離婚コラム|横浜の離婚に強い弁護士 細江智洋がわかりやすく解説

2026.10.05更新

離婚コラム125

 

親子交流の合意書の作り方と注意点|後悔しないために
離婚や別居をするとき、親子交流(面会交流)について「月に1回程度会わせる」と口頭で約束するだけで済ませてしまうことがあります。しかし、実際には日時や受け渡し場所、子どもの体調不良などをめぐって認識の違いが生じることは多くあります。
親子交流は、子どもが離れて暮らす親との関係を維持する大切な機会です。後悔しないためにも、話し合った内容は合意書として残しておくことをおすすめします。
今回は、親子交流の合意書を作成する際のポイントや注意点を解説します。

 

親子交流の合意書に記載すべき内容
親子交流の合意書とは、父母が話し合って決めた親子交流の条件を書面にまとめたものです。法律上必須ではありませんが、約束を明確にし、将来のトラブルを防ぐために役立ちます。
一般的に合意書には、次のような内容を記載します。
• 親子交流の頻度
• 曜日や時間帯、交流時間
• 子どもの受け渡し場所・方法
• 宿泊の有無
• 日程変更の連絡方法
• 子どもの体調不良や学校行事への対応
• 電話やビデオ通話を行うか
• 誕生日やクリスマスのプレゼントの可否
例えば、「毎月第2土曜日の午前10時から午後4時まで、〇〇駅で子どもを引き渡す」と具体的に定めておけば、思い違いを防げます。
また、子どもの成長に伴って生活は変化するため、「事情が変わった場合は父母で話し合って見直す」といった条項を設けておくことも大切です。

 

親子交流の合意書を作成するメリット
合意書を作成する最大のメリットは、父母が約束した内容を共通認識として残せることです。
例えば、「月1回会わせる」とだけ決めていた場合では、いつの土曜日なのか、何時から何時までなのか、都合が悪い場合はどうするのかなどで意見が対立することがあります。合意書があれば、当初の条件を確認しながら話し合うことができます。
また、日程変更の方法や学校行事への対応まであらかじめ決めておけば、その都度揉めることは少なくなります。
合意書は子どもが安心して親子交流を続けられる環境づくりにもつながります。

 

合意書だけでは十分でないケースもある
もちろん、合意書を作成しただけでは十分でない場合もあります。
例えば、相手が親子交流を拒否するようになった場合、相手が連絡に応じてくれなければ、合意書だけですぐに親子交流をできるわけではありません。
また、「月1回程度、話し合って実施する」といった曖昧な内容では、日程が決まらず親子交流が見送られてしまう可能性があります。
また、合意書を作成した当時は円滑に親子交流が行われていても、その後に父母の関係が悪化し、日程変更の連絡にさえ応じてもらえなくなることがあります。父母間で解決しなければ、親子交流が続かなくなることもあります。
このような場合には、家庭裁判所の親子交流調停を利用することを検討すべきでしょう。万一、約束が守られなくなった場合も見据え、日時や交流時間、子どもの引き渡し方法などの具体的な条件を調停条項として決めておくことが重要です。

 

親子交流の合意書は弁護士に相談して作成を
親子交流の合意書は、ご家庭ごとの事情に合わせて作成することが大切です。
一見問題のない内容でも、実際に親子交流を始めると、日程調整や受け渡しの方法などで思わぬトラブルが生じることがあります。
弁護士に相談することで、ご家庭の事情に合った取り決めを検討し、将来トラブルを回避しやすい内容にすることができます。
親子交流について詳しく知りたい方は、「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もあわせてご覧ください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
当事務所は、離婚問題でお悩みの方からのご相談を日々お受けしています。離婚相談にあたっては、あなたのお気持ちに寄り添い、弁護士の視点から、人生の再出発を実現できる最良の方法をアドバイスさせていただきます。まずは、お気軽にご連絡ください。

 

2026.09.30更新

離婚コラム124

 

親子交流の頻度はどう決める?子どもの成長に合わせた考え方を解説
離婚や別居の後、親子交流(面会交流)の頻度を決めても、「子どもの行事と重なった場合は振り替えるのか」「宿泊まで認めるのか」など、具体的な内容をめぐって意見が分かれることがあります。
また、子どもの成長に伴って部活動や習い事が増え、当初決めた内容では交流が難しくなることもあります。頻度を決め、時間や振替方法、送迎などを曖昧にしていると、その都度話し合いが必要となり、親同士の対立につながりかねません。
親子交流は、単に「月に何回」と決めるだけではなく、子どもの将来を見据えた内容にすることが大切です。今回は、親子交流の頻度をどのように決めれば無理なく続けられるのかを、弁護士がわかりやすく解説します。

 

親子交流の頻度に決まったルールはない
親子交流の頻度について、「月2回が標準」といった法律上の決まりはありません。
家庭裁判所でも、子どもの利益(子どもの福祉)を最優先に、それぞれの家庭の事情を踏まえて判断します。
具体的には、次のような事情が考慮されます。
• 子どもの年齢や健康状態
• 学校や習い事
• 親子がこれまでどのように関わってきたか
• 両親の住居の距離
• 子どもの意思や気持ち
そのため、同じ年齢の子どもであっても、適切な頻度は家庭ごとに異なります。

