離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2025.11.01更新

離婚コラム56

 

離婚に際してよくトラブルに発展するのが「慰謝料」です。一般的なイメージは「不倫をした側が払うもの」と思われがちですが、慰謝料の金額や支払い義務をめぐって、夫婦の間で大きな問題になることが少なくありません。特に、生活にゆとりのあるご家庭では、金銭的な余裕があるからこそ相手から高額な慰謝料請求を受けやすく、争いが複雑化するケースも多く見られます。今回は、離婚時の慰謝料トラブルと注意すべきポイントについて、弁護士の視点からわかりやすく解説します。

 

慰謝料の相場は「生活水準」で変わるのか?
慰謝料の算定には一律の「計算式」があるわけではなく、個別の事情に応じて裁判所が判断します。特に生活にゆとりがあるご家庭では、「経済的に余裕があるのだから、高額の慰謝料が払えるはず」といった主張をする傾向にあります。
慰謝料の金額は「支払能力」だけで決まるものではありません。法律上は、不倫や暴力などの離婚原因となった行為の内容・期間・悪質性、もしくは被害を受けた側の精神的苦痛の度合いなどが重視されます。つまり、生活水準が高いからといって自動的に慰謝料の金額が高くなるわけではありません。

 

生活水準の高い家庭で起こりやすい慰謝料トラブル
生活にゆとりのあるご家庭でよく見られるトラブルとして、以下のようなケースがあります。

1. 不倫の慰謝料が「数千万円」になると誤解している
慰謝料の相場は50万~300万円程度が中心であり、極端に高額な金額が認められるのは例外的なケースです。


2. 話し合いの中で慰謝料と財産分与の境目があいまいになるケース
協議離婚では、専門的な言葉を理解しないまま合意してしまうことがあります。例えば「慰謝料としてまとめて1,000万円払う」と取り決めたものの、その中には本来は財産分与にあたる部分が多く含めていた、というケースもあります。
慰謝料と財産分与を厳密に区別しないと、本来は財産分与として支払うべきお金まで『慰謝料』として支払うことになり、結果的に相場よりも多く慰謝料を払ってしまう危険があります。

3. 「請求されたら必ず払わなければならない」と思い込む
相手から高額の慰謝料を請求されても、すぐに応じる必要はありません。相手からの請求額と法的に認められる相場には大きな差があることが多いため、弁護士に相談するなど冷静に判断することが大切です。

 

慰謝料トラブルを避けるためのポイント
慰謝料をめぐるトラブルを防ぐには、次の点に注意するとよいでしょう。
• 慰謝料の相場を知っておくこと
インターネット上には誤解を招く情報が多いため、信頼できる専門家や公的資料から情報を取得しましょう。
• 慰謝料と財産分与との違いを整理すること
慰謝料は精神的苦痛への賠償、財産分与は夫婦で築いた財産を公平に分ける制度です。この違いを理解しておくと、誤って相場以上の金額を払ってしまうリスクを避けられます。
• 慰謝料請求を受けたらすぐに対応しないこと
安易に慰謝料の条件に合意すると、後で不利になることがあります。必ず弁護士に相談してから対応することをおすすめします。

 

弁護士に相談するメリット
慰謝料の請求を受ける、あるいは自分から請求をする場合は、専門的な知識が不可欠です。弁護士に相談すれば、相場に基づいた適切な金額を判断できるほか、交渉や調停の場で不利にならないよう全面的なサポートを受けることができます。
また、生活にゆとりがあるご家庭では、慰謝料に加えて財産分与や養育費など複数の金銭問題が複雑であることが多いため、総合的な視点で戦略を立てることが大切です。

 

まとめ
離婚時の慰謝料は、生活水準や経済状況だけで決まるものではありません。しかし、生活にゆとりのあるご家庭では相手に「払えるはず」と思われやすいため、請求額が相場を大幅に超えるケースが少なくありません。
まずは慰謝料の相場や法的な位置づけを正しく理解し、冷静に対応することが大切です。そのためには、離婚問題に精通した弁護士のサポートを受けることが、最も安心で確実な方法といえるでしょう。
慰謝料トラブルに不安を感じている方は、ぜひ弁護士細江智洋の事務所にご相談ください。詳しくは当事務所の「離婚慰謝料についての解説ページ」をご覧いただけます。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋

神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2025.10.29更新

離婚コラム55

 

近年、40代・50代の夫婦の離婚が増えています。仕事や子育てが一段落し、第二の人生を考えるタイミングで「このまま結婚生活を続けるべきか」と思い悩む方も少なくありません。離婚を考える中で気になる問題のひとつが「離婚慰謝料」です。
「慰謝料の相場はどのくらいなのか」「自分の場合はいくら請求できるのか、または払うことになるのか」――多くの方が抱える疑問ですが、実はインターネットや噂で広まっている情報には正確ではないものが多く見受けられます。この記事では、40代・50代の離婚における離婚慰謝料の相場と、離婚慰謝料における誤解についてわかりやすく解説します。

