離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2025.07.04更新

 

離婚コラム16

 

「離婚したいけれど、何から始めればいいのかわからない」「夫にはまだ知られたくない」——そんな思いを抱えて、一人で悩んでいませんか?

とくに専業主婦の方にとって、離婚は人生の大きな転機です。経済的な不安、子どもの将来、住まいの問題、そして周囲の目…。すぐに決断できないのは当然です。

このコラムでは、夫に知られずにできる「静かな離婚準備」について、法律と実例に基づいてやさしくご紹介します。

 

1. 「夫にバレずに」始める準備とは?

離婚準備というと、弁護士に相談したり、通帳を集めたり…といった大げさなことを想像しがちです。でも、実際にはもっと小さな「情報収集」から始められます。

たとえば、

● 自分だけのメールアドレスを作る(Gmailなど無料で簡単に)

● スマホで「シークレットモード」を使って離婚に関する情報を検索する

● 気になった情報はスクリーンショットに保存する

● 弁護士のウェブサイトをこっそりブックマークしておく

何もしないでいるより、小さな行動を積み重ねていくことが、将来の安心につながります。

 

2. 専業主婦でも認められている「経済的な権利」

離婚後の生活で最も心配なことは「お金」のこと。専業主婦で収入がない場合、多くの方が「離婚したら暮らしていけるのだろうか」と不安になります。

でもご安心ください。法律では、以下のような正当な権利がしっかりと認められています。

▶財産分与
結婚生活の中で夫婦が一緒に築いた財産は、共有財産として、原則として夫婦で半分ずつ分け合うことができます。名義が夫でも、共有財産であれば対象になります。

▶婚姻費用の分担
別居中であっても、離婚が成立するまでは生活費を相手に請求することができます。これは離婚成立前の大切な権利です。

▶養育費
子どもがいる場合、離婚後も子どもの生活費や教育費を相手に負担してもらう権利があります。子どもの生活を守るための大切な制度です。

▶年金分割
夫が働いていた間に積み立てた厚生年金を、婚姻期間に応じて分割できます。老後の生活を大きく支える制度です。

これらの権利をしっかり守るためには、早い段階からご自分の家庭の「お金の情報」を記録しておくことが大切です。銀行口座や保険証券、給与明細、住宅ローンの明細書、そして「ねんきん定期便」なども大切な資料です。

 

3. 気持ちを整える「自分との対話」の時間を

「本当に離婚して大丈夫?」「子どもはどう思うだろう?」「実家に頼れるかしら…」

離婚を考え始めたとき、心の中にはたくさんの迷いが生まれます。その気持ちを無理に押し込めず、まずは紙に書き出してみましょう。

● 今の生活でつらいこと

● 離婚後に実現したい暮らし

● 夫との関係で苦しかったこと

具体的に書き出すことで、ぼんやりしていた気持ちが整理され、「本当の望み」が見えてくることがあります。それが、前向きな離婚準備の力になります。

 

4. 一人で悩まないで。まずは専門家の力を借りて

【専業主婦の離婚】は、住まいをどう確保するか、経済的な支援を得られるかといった情報収集が必要です。インターネットにはさまざまな情報がありますが、「あなたの状況に合ったアドバイス」が必要なときには、弁護士への相談が一番の近道です。

 

弁護士細江智洋は、これまで多くの専業主婦の方から離婚相談をお受けしてきました。複雑な財産分与の問題や養育費の悩みにも丁寧に向き合い、「まず何をすればいいのか」を一緒に考えてまいります。

 

詳しくは下記ページをご覧ください:
→専業主婦の離婚|細江弁護士による安心サポート

 

5.「夫には内緒」でできることから始めよう

離婚は、決して「失敗」や「逃げ」ではありません。あなたの人生をあなたらしく生きるための「前向きな選択」です。すぐに動き出さなくても構いません。まずは静かに、自分の気持ちと向き合い、必要な情報を集めることから始めてみましょう。

