離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.02.28更新

離婚コラム91

 

離婚しても「親」でいるために。親権をめぐる大切な考え方

離婚を考えたとき、誰もが悩む「親権」という問題
離婚を検討するとき、お子さんのことがまず一番の気がかりな問題です。「自分は親権者になれるのだろうか」「もしならなかったら、子どもとどう関われるのか」――こうした不安を抱える方は、決して少なくありません。
親権の問題は、離婚の中でも特に判断が難しく、簡単に答えが出るものではありません。だからこそ、両方の立場を知ったうえで、落ち着いて考えることが大切です。

 

親権とは何か――子どもの生活を支えるための役割
親権とは、子どもの身の回りの世話をし、教育や進学、医療などについて判断する権利と義務のことをいいます。
日本では現在、離婚後は父母のどちらか一方が親権者になるのが原則です。
親権は「取りたい・取りたくない」という気持ちだけで決まるものではなく、子どもにとってどの生活がより安定しているかという視点が重視されます。これまで主に子どもの世話をしてきたのはどちらか、子どもの環境が大きく変わらないかなど、さまざまな事情を考慮して判断されます。

 

親権者になる親の立場――大きな責任を引き受けるということ
親権者になるということは、子どもと一緒に暮らし、身の回りの世話をしていく役割を担うということです。
通学・通園や進学、医療において重要な判断を行い、子どもの将来にも直接向き合う責任があります。
一方で、すべてを一人で背負わなければならないという重圧を感じることもあります。親権者になることは、子どもの将来を見据えた覚悟と責任が求められる立場でもあるからです。

 

親権者にならない親の立場――親でなくなるわけではない
親権を持たない立場になると、「もう親として子どもに何もしてやれないのでは」と不安に思われる方もいらっしゃいます。
しかし、親権がないからといって、親子関係がなくなるわけではありません
面会交流を通じて子どもと定期的に連絡を取り、会って話をし、子どもの成長を見守ることはできます。
また、親権がなくても、養育費を支払うことは、子どもの生活を支える重要な役割です。養育費は「相手のため」ではなく、子どものためのものであり、離れていても親としての責任を果たす一つの形です。

 

「単独親権」だけではない――共同親権をめぐる動き
2026年4月から、共同親権の制度が施行されます。
共同親権とは、離婚後も父母がともに親権者として関わる制度です。
もっとも、共同親権は、父母の協力関係が前提です。対立が激しい場合や、十分な話し合いが難しい場合には、かえって子どもの負担になる可能性があるため、すべての家庭にとって最適とは限りません。

 

迷っている今だからこそ、大切にしたい視点
親権者になるか、ならないかは、どちらが「正しい」という問題ではありません。
離婚後も親として子どもとどう関わり続けていくのがベストなのか、その道筋を考えることが大切です。
それぞれの立場を知り、家族にとって無理のない形を探していくことが、後悔の少ない選択につながります。

 

親権・監護権について、専門家と一緒に整理するという選択
親権や監護権の問題は、法律の知識を理解するだけでなく、これまでの生活や子どもの将来まで考慮することが欠かせません。
一人で抱え込まず、専門家に相談することで、考えが整理され、気持ちが落ち着く方も多くいらっしゃいます。
親権・監護権について、より詳しい考え方や具体的な手続きについては、以下のページで解説しています。
迷われている方こそ、参考にしていただければと思います。
▶ 親権・監護権について詳しくはこちら

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2026.02.26更新

離婚コラム90

 

親権は何を基準に決まる?裁判所が判断で重視する5つのポイント

離婚を考えたとき、「子どもの親権はどちらが持つのか」という問題に多くの方が不安に感じています。
話し合いで決まればよいのですが、意見がまとまらない場合には、最終的に裁判所が決めることになります。
では、裁判所はどのような基準で親権者を判断しているのでしょうか。
実は「収入が多い方」「母親だから有利」といった簡単な基準ではありません。重要視されるのは、あくまで子どもの利益です。
ここでは、裁判所が実務上大切にしている代表的な5つの点を、分かりやすくご説明します。

 

① 主たる監護者はどちらか
最も重視されるのが、「これまで誰が主に子どもの世話をしてきたのか」という点です。
毎日の食事、身の回りの世話、学校や保育園との連絡などを継続的に担ってきたかどうかが評価の対象になります。

 

② 子どもの生活環境の継続性
裁判所は、子どもの環境ができるだけ大きく変わらないことを重視します。
転校や引っ越しによる負担が少ないか、これまでの生活リズムを維持できるかといった点が判断材料になります。

 

③ 親の監護能力・養育姿勢
親が子どもを心身ともに健やかに育てられるかどうかも重要です。
仕事と育児を両立できているか、自身の健康状態、育児への理解や協力度合いなどが総合的に見られます。

 

④ 子どもの意思(年齢・発達に応じて)
子どもがある程度の年齢に達している場合には、以下のような子供の気持ちが尊重されます。
● どちらの親と一緒にいると安心できるか
● 今の生活(学校・友達・習い事など)を変えたくないという思い
● 急な生活の変化に対する不安や戸惑い
ただし、子どもの意見だけで決まるわけではなく、周囲の影響を受けていないかなども慎重に判断されます。

 

⑤ きょうだい不分離の原則
兄弟姉妹がいる場合、原則として同じ親が親権を持つことが望ましいとされています。
特別な事情がない限り、兄弟姉妹を引き離さないという判断がなされる傾向にあります。

