弁護士細江のコラム

2025.06.04更新

離婚コラム6


「夫が不倫した。でも私は離婚したくない——」
長年連れ添ってきた夫の裏切りは、とてもつらく、ショックな出来事です。
けれど、それでも「やっぱり別れたくない」「もう一度やり直したい」と思う方もいらっしゃることでしょう。
とくに50代・60代のご夫婦の場合、老後の生活や、経済的なことなどを考えると、すぐに離婚を決められないのが現実です。
このコラムでは、「不倫されたけど離婚したくない」と悩んでいる方に向けて、夫婦関係をもう一度見直し、再び一緒に歩んでいくためのヒントを、法律的な視点もまじえてお伝えします。

離婚しないという選択
夫の不倫が発覚したからといって、必ずしも離婚しなければならないわけではありません。
「子どもや孫に迷惑をかけたくない」「老後を一人で過ごすのは心配」「今さら生活を大きく変えるのは大変」——
そんな思いを抱えるのは、とても自然なことです。
ただし、離婚しないと決めたからといって、何も言わず我慢し続ける必要はありません。
夫婦が本音を出し合い、これからどう歩んでいくかを話し合うことで、信頼関係を取り戻し、「もう一度夫婦としてやり直す」ことも可能です。

夫婦関係を再構築するために大切なこと
「再構築」と聞くと、少し難しく感じるかもしれませんが、つまりこれからの夫婦生活を、前よりも良い形に整えていくということです。
そのために、お互いに「これからどうしたいか」を話す時間をもつことが大事です。
たとえば、次のようなことを少しずつ話し合ってみてください。
• なぜ不倫をしてしまったのか、相手の気持ちを聞いてみる
• どこで気持ちのすれ違いがあったのか、お互いの思いを伝える
• 今後の生活について、お互いの思いを話す
• 二度と同じことが起きないように、約束事を決める
• 一緒に夫婦カウンセリングを受けてみる
大切なのは、「許すかどうか」ではありません。これから夫婦でどう生きていきたいかを意識することです。
また、「感情的になってしまいそうで冷静に夫と話せない」という方は、第三者(弁護士やカウンセラーなど)に入ってもらうのもひとつの方法です。

 

不倫の慰謝料は「離婚しなくても」請求できます
「離婚しないと慰謝料はもらえないのでは?」と思われがちですが、実はそうではありません。
不倫をされた側は、離婚しなくても慰謝料を請求する権利があります。
配偶者に対して、または不倫相手に対してご自分が「傷つけられたこと」に対するけじめとして請求できます。
もちろん、話し合いで解決する場合もあれば、裁判が必要になる場合もあります。
いずれにしても、証拠の確保や手続きには注意が必要ですので、早めに弁護士にご相談いただくのが安心です。

 

熟年離婚を「選ばない」という道もある
最近は「熟年離婚」という言葉がよく聞かれるようになりました。
けれど、これからまだ何十年も一緒に過ごす時間があるからこそ、
「別れずに向き合う」という選択も、意味のあることです。
「これからの時間をどう過ごすか」
「支え合って生きていける関係に戻れるか」
その答えは、人それぞれで違っていいのです。

一人で抱え込まず、まずはご相談ください。
不倫という事実にどう立ち向かうか—それは「これからの人生をどう生きるか」を
考える大きなきっかけでもあります。
「誰にも相談できなくてつらい」
「離婚したくはないけど、どうしたらいいのかわからない」
そんなときは、一人で悩まずに弁護士など信頼できる専門家に相談してみてください。
弁護士細江智洋は、熟年離婚や夫婦関係の再構築に関するご相談を多くお受けしています。
あなたのお気持ちに寄り添いながら、今後の道を一緒に考えてまいります。
詳しくは、熟年離婚のページをご覧ください。

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

 

2025.06.01更新

離婚コラム5


長年連れ添った夫が不倫しているとわかったとき、その驚きは計り知れません。相手の裏切りに、「もうこの結婚生活は続けられない」と思ってしまうでしょう。しかし、感情のままに離婚を決めるのは賢明ではありません。特に熟年離婚は、財産・年金・今後の生活設計が深く関わるため、慎重な対応が必要です。
このコラムでは、夫の不倫が発覚したときになぜ離婚をすぐに決めるべきではないのか、その理由とともに、ベストな選択をするためのポイントを解説します。

 

感情的な判断が大きな痛手につながることも
夫の裏切りに対する悲しみや怒りから、すぐに離婚届を出してしまう方もいますが、十分な準備もしないまま離婚に踏み切ることは、あとで大きな問題になるかもしれません。特に熟年夫婦の場合、退職金や年金、持ち家といった資産の清算が発生します。これらの取り決めをせずに離婚してしまうと、「もらえたはずの財産がもらえなかった」「年金分割の手続きが漏れた」など、後悔する結果になることも少なくありません。

 

慰謝料請求には「証拠」が鍵
夫の不倫に対して慰謝料を請求するには、法的に有効な「証拠」が必要です。たとえば、ラブホテルへの出入り写真や、親密な内容のメッセージ、SNSやLINEのやりとりなどが該当します。しかし、感情に任せて問い詰めてしまうと、証拠を消されたり隠されたりしてしまう恐れもあります。
慰謝料を請求し、交渉を有利に進めるためにも、まずは証拠を確保し、その後で動くべきなのです。弁護士に相談し、どのような証拠を、どう集めるべきかを具体的にアドバイスしてもらいましょう。

