離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.10.30更新

離婚コラム130

 

養育費を払わないとどうなる?差押えなどのリスクを解説
離婚時に養育費を取り決めたものの、「収入が減った」「生活が苦しい」といった理由から支払いを止めてしまうケースは少なくありません。しかし、養育費は子どもの生活や成長には欠かせないお金であり、差押えなどの法的手続によって支払いを確保できる仕組みが設けられています。
特に令和6年の民法等改正(令和8年4月1日施行)により、法定養育費制度や養育費債権に関する先取特権など、新たな制度が整備されました。
この記事では、養育費を払わないとどうなるのか、差押えをはじめとする具体的なリスクや、支払いが難しくなった場合の適切な対応について弁護士がわかりやすく解説します。

 

養育費は子どもの生活を支えるためのお金
養育費は、子どもが経済的に自立するまでに必要な生活費や教育費などの支払いを確保するためのお金です。
離婚後に子どもと同居していない親であっても、親である以上、子どもを扶養する義務があります。そのため、「子どもに会えていない」といった事情があっても、原則として養育費の支払い義務はなくなりません。
養育費の支払いは、親子交流とは別の問題として考える必要があります。

 

養育費が支払われない場合にとられる法的な手続
1 未払いの養育費はまとめて請求されることがある
養育費の支払いが滞った場合、その期間の養育費は未払い分として積み重なっていきます。
たとえば、毎月5万円の養育費を支払う取り決めをしている場合、半年で30万円、1年間では60万円の未払いとなり、さらに未払いの養育費に遅延損害金が加わる場合もあります。
そのため、収入減少によって支払いが難しくなったときは、未払いが続く前に、相手方との話し合いや養育費減額調停などの対応を検討することが大切です。
2 給与や預貯金などが差し押さえられることがある
未払いの養育費が滞った場合は、給与や預貯金などを差し押さえて支払いを確保する方法があります。
たとえば、調停で取り決めた毎月5万円の養育費の支払いが滞った場合には、調停調書をもとに強制執行を申し立てることができます。給与を差し押さえる場合には勤務先が手続に関わり、預貯金を差し押さえる場合には金融機関に差押命令が送達されます。
令和8年4月1日以降に発生した養育費については、子ども1人につき月額8万円まで先取特権が認められ、公正証書や調停調書などがなくても養育費の取決めの際に父母間で作成した文書に基づいて差押えの手続きを申し立てることができます。また、令和8年4月1日以降の離婚については、離婚時に父母の間で養育費の取り決めをしていない場合でも、子どもを主として監護する親が、もう一方の親に対して、子ども1人につき月額2万円の「法定養育費」を請求できる制度もあります。差押えは、養育費を支払わなかったことに対する制裁ではなく、子どもの生活に必要な養育費の支払いを確保するために設けられている法的な仕組みです。

 

収入が減って養育費を払えない場合は?
失業によって収入が大幅に減ったり、病気などによって以前と同じように働けなくなったりしたからといって、取り決めた養育費の支払い義務があることには変わりません。相手と養育費減額について話し合い、合意できない場合には、家庭裁判所に養育費減額調停を申し立てる方法があります。支払いが難しくなったときには、一方的に養育費の支払いを止めるのではなく、現在の収入や生活状況を踏まえて適切な金額を話し合うことが重要です。

 

養育費の支払いに困ったときは弁護士へ相談を
養育費は、子どもの生活や成長を支えるためのお金です。未払いが続いた場合には、未払い分の請求や差押えなど、支払いを確保するための法的な手続がとられることがあります。
一方で、離婚後の収入減少などにより、養育費の支払いが難しくなることもあります。そのような場合には、一方的に支払いを止めるのではなく、養育費の金額を見直す必要があります。
養育費については、受け取る側だけでなく、支払う側からも「収入が減って支払いが難しい」「未払いが生じている」「養育費を減額できるのか知りたい」といった相談が可能です。事情によって対応方法は異なりますので、養育費についてお困りの場合には、早めに弁護士へご相談ください。
養育費の決め方や変更、請求方法などについては、「弁護士による養育費についての詳しい解説」をご覧ください。

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2026.10.25更新

離婚コラム129

 

養育費が未払いになったら|弁護士が教える現実的対策
離婚時に養育費を取り決めても、途中から未払いになってしまうケースは少なくありません。子どもの生活や教育に必要なお金だからこそ、「どうすれば払ってくれるのか」と不安になる方も多いでしょう。
もっとも、養育費の未払いは、法的手続を始めれば必ず回収できるというものではありません。相手の状況や未払いの原因に応じて適切に対応することが、回収できる可能性を高めるポイントです。
今回は、養育費が未払いになったときに知っておきたい現実的な対策について、弁護士の視点から解説します。

 

養育費は未払いが長引くほど回収が難しくなる
養育費は、未払いになったらできるだけ早く対応することが大切です。
「数か月様子を見よう」と思っているうちに、
• 相手が転職して勤務先が分からなくなる
• 引っ越して住所がわからなくなる
• 連絡が取れなくなる
• 財産状態が悪くなる
と状況が変わってしまい、回収に必要な情報を把握しにくくなることがあります。
未払いに気付いたら、まず預金通帳の振込履歴から未払いの期間と金額を確認しましょう。相手と連絡が取れる場合には、支払いが止まった理由や、今後支払う意思があるかを聞きます。あわせて、相手の住所や勤務先に変更がないか、養育費を取り決めた内容も確認しておくことが大切です。

