
暴言・モラハラ・経済的DVでも慰謝料は請求できる?
「殴られたわけではないけれど、毎日のように暴言を投げかけられてきた」
「生活費を渡してもらえず、常に家計のことで責められてきた」
このようなご相談は、近年とても増えています。
暴力がなくても、長年にわたって精神的な苦痛を受けてきた場合、慰謝料の問題になることがあります。
暴言・モラハラ・経済的DVは慰謝料の対象になる?
法律上、慰謝料は「不法行為」によって精神的苦痛を受けた場合に認められます。
不法行為というと、暴力や不貞行為を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、言葉や態度、経済的な締め付けによる精神的な攻撃であっても、その内容や程度によっては不法行為と判断されます。
たとえば、
• 「誰のおかげで生活できていると思っている」といった人格を否定するような暴言を繰り返されていた
• 無視や威圧的な態度、強い口調で責める言葉が長期間続いていた
• 生活費をほとんど渡されず、日常生活が制限されていた
このような行為が継続し、心身に大きな負担が生じている場合は、慰謝料請求が検討できます。
慰謝料の判断で重視されるポイント
暴言やモラハラ、経済的DVの場合、一度きりの出来事か、長期間続いていたかが重要になります。
日常的に繰り返され、逃げ場のない状態に置かれていたかどうかが、判断の大きなポイントです。
行われていた期間、内容の悪質さ、夫婦関係や心身への影響などを総合して、慰謝料の可否や金額が判断されます。
暴言・モラハラ・経済的DVでも証拠が重要になります
暴言やモラハラ、経済的DVは、目に見える傷が残りにくいため、そのときの状況を示す証拠が特に重要になります。
たとえば、
• 侮辱するような言葉が残っているLINEやメール
• 暴言や怒鳴り声を録音したデータ
• いつ、どのようなことを言われたか、生活費を渡されなかった状況を書き留めた日記やメモ
• 生活費をほとんど渡されていないことが分かる通帳や家計の記録
• 強いストレスによる不眠、不安、体調不良で受診した際の診療記録や診断書
これらを組み合わせることで、行為の継続性や深刻さが伝わりやすくなります。
「こんなものでも意味があるのだろうか」と思うものでも、後から重要な証拠になることがあります。
慰謝料が増額される場合とは
慰謝料の金額は一律ではありません。
次のような事情がある場合、精神的苦痛が大きいと評価され、慰謝料が増額される可能性があります。
• 暴言やモラハラが特に悪質だった
• 人格や存在を否定する期間が長期にわたっていた
• 経済的DVによって日常生活がまともに送れていない状態だった
• 精神的な苦痛から通院や服薬が必要になった
また、配偶者が自らの問題行為を認めず、反省の態度を示さない場合も、交渉や裁判の中で不利になることがあります。
一人で抱え込まず、早めの相談を
暴言やモラハラ、経済的DVは、「これくらい我慢すべき」「自分が悪いのかもしれない」と思い込んでしまいがちです。
しかし、心の負担が積み重なれば、眠れなくなったり、体調を崩したりするなど、日常生活に影響が出てきます。
慰謝料を請求できるかどうかは、個別の事情によって異なります。
離婚を考えている方も、まだ迷っている段階の方も、早めに状況を整理することが大切です。
離婚に伴う慰謝料について、より詳しく知りたい方は、
▶ 離婚慰謝料についての解説ページ
も参考になさってください。
つらい状況の中で、少しでも前向きな一歩を踏み出すために、専門家の力を借りることも大切な選択肢です。
この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。















