
感情をぶつけるよりも、自分の主張を落ち着いて伝える方が、あなたの言い分がうまく伝わり、調停委員からの理解も得られます。
不安や迷いがある場合は、弁護士の助言を受けながら進めることで、冷静に対応できます。

 

不安を感じる方こそ弁護士にご相談を
離婚調停では、「どう条件を提示すればいいのか」「落ち着いて話す自信がない」といった不安を抱える方が少なくありません。
調停の場では、感情をコントロールしながら、はっきりと希望を伝えることが求められます。
弁護士がサポートに入ることで、発言内容の整理や条件提示の方針を一緒に考え、あなたの希望をしっかりと伝えるお手伝いができます。
調停を少しでも安心して進めたい方は、
➡離婚調停の解説ページはこちら
離婚調停で不安を感じている方は、ぜひ弁護士細江智洋にご相談ください。
法律面だけでなく、気持ちの整理や話し方のサポートまで、あなたの味方として丁寧に寄り添います。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
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2025.11.16更新

離婚コラム61

 

離婚を夫婦の話し合いでまとめられない場合、家庭裁判所で「離婚調停」を申し立てることができます。
しかし、「調停はどれくらいの期間がかかるのか」「仕事や育児に支障はないのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、離婚調停にかかる平均的な期間や、調停が長引くケース・円滑に進むためのポイントについて、弁護士が分かりやすく解説します。

 

離婚調停の平均期間はおよそ6か月前後
家庭裁判所が公表する令和5年度司法統計によると、離婚調停が成立または不成立に至るまでの平均期間はおよそ6か月~1年程度です。
ただし、実際には3か月ほどで終わるケースもあれば、1年以上かかるケースもあります。
通常、離婚調停は1〜2か月おきに1回開かれるのが一般的です。
たとえば、月1回のペースで調停期日が3〜5回程度開かれた場合、半年ほどで結論が出るという計算になります。

 

調停が長引く原因とは
離婚調停の期間が通常より長くなる主な理由には、以下のようなものがあります。
1. 争点が多い場合
 離婚するかどうかだけでなく、親権・養育費・財産分与・慰謝料など、複数の問題を同時に話し合う必要がある場合は時間がかかります。
2. 相手が出席しない・話し合いに応じない場合
 相手方が期日に欠席する場合、あるいは話し合いが平行線のまま進まない場合は、次回期日までの間隔が長くなりがちです。
3. 資料の提出や財産調査に時間がかかる場合
 不動産や預貯金の調査、収入証明などが必要な場合、書類の取り寄せに時間がかかることがあります。
4. 家庭裁判所の混雑
 地域や時期によっては、家庭裁判所のスケジュールが立て込んでおり、次の期日まで数か月空くこともあります。

 

できるだけ円滑に進めるためにできること
離婚調停は、長引けば長引くほど精神的にも肉体的にもお互いの負担が大きくなります。
話し合いが進まないまま何か月も過ぎると、生活や仕事に支障が出ることもあり、相手との関係がさらに悪化してしまうケースもあります。
だからこそ、できるだけ円滑に調停を進めるための準備が大切です。
• 主張や希望を整理しておく
 「どんな条件で離婚したいのか」「譲れない点は何か」を明確にしておくと、調停がスムーズに進みます。
• 必要書類を早めにそろえる
 婚姻費用・養育費・財産分与などを求める場合には、収入や資産を数字やデータで示す資料を準備しておくことが重要です。
• 弁護士に相談する
 弁護士に依頼すれば、法律的に整理された主張を調停委員に伝えられるため、話し合いが脱線しにくくなります。
 また、弁護士が間に入ることで感情的な対立を避けられ、必要な資料の収集や交渉の進め方も的確にサポートしてもらえます。
 その結果、調停全体がよりスムーズに進み、納得のいく解決に近づきやすくなります。

 

調停が不成立だった場合はどうなる?
調停で合意に至らなかった場合、「調停不成立」となり、審判や離婚裁判へ進むこともあります。
ただし、調停で話し合った内容はその後の裁判に活かされることも多く、無駄にはなりません。
離婚調停の流れや、申し立てから解決までのステップについては、下記ページで詳しく解説しています。
➡ 離婚調停の解説はこちら

 

まとめ
離婚調停は平均で6か月前後かかるのが一般的ですが、争点が多い場合や準備が不足した場合は1年以上に及ぶこともあります。
長期化すれば心身の負担が大きくなるため、早めに弁護士の力を借りて、効率よく進めることが重要です。
調停はあくまで「話し合いの場」です。感情的にならず、落ち着いて対応することが解決への近道です。
不安や疑問がある場合は、離婚問題に詳しい弁護士細江智洋にご相談ください。
豊富な経験をもとに、あなたの状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

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