 

未払いの原因によって対応方法は異なる
養育費が支払われなくなる原因は一つではありません。
例えば、
• 病気や失業で一時的に支払いができない
• 再婚や転居をきっかけに支払いを止めてしまった
• 「請求されなければ払わなくてもよい」と考えている
• 父母間の感情的な対立があって連絡を避けている
など、さまざまな理由があります。
例えば、失業で一時的に支払いが難しくなった場合は、分割払いの方法を話し合うことで解決できることがあります。一方、連絡を無視し続けている場合では、話し合いすら難しいでしょう。まずは未払いの原因を把握し、それに応じた対応を検討することが大切です。

 

回収のために保管しておきたい資料
養育費を請求する際には、これまでの経緯が分かる資料を残しておくことが役立ちます。
例えば、
• 養育費の合意書や公正証書
• 養育費の振込履歴や通帳の記録
• 相手方とのLINEやメールでのやり取り
• 支払いを催促した記録
• 相手の住所や勤務先など把握できている情報
などです。
これらの資料から、養育費がいつから、いくら支払われていないのかを確認できます。相手方と話し合う場合はもちろん、弁護士への相談や法的手続きを検討する際にも、これまでの経緯を把握するための重要な資料となります。

 

「払えない」と言われたらすぐに応じるべき?
未払いが続き、「収入が減ったので養育費を減らしてほしい」と言われることがあります。
しかし、収入が減ったという理由だけで、直ちに養育費を減額しなければならないわけではありません。まずは、失業や転職、収入の減少など、支払いが難しくなった理由を確認することが大切です。
そのうえで、これまで通りの支払いを継続するのが難しいのであれば、減額する金額や期間、未払い分を今後どのように支払うのかを具体的に話し合います。合意する場合には、「当面は月3万円とする」「未払い分は毎月1万円ずつ上乗せして支払う」など、合意内容を明確にして書面に残しておくことが大切です。
話し合いが難しい場合には、家庭裁判所の養育費減額調停などを利用する方法もあります。相手から減額を求められたからといって、口頭で了承するのではなく、将来的な支払いまで含めて条件を書面にしておくことが重要です。

 

養育費の未払いで困ったら早めに弁護士へ相談を
養育費の未払いが生じた場合には、まず未払いの期間や金額を確認し、相手が支払わなくなった理由や今後の支払いについて確認することが大切です。未払いが続いている場合や、相手との話し合いが難しい場合には、話し合いではなく、別の対応を検討する必要があります。
また、「収入が減ったので養育費を減らしてほしい」と求められることもあります。どのように対応すべきか迷ったときは、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。これまでの支払状況や取り決めの内容を確認したうえで、未払い分の支払いや、今後の養育費をどうするかを検討することができます。
養育費の制度や請求方法についてさらに詳しく知りたい方は、「弁護士による養育費についての詳しい解説」もご覧ください。

 

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2026.10.20更新

離婚コラム128

 

養育費を払わない元配偶者への対処法|確実に回収する方法
離婚時に養育費を取り決めたにもかかわらず、「途中から支払いが止まってしまった」「催促しても応じてもらえない」といったご相談をいただくことは多いです。養育費は子どもの生活や成長を支える大切なお金であり、急に途絶えてしまっては不安になるでしょう。
さらに、令和6年の民法等改正(令和8年4月1日施行)で、養育費の回収を後押しする制度として法定養育費制度や、養育費債権に関する先取特権およびワンストップ執行手続が新たに導入されました。この記事では、養育費が支払われない場合の対処法と、確実に回収するためのポイントを解説します。

 

支払いが止まったら早めに対応する
相手の支払が急に止まっても「そのうち払ってくれるだろう」と様子を見ていると、未払いが何か月分も溜まってしまうことがあります。
例えば毎月5万円の養育費が1年間支払われなければ、未払い額は60万円になります。また、時間が経ってしまうと勤務先や預金口座などの情報を把握しにくくなり、回収が難しくなることもあります。
まずは支払いが滞っている理由を相手に確認し、それでも支払ってもらえない場合は、早めに法的手続きを検討することが大切です。

 

まずは養育費の取り決め方法を確認する
養育費を請求する際は、どのような形で取り決めたのかが重要です。
例えば、
• 公正証書(強制執行認諾文言付き)
• 家庭裁判所の調停調書
• 審判書・判決書
• 離婚協議書や口頭での約束
では、利用できる手続きが異なります。
特に、強制執行認諾文言のある公正証書や調停調書などの法的効力のある書面があれば、養育費が支払われていない場合には、それを根拠として給与や預金などの差押えを申し立てることができます。

 

