離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.02.05更新

離婚コラム88

 

暴言・モラハラ・経済的DVでも慰謝料は請求できる?
「殴られたわけではないけれど、毎日のように暴言を投げかけられてきた」
「生活費を渡してもらえず、常に家計のことで責められてきた」
このようなご相談は、近年とても増えています。
暴力がなくても、長年にわたって精神的な苦痛を受けてきた場合、慰謝料の問題になることがあります。

 

暴言・モラハラ・経済的DVは慰謝料の対象になる?
法律上、慰謝料は「不法行為」によって精神的苦痛を受けた場合に認められます。
不法行為というと、暴力や不貞行為を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、言葉や態度、経済的な締め付けによる精神的な攻撃であっても、その内容や程度によっては不法行為と判断されます。
たとえば、
• 「誰のおかげで生活できていると思っている」といった人格を否定するような暴言を繰り返されていた
• 無視や威圧的な態度、強い口調で責める言葉が長期間続いていた
• 生活費をほとんど渡されず、日常生活が制限されていた
このような行為が継続し、心身に大きな負担が生じている場合は、慰謝料請求が検討できます。

 

慰謝料の判断で重視されるポイント
暴言やモラハラ、経済的DVの場合、一度きりの出来事か、長期間続いていたかが重要になります。
日常的に繰り返され、逃げ場のない状態に置かれていたかどうかが、判断の大きなポイントです。
行われていた期間、内容の悪質さ、夫婦関係や心身への影響などを総合して、慰謝料の可否や金額が判断されます。

 

暴言・モラハラ・経済的DVでも証拠が重要になります
暴言やモラハラ、経済的DVは、目に見える傷が残りにくいため、そのときの状況を示す証拠が特に重要になります。
たとえば、
• 侮辱するような言葉が残っているLINEやメール
• 暴言や怒鳴り声を録音したデータ
• いつ、どのようなことを言われたか、生活費を渡されなかった状況を書き留めた日記やメモ
• 生活費をほとんど渡されていないことが分かる通帳や家計の記録
• 強いストレスによる不眠、不安、体調不良で受診した際の診療記録や診断書
これらを組み合わせることで、行為の継続性や深刻さが伝わりやすくなります。
「こんなものでも意味があるのだろうか」と思うものでも、後から重要な証拠になることがあります。

 

慰謝料が増額される場合とは
慰謝料の金額は一律ではありません。
次のような事情がある場合、精神的苦痛が大きいと評価され、慰謝料が増額される可能性があります。
• 暴言やモラハラが特に悪質だった
• 人格や存在を否定する期間が長期にわたっていた
• 経済的DVによって日常生活がまともに送れていない状態だった
• 精神的な苦痛から通院や服薬が必要になった
また、配偶者が自らの問題行為を認めず、反省の態度を示さない場合も、交渉や裁判の中で不利になることがあります。

 

一人で抱え込まず、早めの相談を
暴言やモラハラ、経済的DVは、「これくらい我慢すべき」「自分が悪いのかもしれない」と思い込んでしまいがちです。
しかし、心の負担が積み重なれば、眠れなくなったり、体調を崩したりするなど、日常生活に影響が出てきます。
慰謝料を請求できるかどうかは、個別の事情によって異なります。
離婚を考えている方も、まだ迷っている段階の方も、早めに状況を整理することが大切です。

離婚に伴う慰謝料について、より詳しく知りたい方は、
▶ 離婚慰謝料についての解説ページ
も参考になさってください。
つらい状況の中で、少しでも前向きな一歩を踏み出すために、専門家の力を借りることも大切な選択肢です。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2026.02.02更新

離婚コラム87

 

夫婦関係の悪化…離婚慰謝料を請求できるのはどんなとき?
「長年のすれ違いで夫婦関係が冷え切ってしまった」
「相手の暴言や態度がひどく、もう一緒に暮らしていけない」
そのような状況で、「離婚に加えて相手に慰謝料を請求できるのだろうか」と悩まれる方は多くいらっしゃいます。
ただ、夫婦関係が悪化したからといって、必ずしも離婚慰謝料が認められるわけではありません。
慰謝料が認められるかどうかは、離婚に至った経緯や、その責任がどちらにあるのかによって判断されます。
ここでは、離婚慰謝料が「認められるケース」「認められないケース」を中心に、分かりやすくご説明します。

 

離婚慰謝料とは
離婚慰謝料とは、配偶者の行為によって精神的な苦痛を受けた場合に、その損害を金銭で補うものです。
つまり、離婚に至った原因が相手に法律上の責任があるといえるかどうかです。

 

離婚慰謝料の請求が認められる主なケース
① 不貞行為(不倫・浮気)があった場合
配偶者が配偶者以外の異性と肉体関係を持った場合は、典型的な慰謝料請求の対象です。
婚姻関係を侵害する行為として、比較的認められやすいケースといえます。
② 暴力(DV)や精神的な虐待があった場合
殴る・蹴るといった身体的な暴力だけでなく、長期間にわたる暴言や人格否定などの精神的DVも含まれます。日常的な恐怖や強い精神的苦痛を受けていたと判断されれば、慰謝料が認められる可能性があります。
③ 正当な理由のない別居や生活費を渡さない行為
一方的に家を出て生活費を入れない、連絡が全く取れないような行為も、夫婦としての義務に反するとして、慰謝料の対象となることがあります。