 

離婚慰謝料の基本
離婚慰謝料とは、配偶者の不倫や暴力などの有責行為によって精神的苦痛を受けた側が、相手に対して請求する損害賠償金のことです。性格の不一致や単なる気持ちのすれ違いでは、基本的に慰謝料の対象にはなりません。
代表的な原因としては、
• 不倫(不貞行為)
• モラルハラスメントや暴力
• 勝手に家を出ていく、生活費を渡さないなどの悪意の遺棄(あくいのいき)
• 離婚そのものによる精神的苦痛(一方の有責行為が原因で平穏な婚姻生活が破綻し離婚に至った場合)
が挙げられます。
相手の行為そのものに加え、結果として「離婚という事態を強いられたこと」による精神的苦痛も慰謝料の対象となります。

 

40代・50代の慰謝料相場
離婚慰謝料の金額は事情によって異なりますが、不倫や暴力を原因とする場合、50万円から300万円程度が多いといわれています。
ただし、婚姻期間が長いほど精神的苦痛の影響が大きいと判断されやすく、40代・50代夫婦で20年以上結婚生活を続けてきた場合は、比較的高額な慰謝料が認められることがあります。逆に、有責行為の期間が短かったり、(不貞などの)証拠が乏しかったりする場合には、相場より低くなる、あるいは認められないこともあります。

 

40代・50代でありがちな慰謝料に対する誤解

誤解① 高齢の夫婦は慰謝料をもらえない
「若い夫婦には慰謝料が出るけど、年齢が高いと出ないのでは?」と思っている方がいますが、これは誤りです。慰謝料は年齢ではなく、相手の行為の内容と婚姻生活への影響によって認められます。40代・50代でも、不倫や暴力といった行為が原因であれば慰謝料請求は可能です。

誤解② 財産分与と慰謝料は同じもの
「財産分与を受け取ってしまうと慰謝料は請求できない」と思い込む方は多いですが、これは全く別の制度です。財産分与は離婚時に夫婦が協力して築いた財産を公平に分けるもの。一方で慰謝料は、精神的苦痛に対する賠償金です。両方を併せて請求する場合もあります。

誤解③ 高収入の相手なら高額の慰謝料がもらえる
「相手が高収入だから数百万円は当然」と期待するのも誤解です。確かに収入は算定要素のひとつですが、それだけで慰謝料の金額が決まるわけではありません。行為の悪質性、婚姻期間、被害者側の精神的苦痛の大きさなど、総合的に判断して算定されます。

 

誤解を避けるために必要なこと
40代・50代での離婚は、夫婦で築いた財産を分けることになり、その後の暮らしをどうしていくかを真剣に考える必要がある大切な時期です。慰謝料について誤解したまま行動してしまうと、請求できるものを見逃したり、逆に不必要に大きな不安を抱えてしまったりするリスクがあります。
そのため、インターネットや周囲の体験談に頼るのではなく、自分の状況に合った正しい法的知識を得ることが大切です。

 

弁護士に相談するメリット
慰謝料の相場は一律ではなく、状況によって大きく変わります。弁護士に相談すれば、あなたの状況に即した慰謝料の相場の金額を知ることができるだけでなく、相手との交渉の仕方や有効な主張の準備など、実践的なサポートを受けられます。
離婚を検討している40代・50代の方にとって、今後の生活を考慮した冷静な判断を下すためには、弁護士の力を借りることが大きな安心につながるでしょう。

 

まとめ
40代・50代の離婚慰謝料は、年齢ではなく相手の有責行為の有無とその内容によって判断されます。相場は50万円から300万円程度が多いですが、婚姻期間の長さや事情によって増減します。
「年齢が高いから慰謝料はもらえない」「財産分与と慰謝料は同じ」「高収入なら必ず高額な慰謝料がもらえる」といった誤った情報に惑わされず、正しい知識を持って行動することが大切です。
もし慰謝料のことで悩んでいるなら、弁護士細江智洋にご相談ください。きっと安心して前に進むためのヒントが得られるはずです。
離婚慰謝料について詳しくはこちら

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2025.10.26更新

離婚コラム54

 

離婚慰謝料の請求には時効がある?請求できる期間とは
離婚にあたって「精神的損害に対する慰謝料を請求したい」と考える方は少なくありません。
配偶者のモラハラや暴力、生活費を全く渡さない、正当な理由なく家を出て行ってしまったといったケースでは、離婚原因を作った側に対して慰謝料を求めることができます。
ただし、慰謝料には「いつまでに請求できるか」という時効が存在します。時効を過ぎてしまうと、正当な権利であっても実質的に行使できなくなるおそれがあります。ここでは、離婚慰謝料の時効と注意点を解説します。

 