強制執行で回収できる場合がある
強制執行とは、養育費が支払われない場合に、裁判所の手続きを通じて相手の給与や預金などの財産を差し押さえ、未払いの養育費を回収するための手続きです。
特に給与の差押えは、勤務先が判明していれば毎月継続して回収できる場合があり、養育費の未払いへの有効な方法です。
なお、令和8年4月1日から「ワンストップ執行手続」が導入され、養育費などの支払いを受けるための差押えについては、一度の申立てで、裁判所による財産情報の取得から差押えまでをまとめて進められるようになりました。そのため、相手の勤務先や預貯金口座が分からない場合でも、以前より手続きを進めやすくなっています。

 

取り決めがない場合や口約束だけの場合はどうする?
養育費の取り決めがないまま離婚した場合には、新設された法定養育費を請求できる場合があります。法定養育費は、令和8年4月1日以降に離婚した場合に適用され、子どもを主として監護する親が、もう一方の親に、子ども1人につき月額2万円を請求できる制度で、支払いがない場合には差押えの手続を利用することも可能です。
一方で、父母の間で養育費を取り決めていた場合には、先取特権の制度を利用することもできます。公正証書や調停調書がなくても、父母間で作成した養育費の取決め文書に基づいて差押えの手続を申し立てることができるようになりました。もっとも、先取特権が認められるのは子ども1人につき月額8万円までで、令和8年4月1日以降に発生した養育費に限って差押えの申立てをすることができます。

ただし、法定養育費はあくまで正式な話し合いがまとまるまでの暫定的なセーフティネットであり、先取特権にも上限があります。子どもの年齢や父母の収入などを反映した適正な養育費を確保するためには、協議や調停で養育費を取り決めておくことが大切です。

 

養育費の回収でお困りなら弁護士へ
養育費の未払いは、子どもの生活に直接影響する大きな問題です。しかし、父母間に感情的な対立があると、当事者だけで解決することは簡単ではありません。
弁護士に相談すれば、強制執行が可能か、どの制度を利用すべきか、改正民法による法定養育費や先取特権を活用できるかなど、状況に応じた対応を検討できます。
養育費の未払いでお困りの方は、一人で悩まず早めに弁護士へご相談ください。
養育費についてさらに詳しく知りたい方は、弁護士細江智洋による「弁護士による養育費についての詳しい解説」もぜひご覧ください。

 

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2026.10.10更新

離婚コラム126

 

親子交流の時間・場所の決め方|現実的な基準を解説
離婚や別居後に親子交流(面会交流)を取り決める際、「月に何回会えばよいのか」「どこで会うのがよいのか」と悩まれる方は少なくありません。
しかし、親子交流には法律で決まった一律の基準はありません。子どもの年齢や生活環境、父母の関係などを踏まえて無理のない内容にすることが大切です。仕事や学校の予定を考慮せずに決めてしまうと、何度も日程変更を繰り返したり、送迎の負担が大きくなったりするケースがあります。その結果、父母の間で対立が深まることも少なくありません。
こうしたトラブルを防ぐためには、今の生活に合った現実的な条件を定めることに加え、子どもの成長に応じて見直せるような取り決めをしておくことも重要です。今回は、親子交流の時間や場所を決める際の現実的な考え方について解説します。

 

親子交流は「子どもの生活」を中心に考える
親子交流の目的は、子どもが離れて暮らす親との関係を維持し、子どもの健全な成長につなげることです。そのため、父母の都合ではなく、子どもの生活リズムを優先することが大切です。
例えば、小学生であれば学校や習い事、中学生であれば部活動があるため、平日に長時間会うことは現実的ではありません。未就学児であれば、昼寝や生活リズムを崩さない時間帯を選ぶことが望ましいでしょう。

 

親子交流の時間はどのように決める?
家庭裁判所でも、「毎月○回」といった一定の基準があるわけではありません。
実際には、「月1回あるいは2回程度」「半日または1日程度」といった内容で合意するケースが多く見られます。
例えば、離れて暮らす父親が平日は仕事で帰宅が遅い場合には、「毎月第2・第4日曜日の午前10時から午後4時まで」という風に決める方が実行しやすいでしょう。
一方で、子どもがまだ3歳程度で、一緒に暮らしている母と長時間離れることに慣れていない場合には、「月2回・2時間程度」から始め、成長に合わせて少しずつ時間を延ばすこともあります。

 

親子交流の場所は安全性と子どもの安心感が大切
場所についても、「必ずここで行う」という決まりはありません。
代表的な例としては、
- 公園
- 水族館や動物園
- 商業施設
- レストラン
- 面会交流支援機関(専門スタッフが親子の引渡しや交流をサポートする施設)
などがあります。
例えば、久しぶりに会う場合には、公園や商業施設など、人目があり子どもも安心しやすい場所が選ばれることがあります。
父母の対立が強く、引渡し時のトラブルが心配される場合には、面会交流支援機関を利用することもあります。支援機関では、専門スタッフが親子の引渡しをサポートしたり、必要に応じて交流を見守ったりするため、父母が直接顔を合わせる負担が軽くなる場合があります。
一方、親子交流が安定して続いている場合には、自宅で過ごしたり、宿泊を伴う交流を行ったりするケースもあります。

 