 

離婚慰謝料の請求が認められない、または難しいケース
① 性格の不一致や価値観の違い
夫婦の会話が減った、考え方が合わないといった理由だけでは、
どちらか一方に責任があるとは言えず、慰謝料は認められにくくなります。
② 不貞行為の前に、すでに夫婦関係が破綻していた場合
配偶者に不貞行為があったとしても、その前から夫婦関係が壊れていたと判断される場合には、慰謝料が認められない、または大きく減額されることがあります。
たとえば、
・長期間別居していた
・同居はしていたが夫婦としての会話や協力関係がほとんどなかった
・以前から離婚の話し合いが進んでいて、関係修復の見込みがなかった
このような状況が続いていた場合、不貞行為が離婚の決定的な原因とは評価されないことがあります。
③ 十分な証拠がない場合
不貞行為やDVがあったとしても、それを裏付ける証拠がなければ、慰謝料請求は難しくなります。

 

慰謝料判断で重視される「事実関係・証拠・経緯」
離婚慰謝料の判断では、次の3点が特に重視されます。
まず、何があったのかという事実関係です。
不貞であれば、いつ頃から、どのような関係だったのか。
DVであれば、一度きりなのか、繰り返されていたのか、といった点です。
次に、その事実を支える証拠の有無です。
メッセージの履歴、写真、病院の診断書、クリニックや警察での相談記録など、客観的に確認できる資料が判断材料になります。
そして、離婚に至るまでの経緯です。
不貞やDVなどの問題がいつから続いていたのか、配偶者に改善を求めても状況が良くならなかったなど、夫婦関係が悪化していった流れ全体が見られます。

 

まとめ
離婚慰謝料は、夫婦関係が悪化したという理由だけで認められるものではありません。
離婚に至った経緯、事実関係、証拠、そしてこれまでの経緯をきちんと整理することが大切です。
離婚慰謝料の考え方や相場、具体的な手続きについては、
離婚慰謝料についての解説ページで詳しくご案内しています。

今の状況を落ち着いて見つめ直すための参考として、ぜひご覧ください。

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2026.01.30更新

離婚コラム86

 

配偶者の不倫が分かったら|慰謝料請求に必要な証拠と正しい集め方
「もしかして不倫しているのでは…」
配偶者の様子が変わり、日々悩む方もいらっしゃるかもしれません。相手への怒りや悲しみが入り混じる中で、「慰謝料を請求できるのだろうか」「まず何をすればいいのか分からない」と不安に感じるのは当然です。
不倫による慰謝料請求をするとき、一番重要になるのが、不倫の事実を裏付ける確実な証拠です。法的な請求は、客観的な証拠が結果を大きく左右します。

 

慰謝料請求に必要となる「不倫の証拠」とは
法律上、不倫(不貞行為)とは、配偶者のある人が、配偶者以外の異性と自由な意思で肉体関係を持つことをいいます。そのため、慰謝料請求には、肉体関係があったと推認できる証拠が必要です。
たとえば、
・ホテルや不倫相手の自宅に出入りしている写真や動画
・不倫相手との宿泊を伴う旅行の記録やデータ
・肉体関係をうかがわせるメッセージやメールのやり取り
・探偵事務所の調査報告書
これらが、代表的な証拠として挙げられます。
なお、不貞行為は数時間のホテル利用や宿泊が確認できれば、1回の証拠でも慰謝料請求の根拠になり得ます。ただし、証拠内容が弱い場合には相手から反論されることもあるため、複数の証拠があれば、より確実な主張につながります。

 

証拠収集で注意すべき行為
証拠を集めたい一心で行動した結果、思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。以下のような行為には注意が必要です。
●不倫相手の自宅に無断で入る行為
不倫相手の自宅に、本人の許可なく立ち入る行為は、住居侵入罪にあたる可能性があります。
「不倫の事実を確かめたかった」という理由があっても、正当化されることはありません。
このようにして得た証拠は、慰謝料請求で使えない可能性はもちろん、逆にご自身が責任を問われるおそれもあります。

●配偶者のスマートフォンやアカウントへ無断でアクセスする
配偶者のスマートフォンで証拠を探す場合も注意が必要です。
たとえば、
・スマートフォンのロックを勝手に解除する
・LINEやメール、SNSなどのアカウントに無断でログインする
・クラウドサービスや通話履歴を許可なく確認する
このような行為は、プライバシーの侵害や、状況によっては不正アクセス禁止法違反のおそれがあります。「夫婦だから見てもよい」と考えてしまいがちですが、後から大きな問題になる場合もあります。

 

証拠収集の方法として重要なポイント
証拠集めでは、「してはいけないこと」を避けるだけでなく、どのように集めるかも非常に重要です。
●第三者が見ても伝わる証拠を、加工せずに保管する
証拠は、第三者が見て不貞行為を推認できるかどうかが重要です。
写真や記録は、日時や場所、相手が誰かなど、誰が見ても分かる形で、画像の加工などはせず原本のまま保管しておきましょう。
●時系列で証拠を整理しておく
「いつ・どこで・何があったのか」を簡単にメモしておき、証拠と一緒に保管しておくことも大切です。弁護士に相談する場合や、慰謝料請求の際に、説明がしやすくなります。