 

頻度だけでなく、将来を見据えて具体的に取り決める
親子交流の頻度は、子どもの成長や生活の変化も見据えて決めることが大切です。
子どもは成長とともに、学校生活や習い事、部活動などで予定が変わっていきます。また、親の転勤や転居などによって、これまでと同じ頻度で交流することが難しくなる場合もあります。
【具体例】
子どもが小学校低学年の頃は月2回交流していたものの、中学生になって部活動が始まり、毎月決まった土曜日に会うことが難しくなりました。そこで、「月1回を目安に双方で日程を調整する」という内容に見直したことで、子どもの生活に無理のない形で親子交流を続けることができました。
このような変化を踏まえ、「子どもの成長や生活状況に応じて見直す」「事情が変わった場合は双方で協議する」といった内容も取り決めておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。親子交流は、子どもの利益を第一に考えながら継続していくことが重要です。

 

話し合いが難しい場合は調停を利用する
親子交流の頻度について話し合いで解決しない場合は、家庭裁判所の親子交流調停を利用する方法があります。
調停では、調停委員が双方の意見を聞きながら、子どもの生活や年齢、親子関係などを踏まえて、適切な親子交流の内容を検討します。
必要に応じて、頻度だけでなく、日時や時間、引渡し方法などについても具体的に整理することができます。第三者が間に入ることで、感情的な対立が続いている場合でも、合意に至る可能性が高まります。

 

親子交流の取り決めに不安があれば弁護士へご相談ください
親子交流の頻度で大切なのは、子どもの利益を第一に考え、それぞれの家庭に合った無理のない内容を取り決めることです。
一方で、頻度だけでなく宿泊や送迎、振替方法などについて意見が対立し、話し合いが進まないことも少なくありません。そのような場合は、早い段階で弁護士に相談することで、将来の子どもの成長や変化を考慮した取り決め内容や、調停での進め方についても適切なアドバイスを受けることができます。
親子交流についてさらに詳しく知りたい方は、「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」をご覧ください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
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2026.09.25更新

離婚コラム123

 

住宅ローンがある場合の離婚裁判|費用・流れの注意点
住宅ローンが残っている持ち家がある場合、「離婚裁判では家のローンは誰が返済するのだろう」と不安に感じる方も多いでしょう。
住宅ローンがある場合、自宅の価値だけでなく、ローンの残額や住み続ける人は誰かなども関係するため、財産分与が複雑になりやすく、裁判が長引くこともあります。
今回は、住宅ローンがある場合の離婚裁判の流れや費用、注意点について解説します。

 

住宅ローンがあると離婚裁判で何が問題になるのか
住宅ローンが残っている自宅は、単純に「家を半分ずつ分ける」というわけにはいきません。
裁判では、主に次のような点が争点になります。
• 自宅の現在の価値(評価額)
• オーバーローンかアンダーローンか
• 自宅を売却するか、一方が住み続けるか
• 財産分与の方法
住宅ローンが残っている持ち家では、「アンダーローン」と「オーバーローン」のどちらの状態かが重要になります。
アンダーローンとは、住宅の価値が住宅ローン残額を上回っている状態です。例えば、自宅の評価額が3,500万円、住宅ローン残額が2,000万円であれば、差額の1,500万円が財産分与の対象となる可能性があります。
オーバーローンとは、住宅ローン残額が住宅の価値を上回っている状態です。例えば、自宅の評価額が2,000万円で、住宅ローン残額が2,800万円である場合です。この場合には、自宅を売却するのか、一方が住み続けるのか、住宅ローンを誰がどのように負担するのかなどを踏まえ、裁判所が財産分与の内容を判断していくことになります。

 

離婚裁判では住宅ローンをどのように判断するのか
裁判では、当事者双方が不動産会社の査定書などを証拠として提出し、自宅の評価額について主張します。裁判所は、提出された証拠をもとに評価額を認定し、その評価額を前提として財産分与の内容を判断します。また、「夫が住宅ローンを支払いながら住み続ける」「妻が自宅を取得し、住宅ローンについて金融機関の承諾を得たうえで借り換えなどを行う」「自宅を売却して売却代金を分ける」など、個々のケースに応じて財産分与の方法が検討されます。
もっとも、住宅ローンは金融機関との契約であるため、離婚裁判で財産分与が決まっただけでは、ローンの債務者や連帯保証人が自動的に変更されるわけではありません。そのため、金融機関との調整が必要になることもあります。

 

住宅ローンがあると裁判が長引くこともある
住宅ローンがある離婚裁判では、通常の財産分与よりも解決まで時間がかかることがあります。例えば、次のような事情がある場合です。
• 自宅の評価額について双方の意見が違う
• 売却するか住み続けるかで意見が対立する
• 自宅を取得する側が、相手方にどの程度の財産を渡すか争いがある
例えば、夫は「家を売却したい」と考えている一方で、妻は「子どもの生活環境を変えたくないので家には住み続けたい」と希望しているとします。このような場合には、最終的に自宅をどうするのか、その結果、他の共有財産をどう分けるのか調整が必要となり、解決まで時間を要することがあります。

 