時間や場所はできるだけ具体的に決める
親子交流では、「月1回程度会う」「その都度相談する」といった抽象的な取り決めでは、後から認識の違いが生じやすくなります。例えば、「毎月第2日曜日、午前10時から午後4時まで、○○駅改札前で引渡し、送迎は父が行う」と具体的に決めておくことで、待ち合わせ場所や時間をめぐって、一方が「10時に駅だと思っていた」「公園で待っていたのに来なかった」といった行き違いを防ぎやすくなります。
もっとも、細かく決めすぎると事情が変わった場合に対応できないこともあるため、無理のない内容にすることも重要です。

 

将来の変化も見据えて取り決める
子どもの成長に伴い、親子交流の内容は変わっていきます。
例えば、小学校入学、習い事が増える、塾に通う、部活動を始める、受験期などによって、これまでの内容では続けられなくなることがあります。
「子どもの年齢や生活に応じて協議し、必要があれば変更する」とあらかじめ決めておくことは、長く親子交流を続ける工夫になります。

 

迷ったときは弁護士に相談を
親子交流の時間や場所に正解はありません。子どもの年齢や生活環境、父母それぞれの事情を踏まえ、無理なく続けられる内容を考えることが大切です。
また、将来の変更も考慮しつつ、できるだけ具体的かつ現実的な内容にしておくことが望ましいでしょう。

弁護士細江智洋の事務所では、親子交流に関するご相談を承っています。詳しくは「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」をご覧ください。」をご覧ください。

 

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2026.10.10更新

離婚コラム127

 

親子交流の条件を決める際の交渉術
離婚や別居の後、親子交流(面会交流)の条件を決めるときに、「月に何回会うか」「どこで会うか」といった条件だけでなく、その話し合いの方法も重要になります。
お互いに子どものことを考えていても、希望の伝え方や交渉の進め方によっては話し合いがまとまらず、親子交流そのものが実現しにくくなることもあります。
親子交流は、子どもが離れて暮らす親との関係を維持するための大切な機会です。今回は、親子交流の条件を決める際の交渉のポイントを解説します。

 

親子交流の話し合いは子どもの利益を基準にする
親子交流の条件を話し合う際は、「自分が希望する条件」を主張するのではなく、「子どもにとって何が最も良いか」をお互いの目的にすることが大切です。
たとえば、「もっと長い時間会いたい」「宿泊を認めてほしい」という希望があっても、それが現在の子どもの年齢や生活状況に合っているとは限りません。
「子どもが安心して親子交流を続けられるか」という視点で話し合うことで、お互いに歩み寄りやすくなります。

 

合意を目指す前に相手の希望と理由を確認する
親子交流の話し合いでは、子どもと離れて暮らす親(別居親)と、子どもと一緒に生活している親(監護親)の双方が、自分の希望を通そうと譲らないでいれば、話し合いが進まなくなることがあります。
まずは相手がどのような親子交流をしたいと考えているのか、その理由まで聞いたうえで、自分の考えを伝えることが大切です。
例えば、別居親が「月に2回会いたい」と希望した理由が、「子どもとの関係を維持したい」という思いからであることが分かれば、監護親も理解しやすくなります。一方で、監護親が「月1回なら対応できる」と考える理由が、学校行事や習い事への配慮であることが分かれば、別居親も納得しやすくなるでしょう。

 

条件を否定するだけでなく代替案を示す
交渉では、相手の希望に対して「できません」と言ってしまうと、それ以上話し合いが進まなくなってしまいます。
たとえば、相手から宿泊を希望された場合でも、「今回は難しいですが、日帰りで少し長い時間会うことならできます」「もう少し子どもが成長したら改めて考えましょう」といった代替案を出すことで、解決の糸口が見つかることがあります。
相手の希望を全面的に受け入れる必要はありませんが、実現できる方法を一緒に考える姿勢を見せることが、円滑な交渉につながります。

 

将来のトラブルを防ぐため変更の可能性も考える
親子交流は一度決めたら終わりではなく、子どもの成長に合わせて見直しが必要になることがあります。
入学や進学、部活動の開始などによって生活リズムが変われば、現在の条件では続けることが難しくなる場合もあります。
そのため、「今の条件を変える必要があれば見直す」という前提で話し合うことが大切です。将来の見直しが前提にあれば、その時々の変化に応じて柔軟な対応がしやすくなります。

 

話し合いが行き詰まったときの対処法
親子交流の条件の話し合いでは、お互いに譲れない点があり、交渉が平行線になることがあります。その場合に、その日のうちに結論を出そうとすると、感情的なやり取りになり、かえって関係が悪化してしまうこともあります。
たとえば、宿泊を認めるかどうかや、長期休暇中の親子交流の回数などでお互いの意見が対立した場合、その場で結論を出そうとせず、一度時間を置くことで、冷静に考えられるようになることがあります。
それでも話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所の調停や弁護士など第三者を介して交渉を進めることで、子どもの利益を考慮した親子交流につながることがあります。

 

