離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2025.12.28更新

離婚コラム75

 

共同親権がもたらすメリットとデメリット
近年、子どもを中心にした離婚後の養育のあり方が注目される中、2026年4月から「共同親権」の制度を日本でも利用できるようになります。これにより、離婚後も父母がともに親権者となる選択肢が広がり、「子どもにとってより良い環境を望めるのか」という視点がますます重要になります。
ここでは、共同親権の基本的な考え方や、実際に選択する際のメリット・デメリットを、分かりやすく解説していきます。

 

■共同親権とは?
共同親権とは、離婚後も父母が一緒に親権を持つ制度です。親権とは、子どもの生活や教育に関する重要な決定をする「身上監護権」と、財産の管理、法律行為を代理する「財産管理権」があります。
これまでは、離婚後は父母のどちらか一方が親権者となる「単独親権」が原則でしたが、新たな法律では家庭の状況に応じて共同親権を選ぶことが可能になります。

 

■共同親権のメリット
①子どもが両親から継続して愛情を受けられる
父母の双方が責任を持つことで、子どもが「どちらか一方に置いていかれる」という心配を感じにくくなります。離婚後も父母が協力して子育てを続けられれば、子どもにとって安心できる環境が整います。
②重要な決定を一緒に話し合って進められる
子どもの学校、医療、住居など、両親で相談して決められます。片方の判断だけで進めることが少なくなるため、「後から知らされて困った」というトラブルを避けられます。
③親自身の精神的な負担が軽くなることもある
一人で育てるプレッシャーが軽くなり、協力し合うことで生活の安定が得られるケースもあります。特にお子さんが小さく仕事と子育ての両立が難しい場合には、二人で子育てに関わるメリットが大きいと感じる方もいます。

 

■共同親権のデメリット
①父母間で意見が合わないと決定が進まないことがある
大きな決断が必要なときは常に相談しなければならないため、考え方の違いによって話し合いが長引き、判断が遅くなる…という事態も起こり得ます。
②連絡を取り合うストレスが生じやすい
離婚の際に感情的な対立が強い場合、その後も冷静に話し合うことが難しいこともあります。「会いたくないのに連絡を取らなければならない」という負担につながることもあるため、父母の関係は重要なポイントです。
③子どもの生活が不安定になってしまう可能性
父母の話し合いが進まないと、子どもに関する大事な決断ができないことがあります。
たとえば、
• 学校でトラブルがあって転校する必要があるのに、父母の意見が合わず学校を決められない
• 子どもが病気になって手術を勧められたのに、片方が反対して治療が遅れてしまう
といったケースです。
このように方針がまとまらない状態が続くと、子どもは先の見通しが立たず不安になります。共同親権を選ぶ際は、父母の話し合いが負担なくできるかどうかが、とても大切なポイントになります。

 

■共同親権が向いているケース・向いていないケース
共同親権が上手く機能するのは、父母が「子どものために協力しよう」という気持ちを持ち続けられる場合です。
一方からDVやモラハラを受けている場合や、父母の間に強い対立がある場合は、連絡を取り合うこと自体が負担になり、かえって子どもの生活が不安定になることもあります。そのため、家庭裁判所は子どもの利益を最優先して、共同親権が適切かどうかを慎重に判断します。

 

■選ぶ際に大切なポイント
共同親権を選ぶ前には、次のような点を話し合っておくと安心です。
• 連絡の取り方(メール・アプリ・第三者を介するなど)
• 教育・医療に関する考え方
• 緊急時の対応ルール(入学手続きや医療など)
• 面会交流の方法や頻度
特に、必要な連絡を無理なく取り合えるかどうかは、とても重要な判断材料になります。

 

■迷ったときは弁護士に相談を
共同親権は家庭にとって選択肢が広がり良い形になり得ますが、すべての家庭に向くとは限りません。お一人で悩まず、弁護士に相談することで、今の状況に合った解決策が見つかることも多くあります。
共同親権の制度について詳しいページはこちらをご覧ください。

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2025.12.25更新

離婚コラム74

 

面会交流と親権の関係 | 離婚後の子どもを守る基本知識
離婚を考えている方や、別居を始めたばかりの方から、
「親権がないと子どもに会えないのでは?」というご相談をよくいただきます。
お子さんのことを大切に思うからこそ、離婚後の生活がどうなるのか心配になるのは当然です。
そこで今回は、面会交流と親権の関係性について、できるだけ丁寧に、分かりやすくお伝えします。基本的な仕組みを知っておくことで、今後の見通しが立ちやすくなります。

 

■ 親権とはどんな権利?
「親権」とは、子どもの生活を守り育てるための大切な権限のことです。教育の方針を決めたり、医療に関する判断をしたりと、子どもの成長に大きく関わる責任です。
また、親権とは別に、実際に子どもと一緒に暮らし、日々のお世話を行う「監護権」という考え方もあり、ご家庭の事情によっては親権と監護権を分けることもあります。

 

■ 面会交流とは?
「面会交流」とは、別々に暮らす親子が、会ったり連絡を取り合ったりすることをいいます。
会うだけでなく、電話やSNS、手紙やメッセージのやりとりなど、子どもの気持ちに合わせてさまざまな方法が選べます。
近年は、子どもが両方の親と関係を維持することがより重視されるようになり、面会交流は離婚後の子育てに欠かせないものとなっています。