住宅ローンがある場合の離婚裁判にかかる費用
離婚裁判で、裁判所に納める費用は次のとおりです。
• 収入印紙代(離婚請求):13,000円
• 財産分与をあわせて請求する場合:1,200円を追加(合計14,200円)
• 郵便切手代:裁判所によって異なりますが、数千円~6,000円程度
弁護士へ依頼する場合には別途弁護士費用が必要になりますが、費用体系は法律事務所によって異なります。

 

住宅ローンがある離婚裁判は早めの準備が重要
住宅ローンが残っている離婚では、自宅の評価額やローン残高だけでなく、不動産の名義、住宅ローンの契約内容、現在の返済状況、離婚後は誰か住み続ける予定なのかなど、状況を確認したうえで裁判に臨むことが大切です。
また、住宅だけでなく、預貯金や退職金などを含めた共有財産全体を見据えた財産分与になる場合もあるため、早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
住宅ローンや持ち家がある場合の財産分与について詳しく知りたい方は、「弁護士による財産分与と持ち家・住宅ローンについての詳しい解説」をご覧ください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
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2026.09.20更新

離婚コラム122

 

親権争いがある離婚裁判|流れと期間のポイントを解説
離婚裁判では、財産分与や慰謝料だけでなく、「親権」が大きな争点となることがあります。
また、令和8年(2026年)の民法改正により共同親権制度が始まり、現在では「共同親権にするか、単独親権にするか」が争点となる場合もあります。
今回は、親権争いがある離婚裁判の流れや期間、裁判所が重視するポイントについて、具体例を交えながら解説します。

 

親権争いが裁判になるのはどのような場合?
離婚をする際、親権について夫婦で合意できなければ、家庭裁判所の離婚調停を経て、離婚裁判で判断されることになります。

例えば、次のようなケースです。
• 父母の双方が自分を親権者にしてほしいと希望している
• 一方は共同親権を希望しているが、もう一方は単独親権を希望している
• 一方が子どもを連れて別居し、もう一方が親権を求めている
• 子どもの生活環境を変えるべきか、意見が対立している
このような場合、裁判所は父母の希望だけではなく、子どもの利益(福祉)を最も実現できるのはどのような親権の定め方かという観点から判断します。

 

親権争いがある離婚裁判の流れ
親権が争われる場合でも、いきなり裁判を起こすことは原則としてできません。
一般的な流れは次のとおりです。
1. 夫婦で話し合う
2. 家庭裁判所で離婚調停を行う
3. 調停が不成立となった場合、離婚裁判を提起する
4. 双方が主張や証拠を提出する
5. 必要に応じて家庭裁判所調査官による調査が行われる
6. 和解または判決で親権について結論が示される
親権が争点となる事件では、家庭裁判所調査官が子どもの生活状況や父母との関わりを調査することが多くあります。
調査では、父母それぞれとの面談のほか、自宅での生活状況の確認や学校・保育園などでの様子を確認します。また、15歳以上であれば原則として、子どもの意見が聞かれます。また、15歳未満であっても、年齢や発達に応じた意向の聴き取りなどが行われることがあります。

 

裁判所はどのような点を重視するのか
共同親権か単独親権かを判断する場合でも、裁判所が最も重視するのは子どもの利益(福祉)です。
具体的には、次のような事情が総合的に検討されます。
• 現在、子どもを主に養育しているのはどちらか
• 父母が子どもの養育について協力できる状況にあるか
• 父母それぞれの養育状況や監護実績
• 子どもの年齢や心身の状況
• 子どもの意思(年齢や成熟度に応じて考慮)
例えば、父母の双方が「自分が親権者になるべきだ」と主張している場合には、それぞれの監護実績や現在の生活環境などが詳しく検討されます。
一方、共同親権にするか単独親権にするかが争われている場合には、父母が離婚後も子どもの養育について適切に情報共有や話し合いができる関係にあるかといった点も重要な判断材料となります。

 

親権争いがあると裁判期間は長くなる?
一般的な離婚裁判でも解決まで1年以上かかることがありますが、親権争いがある事件では、さらに時間を要することがあります。
その理由としては、家庭裁判所調査官による調査が行われる場合や、子どもの生活状況や養育環境を慎重に確認する必要があるからです。
例えば、小学生の子どもについて父母双方が親権を希望し、それぞれが養育記録や学校との連絡資料などを提出するケースでは、調査や審理に時間がかかり、判決まで1年以上を要することもあります。

 

親権争いでは早い段階から準備が重要
親権争いでは、「裁判になってから準備する」のではなく、早い段階から状況を整理しておくことが大切です。子どもの送迎や通院の状況、学校や保育園との関わりといった記録は、後の裁判で養育の実態を示す資料となることがあります。
共同親権、あるいは単独親権のどちらが適切かについても、養育状況を踏まえて判断されるため、早めに弁護士に相談し、どのような主張や資料が必要か確認しておくことが重要です。

 