親子交流の条件で合意できない場合は弁護士へ相談を
親子交流の条件は、単に日時や場所を決めればよいものではありません。子どもの利益を第一に考え、お互いの希望を理解しながら交渉を進めることが、長く安定した親子交流につながります。
一方で、親同士の対立が強く、当事者だけでは話し合いが進まないこともあります。そのような場合は、早い段階で弁護士に相談することで、適切な条件や交渉のサポートを受けることができます。
親子交流についてさらに詳しく知りたい方は、「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もぜひご覧ください。

 

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2026.10.05更新

離婚コラム125

 

親子交流の合意書の作り方と注意点|後悔しないために
離婚や別居をするとき、親子交流(面会交流)について「月に1回程度会わせる」と口頭で約束するだけで済ませてしまうことがあります。しかし、実際には日時や受け渡し場所、子どもの体調不良などをめぐって認識の違いが生じることは多くあります。
親子交流は、子どもが離れて暮らす親との関係を維持する大切な機会です。後悔しないためにも、話し合った内容は合意書として残しておくことをおすすめします。
今回は、親子交流の合意書を作成する際のポイントや注意点を解説します。

 

親子交流の合意書に記載すべき内容
親子交流の合意書とは、父母が話し合って決めた親子交流の条件を書面にまとめたものです。法律上必須ではありませんが、約束を明確にし、将来のトラブルを防ぐために役立ちます。
一般的に合意書には、次のような内容を記載します。
• 親子交流の頻度
• 曜日や時間帯、交流時間
• 子どもの受け渡し場所・方法
• 宿泊の有無
• 日程変更の連絡方法
• 子どもの体調不良や学校行事への対応
• 電話やビデオ通話を行うか
• 誕生日やクリスマスのプレゼントの可否
例えば、「毎月第2土曜日の午前10時から午後4時まで、〇〇駅で子どもを引き渡す」と具体的に定めておけば、思い違いを防げます。
また、子どもの成長に伴って生活は変化するため、「事情が変わった場合は父母で話し合って見直す」といった条項を設けておくことも大切です。

 

親子交流の合意書を作成するメリット
合意書を作成する最大のメリットは、父母が約束した内容を共通認識として残せることです。
例えば、「月1回会わせる」とだけ決めていた場合では、いつの土曜日なのか、何時から何時までなのか、都合が悪い場合はどうするのかなどで意見が対立することがあります。合意書があれば、当初の条件を確認しながら話し合うことができます。
また、日程変更の方法や学校行事への対応まであらかじめ決めておけば、その都度揉めることは少なくなります。
合意書は子どもが安心して親子交流を続けられる環境づくりにもつながります。

 

合意書だけでは十分でないケースもある
もちろん、合意書を作成しただけでは十分でない場合もあります。
例えば、相手が親子交流を拒否するようになった場合、相手が連絡に応じてくれなければ、合意書だけですぐに親子交流をできるわけではありません。
また、「月1回程度、話し合って実施する」といった曖昧な内容では、日程が決まらず親子交流が見送られてしまう可能性があります。
また、合意書を作成した当時は円滑に親子交流が行われていても、その後に父母の関係が悪化し、日程変更の連絡にさえ応じてもらえなくなることがあります。父母間で解決しなければ、親子交流が続かなくなることもあります。
このような場合には、家庭裁判所の親子交流調停を利用することを検討すべきでしょう。万一、約束が守られなくなった場合も見据え、日時や交流時間、子どもの引き渡し方法などの具体的な条件を調停条項として決めておくことが重要です。

 

親子交流の合意書は弁護士に相談して作成を
親子交流の合意書は、ご家庭ごとの事情に合わせて作成することが大切です。
一見問題のない内容でも、実際に親子交流を始めると、日程調整や受け渡しの方法などで思わぬトラブルが生じることがあります。
弁護士に相談することで、ご家庭の事情に合った取り決めを検討し、将来トラブルを回避しやすい内容にすることができます。
親子交流について詳しく知りたい方は、「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もあわせてご覧ください。

 

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2026.09.30更新

離婚コラム124

 

親子交流の頻度はどう決める?子どもの成長に合わせた考え方を解説
離婚や別居の後、親子交流(面会交流)の頻度を決めても、「子どもの行事と重なった場合は振り替えるのか」「宿泊まで認めるのか」など、具体的な内容をめぐって意見が分かれることがあります。
また、子どもの成長に伴って部活動や習い事が増え、当初決めた内容では交流が難しくなることもあります。頻度を決め、時間や振替方法、送迎などを曖昧にしていると、その都度話し合いが必要となり、親同士の対立につながりかねません。
親子交流は、単に「月に何回」と決めるだけではなく、子どもの将来を見据えた内容にすることが大切です。今回は、親子交流の頻度をどのように決めれば無理なく続けられるのかを、弁護士がわかりやすく解説します。

 

親子交流の頻度に決まったルールはない
親子交流の頻度について、「月2回が標準」といった法律上の決まりはありません。
家庭裁判所でも、子どもの利益(子どもの福祉)を最優先に、それぞれの家庭の事情を踏まえて判断します。
具体的には、次のような事情が考慮されます。
• 子どもの年齢や健康状態
• 学校や習い事
• 親子がこれまでどのように関わってきたか
• 両親の住居の距離
• 子どもの意思や気持ち
そのため、同じ年齢の子どもであっても、適切な頻度は家庭ごとに異なります。