離婚慰謝料の時効は「離婚成立から3年」
離婚慰謝料請求権の請求期間は、民法724条に基づき 離婚成立から3年 が原則です。
ここでいう「離婚成立」とは、協議離婚の場合は離婚届が役所に受理された日、調停離婚や裁判離婚の場合は調停調書や判決が確定した日を指します。
離婚が成立した時点で「損害(精神的苦痛)」が確定し、相手方(加害者)が誰であるかも明確になるため、この時点から時効がスタートするのが一般的です。
たとえば、
• 2022年4月に離婚成立 → 2025年4月まで慰謝料を請求可能
というイメージです。3年を経過した場合は時効完成となります。

 

離婚原因が違っても時効は同じ?
「配偶者のDVやモラハラが原因の場合はもっと時効が長くなるのでは?」と誤解している方がいますが、離婚慰謝料として請求する限りは離婚原因に関わらず離婚成立から3年というルールです。
なお不倫に関する慰謝料は「不貞慰謝料」として別に扱われるため、不倫を知った時から3年という考え方が用いられますが、ここで扱う「離婚慰謝料」には当てはまりません。

 

時効を過ぎるとどうなる?
離婚成立から3年の時効を過ぎてしまった場合、相手に慰謝料を請求しても認められない可能性があります。
法律上、時効は期間が経過(=時効完成)しても自動的に権利が消えることはありません。相手が「もう時効だから払わない」と主張することを 「時効の援用」 といいますが、この援用がなされた場合は慰謝料を請求することはできなくなります。
したがって、実務上は3年を過ぎると離婚慰謝料の請求はほぼ不可能になってしまいます。

 

時効を止める方法もある
「離婚からすでに2年半経っている」「話し合いが進まず、離婚からもうすぐ3年になってしまう」という場合でも、時効完成を防ぐ方法があります。
内容証明郵便で慰謝料請求を通知する
 → 時効完成を6か月間だけ先送りできる
家庭裁判所で慰謝料請求を目的とした調停・訴訟を申し立てる
 → 時効がリセットされ、新たにカウントされる
このような方法で、時効完成を防ぐことができ、請求の権利を維持できます。

 

離婚慰謝料の時効で注意すべき3つのポイント
1. 離婚成立から3年という短い期間しかない
 時間に余裕があると思っていても、準備や交渉には思ったより時間がかかります。
2. 交渉の引き延ばしで時効が完成してしまうリスクがある
 相手が「検討する」と言って引き延ばされている間に3年が過ぎれば、請求できなくなる可能性があります。
3. 時効が始まる日(=起算点)の誤解で時効を過ぎてしまう危険がある
 「まだ大丈夫」と思っていても、離婚成立日からカウントが始まっています。思い込みや勘違いもあるため放置するのは危険です。

 

まとめ
離婚慰謝料の請求には原則3年の時効がありますが、離婚原因や状況によって起算点が異なります。時効がいつ始まっているのか、時効を止めるための手続きはあるのかを確認することが大切です。
時効を過ぎてしまうと請求が難しくなるため、ご心配な方はできるだけ早めに弁護士へ相談することが大切です。
弁護士に相談すれば、時効の正確な起算点や適切な請求方法を判断でき、慰謝料を受け取る可能性が高まります。
当事務所では、離婚や慰謝料に関するご相談を数多く取り扱っております。「まだ慰謝料を請求できるのか」「時効までにどのような手続きをすればいいのか」といった悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
→詳しくはこちらをご覧ください:離婚慰謝料について

 

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2025.10.23更新

離婚コラム53

 

配偶者の不倫が発覚したときの精神的なダメージは、想像も出来ないほど大きいものです。そのとき問題となるのが「慰謝料」です。慰謝料を請求できるのか、どのくらいの金額が相場なのか。また、支払う側にとってはどこまでが妥当な範囲なのか――。この記事では、不倫の慰謝料の相場や判断のポイントを、弁護士の視点からわかりやすく解説します。

 

不倫の慰謝料とは?
不倫の慰謝料とは、配偶者の不貞行為によって受けた精神的な損害に対して支払われるお金のことです。法律上の「不貞行為」があった場合に請求でき、単なる不倫の疑いだけでは認められません。通常は、不倫した配偶者本人と不倫相手の双方に対して請求できる可能性があります。

 

慰謝料の相場はどれくらい?
慰謝料の金額はケースによって大きく変わります。裁判例や実務上の傾向からすると、次のような目安があります。
離婚しない場合:50万円~100万円程度
不倫が原因で別居に至った場合:100万円~200万円程度
不倫が直接の原因で離婚に至った場合:200万円~300万円程度
もちろん、これはあくまで目安であり、個々の状況によって増減します。

 