 

写真やメッセージを確認するための現実的な考え方
不倫の証拠として写真やメッセージが重要だと分かっていても、偶然を待つしかないと感じる方も多いかもしれません。実際には、違法にならない範囲で、意識して確認できるポイントがあります。
まずは帰宅時間が遅い日や外泊が増えた日など、配偶者の行動の傾向を冷静に把握し、日時や内容をメモしておくことが大切です。これは、後に証拠を整理する際の重要な手がかりになります。
また、日常会話の中で予定や外出理由を配偶者に確認し、説明と実際の行動に食い違いがあれば記録しておけば、証拠を補強する材料になります。
さらに、レシートや領収書、共有している予定表から、不自然な外出や宿泊が分かることもあります。これらは単独では弱くても、他の証拠と組み合わせることで役立ちます。
探偵事務所による調査を検討することも現実的な選択肢です。適法に作成された調査報告書は、慰謝料請求の場面で使いやすい証拠となります。


不安を感じたら、早めに専門家へ
証拠が十分かどうか、これ以上集めるべきかどうかは、ご自身では判断がつかないものです。無理に一人で進めるよりも、早い段階で弁護士に相談することで、不要な行動を避け、確実な証拠集めにつながります。
不倫の証拠の種類や、適切な集め方については、以下のページで分かりやすく解説しています。
浮気・不倫の証拠と集め方について詳しくはこちらのページも参考になさってください。

 

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2026.01.27更新

離婚コラム85

 

年収が高いと慰謝料も高くなる?収入と慰謝料の関係
「私は年収が高い方なので、慰謝料も高額になるのではないか」
自分の不貞(浮気・不倫)の事実を配偶者が知ってしまい、慰謝料を請求される立場になった方から、このようなご相談が寄せられることがあります。
たとえば、
・配偶者にスマートフォンの不倫相手とのやり取りを見られてしまった
・不倫相手から配偶者に連絡が入り、不倫の事実が発覚した
・突然、配偶者やその代理人弁護士から慰謝料請求の内容証明郵便が届いた
このように、思いがけない形で不貞が明るみに出てしまい、心の準備がないまま慰謝料の問題に直面するケースはよくあることです。

 

そもそも年収が高いと慰謝料も高くなるのか
まず結論からお伝えすると、年収が高いという理由だけで、高額な慰謝料を請求されることはありません。
不貞慰謝料の金額は、単純に請求される側の収入額のみで決まるものではなく、さまざまな事情を総合的に判断して決まります。

 

慰謝料の金額を左右する主な要素
不貞慰謝料を検討する際には、次のような事情が考慮されます。
• 不貞行為の期間や回数
• 婚姻期間の長さ
• 不貞によって配偶者が受けた精神的苦痛の程度
• 夫婦関係への影響(別居や離婚に至ったかどうか)
• 未成年のお子さんがいるかどうか
これらを踏まえ、個々の事情に応じて慰謝料の金額が決定されます。

 

年収はどのように考慮されるのか
もちろん、年収がまったく関係しないというわけではありません。
裁判例などでは、支払う側の収入や資力が「支払能力」として考慮されることがあります。
ただし、
「年収が高いから、相場を大きく超える慰謝料を支払わなければならない」
という意味ではありません。
あくまで、現実的に支払い可能かどうかを判断するための一要素にすぎない点は、誤解しやすいところです。

 

不貞慰謝料の一般的な相場
あくまで目安ですが、不貞慰謝料の相場は一般的に次のように考えられています。
• 離婚に至らない場合:数十万円〜100万円程度
• 離婚に至った場合:100万円〜300万円程度
個別の事情によって増減するため、「必ずこの金額になる」というものではありませんが、相場を知っておくことで過度な不安を和らげることができます。

 

高額な請求を受けた場合でも、冷静な対応が大切です
突然、高額な慰謝料を請求する内容の通知が弁護士から届くと、
「この金額をすぐに支払わなければいけないのか」
「払えなければ、ただちに裁判になってしまうのではないか」
と、心配になる方は少なくありません。
しかし、弁護士からの通知は、必ずしもその金額で決まるものではなく、話し合いの出発点として送られてくる場合も多いのが実情です。通知の内容を踏まえ、事情を整理したうえで、こちらの言い分を伝え、交渉が進められることがほとんどです。
その過程で、不貞の期間や経緯、夫婦関係の状況などを踏まえ、請求されている金額が妥当かどうかを検討し、場合によっては見直しが必要になる場合もあります。

 

早い段階で状況を整理することが重要です
慰謝料の問題は、請求された側の精神的な動揺が大きく、判断を誤りやすい分野です。
だからこそ、今の状況でどの程度の責任が発生しそうなのかを、早めに整理することが大切です。
弁護士細江智洋のホームページでは、
慰謝料の基礎知識や、請求された場合の対応方法について、より詳しく解説したページをご用意しています。慰謝料請求を受けて不安を感じている方は、慰謝料の解説ページも参考になさってください。
正しい情報を知って、気持ちを立て直す第一歩を踏み出しましょう。