 

頻度だけでなく、将来を見据えて具体的に取り決める
親子交流の頻度は、子どもの成長や生活の変化も見据えて決めることが大切です。
子どもは成長とともに、学校生活や習い事、部活動などで予定が変わっていきます。また、親の転勤や転居などによって、これまでと同じ頻度で交流することが難しくなる場合もあります。
【具体例】
子どもが小学校低学年の頃は月2回交流していたものの、中学生になって部活動が始まり、毎月決まった土曜日に会うことが難しくなりました。そこで、「月1回を目安に双方で日程を調整する」という内容に見直したことで、子どもの生活に無理のない形で親子交流を続けることができました。
このような変化を踏まえ、「子どもの成長や生活状況に応じて見直す」「事情が変わった場合は双方で協議する」といった内容も取り決めておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。親子交流は、子どもの利益を第一に考えながら継続していくことが重要です。

 

話し合いが難しい場合は調停を利用する
親子交流の頻度について話し合いで解決しない場合は、家庭裁判所の親子交流調停を利用する方法があります。
調停では、調停委員が双方の意見を聞きながら、子どもの生活や年齢、親子関係などを踏まえて、適切な親子交流の内容を検討します。
必要に応じて、頻度だけでなく、日時や時間、引渡し方法などについても具体的に整理することができます。第三者が間に入ることで、感情的な対立が続いている場合でも、合意に至る可能性が高まります。

 

親子交流の取り決めに不安があれば弁護士へご相談ください
親子交流の頻度で大切なのは、子どもの利益を第一に考え、それぞれの家庭に合った無理のない内容を取り決めることです。
一方で、頻度だけでなく宿泊や送迎、振替方法などについて意見が対立し、話し合いが進まないことも少なくありません。そのような場合は、早い段階で弁護士に相談することで、将来の子どもの成長や変化を考慮した取り決め内容や、調停での進め方についても適切なアドバイスを受けることができます。
親子交流についてさらに詳しく知りたい方は、「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」をご覧ください。

 

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2026.09.25更新

離婚コラム123

 

住宅ローンがある場合の離婚裁判|費用・流れの注意点
住宅ローンが残っている持ち家がある場合、「離婚裁判では家のローンは誰が返済するのだろう」と不安に感じる方も多いでしょう。
住宅ローンがある場合、自宅の価値だけでなく、ローンの残額や住み続ける人は誰かなども関係するため、財産分与が複雑になりやすく、裁判が長引くこともあります。
今回は、住宅ローンがある場合の離婚裁判の流れや費用、注意点について解説します。

 

住宅ローンがあると離婚裁判で何が問題になるのか
住宅ローンが残っている自宅は、単純に「家を半分ずつ分ける」というわけにはいきません。
裁判では、主に次のような点が争点になります。
• 自宅の現在の価値(評価額)
• オーバーローンかアンダーローンか
• 自宅を売却するか、一方が住み続けるか
• 財産分与の方法
住宅ローンが残っている持ち家では、「アンダーローン」と「オーバーローン」のどちらの状態かが重要になります。
アンダーローンとは、住宅の価値が住宅ローン残額を上回っている状態です。例えば、自宅の評価額が3,500万円、住宅ローン残額が2,000万円であれば、差額の1,500万円が財産分与の対象となる可能性があります。
オーバーローンとは、住宅ローン残額が住宅の価値を上回っている状態です。例えば、自宅の評価額が2,000万円で、住宅ローン残額が2,800万円である場合です。この場合には、自宅を売却するのか、一方が住み続けるのか、住宅ローンを誰がどのように負担するのかなどを踏まえ、裁判所が財産分与の内容を判断していくことになります。

 

離婚裁判では住宅ローンをどのように判断するのか
裁判では、当事者双方が不動産会社の査定書などを証拠として提出し、自宅の評価額について主張します。裁判所は、提出された証拠をもとに評価額を認定し、その評価額を前提として財産分与の内容を判断します。また、「夫が住宅ローンを支払いながら住み続ける」「妻が自宅を取得し、住宅ローンについて金融機関の承諾を得たうえで借り換えなどを行う」「自宅を売却して売却代金を分ける」など、個々のケースに応じて財産分与の方法が検討されます。
もっとも、住宅ローンは金融機関との契約であるため、離婚裁判で財産分与が決まっただけでは、ローンの債務者や連帯保証人が自動的に変更されるわけではありません。そのため、金融機関との調整が必要になることもあります。

 

住宅ローンがあると裁判が長引くこともある
住宅ローンがある離婚裁判では、通常の財産分与よりも解決まで時間がかかることがあります。例えば、次のような事情がある場合です。
• 自宅の評価額について双方の意見が違う
• 売却するか住み続けるかで意見が対立する
• 自宅を取得する側が、相手方にどの程度の財産を渡すか争いがある
例えば、夫は「家を売却したい」と考えている一方で、妻は「子どもの生活環境を変えたくないので家には住み続けたい」と希望しているとします。このような場合には、最終的に自宅をどうするのか、その結果、他の共有財産をどう分けるのか調整が必要となり、解決まで時間を要することがあります。