慰謝料の金額が増減する判断ポイント
慰謝料の金額の判断には「一律の計算式」があるわけではなく、以下の要素が考慮されます。
不倫の期間や回数:長期かつ継続的な不倫関係は、増額要因になります。
結婚期間の長さ:長年の婚姻生活が壊された場合、金額は高くなる傾向があります。
未成年の子どもの有無:幼い子どもへの影響は大きいため、増額されることがあります。
支払う側の収入や経済状況:経済力に応じた金額に調整される場合があります。
不倫した側の態度:不倫が発覚した後に、誠実に謝罪し協議に応じれば減額される可能性があります。逆に、非協力的な態度をとったり、不倫の事実を否定し続けたりすると、慰謝料が増額される場合もあります。

 

支払う側が注意すべき点
不倫が事実であれば、慰謝料を支払う義務があります。ただし、請求された慰謝料の金額が必ずしも妥当な金額とは限りません。相場とかけ離れていないかを確認しましょう。弁護士に依頼して相手と交渉すれば、金額や支払方法を調整できる可能性があります。

 

もらう側が注意すべき点
慰謝料請求を成功させるためには、証拠を押さえることが重要です。メールやLINEのやり取り、ホテルへの出入りを示す写真など、相手の不貞行為を裏付ける資料が必要となります。また、慰謝料請求の方法にも注意が必要です。相手と直接交渉すると感情的な言い合いに発展しやすく、合意に至らないことも多くあります。弁護士を通じて請求すれば、冷静に適切な金額での解決が望めるでしょう。

 

裁判にするか、協議で解決するか
慰謝料請求は裁判を経なくても、当事者間の話し合いや弁護士を通した協議で解決できる場合が多いです。実務上は多くのケースが協議で解決し、裁判まで進むのは一部に限られます。裁判になると時間や費用の負担が大きいため、一般的には協議を進めますが、相手が全く応じない場合には裁判を検討する必要があります。

 

まとめ:協議だからこそ弁護士のサポートが重要
不倫の慰謝料は、支払う側・請求する側にとっても影響の大きい問題です。裁判に至るケースは少ないものの、協議段階だからこそ弁護士のサポートが不可欠です。
• 慰謝料の支払い義務があるのかどうか
• 請求金額や条件が現状に鑑みて妥当かどうか
• 将来トラブルにならない形で合意できているかどうか
これらを判断できるのは弁護士です。当事者同士では感情的になりやすい状況だからこそ、早い段階で弁護士に相談することが安心につながります。
弁護士細江智洋の事務所では、不倫の慰謝料や離婚に伴う金銭問題についてのご相談を多数承っています。詳しくは当事務所の「不倫慰謝料」のページをご覧ください。

 

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2025.10.20更新

離婚コラム52

 

結婚生活を送る中で「もう一緒に暮らすのは難しい」と感じ、突然別居を考える方も少なくありません。40代・50代は、子育てがひと段落したり、仕事環境が変わったりと、夫婦関係に向き合う時期でもあります。
では、夫婦の一方が勝手に「別居」を始めた場合、それは法律的に「違法」となるのでしょうか?

 

夫婦には「同居義務」がある
民法には、夫婦は「同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています(民法752条)。
つまり、夫婦は原則として一緒に住み、助け合うことが義務とされているのです。
そのため、何の理由もなく、かつ相手の了承も得ずに急に別居することは、この「同居義務」に違反する可能性があります。
ただし、同居義務は必須ではありません。正当な理由があれば、別居が認められる場合があるのです。

 

法律上の正当な理由とは?
それでは、法律上「正当な理由」とされるのはどんな場合でしょうか。代表的な例をいくつか挙げます。
• DV(家庭内暴力)やモラハラを受けている場合
暴力や精神的虐待から身を守るための別居は、必要な行動です。
• 不貞行為(浮気・不倫)が発覚した場合
信頼関係が壊れている状況での別居は、正当化されやすいです。
• 過度な借金や浪費がある場合
経済的に生活が脅かされるとき、別居によって生活を立て直すことが認められます。
• 病気や介護のために物理的に別居せざるを得ない場合
病気の療養や家族の介護など、やむを得ないケースも含まれます。
このように「やむを得ない事情」があれば、別居は法律上認められる可能性が高いのです。

 

突然の別居はリスクがある
とはいえ、客観的に正当な理由がないまま一方的に家を出てしまうと、後に離婚や財産分与の話し合いで不利になる可能性があります。

相手が「勝手に出て行った」と主張し、「悪意の遺棄(あくいのいき)」(民法770条1項2号)を根拠に問題視されることがあります。
もっとも、「悪意の遺棄」と認められるのは、正当な理由なく長期間にわたり同居を拒否し、生活費の分担など夫婦としての義務を果たさない場合に限られ、単に別居を始めたというだけで直ちに当てはまるわけではありません。

 

 

別居は「離婚準備」につながる
40代・50代の別居は、単なる一時的な距離の取り方にとどまらず、そのまま「離婚」へと発展するケースが多く見られます。
別居は夫婦関係の破綻を示す有力な証拠となるため、離婚裁判では重要な要素にもなります。
そのため、別居を検討する際には以下の点を整理しておくことが重要です。
• 経済的に生活できるのか
• 子どもの養育はどうするのか
• 財産の管理はどうするのか