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋

神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2026.01.24更新

離婚コラム84

 

離婚調停で慰謝料をきちんと受け取るために|弁護士が解説する3つの重要ポイント
離婚調停を考える中で、
「相手のしたことを思うと、悔しくて仕方がない」
「慰謝料を請求したいけれど、調停で認めてもらえるのだろうか」
このような悩みを抱えている方は、決して少なくありません。
配偶者の不貞行為が原因で離婚に至った場合には、不貞慰謝料を請求できる可能性があります。
ただし、調停では気持ちの面だけでなく、今までの経緯や事実関係が重視されます。調停の進め方を誤ると、満足した結果が得られないこともあります。
ここでは、離婚調停で慰謝料を適切に受け取るために、知っておいていただきたい3つのポイントをお伝えします。

 

ポイント① 慰謝料が認められる前提条件を理解する
慰謝料を請求するためには、いくつかの前提条件があります。
まず大切なのが、配偶者に不貞行為があったといえるかという点です。法律上の不貞行為とは、配偶者以外の人と肉体関係をもつことをいいます。
たとえば、特定の異性と何度もホテルに出入りしていて、「一緒に泊まった」ことが分かるやり取りが残っている場合には、不貞行為があったと判断される可能性が高くなります。
一方で、単に異性と頻繁に連絡を取っていた、一緒に食事をしていたというだけでは、不貞行為とまでは認められないこともあります。
もう一つ大切な条件が、不貞行為があった当時、婚姻関係が破綻していなかったかという点です。
配偶者と同じ家で生活し、日常的な会話が続いていた上での不貞行為であれば、慰謝料が認められやすくなりますが、すでに長期間別居していて、前から離婚の話し合いが進んでいた場合には、認められない、あるいは減額されることがあります。さらに、不貞相手に対して慰謝料を請求する場合には、その相手が、配偶者に婚姻関係があることを知っていたか、または知ることができたかという点も重要な前提条件になります。

 

ポイント② 前提条件を裏付ける証拠をそろえる
ポイント①で確認した前提条件を、調停の場で伝えるために欠かせないのが証拠です。
たとえば、
・ホテルの利用履歴や二人で出入りしている写真
・肉体関係をうかがわせるLINEやメール
これらは、不貞行為を裏付ける資料になり得ます。
また、不貞行為そのものだけでなく、
・同居していたことが分かる記録
・家族とのやり取りや行事の様子がわかる資料
など、当時の夫婦関係は破綻していなかったことを示す証拠も重要です。
「これで足りるのだろうか」と心配される方も多いですが、必要な証拠は状況によって異なります。自分だけの判断で諦めてしまう前に、専門家に確認することが大切です。

 

ポイント③ 感情に流されず、相手に冷静に主張する
離婚調停では、相手への怒りや悲しみがこみ上げ、つい感情的になってしまうこともよくあることです。
調停では、事実関係を落ち着いて伝えることが重要になります。
慰謝料を請求すると、配偶者から
「すでに夫婦関係は破綻していた」
「そもそも浮気は原因ではない」
「慰謝料の金額が高すぎる」
といった反論が出てくることもあります。
そこで感情的に主張するのではなく、
・いつから不貞行為があったのか
・当時の夫婦関係はどういう状態だったのか
・不貞によってどのような精神的苦痛を受けたのか
このような事実を前もって確認しておくことで、順序だてて主張することができます。

 

慰謝料について、さらに詳しく知りたい方へ
配偶者に請求する慰謝料は、不貞と離婚との因果関係、
金額の相場、調停の進め方など、注意すべき点が多い分野です。
離婚調停の中でどのように主張していくかは、個別の事情によって大きく変わってきます。
慰謝料について詳しく知りたい方は、
離婚慰謝料の詳しい解説ページもぜひご覧ください。

 

ひとりで悩まず、ご相談ください
離婚調停や慰謝料の問題は、精神的な負担が大きく、先が見えず不安になりがちです。
しかし、事前に正しい知識と準備があれば、落ち着いて進めることは可能です。
「この状況で慰謝料は認められるのか」
「調停では何を伝えればいいのか」
そのような疑問をお持ちの方は、どうぞ早めにご相談ください。
今後、何をどう選択すればよいのか、一緒に考えていきましょう。

専門家の視点で、分かりやすく丁寧にご説明いたします。

 

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2026.01.21更新

離婚コラム83

 

家庭内別居と同居義務違反の違いとは?離婚に発展するケースも解説
「同じ家で生活しているのに、ほとんど会話しない」
「食事も寝室も別々で、夫婦というより同居人のように感じる」
このような状態を「家庭内別居」と呼ぶことがあります。
一方で、「これは同居義務違反になるのかも」「将来、離婚するときになって不利になったら」と不安を抱えている方も少なくありません。
家庭内別居と同居義務違反は、似ているようで法律上の意味は大きく異なります。
違いを正しく理解しておかないと、別居や離婚を考えた際に思わぬ不利益を受けることもあります。
ここでは、家庭内別居と同居義務違反の違いを中心に、離婚に発展するケースについて、弁護士の立場からやさしく解説します。

 

