離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.10.20更新

離婚コラム128

 

養育費を払わない元配偶者への対処法|確実に回収する方法
離婚時に養育費を取り決めたにもかかわらず、「途中から支払いが止まってしまった」「催促しても応じてもらえない」といったご相談をいただくことは多いです。養育費は子どもの生活や成長を支える大切なお金であり、急に途絶えてしまっては不安になるでしょう。
さらに、令和6年の民法等改正(令和8年4月1日施行)で、養育費の回収を後押しする制度として法定養育費制度や、養育費債権に関する先取特権およびワンストップ執行手続が新たに導入されました。この記事では、養育費が支払われない場合の対処法と、確実に回収するためのポイントを解説します。

 

支払いが止まったら早めに対応する
相手の支払が急に止まっても「そのうち払ってくれるだろう」と様子を見ていると、未払いが何か月分も溜まってしまうことがあります。
例えば毎月5万円の養育費が1年間支払われなければ、未払い額は60万円になります。また、時間が経ってしまうと勤務先や預金口座などの情報を把握しにくくなり、回収が難しくなることもあります。
まずは支払いが滞っている理由を相手に確認し、それでも支払ってもらえない場合は、早めに法的手続きを検討することが大切です。

 

まずは養育費の取り決め方法を確認する
養育費を請求する際は、どのような形で取り決めたのかが重要です。
例えば、
• 公正証書(強制執行認諾文言付き)
• 家庭裁判所の調停調書
• 審判書・判決書
• 離婚協議書や口頭での約束
では、利用できる手続きが異なります。
特に、強制執行認諾文言のある公正証書や調停調書などの法的効力のある書面があれば、養育費が支払われていない場合には、それを根拠として給与や預金などの差押えを申し立てることができます。

 

強制執行で回収できる場合がある
強制執行とは、養育費が支払われない場合に、裁判所の手続きを通じて相手の給与や預金などの財産を差し押さえ、未払いの養育費を回収するための手続きです。
特に給与の差押えは、勤務先が判明していれば毎月継続して回収できる場合があり、養育費の未払いへの有効な方法です。
なお、令和8年4月1日から「ワンストップ執行手続」が導入され、養育費などの支払いを受けるための差押えについては、一度の申立てで、裁判所による財産情報の取得から差押えまでをまとめて進められるようになりました。そのため、相手の勤務先や預貯金口座が分からない場合でも、以前より手続きを進めやすくなっています。

 

取り決めがない場合や口約束だけの場合はどうする?
養育費の取り決めがないまま離婚した場合には、新設された法定養育費を請求できる場合があります。法定養育費は、令和8年4月1日以降に離婚した場合に適用され、子どもを主として監護する親が、もう一方の親に、子ども1人につき月額2万円を請求できる制度で、支払いがない場合には差押えの手続を利用することも可能です。
一方で、父母の間で養育費を取り決めていた場合には、先取特権の制度を利用することもできます。公正証書や調停調書がなくても、父母間で作成した養育費の取決め文書に基づいて差押えの手続を申し立てることができるようになりました。もっとも、先取特権が認められるのは子ども1人につき月額8万円までで、令和8年4月1日以降に発生した養育費に限って差押えの申立てをすることができます。

ただし、法定養育費はあくまで正式な話し合いがまとまるまでの暫定的なセーフティネットであり、先取特権にも上限があります。子どもの年齢や父母の収入などを反映した適正な養育費を確保するためには、協議や調停で養育費を取り決めておくことが大切です。

 

養育費の回収でお困りなら弁護士へ
養育費の未払いは、子どもの生活に直接影響する大きな問題です。しかし、父母間に感情的な対立があると、当事者だけで解決することは簡単ではありません。
弁護士に相談すれば、強制執行が可能か、どの制度を利用すべきか、改正民法による法定養育費や先取特権を活用できるかなど、状況に応じた対応を検討できます。
養育費の未払いでお困りの方は、一人で悩まず早めに弁護士へご相談ください。
養育費についてさらに詳しく知りたい方は、弁護士細江智洋による「弁護士による養育費についての詳しい解説」もぜひご覧ください。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋

神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

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