「夫に内緒」で始められる準備は、将来を切り開く力になります。あなたが一歩踏み出すそのとき、弁護士細江智洋は寄り添い、お力になります。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2025.06.28更新

離婚コラム14

 

離婚は心の整理だけでなく、財産の整理も必要になる大きな転機です。「専業主婦として家庭を支えてきたけれど、あるのは夫名義の財産ばかり…」と心配になる方は少なくありません。でも、ご安心ください。法律では、夫婦で築いた財産は「共有財産」として扱われ、夫婦で折半することができます。
今回は、専業主婦の方に知っていただきたい「財産分与」の基本と、損をしないためお金の整理法をわかりやすく解説します。

そもそも「財産分与」ってどういうもの?
「財産分与(ざいさんぶんよ)」とは、離婚する際に、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を公平に分け合う制度のことです。
ポイントは、「名義が夫でも、夫婦で協力して築いた財産は分けられる」という点。たとえば…
• 夫名義の預貯金
• 住宅ローンを返済中の家やマンションなど
• 退職金(将来もらう予定でも対象になる場合あり)
• 株式や投資信託
• 自動車や家財道具 など
これらは基本的に、夫婦で2分の1ずつに分けるのが原則です。専業主婦の方が、家事や育児を通じて家庭に貢献してきたことは「経済的な価値」として認められるのです。

 

「専業主婦で収入がなかったから関係ない」と思っていませんか?
「自分は稼いでいないから貯金が無いし、財産分与なんて関係ない…」とあきらめてしまう方がいますが、それは大きな誤解です。
専業主婦が家庭を支えてきたことは、夫婦の「共同作業」として十分に評価されます。専業主婦の方こそ、財産分与の意味を正しく理解し、しっかり権利を主張することが大切です。
また、「離婚後の生活費が心配」という方も、財産分与によって得たお金が今後の生活の土台となります。また、離婚という将来に向けた第一歩としても、非常に重要な手続きです。

 

専業主婦が得するための3つの整理法
では、実際に離婚を考えたとき、専業主婦の方が「損をしないために」やっておくべき準備とは何でしょうか?


① 財産の把握
まずは、家庭にどんな財産があるかを洗い出しましょう。夫名義でも構いません。預金通帳、保険証券、株や投資などの有価証券、住宅ローンの明細書などのコピーを保管し、リストを記録しておきましょう。あとになって証拠が無くて困るケースは少なくありません。


② 借金やローンの確認
「マイナスの財産」も財産分与の対象になります。たとえば、住宅ローンの残債やカードローンなど。これらもしっかり内容を確認し、記録しておきましょう。


③ 早めに弁護士へ相談する
「何となく相談しづらい」「大げさにはしたくない」と思う方もいらっしゃいますが、早めに弁護士に相談することで、起こりそうな問題を防ぎ、離婚後も後悔しないような選択ができます。自分にとって不利にならないよう、夫との交渉の仕方や財産書類の整え方も含めてアドバイスが受けられます。


専業主婦だからこそ「知っておきたい」備え
財産分与は、専業主婦にとって大切な「法的な権利」です。「専業主婦は離婚してしまうと何ももらえない」という思い込みが、後悔や泣き寝入りにつながることもあります。
まずは正しい知識を持ち、将来の生活を守るための準備を始めましょう。
当事務所では、より詳しい情報やチェックリストなども掲載していますので、ぜひこちらのページをご覧ください。


→専業主婦の離婚に関する詳しい情報はこちら

最後に
離婚は人生の大きな節目です。その先に明るい未来を築くためにも、経済的な自立や安定はとても大切です。専業主婦としてあなたがこれまで家庭で果たしてきた役割は、法律上でもしっかり認められています。
「自分の取り分をきちんと知っておきたい」と思った今こそ、一歩踏み出すタイミングかもしれません。弁護士細江智洋が、あなたの心に寄り添いながら、最善の方法をご提案いたします。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

 

2025.06.07更新

離婚コラム7

 