家庭内別居とはどのような状態か
家庭内別居は法律用語ではなく、生活実態を表す言葉です。
同じ家に暮らしていても、
• 夫婦の会話がほとんどない
• 食事や家事をそれぞれ別にしている
• 寝室を分け、互いの生活に干渉しない
といった状態が続いている場合に、「家庭内別居」と呼ばれます。
重要なのは、家を別にしていない点です。
形式上は同居を続けているため、家庭内別居そのものが直ちに同居義務違反になるわけではありません
ただし、「同じ家に住んでいれば問題ない」と思ってしまうのは危険な場合もあります。

 

夫婦関係が実質的に断絶しているとはどういうことか
家庭内別居が長期間続くと、「夫婦関係が実質的に断絶している」と判断されることがあります。
これは、次のような事情が重なっている状態を指します。
• 日常会話や連絡がなく、必要最低限の用件も知らない
• 生活費について話し合いがなく、しかも一方が負担を拒否している
• 夫婦関係を修復するための話し合いや工夫が長期間行われていない
• 将来について話すこともなく、形だけ同居している状態
このように、夫婦としての協力関係や生活共同体が失われている場合、
家庭内別居であっても、離婚の場面では「婚姻関係が破綻している」と判断される可能性があります。

 

同居義務とは?同居義務違反と家庭内別居との明確な違い
民法では、夫婦には同居・協力・扶助義務があると定められています。
同居義務とは、単に同じ住居に住むことではなく、夫婦として生活を共にし、支え合うことを前提とした義務です。
同居義務違反とされやすいのは、次のような場合です。
• 正当な理由がなく一方的に家を出て別居を始めた
• 相手の意思を無視して同居を拒否し続けている
• 生活費を支払わず、連絡もしない状態が続いている
つまり、住居を別にし、夫婦としての共同生活を一方的に放棄しているかどうかが重要な判断基準になります。
一方、家庭内別居の場合は、
• 同じ家に住み続けている
• 別居という形は取っていない
• 生活費の分担など最低限の責任を果たしている
という点で、同居義務違反とは区別されます。
この違いを理解しておくことが、将来の判断に大きく影響します。

 

家庭内別居が離婚に発展するケース
家庭内別居そのものが、直ちに離婚原因になるわけではありません。
しかし、
• 長期間、家庭内別居が続いている
• 関係修復の兆しが見られない
• ほぼ別居に近い実態になっている
といった場合には、離婚が認められる方向で判断されることがあります。
家庭内別居は「一時的な距離の取り方」として始まることもありますが、結果的に離婚へ進むケースは少なくありません。

 

離婚に向けて別居を考えている方へ
「家庭内別居を続けるべきか、それとも別居に踏み切るべきか」
この選択は、とても悩ましいものです。
別居には、別居に至る正当な理由があって、一方的に別居を進めないことが大切です。感情だけで行動してしまうと、同居義務違反と受け取られ、不利になることもあります。
離婚を視野に入れて別居を考えている方は、今の家庭内別居の状態が法律上どのように見なされるかを、事前に整理しておくことが大切です。
詳しくは、
▶離婚に向けて別居を考えている方へ

のページも参考になさってください。
状況に応じた選択肢を知ることで、これからの生活を落ち着いて考えられるようになります。
一人で抱え込まず、早めに専門家へ相談することも、安心への第一歩です。

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2026.01.18更新

離婚コラム82

 

家庭内別居で年金や生活費はどうなる?同居義務と法律の基本
「同じ家に住んでいるのに、夫婦の会話はほとんどない」
「生活費の話をするのも気が重く、いつの間にか別々の生活になっている」

このような家庭内別居の状態に、多くの方が不安を感じています。
特に専業主婦であれば、家事やお子さんの世話をしながらも、心のどこかで「このままで大丈夫なのだろうか」と感じている方も多いのではないでしょうか。
とくに気になるのが、年金や生活費のこと、そして法律的に問題がないのかという点です。
ここでは、家庭内別居と同居義務の関係、年金や生活費の基本的な考え方について、分かりやすくご説明します。

 

家庭内別居とはどのような状態か
家庭内別居とは、夫婦が同じ住居に住み続けながら、食事や家計、会話などを別々にし、実質的には夫婦としての生活が成り立っていない状態を指します。
法律上、「家庭内別居」という言葉が定義されているわけではありませんが、このような生活の実態は、将来別居や離婚を考えるときに重要な意味を持つことがあります。
民法では、夫婦には同居義務や協力義務、生活を支え合う責任があるとされています。
同じ家に住んでいても、夫婦としての協力関係が無い場合、「同居しているから問題がない」とは言い切れないこともあります。

 

家庭内別居でも年金の扱いは変わる?
家庭内別居をしていても、婚姻関係が続いている限り、国民年金の加入区分などの年金の基本的な取り扱いは変わりません。
これらの扱いは、原則として戸籍上の婚姻関係の有無で判断されるため、家庭内別居の段階で直ちに変更されることはありません。
では、将来離婚する際の「年金分割」には影響があるのでしょうか。
結論から言うと、家庭内別居や別居の期間が長くても、それが年金分割において不利に扱われることは原則としてありません
年金分割の対象は「婚姻期間全体」であって、年金分割制度は、離婚した場合に、婚姻期間中の厚生年金記録を分割する制度です。
重要な点は、分割の対象となるのが、別居や家庭内別居の期間を含む「婚姻期間全体」であるという点です。
これは、年金分割制度が財産分与のような清算的要素だけでなく、夫婦双方の老後の所得保障という社会保障的要素が強く、戸籍上の婚姻期間を基準に形式的に判断されるためです。

