
親子交流の約束が守られないときの対処法と法的手段
離婚後や別居後、子どもと離れて暮らす親にとって、親子交流(面会交流)は子どもとのつながりを維持する制度です。しかし、「約束の日になっても会わせてもらえない」「直前になって中止される」など、親子交流が予定どおりにいかないケースもあります。親子交流が長期間行われないと、親子関係が希薄になり、交流の再開が難しくなることがあります。今回は、親子交流の約束が守られない場合の対処法や利用できる法的手段について解説します。
親子交流は子どもの利益のための制度
家庭裁判所では、親子交流は子どもの健全な成長にとって重要なものであり、「子どもの利益」を実現するための制度と考えられています。
そのため、親同士の対立があったとしても、それを理由に親子交流を拒否することは望ましくありません。
親子交流の約束が守られないケース
親子交流が実施されない理由として、
• 体調不良を理由に面会を中止される
• 連絡をしても返信がない
• 「子どもが会いたくないと言っている」と言われる
といったケースがあります。
もちろん、本当に子どもの体調不良や学校行事などの事情があれば日程変更は必要ですが、合理的な理由がないまま親子交流が行われない状態が続く場合には、対応を検討する必要があります。
まずは冷静に話し合い、記録を残す
親子交流が実施されなかった場合、まずはメールやLINEなど記録が残る方法で理由を聞き、代替日程を提案することが大切です。なお、面会予定日や中止の理由は、記録しておきましょう。これらの記録は、後に調停などの手続を利用する際の資料になることがあります。
「子どもが会いたくない」と言われた場合
親子交流が実施されない理由として、「子どもが会いたくないと言っている」と言われることがあります。
もっとも、その一言だけで簡単に判断せず、子どもの年齢や成熟度、親子関係の状況などを踏まえて検討する必要があります。
特に長期間の交流が途絶えている場合、子どもが緊張や不安を抱いていることもあるため、短時間の交流やオンライン交流から再開することも検討されます。
話し合いで解決できない場合は調停を利用する
当事者同士で解決できない場合には、家庭裁判所に親子交流調停を申し立てることができます。
調停では、調停委員を介して双方の意見を整理しながら、
• 親子交流の頻度
• 実施時間
• 受け渡し方法
• オンライン交流の利用
などについて話し合います。
親同士では冷静な話し合いが難しい場合でも、第三者が間に入ることで解決につながることもあります。調停不成立の場合は、家庭裁判所が審判によって決定します。
調停や審判の内容が守られない場合
調停や審判で親子交流の内容が決まった後も、相手が約束を守らないことがあります。
その場合、家庭裁判所に履行勧告を申し立てる方法があります。
履行勧告とは、裁判所が相手方に対し、書面などで取り決めを守るよう促す手続です。強制力はありませんが、裁判所からの働きかけによって改善するケースもあります。
また、取り決めの内容が十分に具体的な場合には、間接強制が認められることがあります。
間接強制とは、親子交流を実施しなかった場合に一定額の金銭を支払わせることで、約束の履行を促す制度です。
親子交流のトラブルは早めに弁護士へ相談を
親子交流の問題は、時間が経つほど解決が難しくなります。長い間交流が途絶えると、親子関係そのものが希薄になってしまうおそれもあります。
また、親同士の対立が激しい場合には、当事者だけで解決することは難しいでしょう。
弁護士であれば、現在の取り決め内容や経緯をお聞きしたうえで、調停や審判、履行勧告、間接強制などを見据えて適切な対応を検討することができます。
親子交流の基本的なルールや実務上の考え方について詳しく知りたい方は、「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もぜひご覧ください。
親子交流の約束が守られない場合には、状況に応じて調停や履行勧告などの法的手段を利用できることがあります。一人で悩まず、早めに弁護士へご相談ください。
この記事を担当した弁護士

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。