 

まとめ
突然の別居は、DVや不貞行為など「正当な理由」があれば認められるケースもあります。
ただし、状況によって判断が大きく変わるため、自身の判断で動くのは非常にリスクが高いです。
別居を検討している、または既に別居を始めている方は、弁護士に相談して「自分のケースではどのように対応すべきか」を確認しましょう。
当事務所では、離婚や別居に関するご相談を数多く受けてきました。今の不安を整理し、最善の方法を一緒に考えていきましょう。
→詳しくはこちら:
離婚と別居に関するご相談|弁護士 細江智洋

 

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2025.10.17更新

離婚コラム51

 

はじめに
結婚すると、夫婦は「同じ家で暮らし、協力し、助け合う」ことが法律で定められています。これを夫婦の「同居義務」といいます。
しかし、配偶者に相談もしないで勝手に別居したり、家庭を放置したりしてしまうと、法律上「同居義務違反」とされ、離婚や慰謝料などの問題につながることがあります。
本コラムでは、同居義務とは何か、違反するとどんなリスクがあるのかをわかりやすくご説明します。

 

1. 同居義務とは?夫婦の基本的なルール
民法752条には「夫婦は同居し、互いに協力し、扶助(=助け合い)しなければならない」と書かれています。
つまり、夫婦が
• 一緒に住むこと
• 生活や家計を支え合うこと
• 病気や困難があれば助け合うこと
を法律上で求められているのです。
ただし、裁判所が「一緒に暮らしなさい」と命じても、無理やり同居させることはできません。その代わりに、同居義務を怠った場合には法律上の不利益を受ける可能性があるのです。

 

2. 同居義務違反によって生じる法的リスクの種類
(1)離婚原因になる
自分勝手な別居や家庭を放置するような行為は、法律上の離婚原因の一つ「悪意の遺棄」にあたる場合があります。つまり「夫婦関係を続ける意思がない」と解釈されるのです。
(2)慰謝料を請求される可能性
生活費を渡さない、浮気をして家を出るなどは、相手に精神的苦痛を与える行為とされ、慰謝料請求につながることがあります。特に不貞行為(浮気)に対する請求は高額になりやすいです。
(3)婚姻費用の請求が不利になることもある
夫婦が別居すると、通常は収入の多い方が収入の少ない方に「婚姻費用(生活費)」を支払う義務があります。しかし、請求する方(少ない方)が勝手に家を出た/不倫をした/生活費を渡さなかったことを理由に「有責配偶者」と判断されると、家庭裁判所が「その婚姻費用の請求は正当とはいえない」として、
• 婚姻費用を減額する
• 場合によっては認めない
と判断することがあります。
つまり、収入が少ない方であっても、行動によっては生活費を十分にもらえなくなるリスクがあるのです。

 

3. 同居義務違反の具体例と法的リスク
同居義務違反は「一方的に家を出ること」だけではありません。以下のような行為も含まれることがあります。

離婚コラム51の表

 

4. 違反とはならない場合もある
もちろん、すべての別居が「同居義務違反」になるわけではありません。次のような正当な理由があるケースは「違反とはならない」と考えられます。
• 夫婦で話し合い、合意している
• 親の介護や単身赴任など、やむを得ない事情
• DV・モラハラから身を守る
• 夫婦関係をやり直すための冷却期間を置く
ただし、正当性を証明できるよう、記録や証拠を残しておくことが大切です。

 

5. 別居を考える際の注意点
別居を検討するときには、次のことを意識しましょう。
• できるだけ話し合い、夫婦の間で合意するる
• 別居の理由を証拠として残す(メール・録音・診断書など)
• 生活基盤を整える(住居の確保・収入・子どもの養育環境など)
これらを準備しておくことで、別居する際のトラブルを避けやすくなります。

 

まとめ
夫婦には「同じ家に住み、協力し、助け合う」という同居義務があります。これを怠ると、離婚や慰謝料、生活費の不利益など深刻な法的リスクを招くことがあります。
一方で、夫婦間の合意や正当な理由がある別居は「違反」にはあたりません。別居を検討する際は、準備と証拠確保を徹底することが大切です。

当事務所のページ 離婚に向けて別居を考えている方へ では、別居を始める前に必要な準備や証拠の集め方についてさらに詳しく解説しています。別居を検討中の方はぜひご覧ください。

 

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2025.10.14更新

離婚コラム50

 

配偶者に無断で別居すると違法なのか?
「配偶者に相談せずに別居したら違法になってしまうのかな?」と心配される方は少なくありません。特に離婚を前提に別居を検討している場合、法律上どのような影響があるのかを知っておくことはとても大切です。
本記事では、無断別居と同居義務との関係、離婚裁判・離婚調停に与える影響についてわかりやすく解説します。