 

■ 親権と面会交流は別の問題です
結論からお伝えすると、
親権が無くても、子どもに会えないわけではありません。
親権と面会交流は別々に考えられています。
裁判所は、子どもの安全が脅かされるような特別な事情がない限り、面会交流は行う方向で判断します。


■ 面会交流が制限されることもある
とはいえ、どの家庭でも同じように面会交流が進むわけではありません。例えば、
• 子どもが強く拒否している
• 面会交流をすることによって子どもが精神的に不安定になる可能性がある
• もともと暴力や虐待が疑われる
• 子どもを連れ去る可能性がある
こうした場合には、面会の方法を工夫したり、一定期間面会交流を控えたりする場合あります。判断の基準になるのは、いつでも子どもの利益です。

 

■ 面会交流の決め方と進め方
面会交流は、基本は父母の話し合いで決めますが、別居や離婚を前提とした話し合いでは話がまとまりにくいことがあります。
そのようなときには、次のような方法があります。
● 調停で第三者に入ってもらう
家庭裁判所の調停を利用すれば、調停委員が間に入り、双方の意見を整理しながら無理のない形を一緒に考えてくれます。
● 子どもの成長に合わせた柔軟な対応
幼いお子さんであれば短時間の面会交流にしたり、小学生以上なら予定を踏まえて月に数回にしたり、年齢にあわせた方法が大切です。
● 支援機関の利用
連れ去りが心配な場合や、両親が顔を合わせるのが難しい場合には、NPOなどの支援団体や、子育て支援センターなどの第三者機関を利用することができます。

 

■ 2026年4月から共同親権が選択可能に
法律改正により、2026年4月から共同親権を選べる制度が始まります。
共同親権は、離婚後も父母が共に子どもの大切な決定に関わる制度です。
ただし、日々の子どもの世話を父母のどちらかが主に担う点は変わらないため、離れて暮らす親との面会交流は今後も非常に重要です。
両親が協力して子どもの養育に関わる考え方が広がることで、面会交流も、より慎重に考えられるようになると思われます。

 

■ 困ったときは弁護士のサポートを
面会交流はお子さんの気持ちが大切ですが、親同士が冷静に話し合うことができない時期に決めるのは簡単ではありません。
調停や話し合いが負担に感じるときは、弁護士がサポートすることで進めやすくなります。
不安を抱えたままにせず、どうか一人で悩まないでくださいね。
面会交流の仕組みや注意点をさらに知りたい方はこちらもご覧ください。
→面会交流についての解説ページ

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
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2025.12.22更新

離婚コラム73

 

【2026年施行・共同親権対応版】離婚後の親権はどちらに?選び方と決め方
離婚を考えるとき、お子さんの親権を「どちらが持つのか」は、大きな心配のひとつです。
「母親は有利なの?」「父親では不利?」「どうやって決まるの?」といった疑問や、2026年4月より施行される新しい法律で「共同親権」が選べるようになり、「共同親権」についてのお問い合わせも増えています。
ここでは、法改正で変わる親権の基本的な仕組みと、離婚後に親権をどのように決めていくのかを、なるべく分かりやすくご説明します。

 

■ 親権とは? 2024年の法改正で「共同親権」が選択可能に
親権とは、 未成年のお子さんの利益のために生活・財産を守る権利と義務 のことです。
大きく分けると、以下の2つの役割があります。
• お子さんの生活を日々支える「監護・教育」
• お子さんの財産を管理し、法律上の手続を行う「財産管理・法律行為」
婚姻中は父母が共同で親権を行使しますが、これまでの法律では、離婚後は父母のどちらか一方のみが親権者となる「単独親権」が原則でした。 今後は、改正民法により、離婚後も父母双方が親権者となる「共同親権」も選択できるようになります(2026年4月施行予定)。

 

■ 【法改正後】離婚時に親権を決める方法
① 協議離婚の場合=父母の話し合いで選択する
父母が話し合い、その協議によって「共同親権」とするか、「単独親権」とするかを定めることができます。各家庭の状況に応じて選択する形となります。ただし、話し合いが難しいケースも多くあります。感情的になりやすい問題ですので、第三者である弁護士に相談することで、落ち着いて判断できることもあります。
② 調停・裁判で決める場合=家庭裁判所が判断する
話し合いでまとまらなければ、家庭裁判所で調停を行い、それでも合意に至らない場合は裁判官が審判により親権者を決定します。その際、裁判所は、父母と子との関係、父と母との関係など、あらゆる事情を「子の利益」の観点から考慮して、「共同親権」とするか、「単独親権」とするかを判断します。

 

■ 単独親権が決まる判断ポイント
裁判所は、以下のいずれかに該当する場合には、必ず単独親権を定めなければならないとされています。
① 虐待やDV(身体的暴力を含む)のおそれがある場合
② 父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき
③ 父母の一方が他方から身体的暴力や、それに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動
④ その他、共同親権が子の利益を害する場合
⑤ 上記以外にも、夫婦関係で意思疎通ができず、父母双方を親権者と定めることで子の利益を害すると認められるとき

