離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.08.27更新

離婚コラム115

 

親子交流ができない場合の法的手段|調停・審判の進め方
離婚後、または婚姻中に別居している場合でも、子どもと離れて暮らす親にとって、親子交流(面会交流)は子どもとの大切なつながりを維持するための重要な制度です。しかし、「約束した日時に会わせてもらえない」など、トラブルは少なくありません。
今回は、親子交流ができない場合の法的手段として、調停・審判の流れについて解説します。

 

親子交流とは
親子交流は、子どもが両親との関係を維持し、健やかに成長するために重要なものと考えられています。もっとも、虐待やDV、子の前での誹謗中傷、勝手な学校訪問など、子どもの安全や健全な成長に悪影響を及ぼすおそれがある場合は親子交流が制限されることもあります。
2026年4月施行の改正民法では、父母だけでなく、祖父母や兄弟姉妹、過去に子どもを監護していた親族も、子どもの利益のため特に必要があると認められる場合には、家庭裁判所が親子交流を定めることができるようになりました。


親子交流ができなくなる典型的なケース
親子交流が実施されなくなる理由はさまざまです。
① 相手方が親子交流を拒否しているケース
子どもと一緒に生活している親(監護親)が、「子どもが会いたがらない」と言ったり、当日になって急にキャンセルしたりするケースです。これは、元配偶者との感情的な対立が原因として多くあります。また、「養育費を支払っていないから会わせない」といった理由で親子交流が拒否されることもありますが、養育費と親子交流は別の問題です。
② 親子交流の取り決めが曖昧なケース
子どもの受け渡し日時や方法などが具体的に決まっていないと、のちに意見が食い違うことがあります。
③ 子どもの意思を巡って対立するケース
子どもが中学生頃になると、「会いたい」「会いたくない」といった希望をはっきり伝えることもあります。また、15歳以上の子どもについては、家庭裁判所は原則としてその意見を聴くこととされています。もっとも、「親の影響を受けていないか」が問題となることもあり、裁判所はその理由や背景事情も含めて慎重に判断します。

 

親子交流ができないときの解決の流れ
親子交流が実施されない場合、一般的には次のような流れで解決を目指します。
①協議(話し合い) → ②親子交流調停 → ③審判
まずは当事者同士で、親子交流ができない理由や今後の実施方法について協議し、相手方が話し合いに応じない場合には、家庭裁判所の手続きを利用することになります。


協議で解決できない場合は親子交流調停を利用する
親子交流調停では、調停委員が間に入り、親子交流の頻度や日時・場所など双方の意見を整理しながら合意を目指します。なお、「月に1回程度親子交流を行う」といった抽象的な内容ではなく、「毎月第2土曜日の午前10時から午後4時まで」「○○駅で受け渡す」など、具体的に定めておくことが大切です。


調停でまとまらない場合は審判へ移行する
調停が成立しない場合には、手続きは審判へ移行し、裁判官が最終的な判断を行います。
また、調停や審判の最中で、裁判所が実際の親子交流の状況を確認する必要があると判断した場合には、「親子交流の試行的実施」が行われることがあります。これは、家庭裁判所調査官などが試行的親子交流の様子や子どもの反応を観察し、その結果も踏まえて裁判所が親子交流の方法を判断する制度です。

 

審判や調停が守られない場合の履行勧告
調停が成立あるいは審判が出ても、実際には取り決めどおり親子交流が行われない場合には、家庭裁判所に「履行勧告」を申し立てることができます。
履行勧告とは、裁判所が相手方に対して取り決めを守るよう促す制度です。
もっとも、履行勧告には強制的な効力はありません。一方、調停や審判で親子交流の日時・時間・子どもの受け渡し方法などが具体的に定められている場合には、「間接強制(約束を守らない相手に対し、金銭の支払いを命じる制度)」の申立によって、相手方に取り決めを守るよう促すことが認められる可能性があります。

 

親子交流のトラブルは弁護士へ相談を
親子交流の問題は、子どもの成長に深く関わる重要な問題です。
相手方との対立が強い場合には、弁護士に相談することで、調停を申し立てるべきか、調停や審判でどのような主張を行うべきか具体的なアドバイスを受けることができます。
親子交流(面会交流)についてお悩みの方は、弁護士細江智洋の「面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もぜひご覧ください。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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