まとめ|親権争いは弁護士へ早めに相談を
親権争いがある離婚裁判では、共同親権と単独親権のどちらが適切かも含めて検討される場合があります。裁判所は子どもの利益を最も重視し、家庭裁判所調査官による調査や多くの証拠を踏まえて慎重に判断します。そのため、通常の離婚裁判よりも解決まで時間がかかることも少なくありません。
親権をめぐる争いでは、現在の養育状況や今後の生活環境などを適切に整理し、法的な観点から主張・立証することが重要です。ご自身だけで判断するのではなく、早い段階で弁護士に相談することで、具体的な助言を受けることができます。
親権や監護権についてお悩みの方は、弁護士による「親権・監護権とは?離婚後の共同親権・単独親権を弁護士が解説」もぜひご覧ください。

 

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2026.09.15更新

離婚コラム121

 

財産分与がある場合の離婚裁判|費用と期間の目安とは
離婚の話し合いがまとまらず、さらに財産分与でも争いがある場合には、最終的に離婚裁判へ進むことがあります。
「裁判になるとどのくらいの年数と費用がかかるのだろう」と不安になる方も多いでしょう。
実際には、ケースによって期間や費用は異なりますが、目安を知っておくことで見通しを立てやすくなります。
今回は、財産分与がある場合の離婚裁判について、費用や期間の目安、長引きやすい例を解説します。

 

原則としてすぐに裁判はできない
日本では「調停前置主義」が採られているため、原則として離婚裁判を起こす前に家庭裁判所で離婚調停を行う必要があります。
調停では離婚だけでなく、財産分与や親権、養育費、慰謝料などもあわせて話し合われます。
調停で合意できなければ、離婚裁判を提起し、同時に財産分与についても裁判所が判断することになります。
たとえば、自宅を売却するか意見が対立している場合や、退職金を財産分与の対象に含めるか争いがある場合は、裁判まで進むことがあります。

 

離婚裁判にかかる費用の目安
離婚裁判では、裁判所へ納める費用として主に以下の費用が必要です。
 収入印紙代:13,000円(離婚請求のみ)
 郵便切手代:6,000円程度
また、財産分与も裁判で請求する場合には、財産分与の申立にかかる手数料(収入印紙代:1,200円程度)も追加で必要になります。
弁護士へ依頼する場合には別途弁護士費用が必要になりますが、費用体系は法律事務所によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

 

解決までの期間は1年前後から2年以上になることも
離婚裁判は、比較的争いが少ない場合でも判決や和解までおよそ1年前後かかることが一般的です。財産分与の争いがある場合には、1年半から2年以上かかるケースもあります。預貯金の取引履歴、不動産の評価資料、生命保険の解約返戻金、退職金に関する資料などを双方が提出し、内容を確認しながら審理が進められるためです。資料が足りなかったり、財産の範囲について争いが続いたりすると、その分裁判も長期化しやすくなります。

 

財産分与で裁判が長引きやすいケース
【不動産の評価が争いになる場合】
持ち家がある場合には、不動産の評価額について意見が異なることもあります。
住宅ローンが残っている場合には、離婚後に売却するのか、それとも一方が住み続けるのかという点も検討しなければなりません。

【退職金が財産分与の対象となるか争いになる場合】
退職金は、将来受け取る見込みが高く、婚姻期間中の勤務に対応する部分がある場合にはまだ支給されていなくても財産分与の対象となることがあります。一方で、「まだ受け取っていないので対象ではない」「どこまでが財産分与の対象なのか」といった点で意見が分かれ、審理が長引くことがあります。

【共有財産か特有財産かが争いになる場合】
財産分与の対象となるのは、原則として婚姻期間中に夫婦が協力して形成した共有財産です。しかし、婚姻前から所有していた預貯金や相続・贈与によって取得した財産については、特有財産として財産分与の対象外となる場合があります。
婚姻前から保有していた財産かどうか争われると、通帳や契約書などの資料を確認しながら審理が進められるため、解決まで時間がかかることがあります。

 

財産分与の裁判ではどのように判断される?
例えば、婚姻期間20年の夫婦で、預貯金、自宅(土地・建物)、退職金があるケースを考えてみます。
夫は「退職金はまだ受け取っていないので対象ではない」と、妻は「婚姻期間中に形成された財産だから分けるべき」と主張したとします。また、自宅の評価額についても双方の意見が異なれば、資料の提出や主張・反論を繰り返すことになり、裁判が長期化することもあります。最終的に、裁判所が退職金の全部または一部を財産分与の対象とし、自宅の評価額も認定すれば、どちらが自宅を取得するか、代償金(夫婦の一方が住み続ける場合に他方に支払うお金)を支払う必要があるかなどが決定されます。

 

財産分与が争点となる離婚裁判は早めの相談が重要
財産分与では、「何が共有財産になるのか」「不動産や退職金をどう評価するのか」が結果を左右します。早い段階で弁護士に相談することで、財産分与の対象や評価方法について適切に主張を行い、解決を目指すことができます。
財産分与でお悩みの方は、一人で判断せず、弁護士へ相談することをおすすめします。
詳しくは、「弁護士による財産分与の詳しい解説」をご覧ください。

 

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2026.09.10更新

離婚コラム120

 