 

同居義務とは?(民法752条の規定)
夫婦には「同居・協力・扶助の義務」がある
民法752条には「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。つまり夫婦には、
• 同じ住居で生活すること(同居義務)
• お互いを助け合うこと(協力・扶助義務)
が法律上求められています。

 

同居義務に違反した場合に罰則はあるのか?
刑事罰や罰金は無い
同居義務に違反しても、刑事罰や罰金が科されることはありません。法律上、別居そのものを処罰する規定は存在しないので「無断別居=直ちに違法」ではないのです。

 

無断別居が「違法」とされない背景
さまざまな理由による別居は想定されている
仕事の都合、親の介護、家庭不和を理由に距離を置く必要など、夫婦が別々に暮らす事情は様々です。そのため、法律上は柔軟に解釈されているのです。

 

無断別居による不利益やリスク
(1)夫婦関係破綻を示す証拠になる
例:夫が妻に無断で家を出て、数年間連絡をしなかった場合
→ 裁判所は「夫婦の関係修復の意思が無い」と判断し、離婚請求が認められやすくなることがあります。
(2)婚姻費用(生活費)の請求を受ける
夫婦には別居後も生活費を分担する義務があります。突然家を出たとしても支払義務は続きます。配偶者や子どもから「婚姻費用分担請求」を受ける可能性があります。
(3)親権・監護権を争う場合に不利になる
子どもがいる場合、無断別居は「子どもの利益を優先していない」と評価されることがあります。その結果、親権や監護権を争うときに不利になることがあります。

 

別居を始める際の注意点と対策
1. 可能であれば話し合いを
別居をするにあたっては、別居の理由や目的について、配偶者と冷静に話し合うことが望ましいです。
2. 別居の目的を明確にする
「冷却期間を置きたい」「子どもの環境を整えたい」「離婚準備」など、はっきりした目的を持つことで後の説明にも役立ちます。
3. 弁護士へ早めに相談する
無断別居は違法ではありませんが、裁判や調停で不利になる場合があります。別居の始め方や生活費の分担方法、子どもの養育については弁護士の法的な助言を受けることが大切です。

 

まとめ
• 配偶者に無断で別居しても、必ずしも「違法」になるわけではありません。
• しかし、夫婦関係の破綻の証拠とされる、生活費の請求を受ける、親権に不利になるといったリスクがあります。
• 別居を考えている方は、正しい手順と法的知識をもって行動することが大切です。

別居を考えている方へ
「別居を始めたいけれど違法にならないか心配」「別居しても不利にならない方法を知りたい」という方は、早めに弁護士にご相談ください。
当事務所では、離婚や別居を検討されている方のご相談を多数承っています。詳しい情報は以下のページにまとめています。ぜひご覧ください。
→離婚に向けて別居を考えている方へ

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2025.10.11更新

離婚コラム49

 

「結婚すれば夫婦は一緒に暮らすもの」というイメージを持つ方は多いでしょう。実際、多くのご夫婦は同じ家に住み、生活を共にしています。では、法律上も「必ず同居しなければならない」と決まっているのでしょうか。
本記事では、民法に規定されている夫婦の同居義務の基本と、結婚生活の中で注意しておきたいポイントを、弁護士がわかりやすく解説します。

 

民法が定める「同居義務」とは?
民法第752条には「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と書かれています。これが、法律上の夫婦の同居義務です。
同居義務は単に「一緒に住む」という意味だけではなく、
・協力義務(家事や生活の分担、家庭運営)
・扶助義務(経済的・精神的に支え合うこと)
といった夫婦の基本的な責任を含んでいます。

 

例外的に同居しないこともある
「同居義務」とはいえ、すべての夫婦が同居しているわけではありません。状況によっては、法律上も同居義務違反とならない場合があります。
同居しなくてもよい代表的な例は次のような場合です。

単身赴任:仕事の都合で一時的に離れて生活する
病気療養や介護:身体上の理由や家族の事情で実家などに戻る
家庭内不和:夫婦関係を落ち着かせるためにいったん距離を置く
このようなやむを得ない事情があれば、同居していないことが必ずしも「同居義務違反」とまではなりません。

 

別居と離婚はどう違う?
「別居=離婚」と考えてしまう方も少なくありませんが、実際には大きな違いがあります。
別居
戸籍上は夫婦のままで、婚姻関係は続いています。生活費(婚姻費用)の分担義務も残り、法的には夫婦としての義務を負っています。
離婚
戸籍上は夫婦ではなく、法律上の婚姻関係はありません。財産分与や養育費、親権などの取り決めが必要です。
つまり、別居は「夫婦関係を見直すための期間」であるのに対し、離婚は最終的な法的解消です。

 