 

生活費が支払われない場合の考え方
家庭内別居になってから、生活費が支払われなくなった、または大きく減ったというご相談も多く寄せられます。
夫婦である限り、生活を支え合う責任は続いており、家庭内別居をしていても、この責任がなくなるわけではありません。
一定の条件を満たす場合には、婚姻費用として生活費を請求することができます
夫婦の間に収入差があり、家庭内別居後に生活費の支払いが止まった場合などは、請求が認められやすいとされています。
ここで大切なのは、「今現在、生活に困っているかどうか」ではありません。
婚姻費用は、収入の多い側が少ない側の生活を分担するという考え方に基づく制度であり、貯金があって一時的に生活できていたとしても、請求は否定されません。

一方で、夫婦の収入にほとんど差がない場合や、権利の濫用とみなされる場合:例えば、自ら不貞行為をした、あるいは正当な理由なく一方的に家を出て同居を拒否しているなど、婚姻関係を破綻させた責任が主にある側(有責配偶者)からの請求は、信義則違反や権利濫用として、請求が認められなかったり、子の養育費相当分に減額されたりする裁判例があります。
ただし、婚姻費用は子の生活を守る意味合いも強いため、実務では迅速な解決を優先し、有責性について厳密な審理は行わない傾向もあります。

また、婚姻費用は原則として請求した時点以降の分が対象になるため、請求せずに我慢していた期間の生活費は、後からまとめて請求することが原則として困難です。生活費の支払いが滞った場合は、後の不利益を避けるためにも、速やかに請求の意思表示をすることが極めて重要です。

 

家庭内別居と同居義務の関係
「同じ家に住み続けているのだから、同居義務の問題はない」と思われがちですが、法律上は家庭内別居を続けている生活の実態が重視されます。
家庭内別居が長期化し、夫婦の協力関係がほとんど失われている場合には、別居に進むまでに話し合いや、同居を続けるためのお互いの工夫があったかどうかが、確認されることがあります。
家庭内別居の段階から、どのような話し合いがあり、どのような経緯で生活の形が変わっていったのかを整理しておくことが安心につながります。

 

別居を考え始めた方へ
家庭内別居は、精神的に大きな負担がかかる状態です。
この段階で大切なのは、すぐに別居や離婚を決断することではなく、これからの選択に備えて今の状況を落ち着いて整理しておくことです。
具体的には、夫婦としての生活状況や生活費の扱いを整理し、将来、離婚を考えたときに備えて経緯を振り返っておくことが大切です。
これは相手を責めるためではなく、ご自身を守るための準備です。

 

まとめ
家庭内別居は、年金や生活費、同居義務といった法律問題と深く関わっています。
まだ離婚を決めていない段階でも、今の状況が将来どのように見られるのかを知っておくことは大切です。
別居を考え始めた段階での注意点については、
▶ 離婚に向けて別居を考えている方へ

も参考にしながら、まずは状況を整理するところから、ゆっくり考えてみてください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

2026.01.15更新

離婚コラム81

 

夫が勝手に出て行った!私はどうすればいい?
ある日突然、夫が理由も言わずに家を出て行ってしまった――。
家を出た理由も分からず、連絡も取れない状況では、不安や戸惑いでいっぱいになってしまいますよね。「自分に何か悪いことがあったのだろうか」「これからどうすればいいのだろう」と、冷静に考えることも難しいかもしれません。
配偶者が突然別居を始めるケースは、珍しいことではありません。ただし、そのときに対応を誤ってしまうと、後々思わぬ不利益につながることもあります。まずは今の状況を整理し、冷静に次の一歩を考えていきましょう。

 

まず落ち着いて確認しておきたいポイント
突然の別居に直面すると、家に残されたものは何をしていいか分からなくなるものです。
今後の話し合いや法的な対応を考えるためにも、まずは次の点を確認してみてください。
• 夫が出て行った日時や、そのときの様子
• 出ていくまでに口論や話し合いがあったか
• 生活費を置いていったか、出て行ったあとも支払いが続いているか
• 連絡手段が残っているか
完璧に整理する必要はありません。思い出せる範囲で記録しておくだけでも、後の判断材料になります。

 

なぜ夫は出て行ったのか、状況を整理してみましょう
夫が突然家を出て行くと、「このままどうなってしまうのだろう」と将来のことばかりが気になってしまいます。ですが、すぐに結論は出ません。まずは、別居に至った理由や背景を落ち着いて振り返ることが大切です。
たとえば、

・夫婦間ですれ違いが続いていなかったか
・夫が仕事や健康面で悩みを抱えていなかったか
・夫婦で十分な話し合いの機会があったか
といった点を整理してみてください。
こうした事情は、今後の離婚の話し合いだけでなく、「勝手に出て行った行為」が法的にどのように判断されるかを考えるうえでも重要になります。

 