最近、50代以上の女性の間で「熟年離婚」を考える方が増えてきています。「これからの人生を自分らしく生きたい」「長年我慢してきたけどもう解放されたい」といった思いが理由になることが多いようです。
一方で、熟年離婚はこれからの人生を大きく変える選択です。新たなスタートを切る反面、離婚後の生活には予想していなかった課題があることも。今回は、熟年離婚の主なデメリットと、後悔しないために知っておくべきポイントについて解説します。


熟年離婚の主なデメリット
経済面での不安と見落としやすいポイント
熟年離婚では、財産分与や年金分割によって一定の資産を得られるケースが多いものの、その資産で「老後の生活すべてをカバーできる」とは限りません。離婚後の生活には、目に見えにくい経済的な課題もあります。
例えば、配偶者と共同で家計を支えていた頃に比べ、光熱費・通信費・保険料などの支出をすべて自分一人が背負うことになります。また、健康面の不安が増す年代でもあり、今後、医療費や介護費用はどれほどかかるかは予測が難しいものです。
さらに、年金分割の制度によって受け取れる額は、相手の厚生年金記録などに左右されます。「分割したけれど思ったより少ない」と感じる方も少なくありません。離婚後の生活設計を立てる際は、「月々どれくらいの固定費がかかるのか」「何年分の生活資金が必要か」といった視点で、具体的な試算を行うことが重要です。
加えて、資産の管理・運用を一人で行うことの不安もあります。これまで配偶者が金銭管理をしていた場合、離婚後にご自身が取りまとめる必要があり、金銭トラブルに巻き込まれないためにも、信頼できる人や専門家の助けを得ることが大切です。

 

住まいの確保に関する課題
離婚後、夫名義の住居を離れなければならない場合、新たに賃貸住宅を探すことになります。高齢の女性が単身で賃貸住宅を契約する際には、高齢であることを理由に貸し渋りを受ける場合がある、年金収入のみで審査が厳しくなる、保証人の確保が難しいなどの問題が出てくることがあります。
ただし、全体としては対策も進んでおり、自治体の家賃補助などの支援制度やシニア向け賃貸住宅の選択肢も広がっています。離婚前に、住まいについての選択肢を調べて、早めに準備することが安心につながります。

 

健康と老後の生活のサポート不足
年齢を重ねるとともに、体調の変化や病気、怪我のリスクが高くなります。夫婦であれば何かあったときに助け合えますが、離婚後は通院・入院時の付き添いや病院での手続きなどもすべて一人でこなさなければならなくなる場面が増えます。
また、将来的に判断能力が低下するなどの介護の問題も現実的に考える必要があります。誰が緊急時に対応してくれるのか、支援を受ける体制があるかといった視点で、老後の暮らし方を具体的に描いておくことが大切です。

 

後悔しないために大切なこと
離婚を考えるときは、「離婚して自由になりたい」という感情的な勢いにまかせず、その後の生活全体を見据えた冷静な判断が必要です。
まずは、離婚後のご自身の収入・資産・支出の見通しを落ち着いて把握しましょう。次に、住居や健康、生活支援の体制を含めた老後の生活基盤を整えることが後悔しないポイントとなります。
一人で悩まず、法律の専門家である弁護士に相談すれば、手続きや制度の面で安心感が得られます。第三者として冷静にサポートしてくれる存在は、精神的な支えにもなります。

 

新しい一歩のために「備え」が必要です
熟年離婚は、若い頃とは違い、老後の生活に直結する重大な決断です
「もう我慢できない」「自分の人生を取り戻したい」というお気持ちを大切にしながらも、その先にある現実もしっかり見据えましょう。
弁護士細江智洋が、あなたの不安や疑問に寄り添い、後悔のない選択ができるようサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。


▶詳しくは:50代、60代の女性のための離婚相談~熟年離婚の法律相談

 

この記事を担当した弁護士

離婚コラム8

 