不倫が原因の離婚裁判|費用・期間・流れを詳しく解説
「配偶者の不倫が発覚して、離婚を考えている」「裁判になったら、どれくらいの期間や費用がかかるのだろう」と不安に思う方もいるでしょう。
不倫が原因で離婚を求める場合、話し合いや調停で解決できなければ、離婚裁判へ進むことがあります。そのような場合、離婚とあわせて慰謝料を請求することもあります。
この記事では、不倫が原因の離婚裁判の流れや期間、費用、争点についてわかりやすく解説します。

 

不倫が原因であっても、すぐに離婚裁判はできない
離婚裁判を申し立てる前には、原則として家庭裁判所で離婚調停を行う必要があります(調停前置主義)。
一般的な流れは次のとおりです。
1. 夫婦で話し合う(協議離婚)
2. 離婚調停
3. 離婚裁判
協議や調停で離婚や条件について合意できれば裁判は不要です。しかし、不倫の事実や離婚条件について意見が食い違う場合は、裁判で判断を求めることになります。

 

不倫が原因の離婚裁判で争われる内容
離婚裁判では、不倫の有無だけでなく、次のような事項も争点となることがあります。

【不倫(不貞行為)の有無】
配偶者に肉体関係を伴う不貞行為があったかどうかが重要な争点です。ホテルへの出入りが分かる写真や探偵の調査報告書などが証拠となることがあります。

【慰謝料が請求されている場合はその金額】
離婚とあわせて慰謝料を請求する場合には、その金額も裁判所が判断します。慰謝料は婚姻期間や、不倫の期間や内容、不倫による精神的苦痛の大きさなどを踏まえて決定します。

【財産分与や親権】
財産分与や親権もあわせて争われることがあります。不倫をしていたからといって、自動的に親権が認められないことはありません。子どもの利益を最優先に判断されます。

 

不倫が原因の離婚裁判にかかる期間
離婚裁判は、訴訟提起から判決まで約1年前後かかることが多く、争点が多い場合にはさらに長期化することもあります。
相手が不倫を否定している場合や、慰謝料、財産分与、親権など複数の問題を同時に争う場合には、解決まで時間がかかる傾向があります。なお、裁判の途中で和解が成立すれば、判決を待たずに終了することもあります。

 

不倫が原因の離婚裁判にかかる費用
裁判所へ納める主な費用の目安は次のとおりです。
• 収入印紙代:約13,000円(離婚請求)
• 郵便切手代:約6,000円(裁判所によって異なります)
• 戸籍謄本などの取得費用:数千円程度
離婚請求と慰謝料請求を同時に提起する場合は、それぞれの手数料を単純に合算するのではなく、一般的には離婚請求と慰謝料請求のうち、訴額が高い方を基準として収入印紙代が決まります。例えば、離婚と同時に慰謝料を300万円請求する場合は、300万円の訴額を基準として収入印紙代が決まり、20,000円になります。
また、弁護士へ依頼する場合には、別途弁護士費用が必要です。費用体系は法律事務所によって変わるため、事前に問い合わせしておくといいでしょう。

 

不倫が原因の離婚裁判の流れ【具体例】
例えば、夫の不倫が分かって、妻が離婚を希望し話し合いを求めたものの、夫は不倫を否定して結論が出なかったとします。
離婚調停も不成立となったため、妻は離婚裁判を起こし、ホテルへの出入りが分かる写真や探偵の調査報告書を証拠として提出。また、不倫による精神的苦痛について慰謝料も請求しました。裁判では複数回の期日や和解協議を経ましたが、最終的には判決によって、離婚と慰謝料の請求が認められました。

 

離婚裁判を進める際のポイント
不倫が原因の離婚裁判では、客観的な証拠に基づいて主張することが大切です。「不倫があった」と主張するだけでなく、それを裏付ける証拠を準備しておく必要があります。証拠の整理や収集方法について不安がある場合は、早めに弁護士へ相談すると安心でしょう。また、慰謝料を請求するか、不倫相手に対して別途請求するかなど、状況に応じた進め方を検討することも重要になります。

 

まとめ
不倫が原因の離婚裁判では、不倫の有無だけでなく、慰謝料が請求されている場合にはその金額や、財産分与、親権などもあわせて判断されます。また、裁判は1年以上かかることもあり、十分な証拠の準備が欠かせません。
「離婚裁判になりそう」「慰謝料も請求したい」「どのように進めればよいかわからない」とお悩みの方は、まずは弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士細江智洋の事務所では、離婚裁判に関するご相談を承っています。離婚裁判の流れや費用、準備しておきたいポイントについて詳しく知りたい方は、「弁護士による離婚裁判の詳しい解説」もあわせてご覧ください。

 

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2026.08.27更新

離婚コラム115

 

親子交流ができない場合の法的手段|調停・審判の進め方
離婚後、または婚姻中に別居している場合でも、子どもと離れて暮らす親にとって、親子交流(面会交流)は子どもとの大切なつながりを維持するための重要な制度です。しかし、「約束した日時に会わせてもらえない」など、トラブルは少なくありません。
今回は、親子交流ができない場合の法的手段として、調停・審判の流れについて解説します。

 

親子交流とは
親子交流は、子どもが両親との関係を維持し、健やかに成長するために重要なものと考えられています。もっとも、虐待やDV、子の前での誹謗中傷、勝手な学校訪問など、子どもの安全や健全な成長に悪影響を及ぼすおそれがある場合は親子交流が制限されることもあります。
2026年4月施行の改正民法では、父母だけでなく、祖父母や兄弟姉妹、過去に子どもを監護していた親族も、子どもの利益のため特に必要があると認められる場合には、家庭裁判所が親子交流を定めることができるようになりました。