 

熟年離婚は「新たな生き方の再設計」が必要
熟年離婚は、単なる夫婦関係の解消ではなく、自分の人生をどう自分らしく生きていくかという再出発でもあります。しかし、長年家庭に入り、夫中心の生活をしてきた方にとっては、離婚後に直面する「社会的孤立」は大きな問題です。
経済的に自立できていない方や地域との関わりが薄い方は、精神的にも不安定になりやすいでしょう。前向きに新しい生活を送るためには、趣味やボランティアなどの地域活動、就労などを通じて、新しい人間関係や精神的な自立を支える環境づくりが大切です。

 

家族や子どもとの関係を大切にするために
熟年離婚では、すでに子どもが成人している場合が多いとはいえ、親の離婚は子どもにも影響を与えます。財産分与がこじれて感情的に争えば、親子関係も悪化させるかもしれません。親子関係は将来的な介護や相続にもつながりますので、冷静に対応することが必要です。信頼できる第三者の介入により、家族への影響を最小限に抑えることができます。

 

法律的・経済的な「備え」が将来を左右する
熟年離婚において一番重要なのが、老後の生活資金と医療保障の確保です。特に年金分割については、「合意分割」や「3号分割」といった年金分割制度を適切に活用し、将来の年金を確保しましょう。
また、配偶者の健康保険に扶養されていた場合、離婚後は国民健康保険への切り替えが必要になり、保険料や医療費の支払いが増えることも見込まれます。
さらに、退職金や企業年金の分与対象や範囲を確認し、適切な財産分与を行うことが、今後の生活設計につながるポイントです。
これらは専門的な知識と判断が求められる分野であり、経験豊富な弁護士のサポートがあるかどうかで結果が大きく変わる可能性があります。

 

熟年離婚で後悔しないために、弁護士のサポートを
夫の裏切りに対する悲しみや怒りは、決して一人で抱えるべきものではありません。もし、離婚を選ぶのであれば、それは将来に向けた人生の再スタートであるべきです。
みなと綜合法律事務所では、熟年離婚に関する豊富な実績をもとに、女性の目線に立った丁寧なアドバイスをしています。
あなたのこれからの人生が、後悔のないものとなるよう、私たちが全力で支援いたします。

▶ 詳しくはこちら:50代、60代の女性のための離婚相談~熟年離婚の法律相談

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

 

2025.05.23更新

離婚コラム2


「最近、夫の帰宅時間が遅い」「スマホを手放さなくなった」「どこかよそよそしい」——夫の変化に気づいたとき、「もしかして不倫…?」と不安になる方は少なくありません。かといって、すぐに離婚を決断するには経済的な不安や子育てなど、大きな壁が立ちはだかります。
この記事では、離婚を考える前に専業主婦の方が知っておくべき基本的なポイントを、法律の観点からわかりやすく解説します。特に「夫の不倫」が疑われるときに、どんな対応をすべきか、何を注意すべきかを中心にご紹介します。

 

離婚を急がないで——まずは証拠を集めましょう
夫の不倫が原因で離婚をしたい場合、「証拠」が最も重要です。不倫の証拠がなければ慰謝料の請求は難しくなります。確実な証拠があれば、法律的に有利な立場で離婚の交渉ができます。ここでいう証拠とは、単なるLINEのやりとりやSNSのスクリーンショットだけでは不十分な場合があります。そのほかにラブホテルへの出入り写真、探偵会社の調査報告書を入手できるといいでしょう。

 

専業主婦から見た「離婚後」の生活設計
専業主婦が離婚して不安を感じるのは、やはり「お金」の問題でしょう。専業主婦である場合、就労経験や収入が限られているため、離婚後の生活設計が大切です。
離婚を検討している場合には以下のようにお金を請求できることを知っておきましょう。
婚姻費用分担請求(離婚するまでは別居中でも夫に生活費を請求できる)
養育費の請求(子どもがいる場合には離婚後夫に請求できる)
財産分与(夫婦の共有財産を2分の1に分ける)
慰謝料請求(夫の不倫が原因の場合、夫や不倫相手に請求できる)
さらに、公的支援制度として児童扶養手当や就労支援制度の利用も視野に入れておきましょう。

 

平常心を保って、落ち着いた行動を
夫の裏切り行為を許せないと思うのは当然です。しかし、感情的になって相手を傷つけるような発言や行動をすると、後の交渉に不利に働くこともあるでしょう。特に子どもを巻き込むような争いになった場合、「親権」の獲得にも影響する可能性があるため、落ち着いて対応することが大切です。

 

弁護士に早めに相談するメリット
夫の不倫や離婚の問題は、非常にデリケートな問題です。専業主婦の方は特に、離婚後の不安や情報の少なさから動き出せないことも多いでしょう。
そんなときこそ、早めに離婚問題に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。専門家の視点から、交渉の進め方や証拠の集め方、離婚後の生活設計までトータルにサポートを受けることができます。
当事務所では、専業主婦の方が直面する離婚の問題に特化したサポートを行っています。離婚問題に関して経験豊富な弁護士が、最善の解決策をご提案いたします。
まずはこちらの専用ページをご覧ください:

 

→専業主婦のための離婚相談はこちら

 

あなたが行動に移すことで、将来は変わります。「何から始めればいいのか」と悩んでいるなら、まずは情報を集めることから始めましょう。信頼できる専門家と一緒に、新しい人生の第一歩を踏み出してみてください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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