夫が勝手に出て行くのは問題ないの?
民法では、夫婦には同居し、互いに協力し合う義務があると定められています。
そのため、理由もなく勝手に家を出て別居を始める行為は、同居義務に反する可能性があります。
特に、
・夫婦での話し合いもないまま突然出て行った
・夫が生活費を渡さず連絡も取れない
・家に戻る意思があるのか分からない
といった場合には、「同居義務違反」や、場合によっては「悪意の遺棄」と判断されることもあります。
もっとも、DVやモラハラなど、身の安全を守るためにやむを得ず別居した場合には、別居する正当な理由があると評価されます。だからこそ、別居の理由や経緯を整理することが欠かせません。

 

生活費がもらえない場合はどうする?
夫が出て行った後、生活費の支払いが止まってしまうケースは少なくありません。
そのような場合に、「婚姻費用分担請求」という方法があります。
婚姻費用とは、夫婦が婚姻関係にある間に必要となる生活費のことです。別居中であっても、夫婦で収入の多い方は、少ない方の生活を支える義務があります。話し合いが難しい場合には、家庭裁判所で調停を申し立てることも可能です。

 

一人で抱え込まず、早めに相談を
突然の別居は、精神的にも大きな負担になります。
「まだ何も決まっていないのに相談していいのだろうか」と思われるかもしれませんが、今後の選択肢を考えるためにも、早めに弁護士の意見を聞くことはとても有効です。

 

突然相手が出て行ってしまった方へ
夫が勝手に出て行った場合の対応は、状況によって注意点が異なります。
別居後の考え方や、取るべき対応をより具体的に知りたい方は、以下のページも参考になさってください。
▶︎ 突然相手が家を出て行ってしまった方へ

不安な気持ちを一人で抱える必要はありません。
できることから少しずつ、状況を整理していきましょう。

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離婚コラム81

みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2026.01.12更新

離婚コラム80

 

50代からの夫婦関係、家庭内別居は許される?
50代を迎えると、子どもの独立や定年後の生活を意識し、夫婦関係を見つめ直す方が増えてきます。
「同じ家に住んでいても、会話はほとんどない」「生活は完全に別で、家庭内別居の状態が続いている」というご相談も多くあります。
家庭内別居は珍しいことではありませんが、この状態を続けてよいのか、法律上問題はないのかと不安に感じる方も多いでしょう。
ここでは、50代の家庭内別居について、弁護士の視点から分かりやすく解説します。

 

家庭内別居とはどのような状態か
家庭内別居とは、同じ家に住み続けながら、夫婦としての実質的な共同生活を行っていない状態を指します。
たとえば、
• 毎日の食事や洗濯を別々にしている
• お互いの寝室を分け、顔を合わせることがほとんどない
• 夫婦の会話や相談がなく、必要最低限の接触しかない
50代では、経済的な理由や今後の生活への不安から、別居や離婚に踏み切れず、家庭内別居を続けるケースも多く見られます。

 

家庭内別居と同居義務の関係
民法では、夫婦には同居義務・協力義務・扶助義務があると定められています。
この「同居義務」とは、単に同じ家に住めば足りるわけではなく、夫婦として共同生活を営むことを前提とした意味を含みます。
そのため、家庭内別居であっても、
• 生活費を一切負担しない
• 相手を無視し続け、精神的に追い詰める
• 正当な理由なく夫婦関係を拒絶し続ける
といった場合には、同居義務や扶助義務に反していると判定される可能性があります。

 

50代で家庭内別居を続けるリスク
家庭内別居は、一時的に夫婦の距離を取るために選ばれることがあります。
しかし、きちんと話し合いをしないまま長期間続けてしまうと、
後になって夫婦の財産や介護の問題を整理しにくくなる
ことがあります。


まず、お金の問題です。
家庭内別居中も生活費の分担や貯蓄の管理について、夫婦に責任があります。
ところが、
「長年、生活費は各自で出していた」
「どちらの収入で貯まったお金なのか分からない」
といった状態が続くと、いざ離婚の話になったときに、
「どれが共有財産なのか」
「退職金はどう分けるか」
といった点で話がまとまらなくなります。
次に、夫婦関係がいつ破綻したのか分かりにくい問題があります。
後になって
「何年前から実質的な夫婦関係は終わっていたのか」
「同居義務を果たしていたと言えるのか」
が争点になることがあります。
これは、離婚が認められるかどうか、条件をどう決めるかに影響する重要な点です。
さらに、夫婦のどちらかが病気や介護が必要になった場合に、判断が一層難しくなります
たとえば、どちらかが介護を必要としたとき、
「家庭内別居の状態で、どこまで世話をするのか」
「介護を理由に同居を続けるのか、別居あるいは離婚するのか」
といった問題に直面します。
関係が冷え切ったまま時間が経っていると、感情的にも現実的にも、
冷静な話し合いができなくなってしまうことがあります。

 

家庭内別居と離婚の関係
家庭内別居が長期間続いている場合、実質的に夫婦関係が破綻していると判断されることがあります。
もっとも、家庭内別居だけで必ず離婚が認められるわけではなく、
• 家庭内別居に至った経緯
• 関係修復の努力があったか
• 夫婦としての交流がどの程度残っていたか
など、具体的な事情が考慮されます。
そのため、「今はまだ離婚を決めていない」という段階でも、事情を整理しておくことが大切です。