親子交流ができなくなる典型的なケース
親子交流が実施されなくなる理由はさまざまです。
① 相手方が親子交流を拒否しているケース
子どもと一緒に生活している親(監護親)が、「子どもが会いたがらない」と言ったり、当日になって急にキャンセルしたりするケースです。これは、元配偶者との感情的な対立が原因として多くあります。また、「養育費を支払っていないから会わせない」といった理由で親子交流が拒否されることもありますが、養育費と親子交流は別の問題です。
② 親子交流の取り決めが曖昧なケース
子どもの受け渡し日時や方法などが具体的に決まっていないと、のちに意見が食い違うことがあります。
③ 子どもの意思を巡って対立するケース
子どもが中学生頃になると、「会いたい」「会いたくない」といった希望をはっきり伝えることもあります。また、15歳以上の子どもについては、家庭裁判所は原則としてその意見を聴くこととされています。もっとも、「親の影響を受けていないか」が問題となることもあり、裁判所はその理由や背景事情も含めて慎重に判断します。

 

親子交流ができないときの解決の流れ
親子交流が実施されない場合、一般的には次のような流れで解決を目指します。
①協議(話し合い) → ②親子交流調停 → ③審判
まずは当事者同士で、親子交流ができない理由や今後の実施方法について協議し、相手方が話し合いに応じない場合には、家庭裁判所の手続きを利用することになります。


協議で解決できない場合は親子交流調停を利用する
親子交流調停では、調停委員が間に入り、親子交流の頻度や日時・場所など双方の意見を整理しながら合意を目指します。なお、「月に1回程度親子交流を行う」といった抽象的な内容ではなく、「毎月第2土曜日の午前10時から午後4時まで」「○○駅で受け渡す」など、具体的に定めておくことが大切です。


調停でまとまらない場合は審判へ移行する
調停が成立しない場合には、手続きは審判へ移行し、裁判官が最終的な判断を行います。
また、調停や審判の最中で、裁判所が実際の親子交流の状況を確認する必要があると判断した場合には、「親子交流の試行的実施」が行われることがあります。これは、家庭裁判所調査官などが試行的親子交流の様子や子どもの反応を観察し、その結果も踏まえて裁判所が親子交流の方法を判断する制度です。

 

審判や調停が守られない場合の履行勧告
調停が成立あるいは審判が出ても、実際には取り決めどおり親子交流が行われない場合には、家庭裁判所に「履行勧告」を申し立てることができます。
履行勧告とは、裁判所が相手方に対して取り決めを守るよう促す制度です。
もっとも、履行勧告には強制的な効力はありません。一方、調停や審判で親子交流の日時・時間・子どもの受け渡し方法などが具体的に定められている場合には、「間接強制(約束を守らない相手に対し、金銭の支払いを命じる制度)」の申立によって、相手方に取り決めを守るよう促すことが認められる可能性があります。

 

親子交流のトラブルは弁護士へ相談を
親子交流の問題は、子どもの成長に深く関わる重要な問題です。
相手方との対立が強い場合には、弁護士に相談することで、調停を申し立てるべきか、調停や審判でどのような主張を行うべきか具体的なアドバイスを受けることができます。
親子交流(面会交流)についてお悩みの方は、弁護士細江智洋の「面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もぜひご覧ください。

 

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2026.08.22更新

離婚コラム114

 

親子交流のトラブルを弁護士に相談すべきケースとは
離婚や婚姻期間中の別居の後も、子どもと離れて暮らす親にとって親子交流(面会交流)は子どもとのつながりを維持する大切な機会です。親子交流は、子どもの健全な成長にもつながると考えられています。
しかし、実際には「会わせてもらえない」「話し合いがまとまらない」といったトラブルが発生することも多くあります。
親子交流の問題は感情的な対立が絡みやすく、当事者だけで解決しようとするとかえって関係が悪化することもあります。今回は、親子交流のトラブルの中でも、特に弁護士へ相談すべきケースについて解説します。

 

親子交流のトラブルは早めの対応が重要
親子交流に関する問題は、時間が経つほど解決が難しくなる傾向があります。
例えば、数か月から1年以上親子交流が実施されない状態が続くと、子どもとの関係が希薄になるおそれもあります。また、感情的な対立が深まると、親同士で冷静に話し合いができなくなることもあります。
そのため、「そのうち解決するだろう」と放置せず、早い段階で適切な対応を検討することが大切です。


ケース① 約束した親子交流が実施されない
親子交流についての相談で最も多いのが、「子どもに会わせてもらえない」というケースです。
例えば、
• 毎月会う約束だったのに直前で断られる
• 連絡をしても返信がない
• 「子どもが会いたがらない」と言われ続ける
• 養育費を支払っていないことを理由に会わせてもらえない
といった状況です。
離婚協議書や調停調書で親子交流の取り決めをしていても、約束が守られない場合、感情的に相手を責めても解決につながらないことが殆どです。
なお、親子交流調停で合意する際には、将来約束が守られなかった場合に備えて、調停条項の内容にも注意が必要です。
親子交流が実施されない場合には、一定の条件のもとで間接強制(約束を守らない相手に対し、金銭の支払いを命じる制度)を申し立てることができます。そのためには、調停条項に親子交流の日時や時間、子どもの受け渡し方法などが具体的に定められていることが重要です。