 

■「共同親権」の具体的な内容と注意点
①日常の監護のあり方
(一方が担う場合)共同親権は「父母が常に同じように子どもの世話をすること」や、「共同監護(子どもが両方の家を行き来する)」を意味するものではありません。
実務上は、子どもと同居する一方の親が、日常の監護を主として担う形が多く見られます。
(分担する場合)父母の協議により、「監護の分掌」として、監護の内容や役割を父母で分担することも可能です。
たとえば、
・一定の期間ごとに監護を担当する親を分ける
・教育に関する事項を一方の親に委ねる
といった形がこれに当たります。
日々の食事や身の回りの世話などの日常の行為や、子の利益のための急迫の事情がある場合(緊急の医療行為や危険からの避難など)は、その場で監護を担当している親が単独で判断・対応することができます。
②重要な決定は父母が共同で行う
進学先の選択、転居先の決定、生命に関わる医療行為など、子どもの生活における重要な事項は、父母が共同で決定します。
③父母の意見が合わない場合
父母の協議がまとまらないときは、家庭裁判所に申し立て、その重要な事項について単独で決めることができるよう定める手続きもあります。

 

■ 親権と監護権を分ける方法もあります
改正法が施行された後も、状況によっては「親権をもつ親」と「実際に子どもを育てる親(監護者)」を分けることができます。
例えば、共同親権とした上で、母を「監護者」と定めたときは、母が日常の行為(食事の世話など)だけでなく、子どもの教育や住居の決定などを単独で行えるようになります。
ただし、父母の協力が一層必要になるため、慎重に判断が必要です。

 

■ 親権を決めるときに大切なこと
親権は「どちらの親が親権を勝ち取るか」という問題ではありません。
法改正により選択肢が増えましたが、いちばん大切なのは お子さんが安心して成長できる環境を守ること です。不安な気持ちがあるときは、一人で抱え込まず、早めに弁護士に相談していただくと安心して進められます。親権の仕組みや裁判所の考え方をふまえ、新しい制度の下でどの形がご家庭にとって最善なのか、最善の選択を一緒に考えることができます。

離婚後の親権についてさらに詳しく知りたい方は、親権・監護権の解説ページもご覧ください。

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2025.12.19更新

離婚コラム72

 

親権変更は可能?知っておきたい条件と手続き
離婚後、「最初に決めた親権を変えたい」というご相談は珍しいことではありません。
子どもが成長して生活が変わったり、親権者の環境に変化があったりすると、今のままで良いのかと不安になることはあるでしょう。
ただし、親権の変更は簡単ではなく、必ず家庭裁判所の判断が必要です。ここでは親権変更が認められる条件と手続きの流れを、初めての方にも分かりやすくご説明します。

 

1.親権変更はどんなときに認められるの?
親権変更が認められるのは、「今の環境のままでは子どもの生活が安定しない」「親権を変えた方が子どものためになる」と裁判所が判断した場合です。一般的には次のようなケースがあります。
● 親権者が十分に養育できなくなった場合
病気や精神的な不調、生活環境の悪化などで子どもの世話が難しくなったときは、親権変更が検討されます。
● 子どもの意向がはっきりしてきた場合
子どもの年齢が上がり、自分の考えをしっかり伝えられるようになると、その意向が判断材料になることがあります。
● 子どもの環境に問題がある場合
しつけが厳し過ぎている、学校生活が規則正しく送れていないなど、子どもの生活に不安があると認められると、親権変更が必要となる場合があります。

 

2.親権変更の手続きはどう進むの?
親権変更は、両親の話し合いだけでは決められません。家庭裁判所での手続きが必要になります。
【1】親権者変更調停の申し立て
まず調停を申し立て、調停委員が両親の話を聞きながら解決を目指します。
【2】合意できない場合は審判へ
調停がまとまらない場合、審判に移り、裁判官が最終的にどちらが親権者として適切かを判断します。
【3】調査官による調査が入ることも
子どもの生活状況を把握するため、家庭裁判所調査官が家庭訪問や面談を行う場合があります。

 

3.2026年4月から始まる共同親権制度について
2026年4月からは、離婚後も父母がそろって子どもの親権を持つことができる共同親権が選べる制度が導入される予定です。
ただし、父母が協力して子どもを育てられるか、子どもの生活が安定するかなどが慎重に判断されます。
制度施行後は、
• 単独親権から共同親権へ変更したい
• 共同親権が難しくなり単独に戻したい
といった相談も増えると考えられます。
共同親権には良い面もある一方で、大事な決定が進みにくいなどの注意点もありますので、どの形が子どもにとって一番良いのか慎重に考えることが大切です。

 

4.親権変更を考えるときのポイント
● 子どもの環境が安定するかを検討する
住居・学校・周囲のサポートなど、子どもが安心して暮らせる環境を整えることが重視されます。
● 親権者ではない立場の方も日頃の養育状況を記録しておく
現在は親権者でなくても、実際にお子さんの生活を支えている場合は、
「どのように世話をしてきたか」「どれほど関わってきたか」
といった事実を記録しておくと、裁判所の判断材料になります。
● 今の親権者の養育状況に心配があるときは事実を伝える
たとえば、
• 不規則な食事や生活リズムが続いている
• 学校を欠席しているときが多い
• 家庭内で落ち着かない様子が見られる
など、子どもの生活が安定していない様子が見られる場合は、落ち着いて状況を伝えることが大切です。裁判所は、どちらの環境が子どもにとって安定しているかを基準に判断します。