 

同居したまま離婚を進めるという考え方
「家を出ないで離婚の話を進めたい」というご相談も多く寄せられます。
実際、同居中でも離婚協議や調停を進めることは可能です。
ただし、同居中の離婚では、
• 生活費(婚姻費用)はどちらが負担するか
• 相手との距離をどう取るか
• 感情的な対立をしない工夫
など、注意すべき点があります。
同居中の離婚については、こちらのページで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
同居中の離婚の進め方

迷ったときは、早めに状況を整理することが大切です
家庭内別居は、「何も決まらないまま時間が過ぎてしまう」状態になりやすいものです。
今の生活が同居義務の観点からどう判断されるのか、
一度、法律の視点から整理してみることで、気持ちが落ち着くこともあります。
お一人で悩みを抱え込まず、弁護士へ相談することも検討してみてください。

 

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2026.01.09更新

離婚コラム79

 

離婚調停をしても離婚しないことはある?その理由と背景
「離婚調停を申し立てたのだから、離婚できるはずではないか」
そう考えて調停を始められる方は多くいらっしゃいます。
しかし実際には、離婚調停をしても離婚に至らない場合はあります
調停はあくまで話し合いの場であり、必ずしも結論が出るとは限らないからです。
この記事では、離婚調停をしても離婚しないことがある理由や、その背景について、弁護士の観点からできるだけ分かりやすくご説明します。

 

離婚調停とはどのような手続きか
離婚調停(夫婦関係調整調停)は、家庭裁判所で行われる話し合いの手続きです。
裁判官ではなく、調停委員が夫婦それぞれの話を聞きながら、着地点を探していきます。
大切な点は、調停は強制的に離婚を成立させる場ではないということです。
双方が合意しなければ、離婚は成立せず、調停は不成立となります。

 

離婚調停をしても離婚しない主な理由
① 相手が離婚に同意しない場合
もっとも多いのが、一方の配偶者が離婚そのものに強硬に反対しているケースです。
たとえ一方が離婚を望んでいても、相手が同意しなければ、調停は成立しません。
② 条件面で合意できない場合
離婚自体には同意していても、
・親権
・養育費
・財産分与
・慰謝料
といった条件で折り合いがつかず、調停が進まないこともあります。
③ 気持ちの整理がつかない場合
離婚調停では、離婚条件だけでなく、これまでの夫婦関係や今後の生活について向き合う場面が多くあります。
そのため、話し合いを重ねるうちに、離婚そのものや離婚後の生活について迷いが生じ、気持ちの整理がつかなくなることもあります
たとえば、調停の中で相手が反省の言葉を口にしたり、態度を軟化したりしたことで、
「もう一度やり直せるかもしれない」
「今、離婚を決断して本当によいのだろうか」
と思い直すケースも少なくありません。
このように、感情面での迷いが生じて結論を出せず、調停が進まずに終わることもあります。
④ 話し合いが進まず調停が終了する場合
調停は回数に明確な上限はありませんが、話し合いに進展が見られないと判断された場合、裁判所の判断で不成立となることがあります。

 

離婚調停が不成立になることは珍しくありません
「調停までしたのに離婚できなかった」と聞くと、いい結果にならなかったように感じられるかもしれません。
しかし、離婚調停が不成立になることは決して珍しいことではありません
離婚調停は話し合いによる解決を目指す制度です。
合意が難しく、不成立という結果になることもありますが、それ自体が特別なことや例外というわけではありません。

 

調停で離婚しない場合、その後の選択肢
調停が不成立となった場合、次のような選択肢があります。
・夫婦での話し合いを続ける
・一定期間を置いたのちに、状況が変わった場合は、再度調停を申し立てる
・離婚訴訟を検討する
どの道を選ぶかは、夫婦の状況や争点によって異なります。そのため、状況を整理したうえで選択することが大切です。
その後に考えられる進め方や選択肢については、
「離婚調停が不成立になったらどうなる?次のステップと選択肢」も参考になさってください。

 

弁護士に相談して整理できること
離婚調停では、
「どこが問題になっているのか」
「何を優先すべきなのか」
を整理することが重要です。
弁護士に相談することで、調停の進め方や今後の見通しについて、冷静に考えることができます。

 

離婚調停について、より詳しく知りたい方へ
離婚調停の流れや注意点については、 離婚調停の解説ページで詳しく解説しています。
これから離婚調停を検討している方、離婚調停中で不安を感じている方は、参考になさってください。

 

まとめ
離婚調停が不成立となった場合でも、すぐに結論を出さなければならないわけではありません。大切なのは、調停の進み具合や結果にかかわらず、今の状況を落ち着いて受け止め、ご自身にとって無理のない選択をすることです。
離婚調停は、一度で結論が出るとは限りません。話し合いを続けるうちに状況が変わることもあれば、いったん考え直すことが必要な場合もあります。
少しでも迷いや不安があるときは、一人で抱え込まず、弁護士に相談することで、今後の見通しや選択肢を整理できます。それぞれのケースに応じた丁寧なサポートを受けながら、次の一歩を検討することが大切です。

この記事を担当した弁護士

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