別居をする場合の注意点
別居は「夫婦関係の冷却期間」として有効な一面もありますが、同時に法的な影響がある点には注意が必要です。ここでは、別居を考える際に押さえておきたいポイントを整理します。
1. 別居の理由や期間を話し合っておく
別居の理由や期間、生活費の負担について話し合い、夫婦双方で合意した内容を書面などで記録しておくことが大切です。
2. 経済的な支え合いは続く
夫婦であれば、収入の多い方に生活費(婚姻費用)を分担する義務があります。別居を始める前に婚姻費用をどうするか話し合っておきましょう。
3. 子どもの生活環境を第一に考える
監護権(誰が子どもの世話をするか)や養育費などの取り決めは、子どもの生活の安定を優先するためには欠かせません。
4. 相手の住居に勝手に入らない(住居侵入のリスク)
たとえ夫婦であっても、別居中に相手が住んでいる家へ無断で立ち入ることはできません。住居権はそこに住む人にあるため、相手の断りなく入ると住居侵入とされる可能性があります。荷物を取りに行きたい場合や子どもとの面会は、必ず相手の了承を得てから行いましょう。

 

まとめ|同居義務と別居の基本知識を理解し、冷静に対応を
• 夫婦には民法752条で同居義務が定められている
• ただし、仕事や健康上の事情などで同居しないことが認められる場合がある
• 別居と離婚は異なり、別居中も婚姻費用(生活費)の分担義務は続く
• 別居を始める際には、理由・期間・生活費・子どもの養育について夫婦で話し合っておくことが重要
同居義務や別居の知識を正しく理解しておくことは、今後の夫婦関係を考える上で大切です。もし別居や離婚を検討している場合には、弁護士に相談することで安心して行動できます。別居や同居義務に関して不安のある方は、弁護士細江智洋までご相談ください。秘密厳守で丁寧に対応いたします。
→離婚に向けて別居を考えている方へ

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2025.10.08更新

離婚コラム48

 

離婚調停は、多くの方にとって初めての経験ではないでしょうか。
「調停委員から何を質問されるのだろう?」
「どう答えればいいんだろう…」
そんな気持ちを抱えて、当日を迎える方がほとんどです。今回は、離婚調停の当日に聞かれる一般的な質問内容と、その答え方のポイントを弁護士の視点からわかりやすく解説します。

 

1. 調停で必ず聞かれる基本的な質問
離婚調停は、家庭裁判所で行われ、男女1名ずつの調停委員が中心となって話し合いを進めます。最初に、次のような基本情報を確認されます。
• 結婚した経緯(円満だった時期はあるか,破綻した理由は何か)
• 現在の同居・別居状況(別居している場合、別居期間はどのくらいか)
• 子どもの有無と養育状況(健康状態,誰が子どもの世話をしているか)
• 夫婦の生活費(婚姻費用)の支払い状況(誰が生活費を負担しているか)
この質問は事実確認の意味が大きいので、正直に、簡潔に答えることが大切です。難しく考える必要はなく、「はい」「いいえ」に少し補足を加える程度で十分です。

 

2. 離婚理由についての質問
次に多く聞かれるのが「なぜ離婚を考えているのか」という点です。
性格の不一致、不貞行為、モラハラ、経済的な問題など、人によって事情はさまざまです。
ここでのポイントは、事実を整理してはっきり端的に調停委員に伝えること。
例えば、配偶者の不貞行為が理由であれば、
「夫(妻)の不貞行為があり、証拠となるメールや写真があるため、信頼関係の修復は困難だと考えています」
と感情的にならずに具体的に述べることで、説得力を持たせることができます。

 

3. 子どもに関する質問
未成年のお子さんがいる場合は、特に丁寧に聞き取りが行われます。
• 親権はどちらが持つのが適切か
• 現在の子どもの生活環境(住居・学校・健康面など)
• 面会交流の希望(どのくらいの頻度で会わせたいか)
ここでは、子どもの利益を第一に考えていることを示すことが大切です。
「自分が親権を取りたい」という希望を前面に出すよりも、
「子どもにとって安定した環境を守るために、自分が親権を持つのが望ましいと考えています」と答えると、調停委員の心証も良くなります。

 

4. 財産や生活費についての質問
離婚にあたって必ず取り上げられるのが「金銭面の問題」です。
• 婚姻費用(別居中の生活費)を誰がいくら負担するか
• 養育費はいくらが妥当か、いつまで支払うか
• 財産分与の対象となる資産は何か
これらの点は感情よりも数字が重視されます。収入(給与明細)、預貯金(預金通帳のコピー)あるいは不動産(登記事項証明)など、証拠資料を整理しておくとスムーズです。
さらに調停の場では、調停委員から「財産の内容や名義」「住宅ローンなどの残債」「生活費の支払実績」について実際の数字を聞かれることがあります。そのため、単に「家は夫名義です」と答えるだけでなく、「夫名義でローンの残債が○○万円ある」など、数値を伴って具体的に答えられるよう準備しておくと安心です。

 