 

5.一人で悩まず、早めに相談を
親権に関する問題は難しく、家庭だけで解決しようとすると混乱しやすいものです。弁護士が関わることで、手続きが整理され、子どものために最適な判断がしやすくなります。
親権や監護権について詳しく知りたい方は、
弁護士細江智洋の親権・共同親権の解説ページを参考になさってください。
お子さまが安心して暮らせる環境を一緒に考えていきましょう。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2025.12.16更新

離婚コラム71

 

不倫が分かったとき、不倫相手に慰謝料を請求したいけれど、まず何をすればいいのか分からないというご相談を多くいただきます。
実は、慰謝料請求の第一歩としてとても大切なのが、不倫相手に対して“慰謝料請求書”を送ることです。文書としてきちんと意思を伝えることで、その後の交渉が進みやすくなり、紛争も避けられます。
ここでは、不倫相手に送る場合を前提として、弁護士の視点から分かりやすく解説します。

 

■ なぜ不倫相手に慰謝料請求書を送るの?
不倫(不貞行為)は、あなたに精神的苦痛を与える“違法な行為”です。
そのため、不倫相手には法律上の慰謝料支払い義務があり、あなたは直接、不倫相手に請求できます。
また、実務上では次の理由で、不倫相手に請求書を送るケースが最も多いです。
• 配偶者とは離婚協議とまとめて話し合う場合が多い
• 不倫相手のほうが交渉を進めやすい
• 配偶者の態度に左右されず、手続を進めやすい
まずは不倫相手の責任を明確にする意味でも、書面で請求することが効果的です。

 

■ 慰謝料請求書に書くべき内容(不倫相手向け)
難しい専門用語を使う必要はありません。次の項目を押さえて書けば、十分に意思が伝わります。
① あなたの氏名・住所
誰からの請求なのかを明確にします。
② 不倫相手(相手方)の氏名・住所
正確な氏名・住所を記載します。相手の住所が分からない状態では送付できませんので、
事前に配偶者へ確認する、弁護士に調査を依頼するなどして、
必ず正しい情報を把握してから作成・発送しましょう。
③ 不倫の事実と精神的苦痛
長文である必要はありません。
例:「あなたは私の配偶者と不貞関係にあり、私は大きな精神的苦痛を受けました。」
④ 請求する慰謝料の金額
例:「慰謝料として150万円を請求します。」
※慰謝料の相場は状況により大きく金額が異なるため、不安な場合は弁護士へご相談ください。
⑤ 慰謝料の支払い期限
例:「本書面到達後14日以内にお支払いください。」
⑥ 振込先の記載
銀行名・支店名・口座番号を明記します。
⑦ 期限までに支払いがない場合の方針
例:「ご連絡やお支払いがない場合、法的手段を検討せざるを得ません。」
強く聞こえるかもしれませんが、このような表現で問題ありません。

 

■ 送付方法は「内容証明郵便」が安心
不倫相手に慰謝料を請求する場合、内容証明郵便で送ることが一般的です。
理由は次のとおりです。
• 郵便局が送った日付と内容を証明してくれる
• 時効対策として有効(“催告”として機能)
• 相手が「受け取っていない」と言えない
• 裁判になった場合、証拠として使用できる
普通郵便では残らない請求したという証拠がしっかり残るため、安心して手続を進められます。

 

■ 不倫相手へ送るタイミングはいつ?
慰謝料請求には時効(通常は不貞を知ってから3年)があります。
そのため、次のような状況では、早めに送ることが大切です。
• 不倫の証拠が手元にある
• 不倫相手が連絡を避けている
• 配偶者が不倫を認めず話が進行しない
• 離婚を検討しており、早く準備を進めたい
一方、「配偶者との関係修復を第一に考えている」といった場合は、送付したことによって関係修復の空気が壊れてしまう可能性もあるので、送付の時期を慎重に決めた方が良いこともあります。
ご心配な場合は、一度弁護士に相談すると安心です。

 

■ 不倫相手からの反応がない場合の対応
請求書を送っても、相手が
• 無視する
• 支払いを拒否する
といったケースもあります。
その場合には、
• 弁護士による交渉
• 慰謝料請求の調停
• 訴訟(裁判)
といった次のステップへ進むことになります。
不倫相手への対応は感情的になるため、大きなストレスになる方がほとんどです。弁護士に入ってもらうことで直接のやり取りがなくなり、精神的な負担がかなり軽くなります。

 

■ まとめ:不倫相手への慰謝料請求は、まず“きちんと伝えること”から
不倫相手に慰謝料を請求する際には、
正確な文面で、適切なタイミングで請求書を送ることが大切です。
文面次第では交渉がスムーズに進むこともあれば、不要なトラブルを避けられることもあります。
弁護士細江智洋の事務所では、
• 請求書の文面作成
• 相手方との交渉
• 調停・訴訟の対応
など、状況に応じてしっかりサポートしております。
慰謝料についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
→ 不倫慰謝料の基礎知識
お一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談くださいね。