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2025.05.20更新

離婚コラム1


離婚を経験した多くの専業主婦の方が口にするのが、「思っていたよりもお金がかかる」「こんなに生活が厳しいとは思わなかった」という言葉です。
専業主婦にとっては離婚後の生活は経済的に大きな転機となります。離婚前にしっかりと準備しておくことで、不安やリスクを軽減することができます。
このコラムでは、離婚後に必要なお金(支出)と、得られる可能性のあるお金(収入)を整理してご紹介します。必要な制度を知り、今からできることを考えてみましょう。

 

離婚後に必要なお金(支出)
離婚後の生活では、これまで夫婦で共有していた支出を一人でまかなう必要が出てきます。以下は、主な支出の項目です。

(1) 住居費
賃貸を選ぶ場合は、新たに住む場所の家賃や敷金、礼金、さらには引っ越しに伴う家具や家電など。
▶ 月額目安:5〜8万円(単身世帯の場合、地域差あり)
▶敷金・礼金・引っ越し費用:初期費用として20〜40万円程度

 

(2) 光熱費・通信費

電気、ガス、水道、スマートフォンやインターネットなど、通信費の支払い。
▶ 月額目安:1〜2万円

 

(3) 食費・日用品費
▶ 月額目安:3〜5万円(単身世帯)
▶ 月額目安:5〜7万円(親子二人、子どもの年齢や食習慣により変動)

 

(4) 教育費(子どもがいる場合)
保育園・幼稚園、学校、塾、習い事など。
▶ 月額目安:年齢により異なる(数千円〜2万円以上)

 

(5) 医療費・保険料
子どもの通院や自身の健康管理、国民健康保険や年金の支払いなど。
▶ 年間数万円〜10万円以上の備えが必要

 

離婚後に得られるお金(収入)
離婚後は、専業主婦であっても自分の収入や公的支援で生活を支える必要があります。以下は、得られる可能性のある「収入」の一覧です。

(1) 養育費
元配偶者から子どもの養育に必要な費用を受け取ることができます。支払いが滞るケースも多いため、調停や公正証書での取り決めをおすすめします。
▶ 月額:8〜10万円(会社員の夫が年収800万円・妻が無収入で子供1人(14歳以下)の場合。※元配偶者の収入や子どもの学校により異なる)

 

(2) 児童扶養手当
高校生までの子どもを養育しているひとり親などを対象に自治体から支給されます。所得に応じて支給額が決まります。
▶ 月額: 46,690円(子ども1人当たり,全部支給の場合)

 

(3) 児童手当
高校生までの子どもを養育している家庭に支給されます。(多子加算適用あり)
▶ 月額:10,000~30,000円(子ども1人当たり,年齢により異なる)

 

(4) ひとり親控除
ひとり親(婚姻関係がないか配偶者の生死が明らかでないこと)であることを条件に35万円の所得控除が受けられます。合計所得金額が500万円以下であることなどが条件です。

 

(5) ひとり親家庭医療費助成制度
ひとり親家庭の方が医療機関で健康保険が適用される診療・処方を受けた際に支払う自己負担分のうち、医療費を助成する制度です。対象となる方には福祉医療証を発行します。所得制限があります。

 

(6) 就労収入(パート・在宅ワーク・資格取得支援)
仕事をしていない期間がある場合でも、ハローワークや職業訓練校での支援を受けて、就労支援や資格取得支援を受けることができます。

 

「知らなかった」で損しないために
離婚後の生活を支える制度は数多くありますが、自治体に申請しなければ受け取れない制度です。「誰も教えてくれなかった…」と後悔する方も少なくありません。

みなと綜合法律事務所では、弁護士細江智洋が離婚後の生活設計についても丁寧にアドバイスいたします。 「何から始めたらいいかわからない」と感じている方は、こちらのページをご覧ください。

 

→専業主婦のための離婚相談はこちら

 

「知っているかどうか」が未来を変える

離婚後の生活は、離婚前の情報収集が鍵になります。生活に必要なお金、受け取れるお金、制度の利用方法を事前に把握しておくことで、経済的な不安を大きく減らすことができます。離婚後の生活に備え、自分と子どもを守る一歩を、今から踏み出しましょう。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

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