 

親権と監護権は分けて考えることもあります
2026年4月から、「共同親権」という制度が施行されます。
共同親権とは、離婚後も父母の双方が親権を持ち、重要な事項について協力して決めていく考え方です。もっとも、実務上は、日常生活の拠点はどちらか一方に定める必要があるため、誰が実際の子育て(監護)をするのかを決めることは引き続き重要になります。
そのため、裁判所の判断や調停の場では、
「親権」と「監護権」を分けて定めるという方法もあります。
たとえば、次のような場合です。
  • 子どもは今までどおり母親と暮らすのが望ましいが、父親も学校行事や進学などの重要な決定には関わるべき事情がある場合
  • 監護の実績は一方の親にあるものの、もう一方の親にも意欲的に養育へ参加し適切に関わることが期待できる場合
  • 親権を一方に限定すると親権が無い方の親に強い不満がつのり、親同士の対立によって子どもに精神的な負担が生じるおそれがある場合

このような状況では、実際に子どもと暮らし、日常の世話をする母親を「監護権者」とし、法律上の親権は父母双方、あるいは親権の行使については協議する方法を取ることもあります。

親権や監護権は、「どちらが持つか」を決めることではなく、子どもが安心して生活できる環境を第一に考えて柔軟に判断することが重要です。

 

早めの相談が大切です
親権の問題は、親権の問題は、子どもの生活や将来に直接関わるため、さまざまな要素を慎重に考える必要がある分野です。
事前に状況を把握し、何が重視されるのかを知っておくことで、十分に対応できます。
親権や監護権について、より詳しく知りたい方は、下記のページもぜひご覧ください。
お一人で悩まず、専門家に相談することで、より良い解決への道が見えてくることもあります。
▶親権・監護権について詳しくはこちら

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2026.02.24更新

離婚コラム89

 

親権者の義務と責任を知っていますか?
離婚を考えたとき、あるいは離婚後の生活の中で、「親権」の意味に戸惑いや不安を感じる方は少なくありません。
「親権を持つと、何をしなければならないのか」「親権がないと、責任はどうなるのか」
こうした疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。
しかし、法律の考え方は、一般に知られている内容と少し違います。
親権の有無にかかわらず、親である以上、果たすべき義務と責任があるという点が明確になっています。今回はこの点を踏まえ、弁護士の視点でわかりやすくご説明いたします。

 

親権とは何を意味するのか
親権とは、未成年の子どもを守り、育て、社会の一員として成長させていくために、法律で親に認められた権限であり、同時に義務でもあります。
具体的には、親権には、子どもの生活や教育、医療などについて日常的な世話をする身上監護権と、子ども名義の預貯金や相続財産などを管理する財産管理権が含まれます。
親権という言葉から「子どもと一緒に暮らす立場」と想像されますが、実際にはそれだけではなく、子どもの生活全般や将来に関わる重要な事項について責任をもって判断し、将来にわたって支えていく立場であることを意味します。
そして重要なのは、親権の有無にかかわらず、親である以上、子どもに対する基本的な責務はあり続けるという点です。

 

親権の有無に関係なく親としての責務があります
2026年4月から施行される改正民法では、父母は、親権者であるかどうかにかかわらず、子どもの人格を尊重し、その年齢や発達の程度に応じて、子どもの利益を最優先に考えながら養育しなければならないと明確に定められました。
ここでいう「養育」には、次の三つの柱があります。
まず一つ目は、子どもの人格を尊重することです。
子どもを親の所有物のように扱うのではなく、人格ある一人の人間として向き合い、その気持ちや意見に耳を傾ける姿勢が求められます。
二つ目は、子どもを扶養する責務です。
親には、子どもが安心して生活できるよう、衣食住や教育、医療などすべて支える義務があります。法律上、親の扶養義務は、「その子が親と同程度の生活を維持できるように扶養しなければならない」と解されています。
つまり、最低限の生活ができれば足りるのではなく、親の生活水準に応じたあるいは同程度の養育が必要だということです。
三つ目が、父母は互いの人格を尊重し、感情的な対立や一方的な判断によって子どもの利益を損なうことがないよう、協力して養育にあたる責務です。

 

共同親権と親の協力義務
2026年4月からは、離婚後も父母が親権を共同で持つ「共同親権」の制度が施行されます。
共同親権のもとでは、父母が、互いに協力しながら子どもを育てる姿勢がより強く求められます。
たとえば、
• 子どもの生活や教育に関する情報を共有すること
• 進学先の決定や医療の方針など、重要な事項について話し合うこと
• 相手任せにせず、親として関わり続けること
といった点が、法律上も重要視されるようになります。
親権の形が変わっても、親の責任が軽くなるわけではありません。

 

親権や養育で迷ったときは
親権や養育をめぐる問題は、家庭の事情や子どもの状況が大きく影響するため、判断することが難しい分野です。
「自分の関わり方は合っているのか」「この判断は子どもの利益になっているのか」と迷ったときは、法律の視点から検討することが大切です。
親権や監護権について正しく理解することは、親にとっても、子どもにとっても、将来の安心につながります。
親権・監護権について、さらに詳しく知りたい方は、以下のページも参考になさってください。

親権・監護権について詳しくはこちら

制度の基本から実務上の考え方まで、分かりやすく解説されています。

 

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