 

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2025.12.13更新

離婚コラム70

 

パートナーの不倫が分かったとき、誰でも心が落ち着かずどうしたらいいか悩んでしまうものです。

「このまま泣き寝入りしたくない」「きちんと責任を取ってほしい」——そう思うのは当然です。
そのようなとき、不倫相手に対する慰謝料請求という手段があります。
ただ、手続きの進め方や注意点を理解していないと、思いがけないトラブルにつながることもあります。
ここでは、不貞慰謝料を「確実に」回収するための法的手段と具体的な流れを、できるだけ分かりやすくまとめました。
不倫相手への請求を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

 

1.まず大切なのは「証拠の確保」
慰謝料を請求するためには、
不倫の事実を裏付ける証拠が非常に重要です。
たとえば、
• 不倫相手とホテルに出入りしている写真
• 不倫相手との親密なメッセージ(肉体関係の存在がうかがえる内容)
• 不倫の事実を口頭で認めたときの音声
• 探偵の調査報告書
こうした決定的な証拠があると、相手も事実を否定しにくくなり、話し合いがスムーズに進みます。
反対に、証拠が揃っていないと、「ただの友人関係です」
と主張されてしまい、慰謝料が認められないこともあります。

 

2.まずは「任意交渉」での回収をめざします
証拠がそろったら、まずは相手と話し合い(任意交渉)を行います。
一般的には、弁護士から不倫相手に「内容証明郵便」で慰謝料を請求し、支払いを求めます。
内容証明を受け取った不倫相手は、
「裁判になるかもしれない」と感じるため、
任意の話し合いで慰謝料の支払いに応じるケースは少なくありません。
▼ 任意交渉で合意するメリット
• 裁判所の手続きより早く終わる
• コストを抑えられる
• お互いの精神的な負担が少ない
任意交渉でまとまった場合は、
「必ず支払いをしてもらえるよう」公正証書を作成しておくと安心です。
公正証書には、支払いが滞ったときに強制執行できる「執行認諾文言」を付けることができます。

 

3.任意交渉で払ってくれない場合は「調停」へ
話し合いが進まない、相手から返答がない、慰謝料の金額が折り合わない──
その場合は、家庭裁判所に慰謝料請求調停を申し立てます。
調停では、裁判官と調停委員が間に入り、冷静に話し合える環境が整えられているため、
感情的になりやすい不倫問題でも、落ち着いて進めることができます。
▼ 調停でまとまったときの安心ポイント
調停が成立した場合は、裁判所で取り決めた内容を記載した調停調書が作成されます。調停調書には、判決と同じ強制力(執行力)があるため、支払いが遅れたときには強制執行ができます。

 

4.それでも支払わない場合は「裁判」へ
調停でも合意に至らない場合は、最終的に裁判(民事訴訟)で慰謝料を請求します。
裁判では、提出した証拠をもとに、不倫の事実や慰謝料の金額について判断が下されます。
裁判で慰謝料が認められれば、
勝訴判決に基づき強制執行が可能となり、相手が支払わない場合に相手の給与や銀行口座の差押えを行うことができます。

 

5.「確実に回収」するために大切なポイント
(1)確実な証拠をそろえる
不倫相手と「肉体関係があった」かどうかがポイントです。
不安な場合は、証拠の内容を弁護士に確認してもらうと安心です。
(2)支払いが不安なら、公正証書や調停調書にしておく
口約束やメールだけでは、支払いが滞ったときに強制できません。
(3)相手の収入・資産の状況を把握する
相手に払う余裕があるかどうかで、実際に慰謝料を受け取れる可能性は変わってきます。
(4)途中で連絡が取れなくなる前に、専門家に相談する
「返事が来ない」「音信不通」になると、個人での対応は難しくなります。

 

6.弁護士に依頼するメリット
「自分で交渉したら、逆に相手を刺激してしまった」
「話しても言い訳ばかりで、全然交渉が進まない」
こうしたお悩みはとても多いです。
弁護士が代理人として対応すれば、
• 法的根拠にもとづく請求
• 証拠の精査
• 適切な金額の算定
• 公正証書・調停・裁判の手続き
といった手続きを一括して任せられ、
慰謝料を確実に回収できる可能性が一段と高まります。
不倫相手への慰謝料請求をご検討している方は、こちらのページもご参考になさってください。
→ 不倫相手に慰謝料を請求したい方へ

 

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2025.12.10更新

離婚コラム69

 

配偶者の不倫が発覚したとき、「こんなにつらい思いをしたのだから慰謝料を請求したい」と考えるのは自然なことです。とはいえ、いざ行動しようとすると、必要な手続きや注意点が分からず不安を抱える方も多いものです。
ここでは、不倫相手を相手方として慰謝料を請求する場合の流れや注意点、そして請求手続きをスムーズに進めるためのコツを簡単にまとめました。

 