 

住宅ローンがある場合の離婚裁判にかかる費用
離婚裁判で、裁判所に納める費用は次のとおりです。
• 収入印紙代(離婚請求):13,000円
• 財産分与をあわせて請求する場合:1,200円を追加(合計14,200円)
• 郵便切手代:裁判所によって異なりますが、数千円~6,000円程度
弁護士へ依頼する場合には別途弁護士費用が必要になりますが、費用体系は法律事務所によって異なります。

 

住宅ローンがある離婚裁判は早めの準備が重要
住宅ローンが残っている離婚では、自宅の評価額やローン残高だけでなく、不動産の名義、住宅ローンの契約内容、現在の返済状況、離婚後は誰か住み続ける予定なのかなど、状況を確認したうえで裁判に臨むことが大切です。
また、住宅だけでなく、預貯金や退職金などを含めた共有財産全体を見据えた財産分与になる場合もあるため、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
住宅ローンや持ち家がある場合の財産分与について詳しく知りたい方は、「弁護士による財産分与と持ち家・住宅ローンについての詳しい解説」をご覧ください。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2026.09.20更新

離婚コラム122

 

親権争いがある離婚裁判|流れと期間のポイントを解説
離婚裁判では、財産分与や慰謝料だけでなく、「親権」が大きな争点となることがあります。
また、令和8年(2026年)の民法改正により共同親権制度が始まり、現在では「共同親権にするか、単独親権にするか」が争点となる場合もあります。
今回は、親権争いがある離婚裁判の流れや期間、裁判所が重視するポイントについて、具体例を交えながら解説します。

 

親権争いが裁判になるのはどのような場合?
離婚をする際、親権について夫婦で合意できなければ、家庭裁判所の離婚調停を経て、離婚裁判で判断されることになります。

例えば、次のようなケースです。
• 父母の双方が自分を親権者にしてほしいと希望している
• 一方は共同親権を希望しているが、もう一方は単独親権を希望している
• 一方が子どもを連れて別居し、もう一方が親権を求めている
• 子どもの生活環境を変えるべきか、意見が対立している
このような場合、裁判所は父母の希望だけではなく、子どもの利益(福祉)を最も実現できるのはどのような親権の定め方かという観点から判断します。

 

親権争いがある離婚裁判の流れ
親権が争われる場合でも、いきなり裁判を起こすことは原則としてできません。
一般的な流れは次のとおりです。
1. 夫婦で話し合う
2. 家庭裁判所で離婚調停を行う
3. 調停が不成立となった場合、離婚裁判を提起する
4. 双方が主張や証拠を提出する
5. 必要に応じて家庭裁判所調査官による調査が行われる
6. 和解または判決で親権について結論が示される
親権が争点となる事件では、家庭裁判所調査官が子どもの生活状況や父母との関わりを調査することが多くあります。
調査では、父母それぞれとの面談のほか、自宅での生活状況の確認や学校・保育園などでの様子を確認します。また、15歳以上であれば原則として、子どもの意見が聞かれます。また、15歳未満であっても、年齢や発達に応じた意向の聴き取りなどが行われることがあります。

 

裁判所はどのような点を重視するのか
共同親権か単独親権かを判断する場合でも、裁判所が最も重視するのは子どもの利益(福祉)です。
具体的には、次のような事情が総合的に検討されます。
• 現在、子どもを主に養育しているのはどちらか
• 父母が子どもの養育について協力できる状況にあるか
• 父母それぞれの養育状況や監護実績
• 子どもの年齢や心身の状況
• 子どもの意思(年齢や成熟度に応じて考慮)
例えば、父母の双方が「自分が親権者になるべきだ」と主張している場合には、それぞれの監護実績や現在の生活環境などが詳しく検討されます。
一方、共同親権にするか単独親権にするかが争われている場合には、父母が離婚後も子どもの養育について適切に情報共有や話し合いができる関係にあるかといった点も重要な判断材料となります。

 

親権争いがあると裁判期間は長くなる?
一般的な離婚裁判でも解決まで1年以上かかることがありますが、親権争いがある事件では、さらに時間を要することがあります。
その理由としては、家庭裁判所調査官による調査が行われる場合や、子どもの生活状況や養育環境を慎重に確認する必要があるからです。
例えば、小学生の子どもについて父母双方が親権を希望し、それぞれが養育記録や学校との連絡資料などを提出するケースでは、調査や審理に時間がかかり、判決まで1年以上を要することもあります。

 

親権争いでは早い段階から準備が重要
親権争いでは、「裁判になってから準備する」のではなく、早い段階から状況を整理しておくことが大切です。子どもの送迎や通院の状況、学校や保育園との関わりといった記録は、後の裁判で養育の実態を示す資料となることがあります。
共同親権、あるいは単独親権のどちらが適切かについても、養育状況を踏まえて判断されるため、早めに弁護士に相談し、どのような主張や資料が必要か確認しておくことが重要です。

 

