「最近、夫とまともに会話をしていない」
「家の中が静かで、私はまるで他人のよう」
こんな風に感じるようになったのは、いつ頃からだったでしょうか。
長年連れ添った夫婦では、年々会話が減り、心の距離ができてしまうことは少なくありません。家事や育児が一段落し、ふとしたときに「この人とこれから先も一緒にいられるのだろうか」と疑問を抱く方もいらっしゃることでしょう。
とくに50代は、定年退職や子どもの独立といったライフステージの変化があり、夫婦で過ごす時間が増えるため、関係が見直されやすい時期です。そうしたときに、「こんな関係が続くのはもう無理」とあきらめる前に、できることがあるかもしれません。
会話がない原因に目を向けてみましょう
夫婦の会話がなくなる理由はさまざまです。
・共通の関心事がなくなった
・話さなくても気持ちが伝わると誤解している
・過去のすれ違いや不満がたまっている
まずは「なぜ話さなくなったのか」を振り返ることから始めてみましょう。今の自分の気持ちを見つめ直し、過去のトラブルが原因であれば、それを乗り越えるための時間が必要です。
また、原因がひとつではないことも多く、相手に対して無意識のうちに諦めてしまっている場合もあります。大切なのは、原因を他人事としてとらえるのではなく、「自分にできることはあるだろうか」と歩み寄って考える姿勢です。
普段の声かけが関係修復の第一歩
会話を再開するための第一歩は、「特別なことを話そう」と身構えるのではなく、日常のあいさつやちょっとした一言などから始めることです。
たとえば、
「今日、暑かったね」
「テレビでこんな話題やってたよ」
といった、軽い話題で構いません。
大切なのは、自分から「話しかけよう」という意思をもつこと。反応が薄かったとしても、何度も続けるうちに、相手が少しずつ気を緩めてくれることがあります。
たとえその会話がすぐに実を結ばなくても、相手に「話しかけてもいいんだ」と感じられる空気が、夫婦の関係を少しずつほぐしてくれます。
少しずつ「関係を育て直す」工夫を
たとえ小さな声かけからでも、関係がほんの少しでも動き出したら、次の一歩として意識したいことがあります。それは「相手の話を最後まで聞くこと」。うなずきや相づち、共感のひと言を添えることで、安心して話せる空気が生まれます。
さらに、一緒にテレビを見たり、食事の時間をそろえたりと、日常のちょっとした共有が心の距離を縮めるきっかけになります。
また、「ありがとう」や「助かったよ」といった感謝の言葉も効果的です。口に出しづらければ、短いメモや手紙でも構いません。
大切なのは、完璧な関係を目指すのではなく、「できることから少しずつ」。そうした積み重ねが、やがて信頼と温もりを取り戻す力になるのです。
無理をしない、自分の時間も大切に
夫婦関係を修復しようとすると、つい「私ばかりが頑張っている」と感じてしまうかもしれません。無理をせず、自分の好きなことや、ご友人との時間も大切にしてください。
自分が満たされていれば、自然と心に余裕ができ、パートナーとの向き合い方も変わってきます。心のゆとりが、相手への思いやりや受け入れの幅を広げてくれます。
法律相談という選択肢も
「関係修復を試みたけれど、やっぱり心がすれ違ったまま」
「この先の自分の人生を見つめ直したい」
そんな思いが強くなったときは、法律の専門家に相談することも一つの選択肢です。熟年離婚は財産分与や年金分割など、若い時期の離婚とは違う難しい問題があります。
不安な気持ちを一人で抱え込まずに、安心して話せる場所で、これからの人生を考えてみませんか?
弁護士細江智洋が、50代以降の離婚に関する法律情報やご相談の流れについて、わかりやすくご説明します。こちらのページもぜひ一度ご覧ください。
あなたのこれからの人生が、穏やかで前向きなものになりますように。
この記事を担当した弁護士
みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。