■ 不倫相手に慰謝料を請求できるのはどんな場合?
慰謝料請求には「不貞行為」が前提となります。
「不貞行為」とは、配偶者以外の方と自由な意思で肉体関係を持つことを指します。
不倫相手に対して慰謝料を請求できるのは、次のような場合です。
• 不倫相手が、あなたの配偶者が既婚者であると知っていた(または知ることができた)
• (肉体関係の存在をうかがわせる)不倫の事実が証拠で確認できる
不倫相手が「既婚とは知らなかった」という主張をしてくるケースがありますが、こういった場合、メッセージの内容や行動から“知り得た”と判断されることが多くあります。

 

■ 慰謝料を請求する方法
不倫相手への慰謝料請求には、次の方法があります。
① 任意交渉
まずは話し合いで慰謝料の金額や支払い方法を決める方法です。
話し合いが成立すれば、もっとも負担が少なく早期解決が望めます。
② 内容証明郵便で正式に請求する
「法的に責任を求めます」という意思を明確に文書で示す手続きです。
内容証明は心理的にも大きな影響を与えるため、早い対応を促す効果があります。
③ 調停・訴訟
交渉が難しいときは家庭裁判所で調停を申し立てます。
それでも解決しなければ、訴訟で裁判所の判断を求める流れとなります。

 

■ 不倫相手への請求をスムーズに進めるための3つのコツ
1. 証拠はできるだけ早く保存する
不倫相手に慰謝料を請求するうえで、証拠は一番重要なポイントです。
• 不倫相手とのメッセージのやり取り
• 不倫相手との写真や動画
• 不倫相手と一緒にホテルを出入りする事実が分かる資料
• 不倫している事実がうかがえるSNS上の投稿内容
このような客観的な記録がひとつでもあると、相手が否定しにくくなり、話し合いがスムーズに進みます。
証拠は時間が経つほど消されてしまうことも多いため、不倫に気づいた段階で保存しておくことが大切です。

 

2. 交渉は“感情的にならない”ことが大切
不倫相手への憤りや裏切られたという気持ちが強く、どうしても辛辣な言葉をぶつけたくなる気持ちが抑えられないでしょう。
しかし、不倫相手との交渉では 「冷静さ」が成功の鍵 になります。
• 必要な事実だけを落ち着いて伝える
• 希望する金額や内容を事前に整理しておく
• 相手の態度に振り回されない
これだけでも、話し合いがまとまりやすくなります。
また、直接連絡を取りたくない場合や、相手が強硬に反論してくる場合は、弁護士に交渉を頼むことで負担を大きく減らすことができます。

 

3. 時効に気をつける
不倫相手への慰謝料請求にも時効があります。一般的には、
「不倫の事実と不倫相手を知ったときから3年」
が基本です。
時効を過ぎてしまうと、相手に「時効です」と主張され、請求が認められなくなる可能性があります。
また、時間が経てば証拠を手に入れるのも難しくなります。
• 迷ったら早めに弁護士に相談する
• 必要に応じて内容証明で時効を止める
このような対策が、不倫相手への請求をスムーズに進めるために大切です。

 

■ 弁護士に相談するメリット
不倫相手への慰謝料請求は、証拠の確認、書面作成、交渉など、専門的な判断が求められる手続きが多くあります。
弁護士に相談すると、
• 必要な証拠を揃えるためのアドバイスを受けられる
• 相手方に請求できる適切な金額が分かる
• 不倫相手との交渉をすべて任せられる
• 調停・裁判になっても継続してサポートを受けられる
といったメリットがあります。


弁護士細江智洋の事務所では、不倫相手への慰謝料請求に関するご相談を多くお受けしています。
「証拠が十分か不安」「まず何を進めたらいいか分からない」という段階でも、気軽にお声がけください。
不倫相手への請求に特化した解説は、こちらのページでもご案内しております。
→ 不倫相手に慰謝料を請求したい方へ

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2025.12.07更新

離婚コラム68

 

パートナーの不倫を知ったときのつらさは計り知れません。「何から始めればいいのか」「証拠はもっと必要?」と不安を感じる方も多いと思います。ここでは、不貞慰謝料を請求するための手続きと、特に気をつけたいポイントについて具体例を交えて分かりやすくご説明します。

■ 不貞行為とは? 慰謝料の対象になるケース
“不貞行為”とは、配偶者以外の相手と自由意思で肉体関係を持つことを指します。
ホテルの出入り写真のような決定的な証拠がなくても、深夜に2人で外出している様子の写真や、親密な内容のメッセージのやり取りでも不貞行為を推測できる場合があります。

 

■ 慰謝料請求の流れ
1. 証拠の整理・収集
 例:LINEのメッセージのスクリーンショット、クレジットカードの利用履歴(ホテル・飲食代)、スマホの位置情報の記録など。
2. 内容証明郵便での請求
 例:「不貞行為により精神的損害を受けたため慰謝料を支払ってください」という内容を正式な方法で不倫相手に文書を送る手続きです。
3. 交渉(話し合い)
 例:慰謝料の額を決め、分割払いを希望する場合は月々の支払額を決めます。
4. 裁判所での手続き
 交渉が難航した場合に調停や訴訟で解決を図ります。

 