まとめ|親権争いは弁護士へ早めに相談を
親権争いがある離婚裁判では、共同親権と単独親権のどちらが適切かも含めて検討される場合があります。裁判所は子どもの利益を最も重視し、家庭裁判所調査官による調査や多くの証拠を踏まえて慎重に判断します。そのため、通常の離婚裁判よりも解決まで時間がかかることも少なくありません。
親権をめぐる争いでは、現在の養育状況や今後の生活環境などを適切に整理し、法的な観点から主張・立証することが重要です。ご自身だけで判断するのではなく、早い段階で弁護士に相談することで、具体的な助言を受けることができます。
親権や監護権についてお悩みの方は、弁護士による「親権・監護権とは?離婚後の共同親権・単独親権を弁護士が解説」もぜひご覧ください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2026.09.15更新

離婚コラム121

 

財産分与がある場合の離婚裁判|費用と期間の目安とは
離婚の話し合いがまとまらず、さらに財産分与でも争いがある場合には、最終的に離婚裁判へ進むことがあります。
「裁判になるとどのくらいの年数と費用がかかるのだろう」と不安になる方も多いでしょう。
実際には、ケースによって期間や費用は異なりますが、目安を知っておくことで見通しを立てやすくなります。
今回は、財産分与がある場合の離婚裁判について、費用や期間の目安、長引きやすい例を解説します。

 

原則としてすぐに裁判はできない
日本では「調停前置主義」が採られているため、原則として離婚裁判を起こす前に家庭裁判所で離婚調停を行う必要があります。
調停では離婚だけでなく、財産分与や親権、養育費、慰謝料などもあわせて話し合われます。
調停で合意できなければ、離婚裁判を提起し、同時に財産分与についても裁判所が判断することになります。
たとえば、自宅を売却するか意見が対立している場合や、退職金を財産分与の対象に含めるか争いがある場合は、裁判まで進むことがあります。

 

離婚裁判にかかる費用の目安
離婚裁判では、裁判所へ納める費用として主に以下の費用が必要です。
 収入印紙代:13,000円(離婚請求のみ)
 郵便切手代:6,000円程度
また、財産分与も裁判で請求する場合には、財産分与の申立にかかる手数料(収入印紙代:1,200円程度)も追加で必要になります。
弁護士へ依頼する場合には別途弁護士費用が必要になりますが、費用体系は法律事務所によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

 

解決までの期間は1年前後から2年以上になることも
離婚裁判は、比較的争いが少ない場合でも判決や和解までおよそ1年前後かかることが一般的です。財産分与の争いがある場合には、1年半から2年以上かかるケースもあります。預貯金の取引履歴、不動産の評価資料、生命保険の解約返戻金、退職金に関する資料などを双方が提出し、内容を確認しながら審理が進められるためです。資料が足りなかったり、財産の範囲について争いが続いたりすると、その分裁判も長期化しやすくなります。

 

財産分与で裁判が長引きやすいケース
【不動産の評価が争いになる場合】
持ち家がある場合には、不動産の評価額について意見が異なることもあります。
住宅ローンが残っている場合には、離婚後に売却するのか、それとも一方が住み続けるのかという点も検討しなければなりません。

【退職金が財産分与の対象となるか争いになる場合】
退職金は、将来受け取る見込みが高く、婚姻期間中の勤務に対応する部分がある場合にはまだ支給されていなくても財産分与の対象となることがあります。一方で、「まだ受け取っていないので対象ではない」「どこまでが財産分与の対象なのか」といった点で意見が分かれ、審理が長引くことがあります。

【共有財産か特有財産かが争いになる場合】
財産分与の対象となるのは、原則として婚姻期間中に夫婦が協力して形成した共有財産です。しかし、婚姻前から所有していた預貯金や相続・贈与によって取得した財産については、特有財産として財産分与の対象外となる場合があります。
婚姻前から保有していた財産かどうか争われると、通帳や契約書などの資料を確認しながら審理が進められるため、解決まで時間がかかることがあります。

 

財産分与の裁判ではどのように判断される?
例えば、婚姻期間20年の夫婦で、預貯金、自宅(土地・建物)、退職金があるケースを考えてみます。
夫は「退職金はまだ受け取っていないので対象ではない」と、妻は「婚姻期間中に形成された財産だから分けるべき」と主張したとします。また、自宅の評価額についても双方の意見が異なれば、資料の提出や主張・反論を繰り返すことになり、裁判が長期化することもあります。最終的に、裁判所が退職金の全部または一部を財産分与の対象とし、自宅の評価額も認定すれば、どちらが自宅を取得するか、代償金(夫婦の一方が住み続ける場合に他方に支払うお金)を支払う必要があるかなどが決定されます。

 

財産分与が争点となる離婚裁判は早めの相談が重要
財産分与では、「何が共有財産になるのか」「不動産や退職金をどう評価するのか」が結果を左右します。早い段階で弁護士に相談することで、財産分与の対象や評価方法について適切に主張を行い、解決を目指すことができます。
財産分与でお悩みの方は、一人で判断せず、弁護士へ相談することをおすすめします。
詳しくは、「弁護士による財産分与の詳しい解説」をご覧ください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

 

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