 

ケース② 子どもへの悪影響や安全面が心配な場合
一方で、親子交流を実施することに不安を感じるケースもあります。
例えば、
• 親子交流中に子どもの前で相手方の悪口を言う
• 離婚の責任を子どもに押し付けるような発言をする
• 精神的に子どもを追い詰める言動がある
• 過去に子どもへの暴力や著しい問題行動があった
といった場合です。
このように子どもの精神的な負担になるような事情や安全面に不安がある場合には、親子交流の方法や条件を見直す必要が出てきます。
もっとも、「不安だから会わせたくない」という理由だけで親子交流が制限されるとは限りません。どのような形で親子交流を行うことが子どものためになるのかは、個別の事情によって異なります。判断が難しいときは弁護士へ相談することをおすすめします。


ケース③ 調停や審判を検討している
親同士で話し合っても解決できない場合には、家庭裁判所での親子交流調停を利用することになります。
例えば、
• 話し合いがまとまらない
• 相手が親子交流を拒否する
• 条件面で意見が合わない
といったケースです。
親子交流調停では、調停委員を介して、子どもの年齢や生活状況、これまでの交流状況などを踏まえて話し合いが進められます。
調停を申し立てるべきか迷っている場合や、どのような条件を求めるのが適切か分からない場合には、事前に弁護士へ相談してみることをおすすめします。

 

親子交流でお悩みの方は弁護士へご相談ください
親子交流は、親同士の問題ではなく、子どもの将来にも関わる大切な問題です。
「子どもに会わせてもらえない」「調停を申し立てるべきか迷っている」といった状況では、早めに弁護士へ相談することで解決への道筋が見えてくることがあります。
弁護士細江智洋は、親子交流(面会交流)に関するご相談にも対応しております。
親子交流についてさらに詳しく知りたい方は、「面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もぜひご覧ください。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋
神奈川県弁護士会所属 平成25年1月弁護士登録
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2026.08.17更新

離婚コラム113

 

親子交流調停とは?流れ・費用・解決までをわかりやすく解説
離婚や別居をした後、子どもと離れて暮らす親にとって、親子交流(面会交流)は子どもとのつながりを維持する制度です。しかし、「子どもに会わせてもらえない」「交流の回数や方法で対立している」といったトラブルが生じることもあります。
その場合に利用されるのが親子交流調停(面会交流調停)です。今回は、親子交流調停の流れや費用、解決までの期間についてわかりやすく解説します。

 

親子交流調停とは?
親子交流調停とは、離婚後や別居中に、子どもと離れて暮らす親が子どもとどのように交流するかを決める家庭裁判所の手続です。
話し合いでまとまらない場合に利用され、親子交流の回数や時間、宿泊の有無、受け渡し方法などについて調停委員を介して話し合います。

 

どのような場合に親子交流調停を申し立てるのか
親子交流調停は、交流条件の見直しを希望する側から申し立てることもできます。
例えば、離婚後に親子交流を続けていたものの途中から会わせてもらえなくなったケースや、交流回数や宿泊の有無について対立するケースです。
また、子どもの進学や部活動などにより、以前の交流条件が現実に合わず、変更したい場合にも利用されます。

 

親子交流調停の流れ
① 家庭裁判所へ申立て
まず、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てを行います。申立書には、「いつから子どもと会えていないのか」「これまでどのような頻度で会っていたか」といった経緯や希望する交流内容などを記載します。
② 調停期日で話し合う
申立て後、家庭裁判所から第1回調停期日の連絡があります。
調停では、父母が同じ部屋で直接話し合うわけではありません。通常は別々の待合室で待機し、それぞれが調停委員に状況や希望を説明します。調停委員が双方の意見を聞いて合意を目指します。
③ 必要に応じて調査が行われる
事案によっては家庭裁判所調査官が子どもの考えや生活状況、親子関係を確認し、親子交流が子どもの利益にかなうかを調査します。
④ 合意成立または審判
調停での話し合いがまとまれば、調停成立となります。どうしても合意できない場合には、調停不成立となり、家庭裁判所が審判という形で判断することがあります。

 

親子交流調停にかかる費用
親子交流調停を申し立てる際には、家庭裁判所へ納める手数料として収入印紙1,200円が必要です。また、金額は裁判所によって異なりますが、裁判所から書類を送付するための郵便切手代も1,000円~5,000円程度、必要になります。
そのため、申立て自体にかかる実費は数千円程度で済むことがほとんどです。
もっとも、相手方との対立が強い場合や、親子交流の条件について大きな隔たりがある場合には、弁護士による対応が必要になることもあります。弁護士費用は事務所によって異なりますが、親子交流調停の場合は着手金や報酬金を含めて数十万円程度となることが一般的です。

 