■ 慰謝料請求で特に気をつけたい注意点(具体例つき)
① 消滅時効に注意すること
例:「1年前には不倫相手を知っていたが、気持ちの整理がつかず何もしていなかった」という場合でも、時効は進んでしまいます。不倫相手の名前や住所などの情報を知ってから3年経つと、請求が難しくなる可能性があります。
② 感情的な連絡を避けること
例:感情のままに「許さない」「会社に言いふらす」など厳しい言葉を送ってしまうと、相手が警戒して話し合いが進まなくなることがあります。
できるだけ短いメッセージで冷静にやり取りする方が安全です。
③ 証拠の扱いに注意すること(違法な取り方は危険)
例として、次のような方法で証拠を集めることは違法になり逆にトラブルの原因になります。
• 相手のスマホを勝手に開いてパスコードを解除し、中身をコピーする
• ICレコーダーを相手のカバンや車に勝手に仕込んで録音する
• LINEのログイン情報を無断で使ってメッセージを保存する
これらは相手から「プライバシー侵害だ」と責められ、慰謝料を請求されるリスクもあります。
証拠を集める方法に迷う場合は、一度弁護士に確認すると安心です。
④ 夫婦関係の状況を整理しておくこと
例:不倫する前に何度も別居していた、夫婦関係がすでに破綻していたと判断されると慰謝料が下がることがあります。
日頃から「いつ頃から夫婦仲がどうだったか」を簡単にメモしておくと役に立ちます。
⑤ 不倫相手への請求は慎重に
例:不倫相手が「既婚者だとは知らなかった」場合、慰謝料請求が難しくなるケースがあります。
不倫相手が結婚の事実を知った上で不倫していたかどうかを確認しながら進めることが必要です。

 

■ 一人で抱え込まず、専門家に相談を
不倫の問題は精神的な負担が大きく、冷静な判断ができないこともあります。弁護士にご相談いただければ、証拠の整理や今後の見通しを一緒に考えることができ、安心して進められます。
弁護士細江智洋は、不倫慰謝料や離婚問題のご相談に数多く対応しており、状況に合った解決方法をご提案しています。
詳しく知りたい方は、こちらも参考になさってください。
➡ 不倫慰謝料のページ
つらい状況のなかでも、少しずつ前を向けるよう、丁寧にサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2025.12.04更新

離婚コラム67

 

夫婦生活がつらくなり、「しばらく距離を置きたい」「別々に暮らしたい」と感じることは、どなたにでも起こり得ることです。しかし、法律上は夫婦に「同居義務」があるため、別居を検討したときに「これって悪意の遺棄になるのでは?」と不安になられる方も多くいらっしゃいます。
ここでは、別居と悪意の遺棄の関係、離婚や慰謝料への影響を、できるだけ分かりやすくご説明いたします。

 

■ 夫婦の同居義務とは
民法752条では、夫婦は「同居し、互いに協力し扶助しなければならない」とされています。これは、夫婦が生活を共にし、助け合うことを基本とする決まりです。
ただし、どんな場合でも同居し続けなければならないわけではありません。単身赴任、家族の介護、心身の不調、家庭内で精神的な負担を受けている(いわゆるモラハラ)など、状況によっては別居が認められることがあります。

 

■ 悪意の遺棄とはどんな状態?
悪意の遺棄とは、正当な理由もないのに夫婦の協力関係を放棄してしまう行為をいいます。
たとえば次のようなケースです。
・何の連絡もなく突然家を出て行く
・家族を避けるためだけに別居を続ける
・全く生活費を負担せず家族を放置する
いずれも、夫婦として当然果たすべき責任を自ら放棄していると判断されやすく、法律上も重大な問題とされています。

 

■ 別居=悪意の遺棄ではない
多くの方が誤解しやすいのですが、別居をしたからといって必ずしも悪意の遺棄になるわけではありません
たとえば、
・相手からのモラハラがあり、身を守るための避難として別居した
・心身の不調がひどく、医者から環境を変えるようすすめられた
・相手からの暴力から子どもを守るためにやむを得ず家を出た
といった事情がある場合には、正当な理由があります。
このような状況での別居は悪意の遺棄にあたることはありません。むしろ、安全を確保するための大切な行動といえます。

 

■ どんな別居が悪意の遺棄と判断されやすいの?
次のような場合は、悪意の遺棄と評価されやすくなります。
・夫婦関係を修復する意思がなく、一方的に家を出た
・理由を説明せず、連絡も断ち、生活費も負担しない
・家庭を支える姿勢が見られないまま、一方的に離れて生活している
たとえ正当な事情があって別居した場合でも、相手に全く事情を伝えないまま家を出たり、別居後の生活の見通しを全く立てずに別居を始めてしまったりすると、誤解されてしまうかもしれません。結果として、「家庭を放置した」「理由のない別居だ」と受け取られ、悪意の遺棄だと主張される可能性もあります。
もちろん、DV・モラハラのように緊急性がある場合は準備が不十分でも仕方ありません。しかし、安全を確保できる場合には、別居前にできる範囲で準備や相談をしておくことが大切です。

 