5. 答え方の基本姿勢
離婚調停に臨むうえで、共通して大切な心構えは次の3つです。
 1. 事実を正確に伝える
嘘やごまかしは、後で矛盾が生じてしまい不利になります。
 2. 冷静で落ち着いた態度を取る
感情的になると本来伝えるべき事実が調停委員に伝わりにくくなります。
 3. 自分の希望を具体的に伝える
「子どもと一緒に暮らしたい」ではなく、
「親権を希望し、週末は相手方との面会交流の時間を設けたい」など、具体的に伝えましょう。

 

まとめ:準備と心構えで不安を軽く
離婚調停の流れや質問内容を事前に知っておけば、不安は大きく減らせます。
特に「離婚理由」「子どものこと」「生活費や財産のこと」「離婚理由」はしっかり整理しておく必要があります。
早い時期に弁護士に相談することで、調停での答え方や必要書類の準備について具体的なアドバイスを受けられます。不安な方はぜひ一度、弁護士細江智洋にご相談ください。
→手続きについて詳しくはこちら:離婚相談・離婚調停について

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2025.10.05更新

離婚コラム47

 

「離婚調停を考えているけれど,どんな書類が必要なんだろう?」
そんな疑問を持つ方は少なくありません。離婚調停は家庭裁判所で行う正式な手続きですが,事前に必要書類をきちんと揃えておけば,とてもスムーズに進みます。逆に,「あの書類が必要だった」となってしまうと,手続きが途中で止まってしまったり,余計に時間がかかってしまったりすることも。
ここでは,離婚調停に必要となる主な書類と,合わせて準備しておくと安心な資料を,できるだけ分かりやすくまとめました。

 

1. 離婚調停申立書
これは家庭裁判所に提出する“基本の書類”です。家庭裁判所の窓口やホームページから書式を入手でき,氏名・住所・結婚した年月日・子どもの有無・調停を申し立てる理由などを記入します。
「ここはどう書いたらいいの?」と迷うことも多いため,必要に応じて弁護士に確認しながら準備すると安心です。

 

2. 戸籍謄本
夫婦が結婚していることを証明するために必要です。本籍地の役所で取得でき,発行から3か月以内のものを用意しましょう。最近では,マイナンバーカードをお持ちであれば,「コンビニ交付サービス」を利用して戸籍謄本を取得できる場合もあります。役所の窓口が開いていない時間帯でも取得できるので,忙しい方に便利です。

 

3. 住民票
裁判所から相手の住所に書類を送るために必要になる場合があります。こちらも戸籍謄本と同様に,役所で,あるいはコンビニ交付サービスを利用して取得できます。


4. 子どもに関する書類
お子さんがいる場合は,親権や養育費,面会交流について話し合うことが多くなります。
そのため,学校の在学証明書や,習い事・医療費の領収書などがあるとよいでしょう。子どもの生活にどの程度費用がかかっているかが分かる資料があれば,調停を進めやすくなります。

 

5. 財産に関する書類
財産分与や生活費の分担を話し合う場合には,次のような資料が役立ちます。
• 預貯金通帳のコピー
• 不動産の登記事項証明書
• 生命保険や年金保険の記録(将来の受取金額が財産分与の対象になります)
• 厚生年金や国民年金の記録(年金分割の対象になる場合があります)
• 給与明細や源泉徴収票
• 住宅ローンや自動車ローンの契約書
具体的な数字や証拠があると,客観的に話し合うことができます。

 

6. 夫婦間のトラブルを裏付ける資料
調停では,夫婦間のトラブルが大きな争点になる場合には,次のような証拠があると調停委員にも事情を理解してもらいやすくなります。


DV(家庭内暴力)の証拠:病院の診断書やけがの写真,警察に相談した記録
暴言やモラハラの証拠:LINEやメールでのやり取り,録音データ
不倫の証拠:交際を示すメッセージや写真,ホテルの領収書
金銭トラブル:高額な買い物の領収書や使い込みが分かるクレジットカード明細
生活費を渡さない証拠:通帳に入金がない記録,水道光熱費・授業料などの滞納通知など

 

書類を揃えるのが大変…そんなときは
役所での書類取得や資料の整理など,離婚調停の手続きは,初めての方にとって負担になることも多いものです。そんなときは,早めに弁護士へご相談ください。必要な書類を一緒に確認し,整理するお手伝いをいたします。

 

まとめ
離婚調停に必要な主な書類は、
• 離婚調停申立書
• 戸籍謄本
• 住民票
• 子どもや財産に関する資料
• トラブルを裏付ける証拠資料
です。これらをしっかり準備することで,落ち着いて調停を進めやすくなります。

「自分はどんな書類を集めたらいいの?」と迷ったら,弁護士細江智洋へお気軽にご相談ください。
当事務所の離婚相談・離婚調停に関する詳しいご案内はこちらからご覧いただけます。
→離婚調停について詳しくはこちら

 

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩み方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

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