解決までどれくらいかかる?
親子交流調停の期間は事案によって異なりますが、一般的には半年から1年程度が目安です。
比較的争いが少ない場合は数か月で解決することもありますが、家庭裁判所の調査官調査が行われるケースや、親権・監護権などの問題も絡んでいるケースでは長期化することがあります。
親子交流は時間が経つするほど親子関係の維持が難しくなる場合もあるため、早めに対応することが大切です。

 

親子交流調停で重視されるのは「子どもの利益」
親子交流調停では、「親が会いたいかどうか」だけではなく、家庭裁判所が最も重視するのは子どもの利益です。
例えば、子どもが安心して交流できる環境か、学校生活に支障がないか、親同士の対立が子どもに悪影響を与えていないかといった点が考慮されます。
最も重要な点は、「子どもにとってどのような交流が望ましいか」ということです。

 

親子交流で悩んだら弁護士へ相談を
親子交流調停は、子どもと離れて暮らす親が子どもとの関係を維持するための大切な手続です。
「子どもに会わせてもらえない」「親子交流の条件で意見が合わない」「調停を申し立てられたが対応がわからない」といったお悩みがある場合は、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
親子交流についてさらに詳しく知りたい方は、「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もぜひご覧ください。

 

この記事を担当した弁護士

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みなと綜合法律事務所 弁護士 細江智洋

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2026.08.12更新

離婚コラム112

 

 

親子交流の約束が守られないときの対処法と法的手段
離婚後や別居後、子どもと離れて暮らす親にとって、親子交流(面会交流)は子どもとのつながりを維持する制度です。しかし、「約束の日になっても会わせてもらえない」「直前になって中止される」など、親子交流が予定どおりにいかないケースもあります。親子交流が長期間行われないと、親子関係が希薄になり、交流の再開が難しくなることがあります。今回は、親子交流の約束が守られない場合の対処法や利用できる法的手段について解説します。

 

親子交流は子どもの利益のための制度
家庭裁判所では、親子交流は子どもの健全な成長にとって重要なものであり、「子どもの利益」を実現するための制度と考えられています。
そのため、親同士の対立があったとしても、それを理由に親子交流を拒否することは望ましくありません。

 

親子交流の約束が守られないケース
親子交流が実施されない理由として、
• 体調不良を理由に面会を中止される
• 連絡をしても返信がない
• 「子どもが会いたくないと言っている」と言われる
といったケースがあります。
もちろん、本当に子どもの体調不良や学校行事などの事情があれば日程変更は必要ですが、合理的な理由がないまま親子交流が行われない状態が続く場合には、対応を検討する必要があります。

 

まずは冷静に話し合い、記録を残す
親子交流が実施されなかった場合、まずはメールやLINEなど記録が残る方法で理由を聞き、代替日程を提案することが大切です。なお、面会予定日や中止の理由は、記録しておきましょう。これらの記録は、後に調停などの手続を利用する際の資料になることがあります。

 

「子どもが会いたくない」と言われた場合
親子交流が実施されない理由として、「子どもが会いたくないと言っている」と言われることがあります。
もっとも、その一言だけで簡単に判断せず、子どもの年齢や成熟度、親子関係の状況などを踏まえて検討する必要があります。
特に長期間の交流が途絶えている場合、子どもが緊張や不安を抱いていることもあるため、短時間の交流やオンライン交流から再開することも検討されます。

 

話し合いで解決できない場合は調停を利用する
当事者同士で解決できない場合には、家庭裁判所に親子交流調停を申し立てることができます。
調停では、調停委員を介して双方の意見を整理しながら、
• 親子交流の頻度
• 実施時間
• 受け渡し方法
• オンライン交流の利用
などについて話し合います。
親同士では冷静な話し合いが難しい場合でも、第三者が間に入ることで解決につながることもあります。調停不成立の場合は、家庭裁判所が審判によって決定します。

 

調停や審判の内容が守られない場合
調停や審判で親子交流の内容が決まった後も、相手が約束を守らないことがあります。
その場合、家庭裁判所に履行勧告を申し立てる方法があります。
履行勧告とは、裁判所が相手方に対し、書面などで取り決めを守るよう促す手続です。強制力はありませんが、裁判所からの働きかけによって改善するケースもあります。
また、取り決めの内容が十分に具体的な場合には、間接強制が認められることがあります。
間接強制とは、親子交流を実施しなかった場合に一定額の金銭を支払わせることで、約束の履行を促す制度です。

 

親子交流のトラブルは早めに弁護士へ相談を
親子交流の問題は、時間が経つほど解決が難しくなります。長い間交流が途絶えると、親子関係そのものが希薄になってしまうおそれもあります。
また、親同士の対立が激しい場合には、当事者だけで解決することは難しいでしょう。
弁護士であれば、現在の取り決め内容や経緯をお聞きしたうえで、調停や審判、履行勧告、間接強制などを見据えて適切な対応を検討することができます。
親子交流の基本的なルールや実務上の考え方について詳しく知りたい方は、「弁護士による面会交流(親子交流)についての詳しい解説」もぜひご覧ください。

親子交流の約束が守られない場合には、状況に応じて調停や履行勧告などの法的手段を利用できることがあります。一人で悩まず、早めに弁護士へご相談ください。

 

この記事を担当した弁護士

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