■ 悪意の遺棄と離婚・慰謝料の関係
悪意の遺棄は、民法に定められている「離婚原因」のひとつです。
そのため、相手が「悪意の遺棄」に該当する行動をとっている場合は、離婚請求が認められやすくなります。
また、長期間の放置や生活費の不払いが続いたために、精神的な苦痛が大きい場合には、「悪意の遺棄」とみなされ、慰謝料の請求が認められる可能性があります。
相手とのトラブルを大きくしないためにも、別居に踏み切る際には慎重な判断が求められます。

 

■ 別居を考えている方へ
別居は、夫婦関係をいったん整理し、自分の心と体を守るためには大切な選択です。しかし、自分から別居した場合に法律上どうみられるか、また別居後の生活費はどう工面したらいいかなど、考えるべきことも多く、不安で踏み切れない方も多いでしょう。
・自分の別居理由は正当といえるのか
・悪意の遺棄と誤解されないための準備は何か
・別居後の生活費(婚姻費用)はどうなるのか
こうした疑問は、それぞれの状況によって答えが異なります。ひとつずつ確認しながら、着実に進めていきましょう。
別居に関する詳しい情報は、
「離婚に向けて別居を考えている方へ」のページでもご覧いただけます。


お一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。
弁護士細江智洋が、今の状況とお気持ちに寄り添いながら、最適な方法をご一緒に考えてまいります。

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
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2025.12.01更新

離婚コラム66

 

夫から暴力的な言葉を繰り返され、自分の心身がすり減っていく――。近年、「モラルハラスメント(モラハラ)」に悩み、別居を考える方が増えています。しかし、「勝手に家を出たら夫婦の同居義務違反になるのでは?」と心配で、踏み切れない方も少なくありません。
そこで今回は、夫婦の同居義務の基本と、モラハラを受けて別居する場合に違反になるのかどうか、弁護士の立場から分かりやすく解説します。別居を検討する場合に知っておきたい注意点も紹介しますので、別居を検討している方は、最後まで目を通してみてください。

 

■夫婦には「同居義務」があるが、例外も認められる
民法752条には、夫婦は「同居し、互いに協力・扶助しなければならない」と定められています。一見すると、「家を出る=法律違反」と思われがちですが、実は 正当な理由があれば別居は認められる とされています。
この「正当な理由」には、暴力や浮気だけでなく、暴言や人格否定など、精神的なモラハラも含まれます。
相手の言動によって精神的に追い詰められ、家庭生活が苦しくなるような場合、別居は十分に正当と見なされます。

 

■モラハラ夫から逃れるための別居は同居義務違反ではない?
モラハラを受け続けている場合は、精神的にも身体的にもつらい状態が続くこともあります。
例えば
・無視を続ける
・人格を否定する
・家事のやり方や生活費の使い方を一方的に指示される
・どこにいるのか携帯を常に確認される
といった行為は、精神的DVとして扱われることもあります。
これらが日常的に行われている場合、心身の安全を守るための別居は「正当な理由のある別居」 と判断されやすく、同居義務違反を問われることは通常ありません。
相手から「家を出たのはお前が悪い」「同居義務違反だ」などと言われたとしても、そのような主張は法的にみれば根拠がないことがほとんどです。

 

■別居を考えるときに大切なポイント
モラハラから距離を置くために別居することは有力な手段ですが、できるだけ慎重に進めることが大切です。次の点を心がけてください。
① モラハラの言動の記録を残す
モラハラの言動の内容をメモや日記、LINE、動画などで記録しておくと、「正当な理由」であることを説明しやすくなります。
② 安全を最優先に
別居したときの相手の反応が怖い場合は、家族・友人・シェルターなど安全な場所に避難しましょう。必要に応じて警察や自治体の相談窓口も利用できます。
③ 生活費(婚姻費用)の請求も可能
別居してもまだ離婚していない間は、生活費を分担する義務があります。
夫の方の収入が多いにもかかわらず、夫が生活費を渡さない場合、法的に請求できる場合も多くあります。
④ 別居後の見通しを整理しておく
別居は夫婦関係の悪化である証拠でもあり、別居をきっかけに離婚が進展することがあります。
離婚に際して親権、財産分与、養育費など、先のことを早めに検討しておきましょう。

 

■弁護士に相談すると何が違う?
・別居の正当性は何か
・別居の理由としてどんな証拠が必要か
・別居後の生活費をどう確保するか
・相手が強く反発してきた場合にどう対応するか
など、一つひとつ丁寧にアドバイスできます。
また、夫と直接やり取りをしなくて済むため、精神的に楽になります。夫との話し合いでこれ以上我慢し続ける必要はありません。

 

■つらい状況から一歩踏み出すために
モラハラは外から目につきにくく、「自分さえ我慢すれば…」と抱え込んでしまい、気づかないうちに心も体も深く傷ついていることは多くあります。
別居は、決して「逃げ」ではなく、自分や子どもを守るための大切な選択です。
状況に応じた最適な対応方法をご提案し、安全に別居できるようにサポートいたします。
別居の流れや注意点をまとめたページもご用意していますので、ご覧ください。
→ 離婚に向けて別居を考えている方へ
モラハラにお悩みの方は、一人で抱え込まず、何なりとご相談ください。弁護士細江智洋が丁寧に状況をお伺いし、最適な方法をご一緒に考えてまいります。

 

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